ありふれていない世界最強メイド【本編完結済み】 作:ぬくぬく布団
深月「何を言っているのですか」
布団「はい。投稿しまーす」
深月「今回はタイトル通りですね」
布団「まぁ・・・そうなるよね」
深月「しかし・・・またですか」
布団「今回は真逆だね」
深月「私の幸運値低くありませんか?」
布団「しょうが無いのよ。メイドさんが一緒に攻略すると駄目駄目だああああ!」
深月「・・・では、本編に参りましょう!」
布団「誤字報告有り難う御座います。本当に助かります」
深月「読者の皆様方、ごゆるりとどうぞ」
~深月side~
ブルックの町を出てライセン大峡谷に入っておよそ二日、私達の通った後の道は蹂躙した魔物の死骸で一杯です。そしてここからが怒濤の展開なのです。シアさんが"お花摘み"に席を外した先に見つけた案内板は迷宮の物でした。これだけなら、運が良かっただけで怒濤の展開ではありませんよ。・・・何故なら
『さぁさぁさぁ!絶望絶望♪たった一人でのラスボスのミレディちゃんと一騎打ち!プププッ♪ねぇねぇ、今、どんな気持ち?ねぇねぇどんな気持ち?』
目の前に佇む巨大ゴーレム――――――ミレディ・ライセンが居るからです
どうして私の目の前に居るのかですか?あれはほんの少し前に遡ります
「ハ、ハジメさ~ん!皐月さ~ん!深月さ~ん!ユエさ~ん!大変ですぅ!こっちに来てくださぁ~い!」
ライセン大峡谷を探索して数日―――――野営のしようとした一同だが、シアが花摘みで席を外していた。すると、帰って来たシアは四人を導いて岩の隙間に入ると、意外なほど広い空間が存在した。そして、その空間の中程まで来ると、シアが得意げな表情でビシッと壁の一部に向けて指をさした
"おいでませ!ミレディ・ライセンのドキワク大迷宮へ♪"
『は?』
呆然と地獄の谷底には似つかわしくない看板を見つめるハジメと皐月とユエ。深月は周囲の様子を観察している
「・・・マジだと思うか?」
「・・・・・ん」
「マジだと思うわ・・・だってミレディって書いてるし」
「やっぱそこだよな・・・」
外で知られている名前は"ライセン"。ファーストネームが分からないのが普通だが、オスカーの手記に書かれている。故に、その名が記されているこの場所がライセンの大迷宮である可能性は非常に高かったのだが、素直に信じられない理由は・・・
「「何でこんなチャラいんだよ(のよ)・・・」」
ハジメと皐月とユエの予想では、オルクスみたいに死闘を繰り返す迷宮だと踏んでいたからだ。これを見るからに誰かのいたずらではないかと疑っているのだ
「でも、入口らしい場所は見当たりませんね?奥も行き止まりですし・・・」
「シアさん、駄目ですよ。不用意過ぎます」
微妙そうにしている三人と警戒をしている深月を余所にシアは、「入口はどこでしょう?」と辺りをキョロキョロ見渡したり、壁の窪みの奥の壁をペシペシと叩いたりしている
「シア。あんまり・・・」
ガコンッ!
