ありふれていない世界最強メイド【本編完結済み】   作:ぬくぬく布団

16 / 102
布団「さぁ、クリスマスプレゼントだ」
深月「作者さんは如何様に過ごされるご予定ですか?」
布団「通院だぁ・・・」
深月「それはまたお気の毒ですね」
布団「湿ったい話しは止めだああああ!リア充爆発してしまえ!」
深月「そこは・・・祝福してあげましょう」
布団「エンダアアアアアアアア!」
深月「では、読者様。お体に気を付けて、ごゆるりとどうぞ」


メイドたる者、主のピンチを救うのです

~ハジメside~

 

「だぁー、ちくしょぉおおー!」

 

「しつこい!ウザい!どんな物量作戦よ!!」

 

「・・・ハジメ、皐月、ファイト・・・」

 

「「ユエは気楽すぎ!」」

 

俺達は草むらを掻き分けながら必死に逃げている。何故かって?

 

「「「「「「「「「「「「シャァアア!!」」」」」」」」」」」」

 

数え切れない程の魔物達に追いかけられているからだよ。クソッタレ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは数時間前に遡る――――――

ハジメ達が攻略を再開し、序盤はユエの魔法による殲滅で楽々と攻略できたのだ。しかし、この階層は一味違っていたのだ。ティラノサウルスに似た爬虫類が、頭に花を生やした状態で襲いかかって来た。最初はユエの魔法、"緋槍"により体を溶かして絶命させた

次々と襲い掛かる魔物達の共通点、頭に花を生やしているという事だった。いち早くそれに気付いた皐月は、ドンナーで花だけを撃ち抜いて散らす。一瞬だけ痙攣をした魔物はハジメ達を襲わず、憎らしげに散った花をこれでもかという程踏みつけていたのだ。そして、容赦なくドンナーを撃って頭部を粉砕し終えたハジメ達は仮説を立てた

 

「もしかしなくても、こいつらって操られていたのか?」

 

「だとしたら脅威ね。私達が大量破壊兵器を持っていないこの現状だと数の暴力が天敵ね」

 

「ユエの魔法も限度が有るからな」

 

「私は大丈夫」

 

「そうじゃねえよ。もしも、この規模の軍団を何度も差し向けられたら直ぐにガス欠になるだろうが」

 

「これは逃げ一択ね」

 

「そういや深月は大丈夫か?」

 

ハジメが周囲を見たが深月は居らず、どうやらはぐれてしまった?

 

「は!?深月の奴が居ねえぞ!」

 

「うぇっ!?もしかしてはぐれた!?」

 

「深月ピンチ?」

 

ユエの一言に皆が考え――――――

 

「「「深月がピンチになるとか想像つかない・・・」」」

 

どうにかして合流するだろうと判断し、先を急ぐ事にした

そして時は戻り、沢山の魔物達から追いかけ回されるハジメ達である

 

「何処までも何処までも追いかけてきやがる!」

 

「一体何時まで逃げれば良いのよ!」

 

「頑張れ頑張れ」

 

「「そんな事言われんでも分かるわ!」」

 

どんどん増える恐竜擬き達から必死に逃げ回る三人。そして狭まり始める通路の先は壁

 

「クソッ!先が行き止まりじゃねえか!!」

 

「ユエをこっちに投げて。ハジメが先行して穴を開けて!」

 

「了解!」

 

返事と同時に上へとユエを放り上げるハジメ。一瞬だけギョッと目を見開いたユエを皐月は背負う形でキャッチ。そのままスピードを落とさずに駆け抜けて行く

 

「皐月そのまま駆け抜けろ!」

 

先行して壁に穴を開けたハジメはドンナーで追いかけてくる魔物を狙撃する。そして皐月達が穴を通り抜けたのと同時に錬成で穴を塞ぎ壁を作る。壁は分厚く錬成したので壊れる事が無いか確認し、ドッと疲れが押し寄せため息を吐く

 

「ハァ、ハァ。これで一安心だな」

 

「そうね・・・」

 

「ハジメ。皐月。お疲れ様」

 

「「自分で走れよ!」」

 

「・・・無慈悲」

 

ユエは、シュンと落ち込むがそんな事知ったことじゃない二人。全力疾走で逃走していたので仕方が無いだろう。一息入れつつハジメはこの先をどうするかを考える

 

本当にどうしたもんか。皐月の言う通り物量作戦こそ俺達の天敵だからなぁ・・・こりゃあ本格的に範囲制圧武器を作らないとヤバイかもな。そして俺の仮説が正しいとすれば何処かに植物系の魔物が居る筈だ

