ありふれていない世界最強メイド【本編完結済み】   作:ぬくぬく布団

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布団「投稿だよー」
深月「今回も大分空きましたが・・・何かされていましたか?」
布団「リアルではお正月用のお飾りとお餅様を作っていました。そして素材の採取です」
深月「お餅ですか・・・食べ過ぎると太ってしまいますね」
布団「あんこ餅、すや餅!」
深月「お鍋に入れて食べるのも有りですね♪」
布団「ま、未だ・・・冷凍庫にすや餅ががががが」
深月「頑張って消費しましょう!」
布団「さて、前書きも此処までにして始めましょう!そして誤字報告はとても有り難いです!」
深月「それでは読者の皆様、ごゆるりとどうぞ」




メイドは死闘を繰り広げます

~深月side~

 

転移魔方陣が前方に出現し、巨大な蛇が姿を現した事で戦闘を開始したお嬢様達。それに続いて私も参加しようとしたのですが、背後から重圧を感じ取り振り向くとドス黒いモヤに覆い尽くされた者がこちらを見ていたのです。その瞬間、私は駆け出し胸元へ一閃―――――――それは苦も無く防がれてしまいました。それと同時に体全体に鳴り響く警報に反応して地面にしゃがむと、頭上ぎりぎりを大剣が通り過ぎて髪の毛を少しばかり切られてしまいました

体勢が整っていない私の顎へつま先が襲い掛かって来ますが、バク転にて受け流して、その勢いで相手を蹴り上げましたが防がれてしまいました。この数手の手合いだけで理解しましたよ・・・この方は、私が今まで出会って来たどれよりも強者であると

 

深月は自身の技能をフル活用して相手に肉薄、剣術と体術を織り交ぜて相手の考えを纏まらせない連撃を繰り出す事で均衡を保つ。しかし、ステータスは相手が勝っているのだろう。大剣の攻撃を受け止めようとした深月は、直感に従い受け流す。それだけで深月の足下が少し陥没してしまったのだ

 

(受け流しただけでこれですか!?同程度の体格だというのにこれ程・・・ステータスは私よりも上を想定して動かなければいけませんね)

 

黒いモヤに覆われた人は、徐々に深月の動きの最適解を導きだし順応し始めた

 

(ッ!動きに隙が無くなり始めましたか・・・予想していたとは言え早すぎます。ですが未だです。もう少しの間だけでもこの均衡を保たねば!)

 

しかし、この均衡は呆気なく崩れてしまった。破壊力の凄まじい大剣の攻撃を幾度となく受け流していた夫婦剣は、持ち手の根元部分が砕けてしまったのだ。前方へと体重を乗せていた為に、少しだけ前屈みになる深月。この大きな隙を見逃す敵でも無く、がら空きの腹部へ強烈な蹴りを叩きつけられて柱の所まで吹き飛ばされてしまう

 

「ガハッ!」

 

衝撃を吸収する事も出来ず、打ち付けられた体に鞭を入れながら黒刀を抜き追撃の大剣の攻撃をギリギリの所で受け流す。横薙ぎの一閃を入れて壁際から脱出する深月。しかし、一度体勢が崩れて防御に回ってしまったが最後。相手は大剣を暴風の如く振り回しており、受け流して防ぐしか出来無い現状は最悪の一言に尽きる

 

(馬力が違いすぎます!単純な力にこれ程までの早さで振り回されると技術もへったくれもありません!唯一の救いは私しか狙っていないという点です。もしもお嬢様達の方へ向かってしまえば最後です)

 

内心で舌打ちをしつつ、一撃一撃を受け流す深月は少しずつ冷静さを取り戻し始める

 

(大丈夫、黒刀にヒビも入っていません。次の横薙ぎを切り上げ、返す刀で切りつけて仕切り直しです)

 

叩きつける様な攻撃を左へと受け流すと、回転しながら右側から大剣が襲い来る。全て深月の予測通りのシナリオだ

 

(これを切り上げて仕切り直しにしましょうか!)