「ふきゃ!?」
"あんまり不用意に動き回るな"そう言おうとした皐月の眼前で、シアの触っていた窪みの奥の壁が突如グルンッと回転し、巻き込まれたシアはそのまま壁の向こう側へ姿を消した。深月は「だから不用意だと申しましたのに・・・」と頭に手を当ててため息を吐いている
「「「・・・・・」」」
ハジメ、ユエ、皐月―――――と続く様に、シアが飲み込まれた回転扉に手を掛ける。グルンッと後方に居る皐月を巻き込んで扉の向こう側へと送る最中、深月が皐月を呼んだが皐月当人は聞こえていなかった。中は暗闇で見えず、ガコンッと扉が停止すると同時にこちらに向かってくる飛来物・・・それは矢だ。全く光を反射しない漆黒の矢が侵入者を排除せんと無数に飛んで来たのだ
皐月はドンナーを出さず、拡散型の衝撃波を放って迎撃。吹き飛ばした矢の本数は二十程だった。静寂が戻ると同時に周囲の壁がぼんやりと光りだし辺りを照らし出す。十メートル四方の部屋で、奥へと真っ直ぐに整備された通路が伸びていた。そして部屋の中央には石版があり、看板と同じ丸っこい女の子文字でとある言葉が掘られていた
"ビビった?ねぇ、ビビっちゃった?チビってたりして、ニヤニヤ"
"それとも怪我した?もしかして誰か死んじゃった?・・・ぶふっ"
「「「・・・」」」
ハジメと皐月とユエの三人の内心はかつてないほど一致している。―――――「うぜぇ~」と。わざわざ、"ニヤニヤ"と"ぶふっ"の部分だけ彫りが深く強調されているのが余計腹立たしい。特に、パーティーで踏み込んで誰か死んでいたら、間違いなく生き残りは怒髪天を衝くだろう
多少額に青筋を浮かべていると、ユエが思い出した様に呟く
「・・・シアは?」
「「あ」」
二人は思い出し、先に入ったシアを確認するべく、巻き込まれない様に扉を回転させると・・・シアは回転扉に縫い付けられていた
「うぅ、ぐすっ、ハジメざん・・・見ないで下さいぃ~。でも、これは取って欲しいでずぅ。ひっく、見ないで降ろじて下さいぃ~」
もの凄く哀れな姿であった。恐らく、天性の索敵機能が飛んで来る矢を察知して回避行動を行ったのだろう。だが、全てがギリギリでの回避だった為に非常口のピクトグラムに描かれている人型の様な格好で固定されていた。そして、何故シアが泣いているのか・・・恐怖故の物では無く、足元が盛大に濡れていたから―――――お漏らしをしてしまったからだ
「そう言えば花を摘みに行っている途中だったな」
「そういう事は良くあるわよ・・・・・多分」
「ありまぜんよぉ!うぅ~、どうして先に済ませておかなかったのですかぁ、過去のわたじぃ~!!」
無表情ながらも同情を禁じ得ない皐月とユエは張り付けにされたシアを解放する
「・・・あれくらい何とかする。未熟者」
「面目ないですぅ~。ぐすっ」
「ハジメ、着替えを出して」
「あいよ」
宝物庫からシアの着替えを出してやり、シアは顔を真っ赤にしながら手早く着替えて顔を上げると三人が見た文字が目に入る。八つ当たりする様に壁をドリュッケンでドッカンドッカンと破壊するが、砕けた石板の跡―――――地面の部分に何やら文字が彫ってあり、そこには・・・
"ざんね~ん♪この石板は一定時間経つと自動修復するよぉ~プークスクス!!"
「ムキィーー!!」
シアが遂にマジギレして更に激しくドリュッケンを振い、壁を粉砕して行く。しばらく破壊行為をした後、復元する壁には更に文字が彫られていた。それは・・・
"むだむだむだ~♪お馬鹿さん♪それよりも気付かない?気付いていない?プークスクスクス!"
「一旦止まりなさいシア」
「何でですか!この恨み晴らすべからずうううう!!」
「と・ま・れ」ゴゴゴゴッ
「スイマセン」
徐々に修復されて行く壁。新たに彫られている文字・・・
"お仲間が減ってる事に気付かない?あっゴッメーン!ひとりの君はボッチだよね?ソロ=ボッチ―――――ブフッ!"
"えっ?減った事に今気付いたの?プギャー♪鈍感鈍感!後方さんはボスと一騎打ちなの~!あ、戻ってもむ・い・み!焦った?焦った?ねぇねぇ、今、どんな気持ち?どんな気持ち?"
最後の彫られた文字を見て四人は合掌した。
深月では無く、ミレディに・・・
戦闘はしました。もう過去形ですよ?
