ありふれていない世界最強メイド【本編完結済み】   作:ぬくぬく布団

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布団「ダニィ!?お気に入りが115件だとお!?」
深月「それもこれも全てお嬢様の輝きがあってこその物です」
布団「主役はメイドさんなんだけどなぁ・・・」
深月「ではお嬢様の回を増やせば良いのです」
布団「うぐぅ・・・む、難しいけどやってみよう。(必ずやるとは言っていないけど)」
深月「駄目ですよ?唯でさえ誤字報告を心優しき読者様方から報告されているのですから努力して書いて下さいね?」
布団「ゲハァッ!」トケツッ

深月「では作者様は放置しましょう。では、ごゆるりとどうぞ」








召喚とオルクス迷宮
異世界召喚ですか・・・そちらのメイドは名ばかりの物ですね


~皐月side~

 

教室に魔方陣の様な物が浮かび上がり、光が爆発した後目の前に見えるは見た事も無い作りをした建物、いや・・・違うわね。古代から中世のヨーロッパの神殿に近しい造りとなっている事から転移もしくは異世界召喚・・・ラノベの異世界転移物が流行っている流れとよく似ているこの現状はとても良くない。周りには教室に居たクラス全員がこの場所へ立っている。・・・恐らく転移の指定があの教室内だけの者と言う事なのかな?お弁当とかの物がこちらに無いから・・・きっと・・・ね

 

皐月は自身の手を掴んでいるメイドの深月に視線を向けると、彼女の手には学校の鞄が握られている。この事から身につけている――――もしくは触れているという条件でこちらに来たのだろうと予測が容易に出来た

 

とにかく様子を見ないとどうする事も出来無いし、取り敢えずは静観しようかな?ハジメも何も言わず周囲を観察しているから恐らくこの後の展開を予想している筈。そして恐らくこの召喚は、私達を兵士としての召喚もしくは生け贄・・・

 

目の前に居る集団の中でも特に豪奢で煌びやかな衣装を纏った七十代くらいの老人が進み出て来た。全員がこの人物こそこの集団のトップなのだろうと感じた

 

「ようこそトータスへ。勇者様、そしてご同胞の皆様――――――歓迎致しますぞ。私は聖教教会にて教皇の地位に就いておりますイシュタル・ランゴバルドと申す者。以後、宜しくお願い致しますぞ」

 

イシュタルと名乗った老人は、好々爺然とした微笑を見せた

 

 

 

~深月side~

 

咄嗟に鞄を回収出来た事に安堵した私です。この中にはお嬢様の私服を数着、私の屋敷でのメイド服が入っている為、着たきり雀という最悪な事態は避ける事に成功ですね。しかし、この場所は大聖堂に似ている・・・となれば此処は神官等が居る場所という可能性が高いと言う事。―――――――そしてお嬢様が現在読まれている異世界転移という小説と似た感じですね

お嬢様と南雲さんは、周囲を観察そして最悪の想定を元に動く事になるでしょう。そして、あの豪華な衣装を纏った老人は覇気がありますが、それだけの人物。・・・色々言いたい所ですがまずは話でも聞きましょうか。何事も情報が一番大切ですので

 

深月は、これからの事について設計を立てて行こうと情報を聞き出す為に、注意深くイシュタルの言動を気付かれない様に自然体で観察する事にした

場所は移りテーブルが並べられている大広間へと全員が集められた。メイドの深月以外が着席、そして絶妙なタイミングでカートを押しながらメイドさん達が入って来た。生のメイドさんに全員の目が向くが驚きは無い・・・そもそも学内で皐月に付き従う生のメイドさんをほぼ毎日見ているので殆どが慣れていた。まぁそれでも美女・美少女メイドである為、男子達は凝視している。しかし、それを見た女子達の視線は氷河期もかくやという冷たさを宿していたのだがそれはお約束