 

剣先を大剣の下に滑り込ませ、流そうとした――――――――その瞬間に大剣が一瞬だけ輝き姿をかき消したのだ

 

「しまっ!?」

 

腕は振るわれ続け、剣先の下側に来た所で再び武器が現れる

大剣が現れると踏んでいた深月は黒刀を手放し、襲い来るであろう刃を飛び越えようとしていたが、現れた武器は円錐の槍だった。裏をかかれた深月の懐に横薙ぎの槍が直撃、柱を通り越して壁へと吹き飛ばされ完全に体勢が崩れてしまい起き上がる事すら出来無い。そして深月の心臓部へと槍を突き出して突撃する敵

 

「「「避けろ(て)深月!!」」」

 

丁度、ヒュドラを倒し終えたハジメ達の声が聞こえるとほぼ同時だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~皐月side~

 

「食らえや白頭!」

 

「緋槍!」

 

白い紋様の頭を狙い撃つハジメとユエ。しかし、黄色い紋様の頭がサッと射線に入りその頭を一瞬で肥大化させ、淡く黄色に輝きハジメのレールガンもユエの緋槍も受け止めてしまった。だが、予想の範囲内だった

 

「黄色が盾役だ皐月!」

 

「取り敢えず怯みなさい!」

 

焼夷手榴弾を黄色の頭に投げ付ける。瞬間ダメージでは無く、持続的なダメージなら効果が有ると予測していた皐月の予想は正しく、所々が焼け焦げていた

 

「クルゥアン!」

 

すかさず白頭が黄頭を回復させるが。焼夷手榴弾の粘つきのあるタールの一部が白頭に付着し、苦痛に悲鳴を上げながら悶える。このチャンスを活かそうとハジメは念話で皐月とユエに合図を送ろうとした瞬間、ユエの絶叫が響き渡った

 

「いやぁああああ!!!」

 

「!?ユエ!」

 

「私がユエに行くわ!ヘイト取って!」

 

「ユエを頼んだ!」

 

縮地にてユエに近づこうとする皐月を狙おうとする赤頭と緑頭はハジメの援護射撃で撃ち落とされる。未だ絶叫を上げるユエに、歯噛みしながら一体何がと考える皐月は未だに攻撃で動いていない黒い文様の頭の事を思い出す

 

(そういう事ね・・・ハジメ!ユエは黒頭から何かしらのバッドステータスを付与されているわ!)

 

(任せろ!)

 

皐月はユエを抱えて柱の陰へと連れて行き、ハジメは黒頭を撃ち落とす。ハジメが黒頭を撃ち落としたと同時にユエの虚ろだった瞳に光が宿り始めた

 

「ユエ!しっかりしなさいユエ!」

 

「・・・皐月?」

 

「大丈夫?何をされたか理解出来る?」

 

「・・・よかった・・・見捨てられたと・・・また暗闇に一人で」

 

「はいはい。私達はユエを見捨てないから安心してね?」

 

ユエ曰く――――突然、強烈な不安感に襲われ気がつけばハジメ達に見捨てられて再び封印される光景が広がっていたという。そして、何も考えられなくなり恐怖に縛られて動けなくなったと

 

(皐月まだか!?そろそろキツいぞ!)

 

(ユエはもう大丈夫よ。ハジメが黒頭を撃ち落としたと同時に元に戻ったわ。恐らくだけど、恐慌状態に陥らせる最低の黒頭よ)

 

(ホントにバランス良すぎだろ。くそったれ!)

 

敵の厄介さに悪態を付くハジメと皐月。ユエはユエで不安な瞳を皐月に向けている

 

「行くわよユエ。ハジメを助けないと」

 

「・・・私」

 

皐月の裾を離すまいとギュッと掴んでいる。皐月は「ハァ」とため息を吐き、ユエの視線まで低くなってムニュっと頬をつまむ

 

「いい?ユエはもう私達の家族同然よ。そんな大切な存在を私達が蔑ろにするとでも本当に思っているの?約束したでしょ?私達の故郷に一緒に帰るって」

 

「んっ!」

 

「よしよし!それじゃあ一緒にハジメの援護をするわ。シュラーゲンを使うから援護は任せるわよ」

 

二人は一気に柱の陰を飛び出し、ハジメの援護に出る

 

「緋槍!砲皇!凍雨!」

 

矢継ぎ早に放たれる魔法が一斉にヒュドラを襲う。隙を狙われ死に体となった赤頭、青頭、緑頭の前に黄頭が出ようとするが、白頭の方をハジメが狙っていると黒頭が気付き恐慌魔法を放つ。ハジメの胸中に不安が湧き上がり、奈落に来たばかりの頃の苦痛と飢餓感が蘇ってくるが

 

「それがどうした!」

 

ハジメは皐月と耐えきり、一緒に乗り越えた過去。今更あの日々を味わった所で皐月が側に居る時点でどうという事は無く、黒頭をドンナーで撃ち落とす。次なる獲物はお前だと言わんばかりに白頭へと狙いを付けると黄色頭が射線に飛び込む

 

「おいおい。いつから白頭を狙っているのが俺だけだと思った?――――――――皐月今だ!」

 

「忘れてもらっちゃ困るわよ!」

 

声のした方を見るがもう遅い

 

狙い撃つ!