「それで?私と戦っていた巨大ゴーレムは、ミレディ・ライセンご本人様で宜しいでしょうか?」
『えっと・・・はい。ってか最初に思っていたけど何でメイドなの!?普通は冒険者じゃないの!?そして強すぎるんですけど!?何で重圧を増やしたのに動けるの!?』
「この程度の重圧で動けなくなる様ではメイドとして失格です」
『それメイドじゃ無いよね!?何処の世界に超人メイドを育成する所があるの!?』
「全てはお嬢様の為にです」
『会話が成立してないよ~!』
遡ること数刻前――――――
ミレディゴーレムと一対一の勝負で、深月はゴーレムを攻撃するも傷一つ付かなかった。その事実を踏まえながら、関節部を攻撃するも無傷。ミレディが高笑いしながら挑発するも、深月は気にせずに要所要所で攻撃して行く
『も~!避けて攻撃、避けて攻撃ばっかりでウザったい!という訳で、レッツゴーゴーレムちゃん♪』
総数およそ五十体の騎士型ゴーレムが剣を携えて深月に群がる
『むっふっふっふっふ♪ねぇ、今、どんな気持ち?卑怯?セコイ?でも私ボスだから~♪』
ギリギリでゴーレム達の攻撃を回避している深月の様子を見て上機嫌なミレディだが、深月のいやらしさは全く知らない。このメイドはチートを超えるチート・・・特に、魔力糸を獲得してからはそれが顕著に表れている
振り下ろされるゴーレムの腕に、不可視状態の糸を巻き付けて身を屈めながら引っ張る。隣のゴーレムの胴体を軸に巻き付けているので、降り下ろしが横薙ぎとなって周囲のゴーレムをなぎ倒した。自分の命令とは違う動きをするゴーレムに驚愕するミレディは、一瞬だけ意識を深月に反らしてしまった。その隙を逃さず、魔力糸を細いノコギリ状の形へと変えて一気に引き絞る。避けながら、関節部へと巻き付けていた魔力糸・・・引き切る様に四肢の関節に絡ませていたので、殆どのゴーレムがダルマとなり地面へと崩れ落ちた
『はぁ?』
目の前で起きた事が理解出来無いミレディ。完全に硬直したその胴体に金剛で極限まで硬くした拳を心臓部へ向けて殆ど同時の連打八卦を打ち込んだ
ドガガガンッ!
某グルメ主人公の連続パンチを再現した攻撃。ステータスに物を言わせたごり押し・・・貫通と破壊に特化したそれの衝撃は凄まじく、巨大ゴーレムを大きく仰け反らせる程だった
『ちょ!?ちょちょちょ、ちょっと待って!?素手でこの威力ってヤバイわよ!?このゴーレムじゃなかったら完璧に破壊されていたんですけど!?』
「ちっ!」
『ひぇっ!?こ、このメイド、私を完全に破壊するつもりなの!?で、でも残念でした~♪アザンチウムの硬度は最強!破壊なんて出来無いのよ!!』
「そうですか・・・アザンチウムを使用していながらその動きとなれば――――――装甲板の扱いをしているのですね」
『どうして分かったの!?攻撃した瞬間に気付いたの!?』
会話をしながら攻守攻防?・・・ミレディの攻撃は空を切るばかりだが、周囲の騎士ゴーレムは再生して復活してミレディを注視している深月の死角からの攻撃。ゴーレムの為笑みを浮かべたり出来無いが、間違い無く「勝った」と確信したのだが、それすらも裏切られた
深月は振り向き様に刀身の腹に裏拳を叩き込んで弾き、ミレディ本体に叩き込んだ連続八卦を胸部に打ち込んだ。粉々に砕け散った礫は、後方に待機していた騎士ゴーレム達を巻き込み全滅させたのだ。これ程までのTHE理不尽の前に、ミレディは激おこだ
『理不尽でしょ!?粉砕した礫で奧のゴーレムまで倒すとかわけ分かんない!!』
騎士ゴーレムの再起動まで少しだけ余裕が出来た深月は、再び巨大ゴーレムの攻略を開始する。しかし、攻撃全てがアザンチウムの前に弾かれたり、傷を付ける程度だった
「硬い・・・」
『チマチマと!挑戦者ならドーンと大きな攻撃でもしてきなさいよ!』
巨大ゴーレムが何やら文句を垂れていますが無視です。現在知り得ている情報を整理しましょうか・・・
一つ。アザンチウム鉱石で出来たゴーレムですが、装甲板として使用している事
二つ。周囲の騎士ゴーレムが動く際は本体が殆ど動けない事
三つ。傷を付ける事が出来る武器は、同じアザンチウム製の武器とノコ状の魔力糸
