本気制限決闘島   作:阿音

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0話の注意書きを必ず読んでからお読みください。
読まずに気分などを害されても自己責任でお願いします。


えー……クリスマスぐらいの予定だったのですが。
妙にすぐに完成したので投稿します。
あ、でもクリスマス辺りにも投稿予定ですので気が向けばどうぞ。

堅守瑞貴、堅守玲、咲良結美
この3人の容姿の画像の回覧数が1000をオーバーしました……どういう事なの?
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=32114669


9話【騙し合いコンビ】

遊城と丸藤との決闘(デュエル)から数日。

前田が親といざこざが有ったらしいが、無視しておいた。

結局の所、特に影響も無しに話は終わったのだから今更どうでもいい。

 

そういえば遊城が丸藤兄と決闘(デュエル)をしたらしいが負けたらしい。

こちらも気にするような問題では無いが、丸藤がやる気を出したとかなんとか。

あの丸藤がやる気をねぇ……全く信用できんな。

 

「それで、何が言いたいんだ?」

 

「何がって……他に何か無い?」

 

「何も?」

 

咲良が話してきたのだが、全くもってどうでもいい。

こいつは俺にこの話しをして、何を期待したんだ?

 

「(アニメ通りな展開になっているのだけど、気にならない?

私も具体的に知っているわけじゃない、明日香から伝え聞いただけだから)

もうすぐタッグ決闘(デュエル)が始まるけど、どんなデッキを使う?」

 

「……そう言うお前は?」

 

「教えてくれたら教える」

 

結局、俺と組む事になったのは咲良だ。

やはり組みやすい奴と組んだ方が俺も楽だし、咲良の実力の高さは認めている。

遊城が丸藤と組むと言い、俺は前田にあんな事を言ったのだ。

直接理由は聞いていないが、どうせ俺と組みたくないと言い出したのだろう。

咲良は天上院と組みたがっていたが、タイタン戦の時に俺と組んでもいる。

前田が俺と組みたくないと言った場合、咲良はアニメキャラである天上院と俺と関わらせない為に俺と組むと言い出す。

遊城達と決闘(デュエル)中は適当に考えていたが、決闘(デュエル)後に残りの組み合わせ方を考えてよかった。

 

まぁ、別に誰と組んでも問題無かったけどな、強いて言うなら咲良と組む事が楽だっただけで。

それはそれとして……ふむ、どんなデッキにするかな?

嫌がらせを前提にするとなると、大体決まってくるけど。

 

「【ワーム】」

 

「嘘」

 

「よくわかったな」

 

疑問系ではなく断言しやがった。

半裸男性だらけの筋肉デッキでも使ってやろうか?

そうなると十中八九、戦士族を中心としたデッキになるだろうから不可能ではないし。

 

「コアキメイルを使おうかと思っている」

 

「【コアキメイル】って……タッグでは相性最悪」

 

「それぐらいのハンデが無いと、相手が可哀想だろう?」

 

ああ、コアキメイルを使うとも……コアキメイルと名の付くモンスターをな。

さすがにタッグで【コアキメイル】デッキを使うほど馬鹿じゃない。

 

「で、お前は?」

 

「私は蘇生モンスターデッキを使う予定

堅守瑞貴用の作ったデッキだし、この時代では強過ぎる気もするけど」

 

「あぁ、あの女子寮で使った蘇生効果を持ったモンスターばかりのデッキか

確かにこの時代では強いかもしれいな」

 

普通の相手と戦う場合、あのデッキは強い。

しかし、若干物足りないな……主に俺が。

 

「(嘘、本当は【超魔神イド】を使う……堅守瑞貴用じゃなくて普通の【超魔神イド】だけど

私は停学になってもそこまで気にしないけど、一応真面目に授業を受けている堅守瑞貴

そして確か、将来を良くする為にこの学園を卒業しようとしていた

停学は堅守瑞貴にとって受けたくない罰のはず、これで少しは自重して)」

 

問題は咲良が言った言葉が嘘だった場合か?

もしこいつが【超魔神イド】【バブーン】【ネフロード】とかのデッキを使ってきた場合。

下手なデッキを使えば俺のデッキがボロボロになってしまう。

 

【ネフティスの鳳凰神】との相性は悪い、最悪と言ってもいいぐらいに悪い。

俺は魔法・罠カードを多用するから、それを破壊してしまう大嵐の効果を内蔵したネフティスの鳳凰神は大苦手だ。

それを咲良が馬鹿みたいに何度も自壊させてきたら俺は何もできない。

 

【超魔神イド】の場合、どんなデッキでもほぼ相性が悪くなる。

最初から利用しようとしない限り【ネフロード】以上にどうしようも無い。

最悪、俺のモンスターが全て超魔神イドに破壊され、召喚ロックを受けてしまう事になる。

 

その点、それ以外のデッキならどうにでもなる。

俺も適当にまともに戦えるデッキを使えばいいだけなのだからな。

 

断言できる情報が有るとすれば、咲良のデッキはどれも自分のモンスターを破壊と蘇生させるデッキ。

咲良とタッグを組む以上、自分のモンスターはどれも効果破壊されてしまうと考えてもいいだろう。

ま、俺を追い出そうと考えている咲良の事だ、今回も半ば負けを考えて行動するつもりだろうな。

本人は隠そうとしているのだろうが、雰囲気と機嫌を見れば大体予想できるぞ?