 

ドガンッ!!

 

発射の光景は正しく極太のレーザー兵器。ぎりぎり射線上に入った黄色頭は硬化でも使っていただろうが、シュラーゲンの前では無意味。易々と貫通して奧の白頭諸共吹き飛ばした。後に残ったのは、頭部が綺麗さっぱり消滅しドロッと融解したように白熱化する断面が見える二つの頭だった

 

「天灼!」

 

三つの頭の周囲に六つの放電する雷球が取り囲む様に空中を漂う。次の瞬間、それぞれの球体が結びつくように放電を互いに伸ばして繋がり、その中央に巨大な雷球を作り出した

 

ズガガガガガガガガガッ!!

 

十秒以上続いた最上級魔法に為すすべもなく、三つの頭は断末魔の悲鳴を上げながら遂に消し炭となった。ハジメとユエは皐月に向けてサムズアップした。二人はヒュドラの僅かに残った胴体部分の残骸に背を向けユエの下へ行こうと歩みだそうとしたが、皐月はシュラーゲンの次弾を装填音と声に身構えた

 

「ラスボスが復活するのはお約束でしょ!」

 

「「ッ!」」

 

音もなく七つ目の頭が胴体部分からせり上がり、ハジメとユエを睥睨していた。思わず硬直する二人に向けて予備動作無しの極光が襲い掛かる

 

「やらせないわよ!」

 

先程と同じ様な極太レーザーが放たれる筈が、それは引き絞られた様に細いレーザーだった。しかし、ヒュドラの放った極光にひけを取らない位の威力だったが徐々に押され始めていた。ハジメはユエを抱きかかえ皐月の側へと駆け寄る。目に見て分かる程、魔力がゴリゴリと減っている皐月の様子にハジメは神水を飲み

 

ユエ、俺の血を吸え!

 

「んっ!」

 

ハジメを吸血し急速に魔力を回復させるユエ。ハジメは皐月の隣に立ち同じ様にシュラーゲンを構えて、皐月の様な細いレーザーをイメージ

 

「ユエの雷魔法を俺達のシュラーゲンに送ってくれ!」

 

「わかった!」

 

三人の協力攻撃。そして追加で放たれるハジメのレーザーは皐月のと交わる様に合わさり、ヒュドラの極光を押し返して貫通。ヒュドラの胴体に直撃したそれは熱量が凄まじく、頭と地面を融解させて全てを消し去った。二人のシュラーゲンは長時間のレーザーによって銃身が完全に融解してしまい使い物にならない状態となった

 

「やっ・・・たのか?」

 

「・・・やっとおわり?」

 

「つ・・・疲れた・・・」

 

どっと疲れが襲い立ち上がる事すら出来無い三人。だがもう一つの問題が残っている事を思い出す

 

「―――――――――未だだ!未だ深月の奴が残っている筈だ!」

 

私はハジメの一言で後ろを振り向くと、槍の横薙ぎによって壁際へと吹き飛ばされた深月だった。そして深月を追いかける様に突進する敵の動きがスローモーションの様に見えるも体は動かない

 

「「「避けろ(て)深月!!」」」

 

皆も体が動かず声だけが出るだけで、槍の切っ先が深月の胸へと突き立てられ―――――――――

 

ドォオオオオン!

 

敵が突進する衝撃波にて土煙が舞い上がり何も見えなくった

 

「み・・・づき・・・・・。うそよね?」

 

最悪の光景が頭を過ぎる。体勢が完全に崩れ、完全に無防備となったあの状態から生き残れないと理解していても分かりたくないと必死にその考えを否定する。徐々に晴れる土煙の先に見えたのは―――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後少しで深月の胸に刺さる状態で固まっている敵の姿だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~深月side~

 

お嬢様の悲痛の声が聞こえます。申し訳御座いません・・・こうする他無かったのです

 

「深月生きてるよね?生きてるよね!?」

 

「生きていますよ、お嬢様。ですが、危険ですので近づかないで下さい」

 

ギリギリと敵が震えており、全く身動きが取れない状態だった。端から見れば敵が一時停止しているのでは無いか?と思う状態なのだ

答え合わせをしよう。何故この敵が動けないのか――――――それは深月の技能の一つ、魔力糸である。魔力によって作り出される糸は派生技能の伸縮自在、硬度変更、粘度変更という三つが存在し、これで受け止めたからである。普通に受け止めるだけでは不可能なのは皆まで言わなくとも分かる通りだ

 

私からも説明致しましょう。先ずは硬度変更と粘度変更にて戦いながら地面へと接着、上から踏んでも引っ付かない様に這わせて待機させておきます。そしてトドメの柱を通り越しての壁際へ飛ばされこの行為は柱へ幾重もの魔力糸を張り巡らせて地面へ垂らしておく為です。そして突進して柱の間を通る手前で伸縮自在と硬度変更と粘度変更を使用して、限界まで縮めて、硬くして、粘着力を高めた代物ですよ。蓑虫の糸に近い頑強さを持つ糸ですよ?しかも魔力糸なので透明なので目に見えない太さを作り出せるのです!

