ありふれていない世界最強メイド【本編完結済み】   作:ぬくぬく布団

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布団「投稿です!」
深月「多数の誤字報告を有難う御座います」
布団「とても助かります!それと、読者の方からメイドさん技能が多すぎて何が追加されたのか分からないとの事で、文字を太字にしました。色分けするよりも見やすさを意識したのでそこだけは注意して下さい!」
深月「私の技能が多すぎて申し訳御座いません。それでは読者の皆様方、ごゆるりとどうぞ」












メイドさん達の大冒険?

~皐月side~

 

・・・ホント深月様様だわ。あ、今私達が居る場所はグリューエン大火山の迷宮よ。ラ〇ュタの様に覆われた砂嵐を抜けて、岩石地帯を登っての大迷宮。何故深月様様なのかと言うと・・・熱量操作が凄まじすぎる件について

 

「深月がチートなお陰で快適な攻略が出来ているな」

 

「・・・さすが」

 

「ぶっ壊れですね!」

 

つい数時間前までは、マグマの高熱で汗を垂れ流してまともな思考をする事すら許されなかったハジメ達。だが、今は違う。深月の熱量操作がここでも活躍したのだ。温かい断層と冷たい断層を重ね合わせる事で、常温に近い快適な空間を作り出したのだ。およそ六畳程の広さだが、それだけでも充分である。いや、もう少し狭くても文句は絶対に言わない。それだけ環境が違うのだ

 

「お嬢様達を苦しめる環境であろうとも、それを防ぎサポートするのが私の勤めです!」

 

大迷宮に近づいている道中でも暑くて汗を掻いていたのだが、攻略する為に階段を下りれば灼熱地獄。とめどなく溢れ出す汗。流石に不味いと判断した深月は、早急に対処の方法を考えた。その方法が上記で説明した断熱である

魔物と戦う際にはどうしても動くので熱い空間に身を置く事になるのだが、それ以外では快適空間の中に居られる。要するに、魔物とエンカウントすれば即殺する。遠距離攻撃が出来るハジメと皐月とユエは良いのだが、近距離での攻撃しか出来ないシアに関しては一気に飛び出して、一撃で殺してすぐさま戻るの繰り返しである。そして、シアが何故一撃で倒せるのかというと・・・深月が透明の魔力糸で魔物を捕えているからだ。一行の攻略スペースはとても順調の一言である

 

極限の環境下でも深月が居ればどこにでも行ける。・・・あれ?氷雪地帯にある大迷宮も深月が居れば万事解決って事よね?・・・一応頼り過ぎるのはいけないから暖房系のアーティファクトを創った方が良いわね。大丈夫だとは思うけど、魔人族の奇襲で対処出来ない可能性もあると思うわ。まぁ、深月だと対処出来ると思うけれど

 

攻略を開始する一行は広間へと出た。幾ら深月の技能に節約の技能があるとはいえ、いざという時に魔力が無くなりましたでは冗談では済まされないので休憩を挟む事にした。マグマから比較的離れた場所の壁に錬成で横穴を空けて、空気穴を最低限の大きさを確保する。後は、横穴の壁だけ硬い金属でコーティングを施して魔物とマグマの噴出に襲われない様にして安全を確保する

 

「よし・・・ユエ、氷塊を出してくれ。深月がどうにかしてくれているのは良いが、念には念を押して回復をさせたいからな」

 

「集中し続ける事が出来ても、し過ぎたらいけないからよ。致命的なミスを誘発する可能性を少しでも取り除いておきたいのよ」

 

「ん・・・了解」

 

ユエは頷き、部屋の中央に氷塊を出現させて風魔法で部屋全体に冷気を行き渡させる

 

「はぅあ~~、涼しいですぅ~」

 

「・・・深月が居なければ危険だった」

 

この熱さは危険だと体感した二人はタレモードに突入している。ハジメは、宝物庫からタオルを取り出して全員に手渡してこの先の事について皐月と話し合う

 

「この大迷宮はヤバイな。最初は、手持ちの冷房アーティファクトでどうにかなると思っていたが足りなかった」

 