 

俺も咲良のデッキを利用させてもらうだけだ。

モンスター0枚の全魔法・罠カードデッキという手段も考えられるしな。

そうなれば【超魔神イド】の場合、俺には何も影響の無いデッキとなる。

【ネフティスの鳳凰神】を使われた場合はさすがに辛いがな。

 

とにかく、俺の予想はあの蘇生デッキは嘘で、使用デッキは【超魔神イド】だな。

初めて咲良と戦った時の、あの超魔神イドの使い方……ほぼ確実にメインモンスターだろう。

間違っていたら辛いが、それでも問題無いデッキにしておこう。

どうせ、咲良のデッキはどれでも自分のモンスターを墓地へ送るのだからな。

 

「そろそろ時間だし、会場に向かう?」

 

「そうだな、遅刻するわけにもいかない

遅れて色々と言われるのも面倒だしな」

 

ちなみに今居る場所は学園の入り口前の道。

咲良は俺の部屋に入る事を嫌がり、男子禁制の女子寮に俺が行く事もできない。

必然的に場所は教室やこのような場所になってしまう。

まぁ、別にどこでもおれは構わないのだがな……高い場所と女子寮はお断りだが。

 

俺と咲良は指定された決闘場(デュエルフィールド)に向かう。

途中で天上院と前田組に会い、一緒に向かう事になった。

前田がやや俺を意識していたが無視しておく、話せば面倒そうだし。

 

決闘場(デュエルフィールド)に着くと、それなりの人数の観客が居た。

別に観客の人数で勝負するわけでもなし、気にする必要は無いだろう。

 

「結構人が居るわね」

 

「うぅぅ……緊張するんだな」

 

「緊張しても仕方無い」

 

「観客なんて鬱陶しいだけだ」

 

こんなもので緊張して失敗されると困るが、咲良は問題無さそうだ。

前田は緊張、天上院も少し緊張しているように見えるが……まぁ大丈夫だろう。

そして……遊城と丸藤は若干遅い、遅刻か?

 

「十代達はまだ来ていないみたいね」

 

「ちゃんと起こしたんだけどなぁ……」

 

前田、お前も苦労してるんだな。

授業中に寝たりする遊城や丸藤の子守も大変だろう。

あいつらが停学すれば案外楽になると思うぞ?

 

居ないものは仕方無い、そう思いさっさと決闘場(デュエルフィールド)に上っていく。

俺に釣られ、渋々ながらも他の3人も上る。

若干不安そうにしながら、それでも決闘場(デュエルフィールド)に上がったからには顔付きはマシになった。

 

「ま、間に合ったかぁ!?」

 

「アニキが二度寝なんてするからぁ!」

 

「翔だってそうだろ!」

 

喧しく叫びながら走って入って来たのは当然、遊城と丸藤。

俺と咲良は呆れ、前田と天上院は苦笑い、クロノス教員は今にも怒鳴りそうで、校長は暢気に笑っている。

こんな馬鹿の為に少しでも無駄な時間を使いたくない。

 

「ふぅ……ではこれより、タッグ決闘(デュエル)を始めルーのですね!」

 

クロノス教員の言葉で会場が沸くが、騒々しい。

そしてこの声で遊城と丸藤は会場の人間の多さに気付く。

暫く見渡した後、とある場所を見つめる……その先には?

 

「…………」

 

丸藤亮、学園の皇帝、カイザーだったな。

使用モンスターはサイバー・ドラゴンを中心とした【サイバー・ドラゴン】デッキを使用する。

サイバー・ツイン・ドラゴン、サイバー・エンド・ドラゴンをパワー・ボンドで融合するパワーデッキ。

そして相手をリスペクト……つまり相手に敬意を払う、相手を尊重するとかなんとか。

だがしかし、それは本当に相手に敬意を払っていると言えるかと問われれば、俺は首を傾げるしか無い。

そもそも、相手に敬意を払う方法が、全力で相手と戦うとか相手の本気を受け止めるだとか。

何故それがリスペクトに繋がるのか、俺にはとてもではないが理解できない。

カードゲームで敬意を払う方法など、相手が自分の攻撃を全て全力で受け止めた上で勝った時ぐらいだと思う。

全力で相手と戦う、これに敬意を払うと言う言葉が当て嵌まるのか……当て嵌まらないだろう。

パワーデッキを使用していると考え、言い方を変えれば、一撃で潰してやると言っているとも思える。

相手の本気を受け止める、言い方を変えれば、お前が本気を出すまで暫く待ってやろうと、俺はそう取れるな。

 

俺のする手加減と、丸藤兄の本気を受け止めるという意味、似ているようで全く違う。

俺は相手が考え込む、慌てる、苦戦している姿を見る事が楽しくて加減をしたりする。

他にも状況や機嫌や気分、決闘(デュエル)の理由など、そんな理由で手加減をする。

 

しかし一方の丸藤兄は全く違う。

相手の攻撃を全て受け止め、全力で相手と戦う。

つまり、相手の攻撃を全て躱し、弱った所を一撃必殺で刈り取る……

本人の意思や気持ちはともかく、実行された事はこんな内容なので全く信用できん。

下手をすれば、完全に無自覚の俺以上に心をへし折る行為だ。

相手によっては立ち直れない可能性も否定できない。

 

そんな事をして、相手をリスペクトするとは片腹痛い。

いっその事、相手を傷心させる為の戦いとでも言ってくれた方がお互いの為だろう。

もしくは相手の全てに勝つ為、完全に屈服させてやろうとでも言え。

言い方1つで見方が随分変わる人間ってのも、早々居ない気もするな……

堂々と言っているだけに、余計に俺の言い方が広がれば色々と立場が危なくなりそうだ。

 

「それで対戦相手は?

教員かオベリスクブルーの生徒かね?