ハジメの側にもメイドさんが飲み物を給仕するが凝視はせず、ただただ軽い会釈をもって感謝するが・・・背筋に悪寒を感じさせる程の視線が突き刺さり、そちらを見ると何故か満面の笑みを浮かべた白崎がジッと見ていた。ハジメは無視を決める事にした。そんな中良い表情をしなかった人物が一人―――――深月である。そして誰もが予想していなかった言葉が発せられ

 

「本当に貴方達はメイドなのですか?大方美女を宛てがい印象を良くしようとしたのでしょう。・・・しかし問題は其処ではありません。この飲み物は全くもってなっていません!お嬢様が飲まれる分はこの私自ら用意致しましょう!さあ厨房へと案内しなさい!!」

 

全員がぽかーんと口を開けて呆けている。その間に早足を持って厨房へと消えて行く深月、皐月は小さく微笑みを浮かべていた。そして数分後にカートにカップ、ポット、茶葉を乗せて帰って来たのだが、彼女の後ろを付いてくるメイド達はズーンと沈み込んでいた。そしてここでも天之河の思い込みは激しく憤る

 

「深月!彼女達に何をしたんだ!いきなり違う世界に来たからといって他人に当たり散らすなんてしてはいけない!」

 

皐月が「はぁー」とため息を吐き、深月は天之河を無視して皐月の元へ行き紅茶を慣れた手つきで入れ終わり差し出し終えた後、ご都合君に言い放つ

 

「彼女達はメイドとしての心構えが全くもってなっていません。メイドとは主に尽くす事、そして与えられた役割に全力を注ぐ事。基本すら出来ていないこの半端者達に私がお説教をし、手本となる仕事を示しただけの事――――大方私と自身の差にショックを受けているだけでしょう。・・・全くもって嘆かわしい。一度この私自らが指導して差し上げた方が有益とも言えますね」

 

天之河は何かを言おうとするが馴染みの雫に首根っこを掴まれて元の場所へと着席した。ゴホンッと咳を一つ付きイシュタルは説明を開始する

 

「さて、あなた方においてはさぞ混乱していることでしょう。一から説明させて頂きますのでな、まずは私の話を最後までお聞き下され」

 

ふむふむ成る程。・・・魔人族が強くその使役する魔物もまた強い。人間族のパワーバランスが負けている為にこの勇者召喚を行ったと言う事ですか

 

更に簡単に言っちゃうと――――――「魔人族強すぎ!人間族滅んでしまいそうだから異世界から兵士呼べば良いじゃん」という事

 

「あなた方を召喚したのはエヒト様です。我々人間族が崇める守護神、聖教教会の唯一神にしてこの世界を創られた至上の神。エヒト様は悟られたのでしょう――――――このままでは人間族は滅ぶと。そしてそれを回避する為にあなた方を喚ばれこの世界より例外なく強力な力を持っています。召喚が実行される少し前に、エヒト様から神託があったのですよ。あなた方という救いを送ると。あなた方には是非その力を発揮し、エヒト様の御意志の下、魔人族を打倒し我ら人間族を救って頂きたい」

 

これは不味いですね・・・エヒトと名を出した瞬間周囲の目は狂信者のそれと同じ類の目その物。そして何よりこの言い方では一方的に魔人族が悪であるという事

 

深月の読みは正しく、エヒトを信者とする者達は狂信者のそれだった。人間族の九割以上が創世神エヒトを崇める聖教教会の信徒で度々降りる神託を聞いた者は、例外なく聖教教会の高位の地位に付くとの事と、神の意思を疑いなく嬉々として従うこの世界の歪さが酷い。しかし此処で突然立ち上がり猛然と抗議する人物――――――愛子先生だ

 

「ふざけないで下さい!結局、この子達に戦争させようって事でしょ!そんなの許しません!ええ、先生は絶対に許しませんよ!私達を早く帰して下さい!きっとご家族も心配している筈です!貴方達のしている事はただの誘拐ですよ!」

 

通称――――愛ちゃん

 

この様な理不尽な行為を否定し、イシュタルに食って掛かる物の告げられる言葉に凍り付く

 