「今回は仕方が無いと割り切って行動した方が良いわ。念の為に高性能にして数を増やすのが無難ね」

 

「あぁ。それに、氷雪地帯にある大迷宮―――――シュネーを攻略する際には、暖房アーティファクトを用意しておかないとな」

 

「恐らくこの迷宮の試練は、この熱さ。いえ・・・もしかしたらまともに思考が出来ないというのをコンセプトにしているかもしれないわね。ミレディが言っていたでしょ?エヒトは意地汚いって」

 

「・・・なるほどな。攻略する事に変わりはないから特に考えた事が無かったが試練そのものが解放者達の"教え"になっているって事か」

 

予測は尽きない。ハジメ達は、汗をタオルで拭き取っていると深月から声が掛かる

 

「お嬢様、ハジメさん。少々宜しいでしょうか?」

 

「ん?また何か推測するのか?」

 

「今度は何を言い当ててくれるのかしら?」

 

深月の予測だと十中八九予想していた二人だが、それは違っており

 

「快適なのは良いのですが、服を変えたいのです。ハジメさんがデザインしたこの服でも良いのですが・・・これからの事を考えると動きにくくなりますので」

 

「「あぁ・・・その服だと暑い筈だな(わ)」」

 

深月が現在来ている服は、胸元だけが空いている黒を主としたメイド服。ここで、白を主とした元の服に戻る方が動きに阻害が出にくいとの事。ハジメは、内心で「元のメイド服に戻る・・・久しぶりに見たいな」と呟いて、宝物庫から以前のメイド服を手渡す。元のメイド服なのでサイズがキツイのだが、深月は紐を解いて拡張する・・・あっという間に調整されたメイド服。深月はそのまま流れる様にメイド服を脱いでいく。ハジメは視線を逸らして見ない様にしている

手早く着替え終えた深月は、先程まで来ていた服を清潔して綺麗に折り畳みハジメに手渡して宝物庫へとしまった。グ~ッとひと伸びして、体を動かし不備が無いかを確認している。ハジメは無意識に深月の動作を見ており、それに気づいている三人は念話で会話をする

 

(・・・やっぱりハジメは深月が好き)

 

(しかも無意識です!)

 

(ハーレムは良いけれど、深月をどうやってハーレムに入れるかが一番厳しいわね)

 

(・・・鋼鉄の意思)

 

(深月さんを説得ってかなり難しくないですか?)

 

(こちらを言いくるめたり、ひらりひらりと回避しているから大変よ。命令しようとすれば感付いて逃げるし)

 

(・・・どうやって深月をハジメに惚れさせるかが問題)

 

(ハジメさんが告白しても断りそうですよねぇ~)

 

(とにかく様子見は続くわ。深月がひた隠しにしている秘密・・・あれが鍵になりそうなのよね)

 

((秘密?))

 

(私と出会った時は違和感が無かったのだけど、年々と違和感があるというかなんというか・・・。私の勘が囁いているのよ)

 

(・・・待つ)

 

(皐月さんの勘に引っ掛かっているのなら何かあるのは確実ですね!)

 

深月は転生者。前世が男だった為に"結婚"というワードに躊躇いを感じているのだ。夜の行為(意味深)は、かなり割り切っているのと、興味があったからでもある

動作確認も終了した深月は、手持ちの武器の一つ一つをチェックしてメンテが必要な物をハジメに渡して調整をしている。この熱さで歪んだりしていたら武器が壊れる危険性もあるからだ。チェックも終わり必要な休憩も取れたハジメ達は、再び大迷宮の攻略を再開した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ハジメside~

 

「気分は、ハードモードのインディさんだな・・・」

 