魔力感知で分かるのでは無いかと言いたい其処の皆様に説明しましょう。ヒュドラ擬きやお嬢様達のバカスカ撃たれる魔力の前に微々たるそれが感知できると思いますか?微々たる物よりも、大きい物に反応するのが常ですよ。要するに、お嬢様達の攻撃を隠れ蓑とさせて頂きました。私自身も体術に乗せて衝撃波も使用していたのでカモフラージュは完璧です。魔力の残滓は残りますので♪

 

「何時までも絡めておくの訳にもいきません。・・・もう終わらせましょう」

 

相手の首に掛かっている糸を極細のノコギリ状にして締め上げる深月。細かな刃が肉を切り裂いて首を切断した後、拘束を保ったまま地面へと落ちていた黒刀を拾い上げて心臓部へ一突きする事で絶命させた。張り詰めていた状況も無くなり、今まで我慢していた痛み等の本流が一気に押し寄せて吐き出される

 

「ゲホッ、ゴホゴホッ!」

 

口から吐血した深月は、奥歯に仕込んだ神水の容器を噛み砕き飲み込む事で傷を全回復させた。と同時に泣きながら胸へ飛び込んでくる皐月を危なげなく受け止める

 

「うわあああああああん。みち"ゅきぃいいいいいいいい!し"ん"た"か"と"お"も"った"のよ"おおおおおお!」

 

「あの敵は私が今まで出会ってきた中でも最も強敵でした。もしも、魔力糸が感知されていれば死んでいましたよ」

 

「まぁ・・・取り敢えずお疲れさん」

 

「・・・深月お疲れ」

 

皆が深月を心配していた。そして一同が思う事はたった一つ

 

「正直言うと、深月が戦っていた敵は何者だったんだ?」

 

「うん・・・・・私達が戦ったヒュドラよりも強いと感じたのだけれど」

 

「・・・もしも戦っていたら負ける」

 

深月も同意見だった。明らかにこの迷宮には不釣り合いの強さを持った敵だった。何故?どうして?この疑問ばかりが尽きない

 

「・・・一つだけ心辺りがあります」

 

「「「あるの!?」」」

 

「ですがこれはあくまでも予想です」

 

「予想でも聞くしかねえだろ」

 

「深月の予想って当たっていそうなんだよねぇ」

 

「・・・休憩を兼ねての説明」

 

床にへたり込む四人。流石の深月も限界突破を使用したまま戦っていたので限界だったのだ

 

「私の予想では、この世界の神。エヒトとは人類――――――いえ、この世界に住まう全ての者達の敵ではないかという事です。王国に居たイシュタル達教会関係者の狂信者達はご理解されていると思うので省かせて頂きます。迷宮を作り出した者達は反逆者として扱われていますが、此処で一番の疑問点

何故彼等は反逆をしたのかという事です。普通に生活していたのならば有り得ない行動となります。ですが、もしも彼等がエヒトがとんでもない行為をしていたと知ったとしたらどうでしょうか。例えば、この世界を壊す等如何ですか?もしも全人類がそれを知ってしまえば大混乱となって歴史に残ります。ですが、王国等の図書ではその様な資料は無く、知っていると言う点は潰えます。もしも、反逆者達の様な迷宮を作ったとされる力を持った人達だけが知っていたとすれば?

