ありふれていない世界最強メイド【本編完結済み】   作:ぬくぬく布団

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布団「頑張った・・・私頑張った。少しだけ休憩するの」
深月「よく書けましたね。誤字は大丈夫ですか?」
布団「一応確認はしたけど・・・無い筈・・・。あったらごめんなさい!」
深月「ともかく、前話とその他の誤字報告有難う御座います」
布団「真っ白に燃え尽きそうだけど頑張りまぁす」
深月「それでは、読者の皆様方。ごゆるりとどうぞ」









メイドの考察が入りますよ

~深月side~

 

賊に襲われているであろう隊商を発見したハジメ達。四十人程の賊と、十五人程の護衛。中々攻めきれないご様子である

 

「おや?あの隊商にユンケルさんが居ますね。トータスで出来た商人とのパイプを潰すのは勿体無いですので、あの賊共を殲滅しても宜しいでしょうか」

 

「栄養ドリンクの人か」

 

「あぁ~、深月がとんでも無い取引を持ち掛けようとした不幸な商人さんね」

 

「あっ、ちょっと待って!あの結界知ってる。リリィが使う結界に似てる!」

 

「とりあえず、突っ込むからな」

 

ハジメは四輪を加速させて、賊達が固まっている場所へと突き進む。勢いよく突っ込んでくる謎の物体にビックリした賊達は、魔法で迎撃。飛来する魔法が四輪に直撃したがどれも効果は無く、賊達の頬を引き攣らせる。それを追撃するかの様に、ハジメが四輪に魔力を注ぎ込んでギミックを発動。四輪の四方にブレードが展開されて、賊の集団にそのまま突っ込んだ。ある者は避け様と横っ飛びしたがブレードで上下にお別れをし、反応出来なかった者は撥ねられてボンネット上のブレードに追撃されて――――――計七名がお亡くなりとなった

四輪がドリフト停車をしながらと同時に、猛獣?・・・いや、死神が相応しいだろう。深月が後部から飛び出して、賊の首をへし折った。いきなり出てきた見慣れぬ鉄の塊と、この場に相応しくないメイド。そして、蹂躙が始まった。賊が放つ魔法の全てを黒刀で切り伏せて、斬り掛かる者には四肢の骨を殴り砕き、魔法を使う賊はハジメと皐月の狙撃で頭部を粉砕する。四輪に近づく賊達は、シアのドリュッケンでミンチとなり、ユエとティオの魔法で消し炭となった

たった数分の出来事―――――賊の全てを倒し終えたハジメ達。香織は急いで負傷者達を治療するが、死亡している者までは蘇生できず歯噛みした。そんな彼女に、小柄で目深にフードを被った少女が駆け寄った。ハジメと皐月は、魔力の色や気配が隊商を守っていた結界と同じである事から止める事無く素通りさせる

 

「香織!」

 

「リリィ!やっぱり、リリィなのね?あの結界、見覚えが有ると思ったの。まさか、こんなところにいるとは思わなかったから、半信半疑だったのだけど・・・」

 

香織がよく知る人物、ハイリヒ王国王女リリアーナ・S・B・ハイリヒ本人であった

 

「私も、こんなところで香織に会えるとは思いませんでした。・・・僥倖です。私の運もまだまだ尽きてはいないようですね」

 

「リリィ?それはどういう・・・」

 

あの方はリリアーナ王女でしたか。香織さんとのやり取りを見て、彼女程の人物がお忍びでこの様な場所に来る可能性は極めて低い。何かしらの陰謀に巻き込まれた可能性が高いですね

 

深月が考察していると、ハジメと皐月が香織の傍へと近づき、二人の存在に気付いたリリアーナ

 

「・・・南雲さんと・・・高坂さん・・・ですね?お久しぶりです。雫達から貴方達の生存は聞いていました。貴方の生き抜く強さに心から敬意を。本当によかった。・・・貴方がいない間の香織は見ていられませんでしたよ?」

 

「もうっ、リリィ!今は、そんな事いいでしょ!」

 

「ふふ、香織の一大告白の話も雫から聞いていますよ?あとで詳しく聞かせて下さいね?」

 

だが、ハジメの一言で空気が固まった

 

「・・・っていうか、誰だお前?」

 

「へっ?」

 