現在ハジメ達が居る場所は、マグマの上。赤銅色の岩石で出来た小舟で、どんぶらこ~どんぶらこ~と流れに沿って流されている。どうしてこの様な状況になっているのかというと・・・皐月がミスを犯したからだ。実は、少し前の階層で静因石を回収していた際にマグマが噴き出た事が原因だったのだ。栓の役割を担っていた静因石の回収により、マグマが湧き出して勢いを増したのだ。皐月は寸前でマグマから飛び退いた事で怪我は無かった。しかし、あっという間にマグマに取り囲まれてしまった。マグマはユエが張る障壁で防ぎ、その間に錬成で小舟を作り出しそれに乗って事なきを得た。因みに、熱せられる小舟は深月の熱量操作で高温になる事は無い

 

「下に流れて行っているのは良いんだが・・・これって大丈夫なのか?」

 

「あっ、ハジメさん見て下さい。トンネルです!」

 

「トンネルを出た先に敵が居るかもしれないわね。その時は頼むわよユエ」

 

「ん、魔法の餌食」

 

トンネルを抜けた先の光景は、マグマの川が宙に浮いていた。その場所に踏み入れた瞬間に沈没しそうになった小舟をシアが重力魔法を行使して防ぐ

 

「あっぶねぇ、助かったぜシア」

 

「未来視がなければ危なかったです・・・」

 

「・・・ナイス、シア」

 

その後も流れるマグマに任せて進む。すると、視線の先にはマグマの川が途切れていた

 

「ちょっと待って。ねぇ待って!これってあれなの!?ジェットコースターみたいに下るやつなの!?」

 

「怖いのか?」

 

「怖い。バンジージャンプとかそういうのは大丈夫だけど、乗り物で急坂を下るのだけは苦手なの・・・」

 

皐月は少しだけ震えて顔も強張っており、とても大丈夫そうではない。ハジメは靴底をスパイク状に錬成をして踏ん張り、皐月の肩を持って抱き寄せる。さながら、絶叫アトラクションの前に彼女を心配する彼氏である。だが、マグマの川なので絶叫アトラクションが可愛く見える。ユエとシアは「良いな~」と内心思っていたが、皐月の意外な弱点に少しだけほっこりしている。誰しも、弱点は存在するのだ

 

「私が重力魔法を使って落下速度を落としましょうか?その場合は熱量操作が出来ませんが・・・如何されますか?」

 

「「「「熱量操作に集中して下さい」」」」

 

熱いのは嫌・・・多少の恐怖と熱いの二択ならば、恐怖を取る一同だった。皐月も覚悟を決めているが、ハジメに抱き寄せられながらも震えている。徐々に近づく川の途切れ。遂に小舟が到達した瞬間、グラリと先端が一瞬浮いて、一気にマグマの川を下る

 

「き、きゃああああああああああああああああ!

 

皐月の叫びが木霊する

それはさておき、マグマの川を下る一行を待ち構えていたのか、コウモリが一斉に襲い掛かって来た。数にしておおよそ六十体。かなり素早く飛ぶコウモリは、マグマ混じりの炎弾を飛ばすものの、ユエの障壁で弾かれて着弾する事は無かった。炎弾が効かないと分かるや否や、ハジメ達に向かって突撃をして来た。しかし、またしてもユエの魔法でその悉くを吹き飛ばす

ようやく川の下りも終わって一息、皐月は冷や汗をたっぷりと掻きながらハジメに引っ付いている

 

「ようやく終わった。・・・もう二度と体験したくないわ」

 

「あっ」

 

深月が何かに気付いたのか、とても複雑そうな表情をしながら皐月を見ている。深月の視線を感じた皐月は、深月の表情を見て悟った

 

「うそ・・・よね?深月、嘘だと言って!」

 

「無理です。諦めて下さいお嬢様。標高的に考えますと・・・かなり高い場所から下るか、先程のが数回続くかです」

 

皐月は先程よりも青ざめて、白に近しい色となっている

 

「もうヤダ・・・おうち帰る。・・・帰りたい。・・・ごめんねミュウ、ママ死んじゃうかも」

 

涙目で心が折れそうになっている皐月。誰がどう見ても、このマグマ下りを終わらしてと思っているのだろう。そして、再びマグマ下りをして悲鳴を上げてを五回。ハイライトを失った眼でぐったりとして、ハジメに支えられていた皐月であった

