ウィルブレイク   作:公私混同侍

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『アップセッター』

相手と自分の持ち点が3点差以上ありながらも逆転勝利を収めること(『ヘイルマリア』の特殊勝利なども含む)。あるいはそのプレイヤーを表す用語。
『アップセット』は「番狂わせ」を意味する。


名誉なき勝利

かりん

持ち点:2点

山札:4枚

『エリア』に置かれたカード

『シューティングスター』

スキル使用回数1回

 

ジュリ

持ち点:3点

山札:3枚

『エリア』に置かれたカード

『レーザーフォース』

『ウィルブレイク』

スキル使用回数0回

 

『サード・レグ』

 

ジュリ(勝利の布石は既に打たれているのよ。フフッ、あの子にワタシの戦術が見破れるかしら?)

 

グリン(なあ、兄ちゃん?)

 

是政(ん?)

 

グリン(かりんはどういう戦い方をしようとしてるんだ?)

 

是政(かりんはパワーの低い『シューティングスター』を利用して『レーザーフォース』を回収しただろ?)

 

グリン(したした)

 

是政(だとするとかりんの山札にある、パワーが『シューティングスター』より低いカードは?)

 

グリン(え~と、『ヘイルマリア』……だけだ!)

 

是政(そうだ。でも『ヘイルマリア』を引いたとしても引き直しを行えば『レーザーフォース』『ギガクラッシュ』『ウィルブレイク』の内、どれかは必ず引けるというワケだ)

 

グリン(そっか!かりんは強力なカードを引ける確率を高める戦い方でネエちゃんに挑もうとしてるんだ!)

 

かりん「私は引いたカードで勝負する。先輩は?」

 

ジュリ「私もこのまま勝負するわ」

 

かりん「私のカードは『ウィルブレイク』」

 

ジュリ「やるわね。ワタシのカードは『シューティングスター』よ」

 

グリン「やったぜ!パワーでかりんが勝った!」

 

是政(おかしい、なぜジュリは引き直さなかったんだ?)

 

かりん「『シューティングスター』のスキルは使わないの?」

 

ジュリ「使わないわ。ワタシには必要ないもの」

 

かりん「なんなの一体……」

 

ジュリ「フフッ」

 

かりん「なんでネエちゃんは『シューティングスター』のスキルを使わなかったんだ?」

 

是政(引き直しもしなければスキルも使わない。もしかしてジュリの狙いは……!?)

 

ジュリ「あなた意外にやるじゃない」

 

かりん「強がってられるのも今だけ。次で終わらせるから」

 

ジュリ「やれるものならやってみなさい」

 

 

 

かりん

持ち点:2点

山札:3枚

『エリア』に置かれたカード

『シューティングスター』

『ウィルブレイク』

スキル使用回数1回

 

ジュリ

持ち点:2点

山札

『ヘイルマリア』

『ギガクラッシュ』

『エリア』に置かれたカード

『レーザーフォース』

『ウィルブレイク』

『シューティングスター』

スキル使用回数0回

 

『ファイナル・レグ』

 

ジュリ「ワタシの山札は2枚しかないの。だから引き直しはできない」

 

かりん「いちいち説明しなくていいよ」

 

グリン(かりんは何を引いたんだ?)

 

かりん(私の引いたカードは『レーザーフォース』。もし先輩が『ギガクラッシュ』を引いてもスキルの優先権は私にある。それに――)

 

是政(『レーザーフォース』のスキルで、かりんの山札から『ギガクラッシュ』を『エリア』に置ければジュリの持ち点を0にできる。だが、もし『ヘイルマリア』を引いたら――)

 

ジュリ「フフッ」

 

かりん「私は『レーザーフォース』。先輩は?」

 

ジュリ「ワタシの()()()()()()は『ギガクラッシュ』よ。あなたの持ち点が『1点』減っちゃったわ」

 

かりん「私は最後のスキルを使う」

 

ジュリ「それでも私の持ち点はあと『1点』よ」

 

かりん「まだ私の『レグ』は終わってないんだから!山札から1枚『エリア』に置く――」

 

グリン(ゴクリ……)

 

是政「置いたカードは……!?」

 

かりん「『ヘイルマリア』……」

 

ジュリ「フフッ、フッフッフ」

 

グリン「でもこれでかりんの持ち点『2点』に戻る」

 

ジュリ「残念ね。こんな形で終わりを迎えちゃうなんて」

 

木人「まだジュリちゃんの山札は1枚残ってるけど、どうして終わりなんだい?」

 

是政「その最後の1枚が『ヘイルマリア』だからだろ?」

 

かりん「!?」

 

グリン「ホ、ホントだ!ネエちゃんの『エリア』には『ウィルブレイク』『ギガクラッシュ』『レーザーフォース』『シューティングスター』が揃ってるぜっ!」

 

ジュリ「そういうこと、『ヘイルマリア』のスキルは山札の最後の1枚がこのカードの場合、持ち点が1点以上あれば『ファイナル・レグ』終了時にプレイヤーは勝利するのよ。その名も『名誉なき勝利』」

 

木人「本で読んだ気がするよ。特殊な勝ち方ができるカードがあると。確か『名誉なき勝利(イングロリアス)』と呼ばれていると記されていたような――」

 

かりん「わ、私が……負けたの?」

 

是政「かりん……」

 

木人「なんだかよくわからないが父の仇をとってくれたんだ。さすがは我が自慢の娘だッ!」

 

グリン「でも珍しいよ。かりんが『ヘイルマリア』のスキルを見落とすなんてさ」

 

かりん「私にもわからない。けどお兄さんがバカにされたのが悔しくて……」

 

是政「そうだったのか」

 

ジュリ「いくら引きが良くてもカードを扱う人間の能力が低いとこんな結末になっちゃうの」

 

グリン「なんだと――兄ちゃん?」

 

是政「おい」

 

ジュリ「な、なによ(雰囲気が変わった?)」

 

是政「今度は俺と勝負しろ、東雲樹李」

 

ジュリ「いいわ、すぐに始めましょ。勝利の女神はいつだってワタシに微笑むのよ」




『ヘイルマリア』

パワー:1番弱い
スキル
「山札のカードがこのカードしかない場合、持ち点が1点以上あれば『ファイナル・レグ』終了時に自分は勝利する。
『ウィルブレイク』を引き最後の山札がこのカードの時、『ファイナル・レグ』を行わず自分は無条件で勝利する。」

エリアスキル
「このカードが山札から『エリア』に置かれた時、このカードを山札に戻しシャッフルする。その後、自分の持ち点を『1点』増やす。」
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