ありふれていない世界最強メイド【本編完結済み】 作:ぬくぬく布団
深月「えっ?・・・何をしているんですか」
布団「こう・・・インスピレーションがビビビッと来たのよ」
深月「本音は?」
布団「イベントめんどい。・・・そうだ!執筆しようと思い至った」
深月「終了間際になったら投稿間隔が空くのでしょう?」
布団「是非もないよね!」
深月「反省して下さい!」
布団「誤字報告感謝でっす!」
深月「もう何も言いません・・・読者の皆様方、無計画な作者さんを生温かい目で見てあげて下さい」
布団「魔物戦だぞ!」
深月「では、ごゆるりとどうぞ」
~ハジメside~
日も昇り、戦いの準備をしている者達と仮眠をとっている者達と別れている。夜明けと共に避難した女子供含む住民達が居ない町は静かだ。この場に居る者達は"豊穣の女神"一行が何とかしてくれると信じているが、それでも、自分達の身は自分で守り、出来る事をしようとする気概に満ちている
城壁の上に立ってどこを見るわけでもなくその眼差しを遠くに向けるハジメと皐月。勿論、傍には深月とユエとシアが居る。そこへ愛子と生徒達、ティオ、ウィル、騎士達がやって来た
「南雲君、準備は・・・出来ているのですね」
「あぁ」
振り返らず、遠くを見つめながら簡易に答えるハジメ。だが、騎士達は納得がいっていない模様で
「おい、貴様。愛子が・・・自分の恩師が声をかけているというのに何だその態度は。本来なら、貴様の持つアーティファクト類の事や、大群を撃退する方法についても詳細を聞かねばならんところを見逃してやっているのは、愛子が頼み込んできたからだぞ?少しは・・・」
「デビッドさん。少し静かにしていてもらえますか?」
「うっ・・・承知した・・・」
畑山に黙れと命令されたデビッドはシュンとした様子で口を閉じる
「南雲君。黒ローブの男のことですが・・・」
「正体を確かめたいんだろ?見つけても、殺さないでくれってか?」
「・・・はい。どうしても確かめなければなりません。その・・・貴方達には、無茶な事ばかりを・・・」
「取り敢えず、連れて来てやる」
「え?」
「黒ローブを先生のもとへ。先生は先生の思う通りに・・・俺も、そうする」
「南雲君・・・ありがとうございます」
ハジメの予想外な協力的な態度に少し驚いたようだが、振り返らず答える事からハジメ自身にも思うところが多々あるのだろうと、その厚意を有り難く受け取る事にした
畑山の話が終わったのを見計らって、今度は、ティオが前に進み出てハジメに声をかける
「ふむ、よいかな。妾もご主・・・ゴホンッ!お主に話が・・・というより頼みがあるのじゃが、聞いてもらえるかの?」
「?・・・・・・ティオか」
「お、お主、まさか妾の存在を忘れておったんじゃ・・・はぁはぁ、こういうのもあるのじゃな・・・」
皐月は全てを察した表情でティオを見る。しかも、何処か諦めた様子である
「んっ、んっ!えっとじゃな、お主は、この戦いが終わったらウィル坊を送り届けて、また旅に出るのじゃろ?」
「ああ、そうだ」
「うむ、頼みというのはそれでな・・・妾も同行させてほし――――――」
「断る」
「・・・ハァハァ。よ、予想通りの即答。流石、ご主・・・コホンッ!もちろん、タダでとは言わん!これよりお主を"ご主人様"と呼び、妾の全てを捧げよう!身も心も全てじゃ!どうzy」
「帰れ。むしろ土に還れ。ご主人様呼びは深月だけで十分だ」
ハジメは汚物を見るような目で、ユエは能面の様に、シアは気持ち悪そうな目で見ている。唯一違った目をしているのは深月だけだ。この中でティオの味方をする者は殆ど居ないだろう