一度話した者の名前を覚えるリリアーナだが、ハジメの「会った事あったっけ?」の反応に呆然としてしまった

 

「ちょっとハジメ、名前を覚えろとは言わないけど姿は見た事あるでしょ。王国の王女よ?交えて話した事もあったわよ?」

 

「そ、そうだよハジメ君!王女!王女様だよ!ハイリヒ王国の王女リリアーナだよ!話した事あるでしょ!」

 

「・・・・・・・・・・ああ」

 

「ぐすっ、忘れられるって結構心に来るものなのですね、ぐすっ」

 

「女の子を泣かせちゃいけないでしょ!」

 

「リリィー!泣かないで!ハジメくんはちょっと"アレ"なの!ハジメくんが"特殊"なだけで、リリィを忘れる人なんて"普通"はいないから!だから、ね?泣かないで?」

 

「おい、何か俺、さりげなく罵倒されてないか?皐月・・・あ、えっと・・・その・・・・・すまん」

 

皐月の無言の圧に気圧されて、リリアーナに謝罪するハジメ

 

「いいえ、いいのです。私が少し自惚れていたのです」

 

もの凄く気まずい空気となったが、ハジメと皐月の元に見覚えのある人物が寄って来た

 

「お久しぶりですな、息災・・・どころか随分とご活躍のようで」

 

「栄養ドリンクの人・・・」

 

「は?何です?栄養ドリンク?確かに、我が商会でも扱っていますが・・・代名詞になるほど有名では・・・」

 

「あ~、いや、何でもない。確か、モットーで良かったよな?」

 

「ええ、覚えていて下さって嬉しい限りです。ユンケル商会のモットーです。危ないところを助けて頂くのは、これで二度目ですな。貴方とは何かと縁がある。そして、皐月大天使様のおかげで色々と御贔屓にさせてもらっています!」

 

「私・・・何かしたっけ?」

 

全く身に覚えも無い皐月

 

「いえいえ、アンカジ内では皐月大天使様と深月様と香織様のお名前が有名です」

 

「深月~?ちょっとこっち来なさい」

 

「お嬢様の素晴らしさを教えているだけです!私は悪くないです!」

 

「その布教がいけないって事よ!!」

 

「各町でも皐月大天使様の御心は偉大で素晴らしいと耳にしました。無論、私もそう思っております!」

 

モットーも皐月教に入信している。いや、彼こそがトータスでの信者第一号だろう。そして、その信者の入信者は留まる事を知らない。何故かと言うと、これまで皐月が滞在して色々とやらかした事を知っている者達の中に入信したいという者達が増えているのだ。しかも、陰ながらじわじわと浸食している事が厄介極まりない

 

「もしかして、高坂さんは新しい教祖にでもなるのでしょうか?」

 

「多分・・・ならないといけないかも?」

 

現実は非情だ

皐月は、「もうどうにでもなれ」と諦めて、深月はやり切ったと言わんばかりにニコニコしている。冗談はそこそこにしておき、深月は再び考察に入る

 

ん"んっ!さて、考察の続きをしましょう。ユンケルさんとリリアーナさんのお話を聞く所によると、王国がとんでもなくヤバイですね。まずはこの世界・・・トータスに来てから学んだ乗合馬車の事を考えると、ユンケルさんの行った事は信頼関係の構築、王族とのパイプ作りは当然の結果ですね。ですが、その一文の中からの緊急具合は理解出来ました。臣下やメイド等の見送りも居ない中でのお願いとなると、王国が何者かによって支配されたか、舵を取られてしまったか・・・。メルジーネで見た過去の記憶から予測するなら、先兵が動いたと判断して間違いないでしょう。恐らく洗脳か魅了系の魔法で思考誘導がベターな筈です

リリアーナ王女は聡明な方、臣下か家族が思考誘導された事に恐怖を覚え、今の自分が破壊されるかもしれないと感じて逃げたという可能性もあります。ですが、そこで一つの問題点。どうして違和感を感じる事が出来たのかですね

 

ある程度の仮説は成り立った。後はその違和感を何処で感じたのかが重要で、リリアーナの話を聞いていくと、最後のパズルのピースがカチリとはまった

 

「愛子さんが・・・攫われました」

 

「そういう事ですか。おおよその事が分かりました」

 