最後のマグマ下りを終えた先に待っていたのは洞窟の出口。光が見えて、皐月は、「ようやく終わった。・・・ママ頑張ったよ」と言って褒め称えていたのだが、直ぐに絶望した。今度は完全にマグマが途切れていたのだ

 

「掴まれ!」

 

ハジメの号令と共に深月とユエとシアは船に掴まって、マグマの激流の勢いを保ったまま洞窟へと放り出された。直後、襲い来る浮遊感。素早く、周囲の状況を判断するハジメと深月。皐月は現在使い物にならないので除外している

ハジメ達が見た先の光景は、広大な空間。オルクス大迷宮の最深部よりも広く、地面の殆どはマグマで満たされている。だが、一つだけ異質な場所――――マグマの海の中心部にある小さな島。海面から十メートル程の高さにせり出した岩石の島。何より目を引いたのが、その島の上をマグマのドームが覆っていたからだ

 

「"風よ"」

 

本来なら放り出された時に船から落ちる筈だったのだが、深月の魔力糸が船がひっくり返らない様にバランスを取っていた。そこに、ユエの魔法―――"来翔"で船の落下速度を調整して一同が降り立つ。その後、柔らかくマグマの海に着地したのだ。明らかに雰囲気が違う事に気付いたハジメ達は、警戒している。皐月も、ようやく終わったマグマ下りに落ち着きを取り戻して警戒している

 

「・・・あそこが住処?」

 

「階層の深さ的にも、そう考えるのが妥当だろうな・・・だが、そうなると・・・」

 

「最奥のガーディアンが居る筈ですが・・・マグマの中に居るのでしょうか?」

 

「ショートカットして来たっぽいですし、とっくに通り過ぎたと考えてはダメですか?」

 

「ダメです」

 

「ですよね~」

 

道中の楽すぎる道のりに、冗談交じりでシアが言いつつ深月が否定。シアも、それが分かっているので警戒は解いていない。すると、宙を流れるマグマからマグマの弾丸が飛び出す。それが合図だったのか、周囲のマグマからも弾丸が降り注ぐ

 

「ちっ、散開だ!」

 

このままでは駄目だと判断したハジメは、小舟を放棄して近場の足場に散開する様に指示をする。先程まで乗っていた小舟は、大量の炎弾が降り注いで粉砕されマグマの海に沈んだ

散開したハジメ達を追って炎弾が降り注ぐ光景に、深月を除く面々は苛立つ。快適な温度から一変、周囲の景色が歪む程の熱量が原因だ。熱さを我慢して、ハジメと皐月はドンナー・シュラークで炎弾を迎撃。ユエは魔法で、シアは回避だけに専念している

止まらない攻撃の原因の手掛かりになりそうな中央の島を調べる為、ハジメは空力を使って移動して、あと一歩という所で体ごと引き戻される。深月がハジメの腰に巻いた魔力糸を引っ張ったのだ。ハジメは、深月に怒ろうとした瞬間

 

「ゴォアアアアア!!!」

 

「ッ!!」

 

先程まで居た場所を、巨大な口を開けたマグマ蛇が通り過ぎたのだ。運が悪ければ飲み込まれ、運が良くても態勢を崩されていただろう。ハジメは、引かれたまま蛇の頭部に照準を合わせて引き金を引いてマグマ蛇の頭を捉え、弾き飛ばす

 

「なにっ!?」

 

頭部を粉砕して絶命するだろうと思っていたハジメだった。結果的には頭部を粉砕したが、その中身が無かった――――マグマ蛇はマグマだけで出来ていたのだ。今までの魔物は、マグマの鎧を纏った魔物だった為にこの驚愕は大きかった

 

「マグマだけで出来た蛇・・・恐らくあのスライム同様、何処かに核がある筈よ。魔眼石でも魔石の位置は確認来ないけれど、面制圧ならっ!」

 