「そんな・・・酷いのじゃ・・・妾をこんな体にしたのはご主人様じゃろうに・・・責任とって欲しいのじゃゴフッ!?」
深月の容赦の無い腹パンに体をくの字に折られるティオ。だが、恍惚の表情をしている時点でドン引きものである
「ゴホッゴホッ。・・・その様な汚物を見るような目で・・・ハァハァ・・・そして重く体の奥底に響く衝撃・・・たまらんっ!・・・ごほんっ・・・その、ほら、妾強いじゃろ?」
体をくねくねしながら突飛な発想の思考回路を説明し始めるティオ
「里でも、妾は一、二を争うくらいでな、特に耐久力は群を抜いておった。じゃから、他者に組み伏せられることも、痛みらしい痛みを感じることも、今の今までなかったのじゃ。それがじゃ、ご主人様達と戦って、初めてボッコボッコにされた挙句、組み伏せられ、痛みと敗北を一度に味わったのじゃ。そう、あの体の芯まで響く拳!嫌らしいところばかり責める衝撃!体中が痛みで満たされて・・・ハァハァ」
「・・・キモッ」
「アッフゥウウウン!その目が堪らん!・・・ハァハァ・・・もっと見てもいいのじゃぞ?」
「しかも、殆どが事実だから言い返しようが無い!こんな変態を引き取るなんて一生の不覚だわ!!」
「おい皐月!こんな変態を連れて旅をするだと!?俺は断固反対だぞ!!」
ハジメは拒否するが、それを許さずに反論するティオ
「それにのう・・・妾の初めても奪われてしもうたし」
その言葉に全員がハジメの方を見る。ハジメは頬を引き攣らせて「そんな事していない」と首を振る
「妾、自分より強い男しか伴侶として認めないと決めておったのじゃ・・・じゃが、里にはそんな相手おらんしの・・・敗北して、組み伏せられて・・・初めてじゃったのに・・・いきなりお尻でなんて・・・しかもあんなに激しく・・・もうお嫁に行けないのじゃ・・・じゃからご主人様よ。責任とって欲しいのじゃ」
「深月の懸念が全部当たっちゃったぁぁぁぁぁ!」
頭を抱える皐月。例え竜化していたとはいえ、初めての・・・しかもいきなりアブノーマルな後ろの扉を無理やり開通させたのだ。それはもう、責任を取らないと駄目な男だと思われる
畑山達は事の真相を知っているにも関わらず、責める様な目でハジメを睨む。ユエとシアですら、「あれはちょっと」という表情で視線を逸らしている。迫り来る大群を前に、ハジメは四面楚歌の状況に追い込まれた。
「お、お前、色々やる事あるだろ?その為に、里を出てきたって言ってたじゃねぇか」
「うむ。問題ない。ご主人様の傍にいる方が絶対効率いいからの。まさに、一石二鳥じゃ・・・ほら、旅中では色々あるじゃろ?イラっとした時は妾で発散していいんじゃよ?ちょっと強めでもいいんじゃよ?ご主人様にとっていい事づくしじゃろ?」
「変態が傍にいる時点でデメリットしかねぇよ」
「・・・茶番劇もこの辺りで終わりにしましょう」
深月の視線がある一定の所から動されない。他の者達もそちらの方向を見るが、何も見えない。だが、ハジメと皐月は飛ばしていたドローンから映像をはっきりと見た。それは、大地を埋め尽くす魔物の群れだ。大地だけで無く、空にも何十体という魔物が飛んでいる。その中に一体だけ一際大きく、その個体の上には薄らと人影のようなものも見えた
「・・・ハジメ。・・・皐月」
「ハジメさん、皐月さん」
「深月の言う通り来たぞ。予定よりかなり早いが、到達まで三十分ってところだ。数は五万強。複数の魔物の混成だ」
当初の予定を超える数の魔物に顔を青褪める畑山達
「そんな顔するなよ、先生。たかだか数万増えたくらい何の問題もない。予定通り、万一に備えて戦える者は"壁際"で待機させてくれ。まぁ、出番はないと思うけどな」