そして、最後は予測となりますが・・・人間と同様に心臓部に核がある筈です。騎士ゴーレムの核も同じ部分に存在して、私が胸部を攻撃した時に"完全に破壊するつもり"と発言されていたので間違い無いでしょう
これだけの条件が揃えば、殺りようはありますね
思考は途切れさせずに、微々たる成果しか無いものの"同じ場所"に攻撃を続けていく。勿論巨大ゴーレムに気付かれない様に、魔力糸を常時ノコ状にして小さな傷を付けている。ゴーレム自身は、同じ場所を攻撃されている事に気が付いてないのか大振りの攻撃ばかりを繰り返している
深月は次の一手を出す為に大きく後退。ゴーレムは後退する深月に向けて手をかざした。その瞬間、深月の体がズシッと重くなり膝を付く
「――――ッ!これは重さを変える魔法!?」
『ふっふ~ん!私の重力魔法のお味は・い・か・が・?これで私の勝ち確定ね!残念ね~♪貴女は私に潰される運命なのよ。じゃあね~♪』
膝を付いて動かない深月に向けて特大の拳を振り下ろすゴーレム。近づく拳の前に微動だにしない深月を見て勝ちを確信するが、それすらも裏切られた。ゴーレムの一撃は、深月の前眼で止まったから。それは奇しくもオルクスでの使徒擬きと同じ状態だった。そんな事を知らないゴーレムは当然驚愕して焦った
『な、何で!?嘘!動かない!?引く事も押す事も出来無い。それどころか体が動かないんだけど!!』
「これで終わりです」
微動だにしなかった深月は、何事も無かったかの様に立ち上がってゴーレムを見据えた
『じゅ、重力魔法が効かない!?嘘!?だって五倍の重さを掛けたのに!』
「それは残念でしたね。私は限界突破の技能を持っています―――――後はお分かりですか?」
『げ、限界突破を持ってるの!?・・・で、でもっ!私は健在しているから攻略は出来ていないわ!』
「そうですね。アザンチウムの装甲の前には"普通の攻撃"は通用しません」
『そうよ!だから、貴女は迷宮から出る他無いのよ。ねぇねぇどんなk―――――』
「ですので、普通の戦闘では出来無い攻撃を致します。動きを封じたのもその為です」
『えっ?――――――ちょっと待って何を』
深月は考えていた。どうすれば貫けるのか――――――と
ハジメがパイルバンカーを創っていた事は知っているが、当人はこの場に居ない。よって、この現状を自分の力だけでどうにかしなければいけないのだ。そこで、一つだけ思い至った方法が魔力糸を物質化させた攻撃という事だ。ゴーレムを拘束している糸はそのままで、胸部に向けてバリスタの様な形を作って黒刀をセット
『・・・その剣ってもしかしなくても』
「アザンチウム100%の武器です♪」
『で、でも貫通力は無いわよね!?』
「貴方はお気づきでは無いでしょうが、私が無意味な攻撃を続けるとお思いですか?胸部をしっかりと観察してみてください」
『・・・あっれれ~?おっかしいぞ~?傷が付いているんだけど』
「私の攻撃で薄い切り傷が付く程度でしたが、塵も積もれば山となります」
『だ、だけど!最初に言った通り貫通力が無いと意味が無いわよ!』
「これを見てもそう言い切れますか?」
深月は破砕したゴーレムの一部を取って、纏雷を使って指で弾くとキュガッ!と音を立てて壁を貫通していった
『 』
「後はお分かりですね。では、早速実行しましょう♪」
『待って!?待って待って待って!!降参するから!?降参するから破壊だけはしないで!?』
「振りですね。分かりました」
『まっt―――――』
「待ちません」
黒刀の柄を魔力糸で縛り付けたのを確認した後、バリスタ擬きを躊躇無く発射。轟音と共に傷付いた装甲を黒刀が貫通してゴーレムの核を砕き、ドォンと地面に崩れ落ちたのだった。深月はやり切った顔をして壁の奥へと貫通していった黒刀を、魔力糸をつたって回収したのは言うまでも無い
『はぁ・・・止めてって言ったのに。・・・容赦ないなぁ』
「まだ息があるのですか。今の内にトドメを刺しましょう」
『まぁまぁ、もうすぐ消えるから少しぐらい・・・お話ししようよ』
「・・・お話ですか。それなら大丈夫ですよ」