「お気持ちはお察しします。しかし・・・あなた方の帰還は現状では不可能です」

 

「ふ、不可能って・・・ど、どういうことですか!?喚べたのなら帰せるでしょう!?」

 

混乱しているだろう。しかし希望はへし折られる

 

「先程言ったように、あなた方を召喚したのはエヒト様です。我々人間に異世界に干渉するような魔法は使えませんのでな、あなた方が帰還できるかどうかもエヒト様の御意思次第ということですな」

 

「そ、そんな・・・」

 

ぺたんとその場に崩れ落ちる様に座り込む愛子先生、そして周囲もその理不尽さに腹を立てる

 

「嘘だろ?帰れないってなんだよ!」

 

「いやよ!何でも良いから帰してよ!」

 

「戦争なんて冗談じゃねぇ!ふざけんなよ!」

 

「なんで・・・なんで・・・なんで・・・」

 

「どうしてこんな事になるのよ・・・嫌だよぉ・・・・・」

 

殆どの生徒がパニック、ハジメも外見は冷静を装っていても内心は焦っていた。それでも、予想していた幾つかのパターンの中でも最悪の物では無かったので他の生徒達よりは平静さを取り戻していた。皐月もハジメ同様落ち着きを取り戻し静観、この先に待ち受ける何かに用心するかの如く見ていた

未だにパニックが収まらない中、天之河が立ち上がりテーブルをバンッと叩き、その音にビクッとなり注目する生徒達――――皆から目を向けられるのを確認して提案をする

 

「皆、ここでイシュタルさんに文句を言っても意味がない。彼にだってどうしようもないんだ。・・・俺は、俺は戦おうと思う。この世界の人達が滅亡の危機にあるのは事実なんだ。それを知って、放っておくなんて俺には出来無い。それに、人間を救うために召喚されたのなら救済さえ終われば帰してくれるかもしれない。・・・イシュタルさん、どうですか?」

 

「そうですな。エヒト様も救世主の願いを無下にはしますまい」

 

「俺達には大きな力があるんですよね?此処に来てから妙に力が漲っている感じがします」

 

「ええ、そうです。ざっと、この世界の者と比べると数倍から数十倍の力を持っていると考えて良いでしょうな」

 

「うん、なら大丈夫。俺は戦う。人々を救い、皆が家に帰れるように。俺が世界も皆も救ってみせる!!」

 

そう宣言した天之河。無駄に光るし、カリスマ性を持っている為、絶望していた生徒達は冷静さを取り戻しやる気になっている。女子の方は熱っぽい視線を向けているが、まぁイケメンは爆ぜろと言いたい

 

「へっ、お前ならそう言うと思ったぜ。お前一人じゃ心配だからな。俺もやるぜ?」

 

「龍太郎・・・」

 

「今の所、それしかないわよね。気に食わないけど・・・私もやるわ」

 

「雫・・・」

 

「え、えっと、雫ちゃんがやるなら私も頑張るよ!」

 

「香織・・・」

 

何をやっているのやら・・・あのど腐れ野郎は遂にやってはいけない所までやらかしてしまいましたね。無駄にカリスマ性を持っているからややこしい。・・・あぁ周囲も皆賛同して行きます――――――――お嬢様と南雲さんは何も言わずに黙って聞いていますね。今は恐らくこれが正しいのでしょう。愛子先生は否定していますね・・・こんな中でも否定を貫くとは教師の鏡ですよ貴女は――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが夢であればそう言いますが、これは現実。その様な甘い考えは何時の日か大きな後悔を持って貴女自身に帰って来ますよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

静観していた深月だが此処に来て厄介な矛先がこちらへと向く

 

「皐月も深月も俺達と一緒に戦おう!」

 

あぁこれは駄目だ。もう我慢が出来無いと手を上げそうになるが一旦冷静になろうと深呼吸すると、ツカツカとお嬢様がど腐れ野郎に近いて行く

 

「やっぱり皐月も戦ってくれるんだよな!よし!皆で地球に帰―――――――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パァン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お嬢様の平手打ちがど腐れ野郎の頬へとシュートッ!!何が起きたか分からなさそうに呆然とお嬢様を見るあれは見物ですね!お嬢様流石でございます!!