まさかまた君が、相手をするのかね?」

 

おっと、考え事をしていて忘れていた。

 

「いいえ、これは彼らの校則違反の罰則を審理する為の、決闘(デュエル)でスーの

相手はそれそうオーの、決闘者(デュエリスト)でなければ意味ありませンーの」

 

「うむ、それで?」

 

校長の目が輝いている……校長、少し自重しろ。

仮にも生徒が停学になるかどうかの決闘(デュエル)だろうが。

少しでも構わん、心配そうな素振りを僅かにでも見せろ。

 

「不心得者を叩きのめすべく! ん~パルメザンチーズ

伝説の決闘者(デュエリスト)を呼んでありまスーの!」

 

パルメザンチーズ……相変わらずクロノス教員の言葉は謎だ。

この口調はどうにかならないのだろうか?

 

「「へやぁ!」」

 

「な、なんだ!?」

 

どこからか現れ、飛び出てきた中華服を来た2人の男性。

バック宙返りを続け、なにやらやたら格好良く登場したのは……

オレンジの服に迷の文字を額に書いた男、緑の服に宮も文字を額に書いた男の2人。

こんなキャラ、居たっけ?

 

「我ら流浪の番人」

 

「迷宮兄弟」

 

で、本名は?

 

「うわぁ、香港映画か?」

 

「もしかして、この人達が対戦相手?」

 

「(格好いいのか格好悪いのかわからない)」

 

だから、本名は?

 

「彼らはあの、決闘王(デュエルキング)武藤遊戯と決闘(デュエル)した事の有るという

伝説の決闘者(デュエリスト)でスーのね」

 

そんな情報はどうでもいいから本名は?

 

決闘王(デュエルキング)と!?」

 

「……聞いたことが有るわ

その無敵のコンビネーションで決闘王(デュエルキング)を苦しめたという、兄弟決闘者(デュエリスト)

 

「そ、そんなのが相手なのかぁ?」

 

うん、俺の興味はそんな事より本名でだな……

 

「お主らに怨みは無いが」

 

「故有って対戦する」

 

「我らを倒さねば」

 

「道は開けん」

 

「「いざ、勝負!」」

 

呼吸が合うのはわかった、だから本名を教えろ。

 

「これは思い切った事をしましたね

本物だ本物だ……」

 

本名……よりも校長、あんたミーハー過ぎるだろ。

さっきも思ったが、もう少し自重という言葉を覚えてくれ。

原作じゃ退学だろ? その時もこんな反応だったのか?

 

「しかし校長、彼らくらイーにはこれくらイーの事をしまセーんとね!

第一、他の生徒に示しがつきまセーんの」

 

「おもしろい、やらせてみましょう」

 

「んおぉ?」

 

「第一、彼らはもうやる気だよ?」

 

校長の言葉にクロノス教員はこちらを向く。

主にやる気を表に出しているのは遊城、咲良の2名。

俺は無関心、前田と天上院は緊張、丸藤は逃げ腰。

 

「おもしれぇ……あの決闘王(デュエルキング)と戦った伝説の決闘者(デュエリスト)と戦えるなんて!」

 

「少しは歯ごたえが有ると嬉しいけど……

(堅守瑞貴を倒してくれないと困るし)」

 

気のせいじゃなく、咲良の視線が若干こちらに向いているがな。

どうせ、俺を倒してくれないと困るとでも思っているんじゃないか?

 

「ま、いいでしょう

それでは始めたいと思うノーね!

最初は誰からナーの? ベジタブルソース?」

 

ベジタブルソースってなんだよ。

 

「もちろん俺が」

 

「俺からさせてもらう」

 

遊城の言葉を遮り、俺が立候補をする。

 

「ちょ、なんだよ、邪魔すんなよ」

 

「いつまでもこんな面倒な事に付き合っている気は無いんだ

さっさと終わらせて、早くのんびりと休みたいんだよ」

 

「ちょっとぐらいいいじゃねぇか!」

 

「別に少しぐらい後でも構わんだろう?

どうせ暇だろ、お前?

俺はしたい事がいくらでも有るんだ、譲れ」

 

デッキ作成とか、オークション販売とか、寝るとか。

色々と有るんだから、邪魔をされては困る。

 

「遊城君、私からも頼みたい

私と堅守瑞貴に、先に決闘(デュエル)をさせて

いつまでも堅守瑞貴と組んでいるという状況は……」

 

視線を向けるな、嫌なら嫌と言え、鬱陶しい。

遠回しにされる方が傷付く時だって有るんだぞ?

俺はその程度では傷付くどころか、痒みも出て来ないが。

 

「でもよぉ……」

 

「まぁまぁ十代、別にいいじゃない」

 

「ちぇ……」

 

天上院に諭され、渋々ながらも諦める遊城。

俺の時はアレだけ食い付いて、天上院が言えばさっさと収めるのか?

まぁ、当人から言われれば反発するのも当然だがな。

 

「順番は決まったノーね?

始めまスーよ?」

 

「はい」「…………どうぞ」

 

「ではでは両者位置について!」

 

俺と咲良、そして迷宮兄と迷宮弟は所定の位置に立つ。

あ、そうだ……

 

「1つ質問、いいか?」

 

「ぬ、なんだ?」

 

迷宮兄に質問をする。

 

「さっきの演出、必要だったのか?

まさか高校生相手に、自分達は強いという威嚇の意味を込めた行動?