皐月に向けて飛び掛かる様に、口を大きく開けて突撃するマグマ蛇。その口内に向けてドンナーで撃ち貫くと同時に跳躍、粉砕しきれなかった胴体の上からもう一発。弾け飛ぶ様に倒されたマグマ蛇は、そのままマグマの海へと沈んだ

 

「成程な。シアはユエを抱いて回避に専念しろ!ユエは遠慮無く魔法でぶっ潰せ!」

 

「ん!」

 

「了解ですぅ~!」

 

シアはユエを抱き上げて移動――――シア達を襲い来るマグマ蛇は、ユエの魔法で切り刻まれる。動く魔法砲台はとても素晴らしいの一言だ

 

「俺が頭部を吹き飛ばした奴は再生しているな。だが、皐月が倒した奴は再生していない。やはり、核を破壊で間違いないな」

 

皐月が倒して一体減った残りの十九体がマグマから一斉に頭を出し、炎弾を吐きながらハジメ達に向かって一直線に突き進む

 

「ラッキー♪これでもくらいなさい!」

 

いつの間にかシュラーゲンの銃身を変えていた皐月。装着しているのは、以前、ウルの町での魔物の討伐の際に使用していたフラッシュストライク。レーザーを横なぎにして切断するのだが、今回は出力を上げている。薙ぎ倒す様な太いレーザーが蛇達を飲み込む事で全滅させる

 

「お~、正に圧巻だな」

 

「ふっふ~ん♪もっと褒めても良いのよ?」

 

だが、これだけでは終わらないのが大迷宮クオリティー。計二十体倒されたマグマ蛇が、再びマグマの海から出現した

 

「フラッシュストライクは三本しか無いんだけど・・・。・・・この熱さだと冷却なんて出来ないし」

 

「何で復活したんだ?倒すことが条件じゃないのか?」

 

「あっ!ハジメさん、皐月さん見て下さい!岩壁が光ってますぅ!」

 

「何?」

 

「確かに光っているわね。およそ二十・・・光ってない物も合わせたら百位あるのかしら?」

 

「・・・条件は百体倒す?」

 

再び襲い来るマグマ蛇。皐月は銃身を交換して、再度、横なぎレーザーで殆どを仕留めて生き残りが五体。一行は岩壁を確認すると、倒した分だけ光り輝いていた。そして、また一つ光が増えた

 

「深月がやったな」

 

「暗殺者ですねぇ~」

 

「・・・ニンニン」

 

「どこでそのネタを知ったのよ・・・」

 

ユエのやつ、何処からネタを仕入れてきてるんだ?香織からか?それとも深月か?まぁいい。今は目の前に集中だな

 

深月の黒刀が閃き、斬撃がマグマ蛇を縦に両断。早すぎる斬撃のせいか、そのまま崩れ落ちる。恐らく、核を移動させるよりも早く斬られたのだろう。そして、最後の一体を仕留めると再びマグマ蛇が二十体現れた事で確信に至る

 

「後はこれを三回だな」

 

「ん!」

 

「熱いけど頑張ります!」

 

「手早く済ませたいから、もう一発いくわよ!」

 

熱く、判断力が鈍る中での耐久戦が始まった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

熱い・・・ただひたすらに熱い。さっさとこの戦いを終わらせたいぜ

 

ハジメのドンナーが火を噴き、粉砕。核が露出した瞬間皐月が狙撃といった事を繰り返す。空力で跳びながら攻撃をしているせいで、全方位からの攻撃にも注意を割かなければいけないのが難点だが仕方が無いと割り切って行動している

汗が滴り落ちて集中力を削ぐが、それでも戦闘時間は短い。およそ十分でマグマ蛇は壊滅しており、残り九体となっていた

 

「これでカウントダウンだ!」

 

「一ですぅ!」

 

シアがユエの放った魔法で倒されたマグマ蛇をカウント。そして、続く様にハジメと皐月のカウントも続く。深月は、全体に牽制を入れる事で直撃をしやすくしているのでカウントはしない

 

「これで――――五!」

 

「六・・・七っと!」

 

「・・・これで八」

 

ラストは、ハジメと皐月のダブルショット。合わさる銃声。マグマ蛇に直撃すると確信した瞬間、二人の背中に強い衝撃が襲い掛かった

 

「「きゅ――――ぐあっ(いづっ)!」」

 

吹き飛ばされながら態勢を変えて振り返りる二人。襲撃した人物は深月だった。しかし、深月は何かに焦っていた表情をしていたのだ。勢いよく吹き飛ばされる二人が目にしたのは、極光に飲まれる深月

 

ズドォオオオオオオオオ!!!!