「分かりました・・・君をここに立たせた先生が言う事ではないかもしれませんが・・・どうか無事で・・・」
畑山はそう言って、騎士達を連れて町中に知らせを運ぶべく駆け戻っていった。ウィルもティオに何かを語りかけると、ハジメに頭を下げて愛子達を追いかけていった
「今回の出来事を妾が力を尽くして見事乗り切ったのなら、冒険者達の事、少なくともウィル坊は許すという話じゃ・・・そういうわけで助太刀させてもらうからの。何、魔力なら大分回復しておるし竜化せんでも妾の炎と風は中々のものじゃぞ?」
たわわなそれを強調させる様に胸を張るティオに、ハジメは無言のまま魔晶石の指輪を投げてよこした。疑問顔のティオだったが、それが神結晶を加工した魔力タンクと理解すると大きく目を見開き、ハジメに震える声と潤む瞳を向けた
「ご主人様・・・戦いの前にプロポーズとは・・・妾、勿論、返事は・・・」
「ちげぇよ。貸してやるから、せいぜい砲台の役目を果たせって意味だ。あとで絶対に返せよ。ってか今の、どっかの誰かさん達とボケが被ってなかったか?」
「・・・なるほど、これが黒歴史」
指輪を見てニヨニヨしているティオにアイアンクローをして言う事を聞かせる深月。変態といえど、キャパシティを超えた威力を誇る攻撃を前にしては大人しく従う他ないのだ
そんなこんなをしていると、遂に、肉眼でも魔物の大群を捉えることができるようになった。続々と弓や魔法陣を携えた者達が集まってくるが、大地に地響きが聞こえ始め、遠くに砂埃と魔物の咆哮が聞こえ始めると今にも死にそうな顔で生唾を飲み込む者が殆どだ
ハジメは錬成で即席の演説台を創り上げて、全員の視線が自分に集まったことを確認すると、すぅと息を吸い天まで届けと言わんばかりに声を張り上げた
「聞け!ウルの町の勇敢なる者達よ!私達の勝利は既に確定している!なぜなら、私達には女神が付いているからだ!そう、皆も知っている"豊穣の女神"愛子様だ!」
ハジメのその言葉に、皆が口々に愛子様?豊穣の女神様?とざわつき始めた。当の本人は後方で人々の誘導を手伝っており、ギョッとしたようにハジメを見ていた
「我らの傍に愛子様がいる限り、敗北はありえない!愛子様こそ!我ら人類の味方にして"豊穣"と"勝利"をもたらす、天が遣わした現人神である!私達は、愛子様の剣にして盾、彼女の皆を守りたいという思いに応えやって来た!見よ!これが、愛子様により教え導かれた私達の力である!」
ハジメは皐月に念話を送り、シュラーゲンを構えて空を飛んでいる魔物に照準を合わせる。そして、町の人々が自身を注目する中・・・引き金を引いた。皐月もハジメとタイミングを合わせて引き金を引き、魔物を粉砕する。そのまま第二射、第三射と続けて射撃して空にいる魔物の殆どを駆逐した。その中に、黒ローブが乗っていた魔物も含まれている
空の魔物を駆逐し終えたハジメは悠然と振り返った。そこには、唖然として口を開きっぱなしにしている人々に最後の締めに愛子を讃える言葉を張り上げる
「愛子様、万歳!」
すると・・・
「「「「「「愛子様、万歳!愛子様、万歳!愛子様、万歳!愛子様、万歳!」」」」」」
「「「「「「女神様、万歳!女神様、万歳!女神様、万歳!女神様、万歳!」」」」」」
こうして、ウルの町に本当の女神が誕生した。町の皆は今までの不安や恐怖も吹き飛んだようで、希望に目を輝かせ愛子を女神として讃える雄叫びを上げた。遠くで、顔を真っ赤にしてプルプルと震えている畑山を放置して魔物の群れへと向き直るハジメ
メツェライ二門を担いで前に進み出る。シアはオルカンを担いでいる
「さて、殲滅戦の開幕だ」
「ユエとシアは左。私は狙撃で各自の援護をするわ」
「んで、真ん中は俺だ」