それともだた格好つけたかっただけ?」

 

クロノス教員の合図で盛り上がった会場が一気に冷める。

んー……こんな感じに会場を冷やすのも楽しいもんだ。

 

「……知ってどうする?」

 

「威嚇を込めたと言うなら浅知恵と馬鹿にしてやる

格好つけたかっただけと言うなら鼻で笑ってやる

何も考えていなかった言うなら情けない大人だと見下してやる」

 

「「…………」」

 

無言、どうやらどれかが正解だったらしい。

とりあえず、哀れみの目で見てやろうと思った。

 

「堅守瑞貴、そろそろ始めない?」

 

「そうだな」

 

アッサリと引き、デッキを装着する。

溜め息を吐き、咲良もデッキをセット。

俺を睨みながら、デッキをセットする迷宮兄弟。

 

「ふぅ……タッグパートナーへの助言はダメなノーね

パートナーのフィールドも、自分のフィールドとして扱いまスーの

いいでスーね? 各チーム、共通ライフ8000ポイントなノーね!」

 

「「決闘(デュエル)!」」「「決闘(デュエル)」」

 

ちなみにルールの補足。

タッグルールとは言うが、バトルロワイヤルルールと言っても間違いではない。

全プレイヤーは最初のターンは攻撃できず、2回目の自分のターンから攻撃が可能となる。

ライフが共通な点、場のカードは自分のカードとして扱うが自分の場とは言えないのである。

例えば俺の場にモンスターが存在し、咲良の場にモンスターが存在しない場合。

相手は咲良に直接攻撃(ダイレクトアタック)ができ、俺の場のモンスターを壁に使用する事はできない。

同じように攻撃する場合も自分のモンスターのみであり、パートナーのモンスターでは攻撃できない

ただし、咲良は俺の場のモンスターの効果を使用する事が可能であり、逆も然り。

そして効果などを発動するカードは持ち主が発動し、タッグパートナーが好き勝手に発動する事はできない。

 

しかしアレだな、何故アニメはこんなに面倒なルールなのかね?

これで咲良が【超魔神イド】を使っていた場合……これは面倒な事になりそうだ。

 

――――――――――――――――――――

 

瑞貴と結美のタッグ決闘(デュエル)、どんなデッキを使うんだ?

女子寮の時は瑞貴はデッキにモンスターを戻すデッキ、結美は墓地から復活してくるモンスターが多かったデッキ。

タイタンの時は瑞貴は悪魔族、結美は天使族と悪魔族が混合したゼラが中心のデッキ。

今回はどんなデッキを使うのか、楽しみだ!

 

「俺の先攻、ドロー

イービル・ソーンを召喚、そして効果を発動

このモンスターを生贄にし、相手に300ポイントのダメージを与える」

 

地面からピンクの垂れ下がった花を咲かせ、紫の針だらけの実の作っている植物のモンスター

んで、効果が発動された時に実が爆発して、針の攻撃が迷宮兄弟に300ポイントのダメージ。

これだけの為に召喚したのか?

 

「更にデッキからイービル・ソーンを2体まで攻撃表示で特殊召喚する

デッキより、2体のイービル・ソーンを特殊召喚

ただし、この効果で特殊召喚されたイービル・ソーンは効果を発動できない」

 

同じような花が2つ咲いたけど、紫の実の針が無い……

どうして無くなったんだ?

 

「永続魔法、世界樹を発動する」

 

瑞貴の後ろに巨大な大木が……なんかすげぇ。

 

「魔法カード、フレグランス・ストームを発動

場に存在する植物族モンスターを1体破壊し、デッキからカードを1枚ドローする

俺が破壊するカードはイービル・ソーン、イービル・ソーンを破壊

そしてドローしたカードが植物族モンスターだった場合

お互いにドローしたカードを公開し、更にもう1枚ドローする

俺がドローしたカードはキラー・トマト、植物族モンスターだ

よって俺はもう1枚、デッキからカードをドローする」

 

キラー・トマト……どんな効果だっけ?

やっべ、ど忘れしちまった!

 

「そして世界樹の効果が発動する

場に存在する植物族モンスターが破壊された時

このカードにフラワーカウンターを1つ乗せる」

 

世界樹に花が1凜の花が開く。

花が咲いて、どんな意味が有るんだ?

 

「永続魔法、超栄養太陽を発動

自分の場のLV2以下の植物族モンスターを生贄にして発動する

生贄にしたモンスターのLV+3以下のLVを持つモンスターをデッキ、または手札から特殊召喚する

ただし、このカードが場から離れた時、特殊召喚されたモンスターは破壊され

特殊召喚されたモンスターが場から離れた時、このカードを破壊する

俺はLV1のイービル・ソーンを生贄に、デッキからLV3のローンファイア・ブロッサムを特殊召喚する」

 

火花を放っている植物のはずのモンスター……炎属性なのか?

というか、さっきからカードが出まくってるんだけど、大丈夫なのか?

 

「ローンファイア・ブロッサムの効果を発動

自分の場の植物族モンスターを1体、生贄にする

デッキから植物族モンスター1体を特殊召喚する

ただし、この効果は1ターンに1度しか発動できない

この効果により、ローンファイア・ブロッサム自身を生贄にする

そしてローンファイア・ブロッサムが場から離れた事で超栄養太陽は破壊される

ローンファイア・ブロッサムの効果により、デッキからフェニキシアン・シードを特殊召喚する」

 

種みたいな見た目だけど、真ん中にでっけぇ目が出てて、上から赤い花が萎れてる?

さっきのローンファイア・ブロッサムって、効果を聞いてたらLVの制限無いんだよな?

なんで攻撃力が800しか無いモンスターを出したんだ?

それならもっと強いモンスターがデッキに入っていると思うんだが……

 

「フェニキシアン・シードの効果を発動

このカードを場から墓地へ送る事で、手札からフェニキシアン・クラスター・アマリリスを特殊召喚」

 

真っ赤な花を持った攻撃力2200の最上級モンスターか。

いきなりこんなモンスターを出すなんてすげぇ……

 

「カードを1枚伏せ、ターンエンドだ」

 

「私のターン、ドロー!

暴風小僧を守備表示で召喚し、カードを1枚伏せてターンエンドだ」

 

人型モンスターの、子供?

暴風小僧だし、やっぱ子供なのかな?