リリアーナの言葉にハジメ達は驚いたが、深月の理解力の方にリリアーナが驚く

 

「え?あの・・・私は、まだ何も言っていないのですが」

 

「聡明なリリアーナ様は、王族の方でもあるので記憶力が良いという前提で話を進めます。今から二つだけ質問しますが、宜しいですか?」

 

「その言い方だとすれば、人物関係ですね・・・それなら余程の事が無い限り大丈夫です」

 

「一ヵ月以内でいいのですが、銀髪の女性が増えたり等はしませんでしたか?誰でも良いのです。見た事の無い人で王宮を出入りしていた人物はいませんか?」

 

「愛子さんを攫った人が銀髪でした」

 

「それでは二つ目です。人に違和感を感じたりしませんでしたか?」

 

「・・・違和感は感じています。受け答えははっきりしているのに生気の無い感じがするんです」

 

「有難う御座いました。リリアーナ様が王国を出た事は賢明な判断です」

 

話しに付いていけないハジメ達は、深月の考察を聞き出す事に

 

「深月、王国で何が起きているか分かるか?」

 

「何が起きているのかはおおよそ分かります」

 

「先生が誘拐された理由は分かる?」

 

「そちらについては仮説が幾つかです」

 

「し、雫ちゃん達は!?」

 

「それは分かりません」

 

「・・・では、神楽さんが仮説を立てている事だけでも構いません。お教えいただけますか?」

 

「話は四輪の中でお願いします。とにかく今は時間が惜しいです。私の予想では、何もしなければ一週間以内に王国が滅びます」

 

「ッ!?」

 

「おいおい、流石に冗談だろ?」

 

「冗談ではありませんし、畑山先生を救出するのであれば後手に回る事が一番駄目です」

 

「・・・あぁ、これはヤバイわ。先生が誘拐された理由、私も分かっちゃったかも」

 

「奇遇だな。俺もだ」

 

メルジーネの記録映像を見ていた時に気付いていた。いきなりとち狂った発言をした王の傍には銀髪の女性が居た事。二人は、恐らくあれが神の先兵だろうと感付いたのだ

リリアーナを四輪に乗せて、ユンケルと別れたハジメ達。アクセル全開で王国へと向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

街道を爆走する四輪の車内。リリアーナはアーティファクトに珍しがっているが、優先事項を切り替えて深月に尋ねる

 

「それで・・・王国が滅ぶかもしれないとはどういう事か教えていただけませんか?」

 

深月は、この世界の真実について言っても良いかどうかをハジメと皐月に念話で確認する

 

(リリアーナ様には酷ですが、この世界の真実を告げても良いのでしょうか?)

 

(まぁなぁ・・・信じていた神様が、実はこの事件の黒幕~だなんて知ったらなぁ)

 

(ん~?リリアーナは聡明だから、最悪の場合として認識しているかも?)

 

結果、リリアーナにこの世界の真実を告げる事にしたハジメ達

 

「それでは、まず初めにこの世界の真実からお教えいたします」

 

「い、いきなり重たい内容ですね・・・」

 

「人間族が信仰しているエヒトが黒幕です」

 

「・・・つ、続けて下さい」

 

「私達は反逆者と呼ばれる人達が創った大迷宮を幾つか攻略いたしました。その際、彼等から本当の敵は神―――――エヒトだと伝えられました。まぁ、これを完全には信用していませんでしたが、今回の一件で確実に敵だと認識しました」

 

「私達が信仰しているエヒト様が敵・・・」

 

「今回の一件には関係ないのですが、メルジーネ海底遺跡の攻略の際に見た魔人族が信仰する神――――アルヴとは、エヒトの眷属ではないかと推測しています」

 

「「「「「「「はぁっ!?」」」」」」」

 

「反逆者・・・いえ、解放者ですね。彼等が言うエヒトは、この世界を遊戯盤としているとの事です。ボードゲームに対戦相手が居るのが普通ですが、エヒトはこの世界の創造神と例えられているので事実上神はたった一人。唯一神であるエヒトが自分より地位の低い誰かを対戦相手に選ぶ事はありえない筈です。それならば、部下を意のままに動かして自分の悦となる事をするでしょう」

 

「うわぁ、仮説の説得力ありすぎぃ」

 