「それじゃあ深月、私からの
「かしこまりました。お嬢様も三人の援護射撃を頑張って下さい。では、行って参ります」
深月が居た場所の地面は陥没し、姿が消える。そして、右側から聞こえる魔物達の叫び声
「気合入ってるわね~。私は土台を創って上から撃ちまくるわよ!」
錬成で高台を創り、シュラーゲンで狙いを定めて撃つ。着弾した場所は、爆発して魔物達を吹き飛ばした。その光景を見つつメツェライを扇状に薙ぎ払って、弾幕の壁を作っているハジメ
「成程、炸裂する弾丸か・・・良いなあれ。俺もバカスカ撃ちてぇ」
本音が駄々洩れだ。危なげ無く魔物達を殲滅して行きながら再び皐月の様子を見ると、銃身が変わっていた。細長い筒だけの物となっていた。まるで何かを撃つ為だけに切り替えたかの様なそれは銃口を光らせて、極細の光を伸ばす。直撃した魔物は焼け焦げ、その光はスパッと横に振るわれる。光が過ぎ去った場所に居た魔物達は切断されて、大地に崩れ落ちた。これらは皐月が考案した特殊兵装だ。フラッシュストライクはその名の通り、閃光の様に早い光の一撃――――――一発撃つと冷却が必要で使いにくい代物だ。だが、銃身を取り外し可能にした事によって、冷却の最中は他の銃身を付けて攻撃すれば良いとの事
「えげつない事考えるもんだな。あの銃身を量産でもしたら、レーザー撃ち放題じゃねぇか」
だが、問題は魔力に依存した攻撃なので、連射は出来ないのが普通だ。だが、それを可能にするのが神結晶印の指輪。今回は連射はしないが、自身に影響が出ない範囲でレーザーを撃つ事を決めている皐月
「ふんふん。フラッシュストライクの試運転は上々ね♪後はカートリッジを変えつつ攻撃で良いわね」
銃身を元に戻し終えた皐月は、再び爆撃を開始しながら右側を見てみると・・・
「いや・・・確かに私は一気に食い破って殲滅しろとは言ったけどね?私達よりも殲滅速度が速いとは思わなかったわ・・・」
皐月が全体を見た時、四人が倒した魔物の数は三割程だが、深月はつい今しがた右側の魔物を殲滅し終えた所だった
~深月side~
お嬢様からの
内心ウッキウキの深月。こちらの世界に来てから最初の塵芥を締め上げる時だけにしか命令されなかったので、脳内で会議が繰り広げられていた
深月1「お嬢様の
深月2「三秒で支度しな!」
深月3「遅い!遅すぎる!お嬢様の為ならゼロコンマで支度しな!」
深月4「煩い。少し黙ってなさい」
深月1「静粛に。先ずは予想です。お嬢様の考えを察してこその私達ですよ?」
深月3「ヒャッハー!決まっています!サーチアンドデストロイです!!」
深月2「いいや違う!私達だけで魔物の殲滅です!」
深月4「心お優しいお嬢様がそんな無茶を言う事はありえません!」
"右側の敵を一気に食い破り蹂躙しなさい"
深月1「さて、準備は良いですか?」
深月2「誰に物を言っているつもりだぁ?」
深月3「黒刀、夫婦剣、魔力糸、各技能、神代魔法共に準備万端!何時でも発進出来ます!」
深月4「容赦はしない!パパッと手早く終わらせて援護しましょう!そうすれば、私たちの評価がうなぎ昇りです!」
234「「「もう我慢出来ない!早く発進しましょう!!」」」
深月1「では、行きましょう!」
「「「「全てはお嬢様の為にいいいいいい!!」」」」
体の機能を十全に使いこなし、一気に魔物達の眼前に躍り出る深月の顔は笑顔であった
殲滅!殲滅!殲滅!!フフフ、アハハハハハハハハ!これぞ正しく、最高にハイってやつです!力があふれ出て漲ってきます!!早く終わらせて、援護をしてお嬢様に褒めて頂きましょう!あわよくば、添い寝のチャンスをゲット出来る可能性も捨てきれません!