『私の名前はミレディ・ライセンよ』
そして話しは戻る――――――――
最初の紹介は終わり、何故迷宮を攻略しているのか――――ミレディは迷宮の本当の意味を深月に教える
『神代魔法は貴女達が帰還する為に必要』
「そして、盤面を引っ掻き回す私達はイレギュラー」
『いつ頃から手出しをしてくるか分からないけれど、確実に来るから注意はしてね』
「忠告感謝致します。ですが、恐らく既に目を付けられているのは確実でしょう」
『ははは・・・あいつらは性根が悪いから・・・もうそろそろ・・・時間かな』
「ではお休みなさい」
『メイドフェチな・・・オーちゃんだと・・・嬉しいだろうなぁ・・・』
「"その体"ではもうお休みなさいでしょう?早く切り替えて修復しなければお嬢様達が来られますよ?」
『・・・何時から気付いたの?』
「出会って直ぐの性格から考えてです。ハジメさんとお嬢様は気付くでしょう」
『あっ・・・はい。それじゃあ、あの浮遊ブロックに乗ってね』
「解放者の拠点があちらですか」
奥に案内された浮遊ブロックに乗って進んで行くと、扉に刻まれていた七つの文様と同じものが描かれた壁があった。深月が近づくと、タイミングよく壁が横にスライドし奥へと誘う。浮遊ブロックは止まることなく壁の向こう側へと進んでいった
「やっほー、さっきぶり!ミレディちゃんだよ!」
「では、私は此処で皆さんを待たせて頂きます」
「神代魔法は?」
「後でお願い致します」
「それじゃあ私は修復しに行ってくるよ~♪」
こうして、深月は最初の迷宮攻略者となりハジメ達の到着をゆっくりと待つ事に
修理を終えたミレディと雑談をしたり、ミレディの案内から外に出て魔物を駆逐して食料にしたりと何気にオルクスでのサバイバルと変らない事をやっていたりしていた
ハジメ達と分断されてからおおよそ一週間。ハジメ達はようやくボス部屋へと到着したのだった
戦闘描写は特にこれと言って無い。何故か?開幕速攻で終わったからだ。巨大ゴーレムの四肢、特に関節部を水で濡らしてユエの魔法で凍らせてパイルバンカーを心臓部に撃ち込んだからと言っておこう。皐月は魔力そのものを見通す魔眼を持っている。ハジメも同じ効果を持つ眼帯を創っているので核は直ぐに発見。初撃はオルカンのロケット弾で傷付かなかったから、パイルバンカーの最大火力でやっちゃおうとの事。パイルバンカーで完全に貫く事は出来無かったが、シアのドリュッケンで杭を叩き込む事でぶち抜いたのだ。あっという間の攻防。迷宮でのイライラを最大火力出発散したと言う事である
その後は、ミレディの死の演出によりユエとシアが騙されてという流れである。何が言いたいかというと
「・・・死ね」
「死んで下さい」
「ま、待って!ちょっと待って!このボディは貧弱なのぉ!これ壊れたら本気でマズイからぁ!落ち着いてぇ!謝るからぁ!」
ドッタン!バッタン!とユエとシアに追い回されているミレディの姿である
じゃれ合いを無視してお互いの状況を説明するハジメ達。深月はどうしたのか、ハジメ達は攻略でどうなったのか等々
「「本当にウザかったんだよ(のよ)!深月がいたら一直線だったのに!!」」
オルクスでの出来事から深月の探索能力を目の当たりにしているハジメと皐月は手痛い出来事だったのだろう
「いえ・・・お話を聞く限りですと、オルクスと同様の事は出来ませんよ?」
「「えっ?」」
「あれは部屋が移動したり創り変らないという点が前提ですから・・・」
「そうか・・・」
「深月ならチートを生み出すかと思ってたの・・・」
追いかけ回されているミレディは無視して話し込んでいる三人・・・特に、話し安く、乱暴にしないであろう深月の背に回り込む様に隠れた。流石のユエとシアも止まった
「助けて!あの二人私を殺すつもりなんですけど!?」
「駄目ですよユエさん。シアさん。神代魔法を手に入れていないのですから」
「そーだ!そーだ!・・・・・あれ?その言い方だと手に入れたら不要って事?」
「知るべき情報は手に入れましたから」
「・・・もしかしなくても・・・私とのお喋りは情報収集だった?」
「そうですが何か?」