彼等が神と戦い敗北、神の手から逃れる為に迷宮を作ったとしたら?神が事実を知る彼等を"悪"だと信者に知らしめれば悪逆と捉えられてしまうのは間違い無いでしょう。私が先程相手をしていた存在・・・恐らくは神に仕える戦士の劣化コピーだと踏んでいます」

 

語られる深月の予想にハジメ達は納得する

 

「確かに・・・そう考えれば辻褄が合うな」

 

「迷宮って神に対抗する試練って事?」

 

「・・・神が敵?」

 

沈黙する一同

 

「とはいえ、これは私の予想・・・もしかしたらこの迷宮を攻略すれば答えが分かるかもしれません」

 

「そうか!真実を書き記している可能性もあるって事よね!」

 

「んじゃあ、回復したらあの扉を潜るで良いか?」

 

「・・・賛成」

 

神水を飲み、回復し終えた一同は奧へと開いた扉を潜ると広大な空間に住み心地の良さそうな住居があった

 

「なんじゃこりゃあ・・・」

 

「地上じゃ・・・無いよね?」

 

「・・・反逆者の住処」

 

「成る程・・・迷宮を作り出して雲隠れしたという事は、拠点等が有っても不思議では無いという事ですか」

 

皐月が地上と錯覚した理由とは、目に入ったのが太陽だったからだ。ここは地下迷宮であり本物ではないと分かっていても頭上には円錐状の物体が天井高く浮いており、その底面に煌々と輝く球体が浮いていたのである。僅かに温かみを感じる上、蛍光灯のような無機質さを感じない為、思わず"太陽"と称したのである

川や畑も有り、何処から水を引っ張っているのか気になる所ではあるが気にせず奥へと進んでゆくと、一つの住居が建っていた。室内はつい最近まで人が住んでいたのでは無いか?と思わせる程綺麗な物だった。リビング、台所、トイレ、果てには風呂も存在していた

 

「まんま、風呂だな。こりゃいいや。何ヶ月ぶりの風呂だか」

 

「深月、後で一緒に入りましょ。ユエも私達と一緒よ?

 

「うっ・・・わかった」

 

二階では書斎や工房らしき部屋が有ったが、書棚も工房の中の扉も封印がされているらしく開けることはできなかった為、仕方なく諦めて探索を続ける。三階の奥の部屋の奥の扉を開けると、そこには直径七、八メートルの今まで見た事もないほど精緻で繊細な魔法陣が部屋の中央の床に刻まれていた

 

「綺麗な魔方陣ですね」

 

「しかも見た事がねぇな」

 

「警戒は怠らない様にね?」

 

「んっ」

 

それよりも注目すべきなのは、豪奢な椅子に座った人影である。既に白骨化しており黒に金の刺繍が施された見事なローブを羽織っている。薄汚れた印象はなく、お化け屋敷などにあるそういうオブジェと言われれば納得してしまいそうだ。その骸は椅子にもたれかかりながら俯いている。魔法陣しかないこの部屋で骸は何を思っていたのか

 

「何かあるとしたらこの魔方陣しかないよなぁ・・・。まぁ、地上への道を調べるには、この部屋がカギなんだろうしな。俺の錬成も受け付けない書庫と工房の封印・・・調べるしかないだろう。三人は待って―――――」

 

「駄目よハジメ。深月、ハジメと一緒に入って」

 

「かしこまりました。では行きましょう、ハジメさん」

 

グイッと手を引っ張られて魔法陣の中央に足を踏み込んだ瞬間、カッと純白の光が爆ぜ部屋を真っ白に染め上げる。光が収まり、黒衣の青年が立っていた

 

「試練を乗り越えよくたどり着いた。私の名はオスカー・オルクス。この迷宮を創った者だ。反逆者と言えばわかるかな?」

 

物語は加速する―――――――

 

 

 

 

 




布団「いやぁ~。今回はメイドさんも大変でしたね」
深月「全くです!作者さんは私に無茶振りをさせすぎです!」
布団「でも勝ったでしょ?」
深月「偶々ですよ」
布団「運も実力の内と言いますので」
深月「そうですね。・・・・・それは兎も角、投票の方はどうなりましたか!私とお嬢様のイチャイチャは」
布団「うん。・・・まぁ、需要はある」
深月「ですよねですよね!さぁ書きましょう!お嬢様×私のお話しを!!」
布団「アンケートの結果。ご主人様プレイに決定しました!」
深月「やりまし―――――――」
布団「尚、主人公×メイドの絡みなのです!」
深月「t・・・今、何と仰いました?」
布団「しょうが無いなぁ。ハジメ×深月が一番の需要だよ♪」
深月「そ、そんな・・・お嬢様との絡み合いが・・・・・私の願いが・・・・・」
布団「さぁ~生まれて初めての試みだけど頑張るぞぉ!」
深月「  」マッシロ
布団「感想、評価宜しくなのです~。感想はモチベーション上げ上げにも繋がるんだよおおお!」

お待ちかね!清水君の行く末は!?

  • 撃たれて終わり(原作通り)
  • お説教されて、先生達と行動
  • お嬢様の忠実なる執事に
  • 男の娘となり、テイマーメイドになる

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