目に映る魔物達を蹂躙する深月。黒刀で唐竹割、夫婦剣を投擲して首を跳ね飛ばし、魔力糸で切り刻んでいく。だが、如何せん殲滅能力が低いのが難点だ。だが、そんな問題を解決するのも深月ならではの行動だった
お嬢様が爆撃をされていますね。・・・この調子では私の方が遅くなってしまいます。爆撃・・・爆撃・・・良い事を思い付きました!無いなら、作れば良いだけですね♪
魔力糸を球体状に物質化させ、思いっきり空高く飛ばす。深月の謎の行動を理解出来ない魔物達は、薄ら笑いを浮かべて迫りくる
「これぞ、死の雨ですね♪」
降り注ぐ物体によって、魔物達はグッチャグチャに潰れて肉片と成り果てた。降り注いだ物体とは、魔力糸で創った球体だ。普通ならこれ程までの惨劇にはならないのだが、深月は重力魔法が使える。空高く飛ばした硬い球を重力魔法で一気に重くしたらどうだろうか。答えは簡単、ビー玉程の大きさの球が空から物凄い速さで落ちてきたのだ。貫通力よりも、衝撃を主としたその攻撃の雨には全てが無に帰する
「さぁ、球はまだまだ沢山ありますよ?存分に味わってくださいね♪」
投げて、投げて、投げて、蹂躙して、回収して、投げて、投げて、蹂躙してを何度も繰り返す深月。何時の間にか深月の進路上に居た魔物は全滅していた
「終わってしまいましたね。ハジメさん達の方はまだまだ残っているので、頂いてしまっても構いませんよね♪攻撃の手段を変えてみましょう。何かしら良い使い方が思いつくかもしれません!」
魔力糸を弓状に形成して、矢を型どって―――――狙いを定めて・・・・・撃つ!
ヒュンッ!と勢い良く飛んだ矢は魔物達の首の高さで通り過ぎ、その近くに居た魔物は首がズリ落ちて絶命させた。矢の横側に、極細で強靭な糸を真っ直ぐに伸ばしていたのだ
「これは使えますね。もうしばらく実験致しましょう」
どんどんと矢を放つ深月。魔力糸を魔物の首に引っ掛けて矢を刃に変えると、魔物の首を支点として周囲の魔物達を切り裂く。糸を繋げた矢を足止めのトラップにしたり、当たる直前でワザと糸状に戻して捕縛したりと本当に便利の一言に尽きる
実験しながら、ハジメ達が処理する筈の後方の魔物達を仕留めていき――――――決着がついた
~皐月side~
ハジメと皐月とユエとシアとティオの攻撃で、敵はなすすべも無く数を減らして行く
「うわぁ~・・・深月が色々と実験し始めたわね・・・」
皐月は、深月がビー玉程の大きさの物体を空高く投げて重力魔法で落とすだけの単純作業と、魔力糸で創られた矢で新たな事にチャレンジしている様子を見たのだ
「何がヤバイかって?あの雨あられが凶悪過ぎて笑えないわ。・・・あれって、頭上で地上に向けて爆発させたクレイモアみたいな光景ね」
呟きつつ、弾倉をリロードして爆撃を再開する。深月は放置してハジメ達四人の様子を見ると、青を通り越して白くなった顔をしているティオを発見した
魔力を全て使い切ったのね。・・・ハジメに冷たくあしらわれて興奮する変態は見なかった事にしよっと。数は一万を切ったけど、未だに突撃をする魔物。でも、戸惑いを覚えている個体が殆どね。奥には、偉そうに指示を出して踏ん反り返っている奴らが少々。リーダー各を操って命令させているのね。効率を重視したつもりだろうけど―――――――その司令塔が居なくなればどうかしらね!