 

「やっぱり大元を叩かないと駄目かしらね」

 

「だな」

 

「探す?」

 

「下層へと続く階段が有ればそっちを優先する。だが、道中に原因があればそれを叩き潰す!」

 

「じゃあ、原点に振り返ってのローラー作戦という事ね。深月が居れば楽なのに・・・」

 

「それを言うなよ皐月。・・・余計に滅入る」

 

三人は魔物に見つからない様に岩陰に隠れてやり過ごしながら攻略する。そして徐々に広がる通路は、一段と広い場所へと繋がっていた。察した三人は警戒を上げてゆっくりとその場へと進んで行く

 

「こりゃあ階段前に陣取っていると判断しても良いな」

 

「環境変化にも注意しないといけないわね。・・・不可思議な現象一つにも細心の注意をしないとね」

 

「分かった」

 

「だな。・・・出るぞ」

 

広がった場所へ出た三人に待っていた洗礼。全方位から緑色のピンポン玉?の様な代物が無数に降り注ぐ。ハジメと皐月とユエは背中合わせになり、飛来する緑の球を迎撃する

ハジメと皐月は前方の玉を錬成で作った壁で防ぎ、頭上から落ちてくる物は衝撃波にて弾き飛ばす。そして、玉は脆く、壁にぶつかっただけでも割れる程度だった。ユエの方も問題なく、速度と手数に優れる風系の魔法で迎撃している

 

「ユエ、恐らく本体の攻撃だ。何処に居るか分かるか?」

 

「・・・」

 

「ユエどうし―――――――散開ッ!」

 

皐月は、いち早く反応してユエから飛び退く。ハジメも一瞬だけ戸惑ったが、ユエが自身に手を向けようとしており瞬時に理解して飛び退く。それと同時にハジメの立っていた場所が抉れる

 

「ハジメ・・・皐月・・・逃げて!」

 

二人に容赦無く襲い掛かる風の刃。そしてユエの頭には真っ赤な薔薇が咲いていた

 

「クソッ、さっきの緑玉か!?」

 

「原因は玉その物じゃなくて中に入っていた何かって事ね」

 

「・・・うぅ」

 

「どうしてあの恐竜擬きがあの花を踏んでいたのか理解したわ」

 

「本人の意識を残したまま操り人形とか碌な奴じゃねえな!」

 

二人で花を散らそうとドンナーで狙いを定めても激しく動く事で狙いが定まらず、下手をすれば頭部を撃ち抜きかねないのだ。近づこうとすれば、ユエは自身の手を頭に向ける。二人が近付こうとすれば容赦なく人質を殺すというメッセージだ

 

「・・・やってくれるじゃねぇか!」

 

「人質を取られるのがどれ程厄介なのかが理解出来るわね!」

 

攻めあぐねる二人を察したのか、奥の縦割れの暗がりから現れる者。アルラウネやドリアード等という人間の女と植物が融合したような魔物は、ハジメ達の前に現れた正しくそれだった

見た目は人間の女性なのだが、内面の醜さが溢れているかのように醜悪な顔をしていた。無数のツルが触手のようにウネウネと動き実に気味が悪く、ニタニタと笑っている

エセアルラウネに銃口を向けようとすると、ユエを盾に射線を妨害する

 

「・・・ごめんなさい」

 

「ちぃっ!」

 

「嬲り殺しにしようって魂胆って事かしら!」

 

苛立ちを募らせる二人を見て、更にニタニタを三日月の様な笑みを浮かべるエセアルラウネ。ひっくり返す事の出来無い現状だが、何事も例外は存在する

 

「それでは、プスッといきますよ?」

 

「「「えっ?」」」

 

ユエの頭の薔薇が落ちると同時にエセアルラウネも倒れ伏した。その背後に居た人物は皆が知るメイド―――――深月であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~深月side~

 

いや・・・あのー、本当に申し訳御座いません。またしてもお嬢様とはぐれてしまいましたメイドです・・・

実はあの恐竜擬き達を倒していたら置いて行かれてしまったのです。・・・ちゃんと一匹残らず倒したのですよ?最初は群れが来ようともしっかりと倒されていたので全部討伐するのかと思っていたのです。お嬢様達は敵対する魔物達は殲滅していたので今回もそうだと思ったのですが、先入観とはいけませんね。殲滅し終えた後に後ろを振り返ると誰も居なかったのです