「エヒトって屑だな。あ、もう既に屑の中の屑だったな」

 

「そして、今回の畑山先生の誘拐の理由ですが、イレギュラーを排除したいからという事でしょう。私達三人は、魔物肉を食べてとんでもないステータスですから」

 

「ま、魔物を食べたのですか?」

 

「食べる物無かったしな」

 

「生きる為には毒を喰らわないといけなかっただけよ」

 

奈落に落ちて、生きる為に魔物を喰らった三人にドン引きするリリアーナ。だが、そうでもしないと生きる事すら出来ないと思うと苦虫を噛んだ様な表情をする

 

「畑山先生が攫われた理由の考察は終わりです。次の王国の滅亡についてですが、これは内部犯の行いです」

 

「裏切者が居るのですか!?」

 

「はい。リリアーナ様の話にあった、生気の無い人間についてです。これの犯人は、中村恵理さんです」

 

「「「え?」」」

 

中村恵理についてよく知っている皐月と香織とリリアーナは、「どうして?」と訳が分からない状態だった

 

「事前に処理をしたかったのですが、お嬢様とお友達関係でしたので一度だけ見逃しました」

 

「待って。処理?一度見逃した?どういう事?」

 

「恵理ちゃんは降霊術師だけど、死者には使えないって言ってたよ?」

 

「香織の言う通りです。恵理は臆病で死者を操る事は出来ないと」

 

「中村さんは俗にいうヤンデレです」

 

「ヤンデレって・・・今それは関係ないだろ」

 

「甘いですよハジメさん!」

 

ズビシィっとハジメに人差し指を指して指摘する

 

「中村さんは、ど腐れ野郎を好いているのです。そして、自分の物にするのであればどのような事をしても手に入れるタイプの人間です。まぁ、彼女が完全に壊れる切っ掛けとなったのがど腐れ野郎なのですが」

 

「脳内お花畑はどれだけの人間の将来をぶち壊しているのよ・・・」

 

頭が痛くなる程厄介極まりない存在に溜息を吐く皐月

 

「つい最近の調べで分かった事なのですが、中村さんは幼い頃に母親から虐待を受けていたそうです。その理由が、車に轢かれそうになった彼女を父親が庇いお亡くなりになりました。その父親は、彼女が生まれてから愛情を持って育てられましたが、母親を見ていなかったのでしょう。母親は愛情の矢が自分では無く子供に向いている事に嫉妬、父親が亡くなってからは「何故お前が死ななかった!」と言われていたそうですよ」

 

「子供に嫉妬する母親って・・・いや、父親も父親でいけなかったって事か?」

 

「そして、ここからが重要です。母親が新しい父親―――――再婚ですね。してからが、彼女のDV被害の増長となりました。母親からだけでなく、新しい父親からも・・・そして、最悪な所一歩手前まで行ったそうです」

 

「死亡寸前・・・か?」

 

「犯される一歩手前だったと」

 

「それは・・・」

 

「・・・酷い」

 

「とまぁ、心が壊れて自殺をしようとした時に現れたど腐れ野郎が何かを言ったらしいのですが、それについては不明です。大方、「大丈夫だ、俺が守る!」とか言ったのでしょうね」

 

「なるほどねぇ~、そして家に殴り込みに行―――――」

 

「行っていないそうですよ?」

 

「ん、んん~?私の聞き間違い?」

 

「そ、そうだよね。聞き間違いだよね?」

 

「二人共思い出して下さい。ど腐れ野郎から彼女をどの様に紹介されましたか?」

 

「あ、あぁ~・・・そういえばそうだったわ」

 

「これは流石にないよ・・・」

 

「そう、ど腐れ野郎は"学校で友達になってあげて=俺が守る"と勝手に解釈したのでしょう。恐らく彼女からヘルプもあった筈でしょうが、人の善性だけを信じ切っているど腐れ野郎に「親と仲良くした方が良いよ」的な何かを言われて歪みに歪んでああなったのでしょうね」

 

「何だろう・・・最後のやつだけは、脳内で簡単にイメージできるんだが・・・」

 

「ハジメと同じく」

 

「私も」

 

「そ、そこまで酷くないと思いたいです」

 

「そして、本性を表には出さない演技。お嬢様と香織さんとリリアーナ様ですら分かりませんでしたよね?」

 