「うわああああん!もう誰も信じられないよ~!」
ミレディとのお喋りは雑談だったのだが、殆どが有益な情報だったので深月にとって有意義な時間であった。大迷宮の内容は知る事が出来無かったが、場所等については正確に把握出来たのである
「それじゃあ・・・さっさと神代魔法を寄越せ」
「キリキリと働きなさい。さもないと砕くわよ?」
ミレディを脅す二人。皐月に関しては義手の手でミレディをギリギリと締め付けている
「あのぉ~、言動が完全に悪役だと気づいてッ『メキメキメキ』了解であります!直ぐに渡すであります!だからストーップ!これ以上は、ホントに壊れちゃう!」
魔方陣の中に入り、神代魔法を書き込まれて行く。経験者の四人は無反応だが、初体験のシアはビックン体を跳ねさせた
「これは・・・やっぱり重力操作の魔法か」
「そうだよ~ん。ミレディちゃんの魔法は重力魔法。上手く使ってね――――って言いたいところだけど、君と貴女とウサギちゃんは適性無いねぇ~もうびっくりするレベルでないね!」
「それくらい想定済みよ」
「まぁ、ウサギちゃんは体重の増減くらいなら使えるんじゃないかな。君は・・・生成魔法使えるんだから、それで何とかしなよ。メイドと金髪ちゃんは適性ばっちりだね。修練すれば十全に使いこなせるようになるよ」
初めての神代魔法の適性が無いシアはガックリと項垂れた。ユエは適性が有るとの事だったので内心嬉しかった。ここでもやっぱりあれなのが深月である
「ホントさぁ・・・メイドって何なの?生成魔法は鉱石に付与する筈なのに、魔力糸?に適応しているとかありえないでしょ。そして重力魔法も適性有りって・・・」
「「「「深月(さん)だから仕方が無い(ですぅ)」」」」
「・・・貴方達も諦めているのね」
「重力魔法ですか・・・抽出する際には便利ですね」
深月の頭の中で一番早く思い付いた活用法は、"植物性油を手に入れる"―――――これで料理の幅が広がったのである。そんな深月を放置してハジメ達は、ミレディに対して要求していく
「おい、ミレディ。さっさと攻略の証を渡せ」
「便利そうなアーティファクト類と感応石みたいな珍しい鉱物類もね?」
「・・・君達さぁ、セリフが完全に強盗と同じだからね?自覚ある?」
はぁ、とため息を吐きつつ一つの指輪を取り出し、それをハジメに向かって放り投げて虚空に大量の鉱石類を出現させる。しかし、この程度でよしとしないのがハジメクオリティー
「おい、それ"宝物庫"だろう?だったら、それごと渡せよ。どうせ中にアーティファクト入ってんだろうが」
「あ、あのねぇ~。これ以上渡すものはないよ。"宝物庫"も他のアーティファクトも迷宮の修繕とか維持管理とかに必要なものなんだから」
「知るか。寄越せ」
「あっ、こらダメだったら!あげないって言ってるでしょ!もう、帰れ!」
ジリジリと迫ってくるハジメに、ミニ・ミレディは勢いよく踵を返すと壁際まで走り寄り、浮遊ブロックを浮かせると天井付近まで移動する。この時、深月は何かに感づいたのか皐月の側に待機
「逃げるなよ。俺はただ、攻略報酬として身ぐるみを置いていけと言ってるだけじゃないか。至って正当な要求だろうに」
「それを正当と言える君の価値観はどうかしてるよ!うぅ、いつもオーちゃんに言われてた事を私が言う様になるなんて・・・」
「ちなみに、そのオーちゃんとやらの迷宮で培った価値観だ」
「オーちゃぁーーん!!」
今までミレディに散々やられたユエとシアも参戦して包囲していく。皐月も混じろうとしたのだが、深月に止められている
「はぁ~、初めての攻略者がこんなキワモノだなんて・・・もぅ、いいや。君達を強制的に外に出すからねぇ!戻ってきちゃダメよぉ!」
今にも飛び掛からんとしていたハジメ達。ミレディは、いつの間にか天井からぶら下がっていた紐を掴みグイっと下に引っ張った
「はぁ・・・やはりそうきますか」
「「「「?」」」」
深月を除いて、ミレディが何をしているのか分からない一行。だが、次の瞬間・・・嫌と言う程聞き覚えのある音で確信した
「ハジメさん、ユエさん、シアさん。早くこちらに!」
ガコン!