私は直ぐにお嬢様達の足跡を追って、全速力で追いかけたのです!勿論、当然の選択ですよ!追いかけている途中に出会う恐竜擬き達は全部首ちょんぱです♪追いかけて行く先にはハジメさんとお嬢様の声が聞こえましたので安堵したのですが、それがフラグでした。錬成でハジメさんが穴を開けて塞いでしまったのです。泣いて良いですか?ちょっと腹が立ちましたので八つ当たりとして袋のネズミでは無く恐竜擬き達を殺してしまった私は悪くないです―――――――多分

 

実はハジメ達を追っていた恐竜擬き達は花が生えておらず、生物の本能で深月から逃亡していたのだ。きっと恐竜擬き達は、この様な感じで逃げていたのだろう

擬き1「すんごく強い奴が近づいているぅ!?」

擬き2「逃げろおおおおお!」

擬き3「前方に何か居る!」

1・2「「無視して走れ!」」

――――――と。そして、ハジメによって穴は作られて歓喜した恐竜擬き達。直ぐに閉じられてしまった為に絶望。そして蹂躙されてしまったという事だ

 

話しを戻しましょう。私は八つ当たりを終えた後、違う道からお嬢様達を追いかけて走りました。途中で遭遇した蜘蛛さんは申し訳御座いませんでした。通り過ぎで足を一本拝借したのです。切断したのかですか?面倒だったので足を掴んでもいじゃいました♪

走りながら足の肉を一口・・・・・あまりにも不味かったので捨ててしまいましたよ。技能は恐らく糸か何かだろうと思い、指先から『糸よ出ろ』と念じたら出ました。これは良いですね!とても便利です♪

進む道の先から感じる気配は、お嬢様達の物でした。しかし何やら機嫌が宜しくない感じでしたので気配を溶け込ませて音を立てずに伺うと、薔薇の花を生やしたユエさんが居るではありませんか。側に居る魔物で理解出来ましたので、そのまま気配を溶け込ませた状態でスススッと近付いてプスッと針を一刺し。そして、すかさず夫婦剣の片方でユエさんに生えている薔薇の根っこ部分を一閃して完了です。針は特注ですよ?シュタル鉱石製の針は頑丈ですね♪後は直感に従い首筋をプスリとして麻痺させました。魔物だろうとも、人型ですから何となく分かるのですよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何処を弄れば何処が壊れるという事が

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして話は合流に戻りまして、私は何があったのか説明をし終えたのです

 

「・・・て事はあれか?俺達が追われていたと思っていた恐竜擬き達は深月から逃げてたって事か?」

 

「ハジメさんが穴を閉じてからは必死に私から逃げようともがいていたので・・・恐らくですが」

 

「そして道中の魔物を切って捨てて、合流を優先にして―――――――これと」

 

「直感に従ってプスッと致しました♪」

 

「私を操ってハジメと皐月を攻撃させた恨みはこの程度じゃない・・・」

 

ユエは現在進行形で、エセアルラウネの四肢を風の刃で切り落として徐々に焼き殺している

 

((ユエの恨みが尋常じゃない))

 

「駄目ですよユエさん。そのエセアルラウネは面倒な能力を持っているのでサクッと殺らないといけません!また操られたりしたらどうするのですか!」

 

「・・・ごめんなさい」

 

「トドメは私が行います。耐性が無いユエさんは危険ですので―――――――――お嬢様とハジメさんが心を痛められたのにも関わらず、楽に死ねる幸せを噛みしめなさい

 

頭と心臓部に剣を突き刺し、首を切断した後に体を両断する深月。その様子を見ていた三人は

 

(((深月を怒らせちゃ駄目!絶対!!)))

 

この四人の中で一番腹を立てていたのは深月なのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~皐月side~

 

エセアルラウネの事件からどれだけ日が進んだのかな。こんな迷宮に籠っていたら経過日数なんて分からないわ。深月に聞いても分からないって言ってたし・・・閉鎖空間ってヤバイわね、本当に洒落にならないわ

あの教訓から私達は、深月とはぐれない様に下層へと降りて行ったわ。だってね?ローラー探索よりも遙かに楽なの!分かってくれるわよね?というより分かりなさい。――――――ゴホン。話しを戻して、遂に辿り付いた100層。どうして分かるのかですって?深月が教えてくれたのよ。表と裏では、魔物の強さが違いすぎるって言っていたからよ。正直言って終わりが見えてきたと感じたわ。だって、この先から強者の圧と言ったら良いのかしら?それがヒシヒシと伝わって来るのよ。という事で、私達は補給作業中なのよ