おっと、こうして見ていてはいけませんね。このハンカチを水に濡らしお嬢様の綺麗な手を拭いて冷やさなければ。・・・そういえば、この世界は魔法を使えるのでしょうか?あそこにいるメイドに聞いて濡らせる魔法が無いか聞いてみましょう

 

 

 

OHANASHI中―――――――――

 

 

 

 

 

 

 

ふぅ、これで濡れハンカチが出来たのでお嬢様の元へと急がねば!待ってて下さいお嬢様~♪私が今すぐお嬢様のお手々を冷やします!!

 

 

 

 

 

 

 

 

~ハジメside~

 

うわぁ・・・高坂さんがあそこまで怒っているの初めて見ちゃったけどもの凄く怖い。取り敢えず黙って様子を見よう。・・・そうする事しか僕には出来無いよ

 

「な、何をするんだ皐月!?」

 

「黙りなさい。そして私の名前を勝手に呼ばないで下さる?深月から散々警告したのにも関わらずに直す気配が無いとは最低ですね」

 

皐月の天之河を見る目は道ばたの小石程度の評価となった

 

「貴方のその言葉には重みの無い薄っぺらな物。正義という言葉を知った子供と同義で、その果てに何が待っているか何が起こるかを理解していない。そして、取り巻きの貴方達三人も理由無く私達に話し掛けないで下さい。直そうともしないその無責任と何時か何時かという先送りする事はもううんざりです。そして私はこの戦争には参加しませんので悪しからず」

 

そう言い放ち天之河君達が何を言っても無視を決め込み先生の元へと歩き、神楽さんも合流し濡れハンカチかな?それを高坂さんの手に巻き付けている。そっか・・・張った手も怪我をするから冷やしているんだ。流石本物のメイドさん・・・この世界のメイドさんよりも凄いって事が良く分かるね

だけど色々と観察して思った事、高坂さんが天之河君に反対した時のイシュタルが向ける目が敵対者とかそういった嫌悪感を出していた。・・・多分神楽さんも気付いてか先生の側に移動させ側を離れない様にして周囲を注意深く観察している

 

ハジメはこの事からイシュタルを要注意人物の一人に上げ警戒をしながらこの世界でどうやって生きていこうか考え始める

 

 




布団「どやぁっ!お嬢様視点出せたぜ!」
深月「全くもってなっていませんね!もっと半分近く埋める形で書きなさい!お嬢様のご偉功をもっと知らしめないといけませんのに!」
布団「主人公sideは多用出来るんだけどなぁ・・・」
深月「ちぃっ!今すぐ書き貯めている分を全て放出しなさい!さぁ出すのです!」
布団「書き貯めって何ですか?」
深月「せめてお嬢様の強さを表す所まで!早く次話を寄越しなさい!」
布団「頑張るんだよ?・・・・・それと読者さんはこの後書き見ているけど大丈夫?」
深月「・・・ゴホン、大変お見苦しい所をお見せ致し申し訳御座いません。ですが皆さんも気になりますよね?ですよね!」
布団「必死にアピールやめれ」
深月「さて、冗談は程々にしましょう」
布団「感想、評価バッチ来い!」
深月「でも作者さんのメンタルは豆腐より柔らかく脆いでしょう?」
布団「自分でもかなり気にしている事実を言わないで・・・」グスン
深月「少し弄りすぎてしまいましたね。私は作者ではありませんが生暖かい目を持って待っていて下さいね?誤字報告等ありましたら宜しくお願い致します」




お待ちかね!清水君の行く末は!?

  • 撃たれて終わり(原作通り)
  • お説教されて、先生達と行動
  • お嬢様の忠実なる執事に
  • 男の娘となり、テイマーメイドになる

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