 

かつて戦ったヒュドラ擬きの極光と同等・・・いや、それ以上の威力の代物だった。二人はギリギリ極光の範囲に入らず、驚愕の表情でその光景を見るだけだった

 

「「「「深月ぃ!!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~深月side~

 

何か嫌な予感がします・・・まるで、体中を粘つく何かが張り付いている様な感覚。あの時・・・戦場で体験した事のある

 

「六・・・七っと!」

 

そう、あれは戦場で敵に観察される様な

 

「・・・これで八」

 

まさか上!?

 

深月は、急ぎ見上げると普通では見慣れない魔物。白い龍の口が光っていた

 

標的はお二人っ!それだけはさせません!!

 

深月は、空気を蹴って二人の背を押す様に飛ばす

 

痛かったのでしょうが申し訳ございません。こればかりは危険なのです―――――さて、耐えますよ私!

 

深月は、無色透明の魔力糸を円錐状にして盾の様に右腕に装着。そのままかざして極光に飲み込まれる。そして直ぐに分かった。魔力糸で創って超硬化をかけている盾が、ボロボロに砕けているのだ。盾では防ぎきれないと即座に判断して、自身だけに超硬化をかけて歯を食いしばる。その瞬間、盾はバラバラに砕け散って、極光が深月を焼く。両腕をクロスする形で防いでいたので頭部と胸部は守れたが、それ以外の部位は焼ける

 

「ぐっ!いっづ!うぁぁぁあああああああ!!」

 

極光は深月を飲み込み、マグマの海を穿ち続けたが、次第に細くなる。ハジメ達は、直ぐに深月の元に向かおうとしたが、それを遮る様に無数の閃光が豪雨の如く降り注ぐ

 

「ちっ!!」

 

「聖絶!!」

 

ハジメは盾を宝物庫から出して皐月の肩を掴んで抱き寄せる。ユエは障壁をシールドの様に張って自身とシアを守る

 

ドドドドドドドドドドッ!!!

 

小さな閃光――――極光の十分の一程度の威力だが、それらがハジメと皐月が居る場所を執拗に降り注ぐ。ユエ達の方も、動けなくする形で降り注いでいる。途方もない弾幕と、尋常ではない攻撃の前に動けない四人。これでは深月の様子が全く分からない

 

「こっんのクソッタレ!動くなよ皐月!!」

 

「で、でも!?」

 

「深月がこの程度で死ぬか?絶対にありえない!あいつは何時だって俺達の予想を超えるからな」

 

おおよそ一分間の集中攻撃・・・永遠にも続くと思われた攻撃は止み、ようやく終わりを見せた。周囲は酷く、ハジメ達の足場以外は全て見るも無残な状態になっており、あちこちから白煙が上がっている

ユエは魔力を使い切り、肩で息をしながら魔晶石にストックしてあった魔力を取り出して充填していると、上空から感嘆半分呆れ半分の男の声が降ってきた

 

「・・・看過できない実力だ。やはり、ここで待ち伏せていて正解だった。お前達は危険過ぎる。特に、その男女は・・・付き人によって邪魔をされたのは痛いが、戦力を低下させる事が出来ただけでもよしと考えるべきか」

 

ハジメ達は、声のした天井付近に視線を向けて驚愕した。いつの間にか、おびただしい数の竜とそれらとは比較ならないくらいの巨体を誇る純白の竜が飛んでおり、その背には赤髪で浅黒い肌、僅かに尖った耳を持つ魔人族の男がいたからだ

 