ズガンッ!
爆撃タイプでは無く、普通の弾丸で超遠距離射撃をして、リーダー格の魔物をヘッドショット。いきなり頭部が無くなり、崩れ落ちる魔物を見て戸惑いを見せた周囲の魔物達
ビンゴッ!ハジメも私の攻撃の意味を理解してくれたし、無駄撃ちをしないで司令塔になりそうな魔物を選んで潰していこう!さてと、目標はユエが対処している魔物をって・・・矢が頭に刺さってる!?あそこから深月の居る場所がどれだけ離れていると思ってるの!?あっ、その周りに居た魔物もやられた
ユエは魔法を撃つ準備をしていたのね。・・・深月の矢でリーダー格が居た一帯が全部潰されて呆気に取られているわ。深月は・・・ユエの様子に気が付いて攻撃を止めたわね。あぁ・・・八つ当たりで魔物達が燃やされているわ
ユエは、狙いを定めていたリーダー格の魔物を倒そうとしていたのだが、深月の攻撃が先に直撃して奪われてしまった。ハジメに活躍を見てもらいたいと思っていたのか、八つ当たり気味で目に付く魔物達を焼き尽くしていた
シアは突撃してぶっ潰しているけど、危なっかしくて見てられないわ
スコープを覗かず強化した視覚で全体の様子を見ると、明らかに動きが違う魔物が居た。黒い四つ目の狼は他の魔物とは違い、シアの攻撃を奇麗に避けたのだ。予想外な出来事に硬直させた隙を突かれて、ドリュッケンに飛び掛かって強靭な顎と全体重で地に押し付ける様にしてシアを封じたのである。そして、同じ魔物のもう一体がシアに襲い掛かった
(油断大敵よ。気をつけなさい)
ズガンッ!ズガンッ!
二発の弾丸はシアに当たらない様に、襲い掛かっていた黒い四つ目の狼の頭部を粉砕する
(皐月さん。ありがとうございました!)
(どういたしまして。私が見ててあげるから、油断せずに突っ込みなさい)
(皐月さんの援護があれば百人力ですぅ!)
シアは真っ直ぐにリーダー格の魔物に走り近づき、邪魔しようとする魔物は全て皐月の狙撃で潰されていった
~ハジメside~
様子を見ていたが・・・シアの奴は危なっかしいな。だが、皐月が援護しているから大丈夫そうだな
ハジメはガン=カタでドンナー・シュラークを縦横無尽に操りながら、ラウンドシールドの様なものが取り付けられている金属製の十字架―――――クロスビットを併用して、嵐の様な攻撃を繰り広げる。数十体のリーダー格の魔物を葬ったハジメは、遠くで何かを喚いている人影を発見。その頭は黒いローブで覆われていた
あいつか
黒ローブの男は、子供の様に癇癪を起こしてアーティファクトの杖をかざして何かを唱え始める。しかし、それを黙ったまま待つ義理はない。ハジメはドンナーで狙撃して杖の半ばから吹き飛ばすと、その余波で揉んどり打って倒れる男
すると、今まで様子を伺っていたのか、黒い四つ目の狼の群れがハジメに襲い掛かった。先読の技能を持っているのか、ドンナー・シュラークで連射するも当たらない。しかも、先読で敵の未来位置に撃ち込むんでも回避する個体も居るのが驚きだ。何故これ程までの力を持った魔物がこの場に居るのかが疑問に残るが、厄介な個体が多く時間が掛かる
二尾狼とは違うが、明らかにこの場に居る事がおかしい魔物だな。しかも未来位置に撃ち込んでも回避する・・・面倒極まりないが、深月の動きに比べたら月とスッポンだな
