ありふれていない世界最強メイド【本編完結済み】   作:ぬくぬく布団

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布団「くっそ!遅れちゃった!!」
深月「予定では前日でしたのにね?」
布団「忙しかったんや!これでストックも無くなったんや!」
深月「そ、そんな!?」
布団「三が日を過ぎても忙しいいいいいい!」
深月「早く執筆しましょう!読者の皆様も心待ちにしている筈ですよ!」
布団「唸れ!俺のダブルフィンガー!」
深月「それでは読者の皆様、ごゆるりとどうぞ」


メイドは神の思惑に気付きました

~深月side~

 

ある程度予想はしていましたが・・・まさか映像を映し出す魔法が存在するとは少し予想外です

 

「試練を乗り越えよくたどり着いた。私の名はオスカー・オルクス。この迷宮を創った者だ。反逆者と言えばわかるかな?」

 

私の予想通りですね。お嬢様達も少しだけ驚いているご様子ですね・・・私をじっと見ないで下さい。お前は「超能力者か!」と言いたげにするのは止めて頂きたいです

 

「ああ、質問は許して欲しい。これはただの記録映像のようなものでね、生憎君の質問には答えられない。だが、この場所にたどり着いた者に世界の真実を知る者として、我々が何のために戦ったのか・・・メッセージを残したくてね。このような形を取らせてもらった。どうか聞いて欲しい。我々は反逆者であって反逆者ではないということを」

 

語られる事実は、狂った神とその子孫達の戦いの物語であった。それぞれの種族が崇める神は同じで、神託による争いの日々。そんな無益な争いが何百年と続き、終止符を討たんとする者達が現れた。それが当時、"解放者"と呼ばれた集団だった。彼らには共通する繋がりがあり、全員が神代から続く神々の直系の子孫であったという事だ。解放者のリーダーである一人が偶然にも神々の真意を知ってしまい理解したのだ。人々を駒に遊戯のつもりで戦争を促していたという事に

後は深月の予想通りで、神に逆らおうとした解放者達は神によって意識操作された人々から反逆者という悪として扱われてしまった。解放者は守るべき人々と敵対する訳にもいかず、徐々に仲間が討たれてしまい、最後まで残ったのは中心の七人だけだった。そして彼等は何時の日か来たる真の解放者達へ試練を残し、自分達の力を譲り、いつの日か神の遊戯を終わらせる者が現れることを願った

 

「君が何者で何の目的でここにたどり着いたのかは分からない。君に神殺しを強要するつもりもない。ただ、知っておいて欲しかった。我々が何のために立ち上がったのか。・・・君に私の力を授ける。どのように使うも君の自由だ。だが、願わくば悪しき心を満たすためには振るわないで欲しい。話は以上だ。聞いてくれてありがとう。君のこれからが自由な意志の下にあらんことを」

 

長い話が終わり、オスカーは穏やかに微笑むと同時に記録映像はスっと消えた。そして魔方陣の上に立っているハジメと深月の脳裏に何かが侵入してくる。ズキズキと痛むが、それがとある魔法を刷り込んでいたためと理解できたので大人しく耐えて、痛みも収まり魔法陣の光も収まる

 

「ハジメ、深月・・・大丈夫?何処か変な所は無い?」

 

「ああ、平気だ・・・にしても、深月の予想がほぼ合っていたな」

 

「・・・どうするの?」

 

ユエはこれからどうするのかと尋ねるが

 

「うん?別にどうもしないぞ?元々、勝手に召喚して戦争しろとかいう神なんて迷惑としか思ってないからな。この世界がどうなろうと知ったことじゃないし。地上に出て帰る方法探して、故郷に帰る。それだけだ」

 

「そうそう。私達はこの世界を救いたいとは思っていないし、一番の目的は故郷に帰るだからね」

 

「私の居場所はここ・・・他は知らない」

 

ハジメ達はこの世界の事はこの世界の者達がどうにかしろと結論を出した。ユエは二人の手をギュッと握る。そもそも信じていた者達に裏切られて、長い幽閉の中で既にこの世界は牢獄だった現実を救い出してくれた三人の隣こそがユエにとっての全てである

 

「ユエも私達の家族同然だもんね?」

 

「そうだぞ。俺達は一緒に帰るんだ」

 

「・・・ありがとう」

 

とても良い雰囲気なのだが、一人だけ深刻そうに考えている深月

 

(神々が人を駒として遊ぶですか。・・・この手合いの者は、他者の絶望を楽しむ最低最悪の性格でしょう。種族間の戦争に愉悦を求め、どちらかが滅んだとしたら?盤面は一色となる筈。・・・・・魔人族よりも人族の絶望の顔を見るのが一番の愉悦となるならば矛先がこちらへと向かうでしょう。ボードゲームはどちらかが勝利すれば元通に――――――――)