 

「三人共・・・いつもより慎重」

 

「うん?ああ、次で百層だからな。もしかしたら何かあるかもしれないと思ってな。一般に認識されている上の迷宮も百層だと言われていたから・・・まぁ念のためだ」

 

「違うわよハジメ。この先からは、ヒシヒシと威圧が感じられるからボス的な何かが居るのは間違い無いわ」

 

「お嬢様の言う通りです。今まで出会った魔物達よりも強大な力が感じられます」

 

「マジか」

 

「「マジよ(です)」」

 

ハジメは、いつも以上に張り詰めている深月を見て理解した。予想よりも強大な敵を予想し、倍近い弾薬を生成する事にした。因みに三人のステータスはこうなっている

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

南雲ハジメ 17歳 男 レベル:80

天職:錬成師

筋力:2000

体力:2450

耐性:1800

敏捷:2750

魔力:1900

魔耐:1900

技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合][+複製錬成] 魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮][+遠隔操作] 胃酸強化 纏雷 天歩[+空力][+縮地][+豪脚] 幻歩[+認識移動] 風爪 衝撃波[+収束][+拡散][+並列] 夜目 遠見 気配感知 魔力感知 熱源感知 気配遮断 毒耐性 麻痺耐性 石化耐性 金剛 威圧 念話 言語理解

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

高坂皐月 17歳 女 レベル:80

天職:錬成師

筋力:1950

体力:2350

耐性:1800

敏捷:2750

魔力:2100

魔耐:2100

技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合][+複製錬成] 魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮][+遠隔操作] 胃酸強化 纏雷 天歩[+空力][+縮地][+豪脚] 幻歩[+認識移動] 風爪 衝撃波[+収束][+拡散][+並列] 夜目 遠見 直感 気配感知 魔力感知 熱源感知 気配遮断 毒耐性 麻痺耐性 石化耐性 金剛 威圧 念話 言語理解

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

神楽深月 17歳 女 レベル:85

天職:メイド

筋力:5500

体力:6000

耐性:4300

敏捷:6500

魔力:5000

魔耐:5400

技能:生活魔法[+完全清潔][+清潔操作][+清潔鑑定] 熱量操作 気配遮断 高速思考 精神統一 身体強化 縮地[+無音加速] 硬化 気力制御 魔力制御 気配感知[+特定感知] 魔力感知[+特定感知] 熱源感知[+特定感知] 家事[+熟成短縮][+魔力濾過][+魔力濾過吸引] 節約 交渉 戦術顧問[+メイド] 纏雷 天歩[+空力][+豪脚] 幻歩[+幻影][+認識移動] 風爪 夜目 遠見 魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮] 魔力糸[+伸縮自在][+硬度変更][+粘度変更] 胃酸強化 直感 状態異常完全無効 金剛 威圧 念話 衝撃波[+収束][+拡散][+並列] 心眼[+見極め][+観察眼] 極致[+剣裁][+拳闘][+体術] 限界突破 忠誠補正 言語理解

称号:メイドの極致に至る者

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

深月の派生技能に関しては触れないでおこう

ステータスの上昇は目に見えて分かる通りである。しかしながら、新しい技能に関しては殆ど増えなくなっていたのだ。恐らく、レベルが上昇するにつれて技能が身につきにくくなっている仮説を立てた

十分な補給と休息を終えた一同は、下層へと続く階段を降りて行く。最初に目に映った広い空間は、無数の強大な柱に支えられた場所だった。柱の一本一本が直径五メートルはあり、一つ一つに螺旋模様と木の蔓が巻きついたような彫刻が彫られている。柱の並びは規則正しく一定間隔で並んでいる。天井までは三十メートルはありそうだ。地面も荒れたところはなく平らで綺麗なものである。制作者の美意識がこれでもかと盛り込まれている様な代物だった

見惚れていたが、ハッと我に返り周囲を警戒するハジメ達三人。深月はヒシヒシと感じる言い知れぬ圧に冷や汗を流していた。奧へ進むと、全長十メートルはある巨大な両開きの扉があった

 

「・・・これはまた凄いな。もしかして・・・」

 

「反逆者の住処だったのかしら?」

 

いかにもラスボスの部屋といった感じだ。実際、感知系技能には反応がなくともハジメの本能が警鐘を鳴らしていた。この先はマズイと

 