「報告にあった強力にして未知の武器・・・女共もだ。まさか総数五十体の灰竜の掃射を耐えきるなど有り得んことだ。貴様等、一体何者だ?いくつの神代魔法を修得している?」

 

怒髪天になりそうになったが、一旦気持ちを落ち着かせる

 

「質問する前に、まず名乗ったらどうだ?魔人族は礼儀ってもんを知らないのか?」

 

「・・・これから死にゆく者に名乗りが必要とは思えんな」

 

「全く同感だな。テンプレだから聞いてみただけだ。俺も興味ないし気にするな。所で、お友達の死亡報告は聞いたか?」

 

魔人族の男は、眉をほんの少し吊り上げて先程より幾分低くなった声で答える

 

「気が変わった。貴様は、私の名を骨身に刻め。私の名はフリード・バグアー。異教徒共に神罰を下す忠実なる神の使徒である」

 

「神の使徒・・・ね。大仰だな。神代魔法を手に入れて、そう名乗ることが許されたってところか?魔物を使役する魔法じゃねぇよな?・・・極光を放てるような魔物が、うじゃうじゃいて堪るかってんだ。おそらく、魔物を作る類の魔法じゃないか?強力無比な軍隊を作れるなら、そりゃあ神の使徒くらい名乗れるだろうよ」

 

「その通りだ。神代の力を手に入れた私に、"アルヴ様"は直接語りかけて下さった。"我が使徒"と。故に、私は、己の全てを賭けて主の望みを叶える。その障碍と成りうる貴様等の存在を、私は全力で否定する」

 

「それは、私達のセリフよ。私達の前に立ちはだかったお前は敵。敵は・・・皆殺す!」

 

皐月の宣言と同時に攻撃が開始される。ハジメはドンナーを、皐月はシュラーゲンの炸裂を、ユエは雷龍を、シアは炸裂スラッグ弾を放ち、ついでと言わんばかりにクロスビットを射出する。フリードに当たる前に、射線上に入った灰色の竜が正三角形が無数に組み合わさった赤黒い障壁を出現させて攻撃を防ぐ。しかし、ハジメ達の攻撃が絶大である為障壁にヒビが入るが、他の灰竜が射線上に入り障壁を展開してことごとくを防ぐ

何故?と、目をよく凝らして竜の背を見ると亀型の魔物が張り付いており、甲羅が赤黒く輝いている。恐らくあの障壁は、亀形の魔物の固有魔法なのだろう

 

「私の連れている魔物が竜だけだと思ったか? この守りはそう簡単には抜けんよ。さぁ、見せてやろう。私が手にしたもう一つの力を。神代の力を!」

 

詠唱に入ったフリードを見て、攻撃の手を激しくするハジメ達。だが、障壁は破れない。舌打ちをしたと同時に完了する詠唱

 

「"界穿"!」

 

「ッ!後ろです!」

 

詠唱が完了すると同時に、白竜と共に姿が消えた。正確にいうのであれば、光り輝く膜の様な物の中に入って行ったと言った方が正しいだろう。シアの警告を聞いた二人は振り返ると、二人の眼前に現れた白竜。しかも、口内には、既に膨大な熱量と魔力が臨界状態まで集束・圧縮されている。一瞬だけ硬直してしまった二人に逃げる隙は無く、武器を盾にする。白竜の極光がはなたr――――――

 

「わざわざ近くまで来て頂き感謝です。 无二打(にのうちいらず)

 

放たれる前に白竜の首が大きく弾き飛ばされた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




布団「お嬢様は完全無欠だと思った?苦手なものもあっても良いよね♪」
深月「ジェットコースターはもう二度と乗らないと宣言していましたね。車輪部分が壊れてしまう夢を見たとの事で・・・」
布団「悪夢どころじゃねぇ・・・」
深月「ジェットコースターだからまだマシですよ。飛行機や船等でしたら、移動手段がありませんので」
布団「それにしても・・・メイドさんの熱量操作ヤッベェ」
深月「季節の外仕事に便利ですね♪」
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