 

「私のターン、ドロー

魔法カード、サンダー・クラッシュを発動

自分の場のモンスターを全て破壊し、相手に破壊したモンスターの数×300ポイントのダメージを与える

私が破壊するのはフェニキシアン・クラスター・アマリリス」

 

「血迷ったか、味方のモンスターを破壊するとはな

300程度のダメージなどくれてやるわ」

 

何やってんだよ! 攻撃力2200の最上級モンスターを破壊するだなんて!

そんな事してなんの意味が有るんだよ!

 

「フェニキシアン・クラスター・アマリリスの効果発動

このモンスターが破壊された時、相手に800ポイントのダメージを与える」

 

「なんだと!?」

 

雷でフェニキシアン・クラスター・アマリリスが破壊されたんだけど、爆発したぁ!?

そして炎が出てきて迷宮兄弟を燃やし、更にサンダー・クラッシュの雷が襲いかかった。

 

「自分の場のモンスターが効果で破壊された時、このモンスターは特殊召喚される

フェニキシアン・クラスター・アマリリスのダメージ効果にチェーンし、機皇帝ワイゼル∞を特殊召喚」

 

白い体の機械族モンスター……って、攻撃力が2500でLV1だって!?

なんだそのモンスターは! 絶対反則だろ!

 

「攻撃力2500のLV1モンスターだと!?」

 

「そして植物族モンスターが破壊された事により、世界樹にフラワーカウンターを1つ乗せる」

 

また世界樹に花が……

 

「機皇帝ワイゼル∞を生贄に、超魔神イドを召喚

カードを2枚伏せて、ターンエンド」

 

青い体の四足歩行のモンスター……って、攻撃力が低くないか?

さっきの機皇帝ってモンスターの方が攻撃力が高いぞ!

どうして態々攻撃力の低いモンスターを?

 

「態々攻撃力の低いモンスターを召喚するとはな! 私のターン、ドロー!

兄者、モンスターを借りてもいいかな?」

 

「ああ、構わんとも」

 

「ありがとう、私は暴風小僧を生贄に捧げる!

暴風小僧は風属性モンスターを生贄にする場合、2体分の生贄となるのだ!

出でよ、風魔神-ヒューガ!」

 

風魔神-ヒューガだって!?

アレはこの前、瑞貴が使ってきたモンスターじゃないか!

 

「更に魔法カード、死者蘇生を発動! 墓地に存在するモンスターを1体、蘇生させる!

私が蘇生させるモンスターは暴風小僧を特殊召喚!

続いて魔法カード、生け贄人形(ドール)を発動!

自分の場のモンスター1体を生贄に、通常召喚可能なLV7のモンスターを手札から特殊召喚する

私は暴風小僧を生贄に、水魔神-スーガを特殊召喚!」

 

おぉ、水魔神-スーガも出てきたのか!

これはすげぇ、あいつら強ぇえ!

 

「兄者、モンスターを好き勝手しまってすまなかった」

 

「なぁに、お前の為なら犠牲にもなろう」

 

「いやいや、それでは私の気が済まない

魔法カード、闇の指名者を発動!

このカードは、相手のデッキのモンスターを1枚指名するのだ

そしてそのカードが相手のデッキに入っていた場合、そのカードを手札に加える!

私が指名するカードは、雷魔神-サンガだ!」

 

迷宮兄に指を差し、効果対象のプレイヤーを選ぶ。

タッグであんなデッキを使ってるんだ、当然……

 

「ふふふ、ありがとう弟よ

当然、私のデッキにサンガのカードは入っている」

 

迷宮兄の手札に雷魔神-サンガのカードが……

って事はもう出てくるのか? ゲート・ガーディアンが!

瑞貴でもなかなか出せなかった、あのモンスターが!

 

「迷宮兄弟……タッグとしてのコンビネーションは最高ね」

 

「それに比べてあの2人は難しそうなんだな」

 

「デッキ、あんまり合わせてないのかな?」

 

「だけど何か考えが有るはずだぜ」

 

お前らなら勝てるよな?

瑞貴、結美!

 

「私のターンはこれで終了だ」

 

「ふぁ……あ、茶番終わった?」

 

「「…………」」

 

ちゃ、茶番って酷くないか?

 

「そんな掛け声なんてどうでもいいっての……

寧ろその掛け声、お前らの手札の確認をし合っているとかじゃないだろうな?

あれだけ私語を言い合っていたらそれを疑いたくなるんだが?」

 

「失敬な!」

 

「我らがそのような卑怯な事を」

 

「「すると思うのか!」」

 

「思う」

 

「「…………」」

 

ば、バッサリと切り落としやがった。

 

「まぁいい、お前らがどんな手段を使おうとも関係無い。

俺は俺のしたいようにするだけだ

俺のターン、ドロー……まったく、俺の邪魔ばかりしやがって

世界樹の2つ目の効果を発動する

フラワーカウンターを2つ取り除き、場に存在するカードを1枚破壊する

俺が選択するカードは……超魔神イドだ」

 

「ふははははは!

お前達、チームワークがバラバラだな」

 

「よもや、味方のモンスターをまたも破壊するとは」

 

「「愚か者達め、貴様らなど我ら兄弟の力で粉砕してくれる!」」

 

「迷宮兄弟の言う通りよ

あの2人は何を考えているの?」

 

「味方のモンスターを破壊しまくるだなんて

まるで1対1対2なんだな」

 

明日香や隼人の言う通りだ。

どうしてあんな事を?

 

「…………」

 

だけど、結美が動揺した感じは全く無い。

どうしてあんなに平気そうな顔をしてるんだ?

 

「キラー・トマトを召喚

そういえば迷宮兄の場にはモンスターが存在していなかったな……」

 

だけど攻撃するなら超魔神イドの方が攻撃力が高いよな?