少しだけ暗い表情をしながら、首を縦に振る三人

 

「本性を悟らせない演技=隠し事が上手。自分が欲しい者を手に入れる為には、どの様な手段でも行使する。この二つから分かる通り、死者を動かせる事を悟らせない演技をしていたという事です」

 

「はぁ・・・普通に話をしていたけど、全然分からなかったわよ」

 

「私もだよ・・・」

 

「神楽さんは、恵理をどうされるつもりですか?」

 

「敵対するのであれば殺します」

 

「まぁ、それが普通よね」

 

「皐月は恵理ちゃんを殺す事に忌避感は無いの?」

 

「あるけれど、この世界は命が軽いのよ。殺らなければ殺られる―――――私は、生きて地球に帰りたいから、敵なら殺すだけよ」

 

「中村さんは私かお嬢様に攻撃をする可能性が大です。その際は、出し惜しみせずに全力で殺しに掛かります」

 

深月の全力での殺害予告に香織とリリアーナは一際暗くなるが、ここで違和感を覚えたハジメと皐月。深月とクラスメイトのステータスの差は歴然としている。それにも関わらず、攻撃してきたら全力をもって殺す。傀儡をいくつか用意出来たとしても、全てを蹂躙出来る火力を持っているこちらが何故全力を出さなければならないかという事なのだ

 

「おいおい、俺達三人のステータス上で全力はやり過ぎじゃないか?」

 

「一応降伏勧告をしてからでもいいんじゃない?」

 

「いいえ、それはいけません。オルクス迷宮で魔人族を倒した当日の夜、中村さんは神の先兵と取引を行っています。"信仰をする事で、比類無き力をその身に宿せる"との事でしたので、ドーピングか姿形が変わると思って頂いたらよろしいかと」

 

「ドーピングは分かるけど・・・姿形が変わるのはありえないんじゃない?」

 

「神の先兵はエヒトが生み出しました。ならば、失敗作の魂の入っていない人形があっても不思議ではありません」

 

「恵理ちゃんが神の先兵になるっていう事!?」

 

「ステータス的に10000より下はありえないでしょう。そして、先兵の持つ技能と自身の技能を持っている筈です」

 

「うわ~、厄介極まりないわ。神の先兵とは戦った事無いから全然分からないし、手札を少しでも知られている事を思うと危険ね」

 

勇者(笑)パーティーの救出時に戦闘場面を見られていた事から、相手がどの様な武器を使用しているのかを知られているので、それに近しい武器もあるだろうと予測されているだろう。あの時使っていた武器はドンナー・シュラークとパイルバンカーの三つ。男のロマンをつぎ込んでいる事から、ロケットランチャーやマシンガン等が保持されているとも予測する事が出来る

 

「ってことは、神の先兵にも知られている事を前提に戦わなきゃいけないって事か」

 

「そうです。話を戻して、中村さん一人だとど腐れ野郎だけを連れ出す可能性は皆無。ならば味方を増やすのです。神の先兵は私達の迎撃用、となれば―――――」

 

「魔人族か」

 

「待って下さい。魔人族と連絡は出来ない筈です!王国を出て連絡を取ろうとしても、彼等には護衛が付いて私に報告が来ます。何より、その様な報告は全く来ておりません!」

 

「いやいや、王女様。一つだけ連絡方法はあるわ。魔人族の死体を使えば可能よ」

 

「まさか・・・高坂さん達が倒したと報告された魔人族・・・」

 

「正解です。外に魔人族達を待機させて、内側から結界を維持しているアーティファクトを破壊すれば一気に攻め込む事が出来ます」

 

リリアーナは、もしも自分が中村の立ち位置で行動をするイメージをすると、これ程までに簡単で綿密に計画された作戦で王国が滅ぼされると理解して顔を青くする

 

「魔人族が攻めてくるならば、魔物も一緒です。そして、あの憎きフリードなる魔人族も出てくるでしょう」

 

「そうだよなぁ~。あの白いドラゴンのブレスに、深月が深手を負ったからな・・・」

 

「小型のドラゴンのブレスも一般人からすれば災害よ。雨あられに降るとなると、王国の建物は瓦礫と化すわね」

 