 

「深月どうした?」

 

「複雑そうな顔をしているけど、何か予想をしているの?」

 

「・・・名探偵深月」

 

最悪のシナリオ。それを思い浮かべると大変な事実を、深月は告げるかどうか迷っていた

 

「言いなさい深月。予想だとしても可能性は捨てきれないかもしれないでしょ?」

 

「思い悩むなら俺達にもぶちまけろよ」

 

「・・・私達は家族同然」

 

「有り難う御座います。私の予想を全てお話ししましょう」

 

そして深月は自身が思い付く最悪のシナリオを語り始める

 

「解放者のリーダーの言が正しいのであれば、エヒトはこの世界を一つの遊戯盤としているのでしょう。お嬢様、ハジメさん。戦争のボードゲームと言われたら何を思い浮かべますか?」

 

「戦争のボードゲームなら、将棋かチェスだろ」

 

「私も同意見。一番例えやすいならチェスしか思いつかないわ」

 

「・・・しょうぎ?ちぇす?」

 

「今度教えるからね?」

 

「んっ!」

 

「チェスで話を進めましょう。敵の駒を全て取り終えたならどうされますか?」

 

「何って・・・もう一度盤面を整えるだろ。って・・・おい、まさか」

 

「神と人の対戦。正しく人VS神(ラグナロク)ね」

 

「・・・この世界はじきに滅びる?」

 

三人も思い至った。冷静に考えれば子供でも分かる程単純な思考

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勝ったなら元に戻して遊び直そうと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間制限の有るこの現状に冷や汗を流し始めるハジメと、深月の予想を聞いて自身の考えを組み立てる皐月に対して更なる爆弾を深月は投下する

 

「遊戯盤を直すのは神であろうと直ぐには出来無い筈です。そして私達の居た故郷の地球――――――そこに干渉出来る存在ならば」

 

「やっぱりそうなるわよね・・・」

 

「どういう事だ!?」

 

「よく聞いてハジメ。盤面を直すには時間が掛かるのは常よ。もしも、用意されている盤面が隣に置かれていたならばどうする?」

 

「おい待て。・・・エヒトの次なる標的は地球って事か?」

 

「その通りで御座います」

 

「地球に帰るにはエヒトが必ず邪魔をしてくるって事かクソッタレ!」

 

ハジメもようやく理解した。最悪のシナリオは可能性の高いそれだったからだ

 

「神は敵、確定ね。"神を殺す"―――――か」

 

すると、またしても光り輝く魔方陣。だが、今回は誰も上に乗っていないので一同は臨戦態勢を取ると、再び同じ様に映像が映し出された。だが内容は違う物だった

 

「この映像も同じく質問には答えられない事を許して欲しい。この映像はある言葉を鍵として映し出される物なのだ。"神を殺す"の一言を告げた者にだけ教えよう。この迷宮の百層には神の先兵を出来る限り模倣したゴーレムが居る。特殊な技能を付与出来無かったのは仕方が無いが、ステータスその物はオリジナルと遜色無い。神と敵対するならば、これに打ち勝たねばどうする事も出来無いだろう。実際に私達解放者の殆どが、先兵に倒されてしまったのだ。このゴーレムは一定以上のステータスを持っていないと襲う仕様となっている為、挑戦するのであれば気を付けるんだ」

 

そして映像は消える。これで合点がいった一同

 

「深月が戦っていたあれは先兵の模倣体か。・・・深月やべーわ」

 

「技能が再現出来なかったとはいえ倒しちゃったからね」

 

「・・・さすがMEIDO」

 

「最後のは字が違いますよ!?」

 

こうして私達の謎は解け、お嬢様とユエさんが魔方陣の上に立ちました

 

「試練を乗り越えよくたどり着いた。私の名はオスカー・オル―――――etc」

 

同じ映像が流れるのですね・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~皐月side~

 

うぅ・・・頭がズキズキする。でもこれで私も神代魔法を覚えたわ!ユエも覚えたけど、適性が無いのか痛みは無いらしい

 

「大丈夫か皐月?」

 

「この痛みって適正有無で痛みがあるって事よね。もしかして深月も適正無かった感じなのかしら」

 

「いえ、痛みは有りましたので適性は有ると思います」

 

うそん・・・これって錬成師にとって有り難い魔法だけど、メイドの深月に適性ってどこら辺に有るっていうのよ

 

「メイドの深月に生成魔法の適性有りって・・・何処に有るんだ?」

 

「魔力糸ですね。透明なそれを物質化させる事が出来ます」

 

「もしかしてそれだけ?」

 

「裁縫には欠かせませんよ?」

 

「あ、うん。裁縫には欠かせないよね・・・」

 

私達の服はボロボロで、所々穴あきなので・・・まぁ、うん。便利ね!その一言だけで良いわ!