なんで態々破壊して、キラー・トマトなんて召喚したんだ?

 

「バトルフェイズ

キラー・トマトで風魔神-ヒューガに攻撃」

 

は?

 

「し、しま……なんだと?」

 

「ヒューガに攻撃?

お前達はどうしようも無いほど愚か者らしいな!

ヒューガで反撃! 魔風波!」

 

ヒューガの風の弾でキラー・トマトは簡単に破壊されちまった……

攻撃力差は1000、瑞貴に1000ポイントのダメージか。

 

「……キラー・トマトの効果発動

このモンスターが戦闘で破壊され、墓地へ送られた時

デッキから闇属性・攻撃力1500以下のモンスターを1体、攻撃表示で特殊召喚する

俺はデッキからキラー・トマトを特殊召喚」

 

「ははははは!

まさか再び自滅しようとでも言うのではないだろうな?」

 

「世界樹にフラワーカウンターを1つ乗せる

キラー・トマト、風魔神-ヒューガに攻撃」

 

「はは……は?」

 

また破壊されるキラー・トマト……何を考えてるんだ!?

 

「キラー・トマトを特殊召喚、世界樹にフラワーカウンターを1つ乗せる

キラー・トマトで風魔神-ヒューガに攻撃」

 

「貴様、何を考えている!?」

 

「キラー・トマトの効果でプチトマボーを特殊召喚

フラワーカウンターを1つ乗せて、プチトマボーで風魔神-ヒューガに攻撃」

 

「な、なんだんだ貴様はぁ!?」

 

迷宮兄弟の言葉を無視し、プチトマトに顔が付いて服を着たモンスターが呆気なく破壊される。

プチトマボーの攻撃力は700だから1400のダメージ。

このターンで合計、4400もの自爆をして残りライフが……3600!?

 

「プチトマボーの効果を発動

このモンスターが戦闘で破壊され、墓地へ送られた時

デッキからトマボーと名の付くモンスターを2体まで特殊召喚できる

俺はデッキからプチトマボーを2体、守備表示で特殊召喚する

そして世界樹にフラワーカウンターを1つ乗せる」

 

な、なんか滅茶苦茶大量にモンスターが墓地へ送られたぞ?

ライフもすっげぇ減ったし、何がしたいんだよ!

 

「世界樹の3つ目の効果を発動

フラワーカウンターを3つ取り除き、自分の墓地の植物族モンスターを1体、特殊召喚する

俺はローンファイア・ブロッサムを守備表示で特殊召喚

ローンファイア・ブロッサムの効果を発動し、プチトマボー1体を生贄にする

デッキから植物族モンスター、ボタニティ・ガールを守備表示で特殊召喚」

 

頭っつぅか、髪が花でできた女のモンスター

な、なんかいっぱい出てきたぞ? どうなってんだ?

 

「魔法カード、フレグランス・ストームを発動

効果は先ほど説明した通り、ローンファイア・ブロッサムを破壊してカードをドロー

ドローしたカードは植物族モンスター、フェニキシアン・クラスター・アマリリス

よって更にもう1枚ドロー、そして世界樹にフラワーカウンターを1つ乗せる」

 

さっきの最上級モンスターか。

だけどもう通常召喚をしてるし、どうするんだ?

 

「魔法カード、トレード・インを発動

手札のLV8のモンスターを捨て、デッキからカードを2枚ドローする

俺はフェニキシアン・クラスター・アマリリスを捨てて、2枚ドロー

世界樹の2つ目の効果を発動

フラワーカウンターを2つ取り除き、場のカードを1枚破壊する

ボタニティ・ガールを破壊し、ボタニティ・ガールの効果を発動

このモンスターが場から墓地へ送られた時

デッキから守備力1000以下のモンスターを1枚、手札に加える

俺が手札に加えるモンスターは守備力0のフェニキシアン・クラスター・アマリリス

そしてもう1枚、魔法カード、トレード・インを発動

手札のフェニキシアン・クラスター・アマリリスを捨て、デッキからカードを2枚ドロー」

 

す、すっげぇドローしてるぞ、瑞貴の奴。

しかも場と手札がめまぐるしく変化してて訳が解らなくなってきた!

 

「魔法カード、強欲な壺を発動し、デッキから更に2枚ドロー

……やっと来たか、フィールド魔法、古の森を発動する

このカードの発動時、場の守備表示モンスターを全て攻撃表示にする

プチトマボーを守備表示から攻撃表示へ変更」

 

辺りが綺麗な森に変化した……どんな効果を持ったカードなんだ?

 

「俺はカードを1枚伏せ、エンドフェイズだ」

 

アレだけ好き勝手して、それでも手札が3枚も有るって凄いな。

だけどフラワーカウンターは0個になってるぞ?

なんであの効果でスーガとかヒューガを破壊しなかったんだ?

 

「ふ、ふふふ、なにを狙っているかと思えばフィールド魔法を発動しただけか!」

 

「しかも場に居るモンスターは1体の弱小モンスターのみ!

まったく、そんな事をしていったい何になるのやら」

 

迷宮兄弟が瑞貴を馬鹿にしてるけど、嫌な予感がする。

どう考えても瑞貴が原因なんだけど。

 

「エンドフェイズだと、言っただろう? まだターンは終了していない

墓地のフェニキシアン・クラスター・アマリリスの効果を発動

自分ターンのエンドフェイズ時、墓地の植物族モンスターを1体ゲームから除外する

そして、このモンスターを守備表示で特殊召喚できる効果を持っている」

 

「ふん、だからどうした!

攻撃力が2200有ろうとも、守備表示で特殊召喚される上に守備力0のモンスターでは怖く無いわ!」

 

「我らのモンスターの、壁にもならんな!」

 

「忘れたのか?