グリューエン火山での交戦をそこまで詳しく知らないティオと香織は驚愕しており、リリアーナは王国が瓦礫と化すという言葉に体を震わせる

 

「中村さんがどの様にど腐れ野郎を手に入れるか分かりませんが、碌な事にはならないでしょう。それこそ、ど腐れ野郎と一緒に行動するクラスメイトを全員殺す可能性が極めて高いです」

 

「ど、どうして!?」

 

「私達への当て馬でしょう。精神を攻撃して躊躇している間に殺す算段を立てていると思われます」

 

「そんな・・・」

 

「戦争で精神攻撃程度普通ですよ。生きている捕虜を肉壁として、助けに来た者達を諸共爆殺等と色々とあります。ですが、私達の優先事項は畑山先生です。もしも、畑山先生が傀儡として洗脳でもされてしまえばお終いです。私達の行動に支障が出てしまいます」

 

「俺達が先生を神聖視させちまったのがいけないってのもあるからなぁ~。取り敢えず、先生を助ける事を第一優先として動くか」

 

「過程として、魔物と魔人族も退ける必要もあるわね。リリアーナに恩を売っておけば、後々動きやすいからね」

 

自分が仕出かした始末はきっちりと対処する事にしたハジメ達。そんな二人の言葉にリリアーナがパッと顔を上げる。その表情は、安堵と意外と頼もしさと色々と混じったものだ。リリアーナは、八重樫から二人の印象を聞いていた事から断られるだろうと思っていたのだ。だが、結果は手を貸してくれるという予想外な言葉である

 

「本当に宜しいのですか?」

 

「原因の一端を作ったのが俺達だからな」

 

「私は魔人族のフリードに借りを返しにいくわよ。私の深月を傷つけた罪は重いわ」

 

「ありがとうございます」

 

「まぁ、気にしない気にしない。借りを返しに行く=この作戦を失敗させて殺すというだけよ」

 

「過程はどうであれ、王国が救われるのです。感謝の言葉以外ありません」

 

ハジメと皐月は作戦を練る。ハジメは畑山を救うついでに神山にある神代魔法をゲットする。本来なら皐月も一緒に行動する筈だが、深月を傷付けたフリードにお灸を据える為別行動。なので、ハジメと共に行動するのは隠密に長けた深月だ。これは保険も含めてで、ハジメが神の先兵に勝てない場合に深月が対処する事となっている。オルクス深層で技能が無い状態の神の先兵を模したゴーレムを倒した深月、対処法としてはベストだろう

 

「神山に向かうのは俺と深月の二人で、魔人族と魔物の対処は皐月とユエとシアとティオで、勇者(笑)の方は香織って事だな。正直言うと香織が心配なんだが、中村の奴が暴走する可能性を少しでも低くした方が良いからな」

 

「香織もある程度は強くなっているから、大丈夫だと思うわ」

 

「大丈夫、深月さんとの特訓で一通りの詠唱時間を物凄く短縮出来たから守りに関しては任せて!」

 

「私とハジメさんに関しては時間との勝負です。無用な戦闘を避けて行動しましょう」

 

「私達は魔物と魔人族」

 

「ふっふっふ、ようやく私の出番が来たのですぅ!」

 

「妾も存分に力を振るうのじゃ!」

 

四輪を爆走させて、神山の手前で降りるハジメと深月。皐月を含めた六人は、王国へと続く街道へと向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




布団「はい!という訳で、今回はメイドさんの考察回でした~。パチパチパチ」
深月「お嬢様方から名探偵深月と呼ばれる事が多いです。どうすれば良いですか?」
布団「勿論、解決方法はあるさぁ!お嬢様の思考を成長させればいいのさ」
深月「却下です」
布団「(´・ω・`)ソンナー」
深月「余裕が無いこの世界で教える事は出来ません!それよりも大事なのは修行です!」
布団「あっ、はい」
深月「修行により引き締まる体。汗を滴らせる体に、汗を吸ったタオル―――――宝物を生み出すお嬢様をこれ以上酷使するのは駄目なのです!」
布団「ドン引きです」
深月「これが本来の私ですので、諦めて下さい。えっと、感想等あればお気軽に宜しくお願いします。作者さんは夏の暑さでモチベーション駄々下がりしていますので、皆さんでドーピングを決めさせましょう!」
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