「「「「!?」」」」
トラップの作動音。その音が響き渡った瞬間、轟音と共に四方の壁から途轍もない勢いで水が流れ込んできた。四方八方から襲い来る。そして、部屋の中央にある魔法陣を中心にアリジゴクのように床が沈み、中央にぽっかりと穴が空いた
「てめぇ!?」
「こういうのは緊急脱出用じゃないの!?」
「お嬢様失礼致します」
深月の招集よりも、激流を逃れようとユエが"来翔"を行使しようとするが
「させなぁ~い!」
ミレディの重力魔法が襲い掛かり、激流へと飲まれる。深月の方は、皐月を抱き上げて魔力糸で繭の様に展開させた。本来は五人で入りたかったが、ハジメ達が集まらなかったので皐月と深月の二人だけだ
「それじゃあねぇ~、迷宮攻略頑張りなよぉ~。そしてメイドはしっかり対応しているって・・・」
「ごぽっ・・・てめぇ、俺たちゃ汚物か!いつか絶対破壊してやるからなぁ!」
「ケホッ・・・許さない。・・・深月いr――――――」
「ちょ深月ざん!?わだじもおぉぉぉぉぉぉぁぁぁぁぁぁぁーーーーー!」
ハジメ達はそう捨て台詞を吐きながら、なすすべなく激流に呑まれ穴へと吸い込まれていった。穴に落ちる寸前、ハジメだけは仕返しとばかりに何かを投げたようだ。ハジメ達を流した後はあっという間に水が引き、床も戻って元の部屋の様相を取り戻した
「ふぅ~、濃い連中だったねぇ~。それにしてもオーちゃんと同じ錬成師、か。ふふ、何だか運命を感じるね。願いのために足掻き続けなよ・・・さてさて、迷宮やらゴーレムの修繕やらしばらく忙しくなりそうだね・・・ん?なんだろ、あれ」
ミレディが独りごちる中、ふと視界の端に見慣れぬ物を発見。壁に突き刺さったナイフとそれにぶら下がる黒い物体。嫌な予感がヒシヒシと伝わり、わたわたと踵を返すミレディだが、時すでに遅し。ミレディが踵を返した瞬間、爆発――――――。「ひにゃああー!!」という女の悲鳴が響き渡った
布団「いやぁ~メイドさんはお強いですなぁ」
深月「これも全て派生技能のお陰です」
布団「節約とかぶっ壊れ性能だと思うのよ」
深月「本来の魔力消費量が10の所を1辺りまで抑える事が出来ますので」
布団「うん・・・もうさ、メイドさんに勝てる人って居ないんじゃないかな?」
深月「油断や慢心はいけませんよ!」
布団「罠に掛かったじゃん?」
深月「一度に入れる人数が決まっていたのです!」
布団「しっかし・・・糸を束ねて武器を創るって・・・錬成師顔負けじゃないですかぁ」
深月「いえいえ、硬度は変えれますが鉱石の特性までは再現出来ませんので・・・」
布団「某正義の味方みたいに同調開始出来るんじゃない?」
深月「ふむ・・・ハジメさんに色々と教えて頂きましょう」
布団「あっ!ちょ!?タンマ!それ駄目ええええ!」
深月「感想、評価、お気軽にお願い致します。では、私はハジメさんにアドバイスを」