ハジメは再度、明後日の方向と未来位置に撃ち込む。初撃を避けた魔物は、未来位置に置かれた二撃目も避けた。しかし、どこからともなく飛来した弾丸が腹部を貫いた。三撃目は、明後日の方向に撃った弾が跳弾して襲い掛かったのだ。精神を集中して攻撃しなければいけないので大変だが、深月との訓練で実践レベルで使用が可能となっていた
だが、それでも一体だけだ。最初は六体だったが、数が増えて今では十一体だ
「チッ!数が無駄に多い!」
一瞬だけ黒ローブの方を見ると、同じ魔物が五体こちらに向かってきていた。流石にこれ以上数が増えるとなると危険だ。シアの方を見ると、数は少ないが群がられていた。ユエの方には居ない模様。だが、この状況も直ぐに覆った
ハジメに襲い掛かった一体が体を捻って大きく後退。だが、着地する直前で飛来した二刀によって首が切り落された。ハジメに襲い掛かっていた魔物達が一斉に二刀が戻っていった先を見ると、シアが対処していた五体が深月によって苦も無く蹂躙された場面だった。魔物達が一斉に警戒をすると同時に、深月が一体の狼の前眼まで接近していた。手を交差していたが、持っていた夫婦剣の姿は無い。先読で左右の未来位置に飛来する事を理解してそのまま深月に噛みつこうと口を開けた瞬間に、上顎と下顎を素手で掴まれて引き裂かれた。先読を使って自身に害が無いと思われる攻撃は無視するだろうし、そのまま動かせば相手に怪我をさせる事が出来ると分かっていると注意が疎かになる
「点や線で攻撃するから避けられるのです。面で攻撃すれば何も問題はありません」
その瞬間、深月の前方に居た魔物は上空から降り注ぐ物に蹂躙された。僅か数秒の出来事、そのまま振り返ってナイフを投擲。正確に放たれるそれを回避、未来位置に置かれた攻撃も避けようと体を動かしたのだが
「
深月の一言で未来位置に置かれたナイフ達が糸状に解け、魔物に絡み付き
「
引き縛った。四肢を体に接着する様に固定された魔物達は動けず、再び投擲されたナイフで蹂躙された。しかも、援護で来ていた五体も同じ有様となっていた。その事実に少しばかり呆然とするローブの男だったが、手持ちに魔物が居なくなったと理解して走って逃走する。しかし、魔力駆動二輪を取り出して一気に加速して追いかけたハジメによって後頭部を殴りつけられ、シャチホコの様に地面とキスをして数メートル程地を滑って停止した
「さて、先生はどうする気だろうな?こいつの事も・・・場合によっては俺の事も・・・」
ハジメは、ローブ男を義手から出したワイヤーを括り付けて二輪で引き摺って町へと踵を返した。そんな男の姿は、敗残兵と言った有様だった
深月「お嬢様に褒めて頂けますかね?」
布団「多分?」
深月「・・・そうですか」
布団「でも、久々の命令でウッキウキだったでしょ?」
深月「当たり前じゃないですか!」
布団「よーしローブ男の結末が楽しみだわ」
深月「そういえば、日間ランキングに載りましたよ」
布団「( ゚Д゚)ハ?」
深月「初めてランキングという項目を見たのですが、下の方にありました」
布団「(*´▽`*)ワーイ ヤベェ・・・誤字の多い作者で申し訳ない・・・」
深月「本音はそれですか!?」
布団「と、豆腐より柔らかいメンタルなんだぞぉ!?」
深月「それでは、読者の皆様方。次回をお待ち下さい♪」