 

皐月は流深で納得し、新たなる力にワクワクしながら何を創ろうかと考える事にした

 

「これならアーティファクトを創る事が出来るな」

 

「・・・アーティファクト作り放題?」

 

「おう。―――――それよりもあの死体を片付けるか」

 

「畑の肥料にしましょうか」

 

「・・・土に還る」

 

三人の慈悲は無く、風もないのにオスカーの骸がカタリと項垂れた

 

「駄目ですよ。しっかりと弔いましょう。壺を創って下さい――――――良いですね?」

 

深月に胃袋を制圧されている三人は逆らう事は出来無い為、そこそこ大きい壺を創り、焼いた骨を入れて簡易的なお墓を作った深月。因みに、オスカーが装着していた装飾品は全て剥ぎ取られている。何事も有効活用するのはお約束である

 

装飾品の一部、十字に円が重った文様が刻まれた指輪が開かずの間の鍵となっていたわ。書斎の一部をパクったのは言うまでも無いわね。色々と探索していると、ハジメがゴーレムを見つけてじっと見ていたわ。しかも、そのゴーレムはメイド服を装着している

 

「ハジメはメイドフェチなの?コスプレした方が嬉しい?」

 

「ち、違う!?誤解だ皐月!何故ゴーレムがメイド服を着ていたのか気になっただけだ!」

 

「・・・ご奉仕?」

 

「・・・そういえば、ハジメさんと初めて出会った際にジッと見つめられていましたね」

 

「余計な事を言うな深月!この場が更にややこしくなるだろ!!」

 

ハジメがメイドフェチと確信したわ!

トータスで出会ったメイドには興味が無さそうだった?いつも極上のメイドを目にしているからそう思わなかったのでしょうね!

 

結局、ハジメのメイドフェチ疑惑は晴れなかった

燃料を投下した本人の深月はというと、お風呂の準備をし終え、食事の下準備へと取り掛かっていた

 

「皆様、お風呂のご用意が出来ました。どちらから先に入られますか?」

 

「ハジメが先には行って良いわよ」

 

「良いのか?」

 

「大丈夫。私はユエのストッパーとして待機するだけだけよ」

 

だってユエを放置したら絶対に風呂場へと突入するだろうし。・・・私は未だ認めません!

 

「助かる。ユエを頼む」

 

「任せて~。・・・・・さぁユエ?一緒にあっちでお話しましょう?」

 

「ハ、ハジメ助けて!」

 

皐月によって、がっしりと体を固定されて奧へと連行されていくユエを見送るハジメ。合掌した後直ぐに脱衣室へと直行したのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ハジメside~

 

「あぁ~、極楽だ。異世界に来てお風呂に入れるとか思ってもみなかったぜ」

 

幾度となく襲い掛かった試練により精神はゴリゴリと削れていった。しかし、それは皐月と深月とユエの三人が居たからであって一人では完全に潰れていただろう

 

もしも、この奈落に落ちたのが俺だけだったら・・・完全に心を壊していたかもな。それこそ、人間性を捨て去った獣になっていただろうな。俺が生きていたのも皐月のお陰に近いからな。爪熊の時に壁に穴を開けて俺を引き込んでいなかったら終わっていただろうしな

 

目を閉じて過去を振り返れば、全てを鮮明に思い出せる程の濃密な出来事だったからだ。何度も死にかける度に神水を飲んで回復を繰り返し、少しづつ力を付ける日々は常人が経験する事は無いだろう

すると、ヒタヒタと歩く音が聞こえた。完全に油断していたハジメは「何故!?」と疑問が頭の中を埋め尽くす。ゆっくりと隣に入って来た人物は皐月であった

 

「き、気持ちいいわね」

 

「お、おう。――――――――ところで、何故に皐月は入って来たんだ。ユエはどうして」

 

「ユエは深月に拘束されているわよ」

 

「あぁ成る程。・・・南無三」

 

深月がどの様にユエを拘束されたのか大体予想が付いたぜ。恐らく、針でプスッとして動けなくしたんだろう・・・あれから逃れるのは不可能に近いからな

 

しばし沈黙が続き、ジャバジャバとお湯が注がれる音だけがその時間を支配する。ハジメは冷静になり、覚悟を決めた。右手を皐月の肩に乗せて、引き寄せる。突然のハジメの行動にアワアワと驚く皐月だが、そんな事は関係無いと言わんばかりだった

 