フェニキシアン・クラスター・アマリリスを破壊すると、800ポイントのダメージを受けるんだぞ?」

 

「高が800!」

 

「それがどうした!」

 

「はぁ……墓地のイービル・ソーンを除外し、フェニキシアン・クラスター・アマリリスを蘇生

更にもう1体、イービル・ソーンを除外してフェニキシアン・クラスター・アマリリスを蘇生

最後にもう1体、イービル・ソーンを除外してフェニキシアン・クラスター・アマリリスを蘇生

高が800だろうと、3体破壊すれば2400のダメージだぞ?」

 

まさか除外する為のモンスターを稼ぐ為にあんなにモンスターを墓地へ?

瑞貴の墓地、あと何体植物族モンスターが居るんだ?

 

「なるほど、確かに考えているようだな」

 

「しかし、その程度では我らには勝てぬ!

私のターン、ドロー!」

 

「この瞬間、超魔神イドの効果が発動

このモンスターが効果によって破壊された次のターンのスタンバイフェイズ時

墓地に存在するこのモンスターは復活する、戻って来なさい、超魔神イド」

 

結美の言葉で復活してきた超魔神イド……守備表示なんだな

効果で破壊されたら復活できるモンスターなのか。

 

「そしてこの瞬間にもう1つの効果が発動

自分の場の超魔神イド以外のモンスターを全て破壊する」

 

「また自分のモンスターを破壊するカードだと!?」

 

「しまった、それではフェニキシアン・クラスター・アマリリスの効果が!」

 

「罠カード発動、デストラクト・ポーション

自分の場のモンスターを1体破壊し、その攻撃力分のライフを回復する

破壊するモンスターはフェニキシアン・クラスター・アマリリス

その攻撃力分、2200のライフを回復する」

 

瑞貴が罠カードを発動。

フェニキシアン・クラスター・アマリリスが破壊され、ライフが合計2200回復した!

これでライフは5600!

 

「フェニキシアン・クラスター・アマリリスの効果が発動

このモンスターが破壊された事により、相手に800ポイントのダメージを与える」

 

「「ぬぅぅぅぅ」」

 

合計で2200のダメージ、迷宮兄弟の残りライフは5800か。

まだそんなに減ってないな。

 

「植物族モンスターが破壊された事により、世界樹にフラワーカウンターを1つ乗せる」

 

「そして超魔神イドの効果により

残りのフェニキシアン・クラスター・アマリリス2体とプチトマボーが破壊される」

 

「更に2回、フェニキシアン・クラスター・アマリリスの効果が発動する

1600ポイントのダメージを受けてもらおうかな?」

 

「「おのれぇ!」」

 

「そして、世界樹にフラワーカウンターを1つ乗せる」

 

これで迷宮兄弟のライフは残り4200まで減った。

今、どっちのターンだっけ?

 

「もう許さんぞ! 地雷蜘蛛を召喚!」

 

茶色い巨大な蜘蛛のモンスター……って攻撃力2200!? LV4の攻撃力じゃないぞ!

あ、でも結美がさっきLV1の攻撃力2500のモンスターを使ったか。

そう考えると別に普通な気がしてきたな……

 

「更に魔法カード、生け贄人形(ドール)を発動

弟が先ほど効果を説明したな? 私は地雷蜘蛛を生贄に、雷魔神-サンガを特殊召喚!」

 

雷魔神-サンガ……3体目が揃った!

 

「今見せてやろう……」

 

「究極のモンスターを!」

 

究極のモンスターって、やっぱりあの!

 

「雷魔神-サンガ、水魔神-スーガ、風魔神-ヒューガが3体場に揃った時

この3体を生贄とし、ゲート・ガーディアンを特殊召喚する!」

 

「わー、すごいすごーい

攻撃力3750だってさー、かてるはずないよー」

 

み、瑞貴がすっげぇ棒読みで……

何が、したいんだ?

 

「先ほどから我らを馬鹿にしおって……」

 

「その罪、万死に値する!」

 

「で? 俺は自分の言いたい事を言っているだけなんだがねぇ?

それで万死だなんて言うぐらいなら、俺を倒してから言うんだな」

 

挑発挑発、また挑発。

そんなに怒らせると何をするかわかんないぞ!

 

「装備魔法、メテオ・ストライクを発動!

ゲート・ガーディアンにこのカードを装備する!

このカードを装備したモンスターが守備表示モンスターを攻撃した時

その守備力を超えていれば、その数値だけダメージを与える!」

 

げっ! 超魔神イドの守備力はたったの800!

これじゃあ大ダメージじゃねぇか!

 

「ゲート・ガーディアンで、超魔神イドに攻撃!」

魔神衝撃波!」

 

「罠カード、デストラクト・ポーションを発動

効果はさっき堅守瑞貴が説明した通り、超魔神イドを破壊してライフを2200回復する」

 

ライフが7800まで回復したけど、壁モンスターが居ないぞ!

それだと直接攻撃(ダイレクトアタック)を受けちまう!

 

「我らの前に無防備に立つとは愚かな!

では望み通り、ゲート・ガーディアンで直接攻撃(ダイレクトアタック)!」

 

「「…………」」

 

2人共、平気そうな顔だな。

3750のダメージで、残りライフが4050まで減ったんだぞ?

もう少し何か、何か無いのか?

