ウィルブレイク   作:公私混同侍

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~ルール⑨~
『引き直し』

各『レグ』一回につき一度だけ引き直しを行うことができる。その際、相手に見せる必要はなく、カード名も宣言する必要はない。
最初に引いたカードは山札の一番下に入れなければならず、スキル以外でシャッフルや順番を入れ替えることはできない。
また山札が2枚の時も引き直しはできない。


絶対勝利の戦術

~おもちゃ屋『木人』~

 

ジュリ「どうしたの?バカみたいに大声なんか出して――あっ、あなたは……!?」

 

是政(あれ?やっぱり人違いか?)

 

かりん「お兄さんの知り合い?」

 

グリン「マジかよ!?兄ちゃん、こんな綺麗なネエちゃんと知り合いなのか?」

 

是政「確かに俺の知ってる東雲樹李(しののめじゅり)はクラスメートで学級委員長をしているが……」

 

かりん「お兄さんの学校って髪を染めてもいいんだ」

 

ジュリ「ダメに決まってるじゃない」

 

是政「どうしてダメなんだ?」

 

ジュリ「校則が厳しいからよ。あなただって知ってるはずよ」

 

是政(にわかに信じられん。本当にあの地味で目立たない東雲樹李なのか?)

 

グリン「兄ちゃん、さっきからなんで黙ってるんだ?」

 

かりん「学校にいる時は染めてないってこと?ずっと続けるの大変じゃない?」

 

ジュリ「だってしょうがないじゃない。ワタシ、高校に入る前まではイギリスに住んでたのよ。外国の習慣をこの町に持ち込んだら浮いちゃうじゃない」

 

是政「だからって黒髪に三つ編み眼鏡って今時いないぞ!」

 

かりん「逆に浮きそうだけどね」

 

グリン「まさに優等生って感じ?」

 

ジュリ「そんな些細なことどうでもいいわ。それより是政君?」

 

是政「な、なんだよ(そんな風に呼ばれたことないから体がムズムズする)」

 

ジュリ「あなたが『ウィルブレイク』を始めてどのくらい経つのかしら?」

 

是政「二日前に始めたばかりだから――」

 

ジュリ「二日前!?ハッ、素人同然じゃない!」

 

かりん「ねえ――」

 

ジュリ「あなたじゃワタシの相手は務まらないわ」

 

かりん「ちょっとさっきから好き放題喋ってるけど、先輩はゲーム得意なの?」

 

グリン(先輩?かりん、どうしたんだ?)

 

ジュリ「『ウィルブレイク』なら頭でっかちな父よりも上手く扱えるわよ」

 

木人「私の心が『ギガクラッシュ』……」

 

かりん「なら私と勝負しよ」

 

グリン(かりん、怒ってんのか?)

 

ジュリ「あなたと?腕は確かなのよね?」

 

是政「俺がゲームを教わるぐらいだから油断すると痛い目にあうかもな」

 

ジュリ「いいわ。それならワタシの絶対勝利の戦術――見せてあげる!」

 

 

 

『ファースト・レグ』

 

グリン「ルールは持ち点3点。スキルの使用回数は2回まで。山札が3枚以上の時は各『レグ』につき1回まで引き直しできる。これでオーケー?」

 

ジュリ「フフッ」

 

かりん「うん」

 

ジュリ「私は引いたカードで勝負するわ」

 

かりん「なら私も」

 

是政「東雲さんが引いたのは――」

 

ジュリ「そんな呼び方しないでくれる?あなたはジュリって呼びなさい」

 

是政「は、はい(強制かよ……)」

 

グリン「ネエちゃんが引いたのは『レーザーフォース』!」

 

是政「かりんが引いたのは――『レーザーフォース』!?」

 

グリン「パワーが同じ場合ってどうなるんだっけ?」

 

木人「オッホン、パワーが同じの時はスキルが使用できずカードは『エリア』に置かれるんだよ。もちろん持ち点は変動しないよ~♪」

 

是政「ホント、ルールだけは熟知してるんだな」

 

木人「まあね~ウォーキング百科事典って呼ばれることだけはあるだろう?」

 

是政(百科事典は英語にしないのかよ!)

 

 

 

かりん

持ち点:3点

山札:4枚

『エリア』に置かれたカード

『レーザーフォース』

スキル使用回数0回

 

ジュリ

持ち点:3点

山札:4枚

『エリア』に置かれたカード

『レーザーフォース』

スキル使用回数0回

 

『セカンド・レグ』

 

ジュリ「降参するならいつでも聞いてあげるわ」

 

かりん「バカなこと言ってないで早く引いてよ」

 

グリン(スゲェピリピリしてる。女同士のバトルってこえぇーっ!)

 

ジュリ「フフッ、ワタシは引き直すわ」

 

かりん「あっそ」

 

是政(ジュリの不敵な笑いは何を意味してるんだ?かりん、気をつけろ)

 

かりん「私が次出すのはこれ――『シューティングスター』」

 

グリン「おおっ!かりんのお気に入りじゃん!」

 

ジュリ「その程度のカード?ワタシは最強カード『ウィルブレイク』よ!」

 

是政「『セカンド・レグ』で『ウィルブレイク』を出すのか。だが、いくらパワーが強くても持ち点は『1点』しか減らせない」

 

かりん「それなら私は『シューティングスター』のスキルを使う。スキルは『エリア』から1枚だけカードを山札に戻せる」

 

グリン「『エリア』には『レーザーフォース』しかないから当然そのカードを選ぶしかないぜ」

 

ジュリ「つまらないスキルね」

 

是政「そんなことはないな。かりんはちゃんと考えてるよ」

 

かりん「お兄さんならわかるよね?」

 

グリン(う~ん、どういうことだぁ?)




『レーザーフォース』のスキルの処理手順

・相手の持ち点が2点以上の場合
『レーザーフォース』のスキルを使いカードをめくった後、持ち点を減らす。
更に『エリアスキル』で持ち点を減らせれば持ち点を0にすることができる。

・相手の持ち点が1点の場合
スキルの使用回数が残っていたとしても使用は不可であり、そのまま『エリア』に置かれる(『エリアスキル』の使用条件である山札から『エリア』に置かれたことにならないため、『エリアスキル』も使用不可)。
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