「ハッ、だったら最高じゃねぇか。ようやくゴールにたどり着いたってことだろ?」

 

「・・・んっ!」

 

「それじゃあ行くわよ!」

 

三人は一歩踏みだした所で変化が起きた。扉とハジメ達の間三十メートル程の空間に巨大な魔法陣が現れた。赤黒い光を放ち、脈打つようにドクンドクンと音を響かせる。ハジメ達は忘れもしない魔方陣、転移のそれと同じだった。だが、その大きさは歴然で、眼前の魔法陣は三十メートル程の大きさがある上に構築された式もより複雑で精密なものとなっている

 

「おいおい、なんだこの大きさは?マジでラスボスかよ。皐月と深月の勘は当たってたか」

 

「・・・大丈夫・・・私達なら負けない」

 

「それじゃあ開幕ブッパしましょうか」

 

皐月に慈悲は無い。対物ライフルのシュラーゲンを上部へと構え、ハジメとユエもそれに続き構える。魔方陣がより一層輝き、光が収まると――――――体長三十メートル、六つの頭と長い首、鋭い牙と赤黒い眼の化け物。例えるなら、神話の怪物ヒュドラが其処にいた

 

「「「「「「クルゥァァアアン!!」」」」」」

 

叫びを上げたヒュドラに一瞬動きが止まったハジメとユエ。その隙を見逃さず、赤い紋様が刻まれた頭がガパッと口を開き――――――

 

「はいはい、邪魔だから取り敢えず一つは死んでね」

 

ドガンッ!!

 

口を開き、何かをしようとした頭は粉砕されていた

 

「ッ―――助かったぜ皐月!」

 

「皐月ありがとう」

 

「どういたしまして」

 

取り敢えず一つ!と内心ガッツポーズをした三人だった。しかし、白い文様の入った頭が「クルゥアン!」と叫ぶと同時に、赤い紋様の入った頭は逆再生されたかの様に巻き戻り開いた口から火炎放射を放ってきたので散開する事で回避する

 

「回復持ちかよ!」

 

「はぁ!?ちょっと嘘でしょ!」

 

「・・・回復ずるい」

 

三人は柱を背にしながら念話で突破口を探る

 

(何よりも最初に白い奴から倒さない事にはどうする事も出来ねぇな)

 

(回復持ちが居るなら、盾役も居る筈よ!まずは盾役を見つけないと!)

 

(今度は俺が白に攻撃する)

 

(了解!ユエは普通の魔法で牽制、もしくは違う頭を潰して!)

 

(んっ!)

 

(深月は斬撃を飛ばしながら援護を――――――)

 

深月なら敵の攻撃を回避しながら傷を付けれるだろうと判断していたハジメ達だったが、一向に深月からの返事が返ってこない事に疑問に思い後ろのを見ると

 

(((嘘やん・・・)))

 

一人の人影と戦っており、深月が防戦一方状態だったのだ

 

(深月の返事が返ってこないって事は余裕が無いって事よ。このヒュドラ擬きは私達で倒す他無いわ!)

 

(だな。俺達が早く終わらせて深月の援護に入るぞ!)

 

正体不明と戦う深月の援護をする為に三人でヒュドラ擬きと戦う事となった

 

 

 

 

 

 




布団「最後の敵はヒュドラ擬きだけだと思った?残念!メイドさんに瞬殺される未来しか見えないのです!現在、メイドさんは手一杯なので後書きには出てこないのは仕方が無いよね!」
深月「と思っていましたか?」
布団「ナニィ!?」
深月「この後書きは時間が止まっているので誰でも参加出来るのですよ」
布団「もう滅茶苦茶だぁ!」
深月「もうすぐお正月です。作者さんなりのお年玉を期待しても宜しいですか?」
布団「またしてもか!そんなにお嬢様とイチャイチャを書いて欲しいのか!」
深月「頑張っている私のご褒美を―――――と」
布団「アンケートでもすれば良いと思うよ・・・」
深月「では早速実行に移しましょう!」
布団「内容はこちらで決めさせて頂きます」
深月「では、その様に――――――感想、評価。どうぞ宜しくお願い致します。投票もお願いしますね!」
布団「最後の堤防は読者だけなんだ・・・頼むぞぉおお!」

お待ちかね!清水君の行く末は!?

  • 撃たれて終わり(原作通り)
  • お説教されて、先生達と行動
  • お嬢様の忠実なる執事に
  • 男の娘となり、テイマーメイドになる

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。