「皐月」

 

「ひゃい!?」

 

「愛している」

 

「わ、私も・・・愛しているわ」

 

皐月は奥手のハジメに自身から迫るの事が殆どだが、今回はハジメから皐月に迫っている突然の状況に頭が付いて行けていない。普段よりも男らしさ全快の行動に顔を真っ赤に染めてキスをされた。しかもディープな大人のキスを

最初はやられるだけだった皐月は、落ち着きを取り戻して一旦顔を離す。体勢を整え、ハジメの真正面へと移動して再びキス。甘く、甘く、とろける様なそれは、二人の歯止めを無くし、長時間お互いを貪る様に求める。時間も忘れ、余計な音すらも遮断する様に求め続ける二人だったが

 

(お嬢様、ハジメさん。お風呂場でイチャイチャするのは構いませんが、そろそろ食事の時間です。のぼせる可能性もあるので、焦らずに出て来て下さい。因みにユエさんは、こちらで"協力"して頂き"清潔"をさせて頂きました)

 

((あ、これはOHANASHIで実験に付き合わされた奴だ))

 

心の中でユエに黙祷を捧げる二人。こうして深月は新しく、清潔の派生技能を取得したのである

お風呂から出ると下着と寝間着が籠に折り畳まれて入っており、その側にはお盆の上に二つのコップに水が入っていた

 

「どこまでも用意周到な深月だな」

 

「この寝間着はどうやって作ったのよ」

 

様々な疑問を抱きつつ着替えて髪を乾かす。二人はリビングへ入ると、盛り付けされた皿を机へと運ぶユエの姿があった。二人と目が合うと頬を膨らませ、明らかに怒っていますと言わんばかりに不機嫌だった

 

「・・・ハジメ、皐月・・・遅い」

 

「い、いやー。スマン」

 

「ゴメンねユエ」

 

素直に謝る二人。深月の実け―――――もとい、検証に付き合わされたユエの心労は普通では無いだろうと理解していたからだ

 

「んっ。・・・深月怖い」

 

「あははは・・・」と苦笑いを浮かべながら三人は椅子へ腰掛ける。目の前にはサラダやスープが有り、深月は料理場から皿をバランス良く乗せて運び各自の目の前へと置く

 

「こちらはヒュドラ擬きを使用したステーキです。因みにこれらを食べる前にこの焼いただけのお肉を先に食べて下さいね?ステータスが上昇しますので」

 

一口大に焼かれ、ソースをかけただけの状態でちょこんと鎮座する肉をため息を吐きながら食べて神水を飲む二人。強くなれるとはいえ、痛みが襲う美味しくない肉を食べるのは嫌だからだ。不味い肉も食べ終わり、良い匂いを出すヒュドラ肉を食べる三人。そしてお約束の

 

「「「うまあああああああああああああああい」」」

 

読者もお気付きだろう。吸血鬼であるユエが混じっている事に

魔力を速急に回復させるには吸血が一番手っ取り早い。しかし、食事に至っては深月の料理で胃をしっかりと掴まれてしまったのだ。血を飲むよりも美味しい料理達。食事がハジメの血か深月の料理どちらかを選べと迫られれば、深月の料理と選んでしまう程にまで開発されてしまったのだ。深月曰く「これもメイドとして当然の勤めです」との事

 

「ヒュドラ肉うまっ!今までの魔物肉でダントツに旨い!」

 

「筋っぽいかな~って思っていたけど、全然違うわ!溢れ出る肉汁は甘くて濃厚なのに胃もたれしない程さっぱりしている!」

 

「・・・うまうま。・・・幸せ」

 

「野菜も食べましょうね?今までお肉ばかりで栄養が偏っていますので」

 

「「「分かった」」」

 

バランス良く食べて、三人の健康管理もお手の物。食生活に限らず、日常生活には深月が欠かせなくなる一同である

 

 

 

 




布団「ヒャッハー!迷宮編の終了だー!」
深月「・・・私はこれからR―18でのお仕事ですか」
布団「仕方が無いよね。自分から言い出したアンケートなんだからさ!」
深月「うぐぅっ!」
布団「さぁさぁ、頑張って書くぞぉ!」
深月「こんな筈では・・・」
布団「次回のアンケートはもうすぐだよ!皆大好きモンスターテイマーの処遇だよ!」
深月「感想、評価宜しくお願い致します・・・」


―追記―
R-18は2020/01/04に投稿します。投稿時間は本編と お・な・じ・♪

お待ちかね!清水君の行く末は!?

  • 撃たれて終わり(原作通り)
  • お説教されて、先生達と行動
  • お嬢様の忠実なる執事に
  • 男の娘となり、テイマーメイドになる

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