 

「貴様らのモンスターなど敵では無いわ!」

 

「我らの無敵のコンビネーション、破れるものなら破ってみせよ!」

 

「では遠慮無く……古の森の効果発動

このカードが存在している限り、攻撃をしたモンスターはバトルフェイズ終了時に破壊される

ゲート・ガーディアンは破壊されるな、残念」

 

「「な、なんだとぉ!?」」

 

「古から存在する森は、静寂を好んで争いを嫌うんだろうな

古の森の効果により、ゲート・ガーディアンは破壊」

 

「ば、ばかな!」

 

「我らのゲート・ガーディアンが!」

 

あんな手段で、あのゲート・ガーディアンを簡単に破壊しちまった。

俺と翔が苦戦した、あのモンスター達をこんなに簡単に……

実は俺達が思っているより、そんなに強くないモンスターなのか?

 

「おのれ……ターンエンドだ!」

 

「私のターン、ドロー

好き勝手するのはお互い様、私も好きにする

墓地の超魔神イドの効果を発動、効果によって破壊された次のスタンバイフェイズ時

超魔神イドを再び蘇生させる」

 

うへぇ……何回でも復活するモンスターってすっげぇ厄介だな。

効果で破壊しないと復活しないけど、自分からあんだけ破壊してたらなぁ……

 

「モンスターは存在しないし、超魔神イドで直接攻撃(ダイレクトアタック)

 

「ぬぅ!」

 

超魔神イドの体当たり攻撃で、迷宮兄は2200の大ダメージを受ける。

残りライフは2000……すげぇ、この2人はすげぇよ!

 

「古の森の効果により、超魔神イドは戦闘をした為、バトルフェイズ終了時に破壊される」

 

超魔神イドが破壊されて場から居なくなった。

これでまた2人の場に、モンスターは存在しなくなった!

 

「だけど効果で破壊された事により

次のターン、また超魔神イドは復活する」

 

「「お、おのれぇ!」」

 

「ならばその魔物!」

 

「我らが次のターンに!」

 

「「倒してみせよう!」」

 

ゲート・ガーディアンを倒されてもそんな事が言えるだなんて……

もしかして、ゲート・ガーディアンを超える切り札が有るのか!?

 

「「…………」」

 

瑞貴と結美はお互いに顔を合わせて?

 

「……く」「……ぷ」

 

「ん?」

 

「くっくくくくくくくく……」

 

「ぷふっ、わ、笑っちゃダメ、笑っちゃダメ……くっ、無理!

ぷっあははははははは!」

 

瑞貴と結美が……笑い出したぁ!?

 

「くくっ次のターンだとよ?」

 

「ふふふ……次のターンは来るけど、何もできないのにね?」

 

どういう意味だ?

 

「私はこのまま何もせずにエンドフェイズ

墓地のプチトマボー3体を除外して、フェニキシアン・クラスター・アマリリスを3体蘇生」

 

タッグパートナーの墓地のモンスターを蘇生?

だけど、それで何もできないって?

 

「そんなモンスター、倒さなければいいだけの話!

私のターン、ドロー!」

 

「この瞬間、超魔神イドの効果が発動

スタンバイフェイズ時に蘇生され、自分の場のモンスターを全て破壊する」

 

「「し、しまったぁ!」」

 

「ごめんなさいね♪」

 

超魔神イドの効果により、フェニキシアン・クラスター・アマリリスが全て破壊される。

 

「フェニキシアン・クラスター・アマリリスの効果、発動だ

このカードが破壊された時、相手に800ポイントのダメージを与える

3体の効果が発動し、合計ダメージは……2400だな」

 

フェニキシアン・クラスター・アマリリスの炎が迷宮兄弟へ向かう。

このダメージが通れば、迷宮兄弟のライフは……

 

「「ば、ばかなぁぁああああああああああ!!!」」

 

炎に巻き込まれ、迷宮兄弟のライフは0になった。

これで決まりだ、瑞貴と結美の勝ちだ!

 

「よっしゃぁ!

瑞貴達の勝ちだぁ!」

 

「凄い、あんなにアッサリ勝っちゃった……」

 

「さすがね、あの2人は強いわ」

 

「俺も負けないように頑張らないとなぁ」

 

伝説の決闘者(デュエリスト)でも、勝てるってわかったんだ!

怖いもんなんて無いぜ! 絶対に勝つぞ!

っとぉ、なんかあの2人、睨み合ってないか?

 

「…………【コアキメイル】はどうした?」

 

「コアキメイルならデッキに入っているぞ?

コアキメイル・グラヴィローズがな」

 

「それは詐欺!」

 

「そういうお前こそ、あの蘇生デッキはどうしたんだ?

何故お前は【超魔神イド】を使っている? あのデッキには入っていなかったはずだ」

 

「ぐっ、それは……超魔神イドも蘇生モンスター

だから蘇生デッキと言っても間違いではない」

 

言い合いになってる?

どういう事なんだ?

 

「まさかあの2人……」

 

「お互いのデッキ確認、デッキ合わせをしていないの?」

 

「それどころか、使用デッキで嘘を言ってたみたい」

 

「だけど勝つんだな、あの2人」

 

呆れるというかなんというか

どうしてあの2人はあんなに仲が悪いんだ?

 

「伏せカードのヘイト・バスターを使わなかったのは何故だ?

デストラクト・ポーションをフェニキシアン・クラスター・アマリリスに使い

ゲート・ガーディアンの攻撃時、ヘイト・バスターを使ってもよかったはずだ

というか、そうすれば俺の自爆特攻以外の戦闘ダメージは0だった」

 

「そう言う自分こそ、狂植物の氾濫を伏せておいてよく言う

プチトマボー2体を特殊召喚した時には既に10体もの植物族が墓地にいた

1体につき300ポイントの攻撃力を上げるのだから、三魔神なんて余裕で倒せたはず」

 

「三魔神の効果を忘れたのか、お前は

1度だけとはいえ、相手モンスターからのダメージを0にする効果だろうが

攻撃をしても倒す事はできず、戦闘ダメージも無いのだから無駄な動きだ」

 

「効果を使い切らせてもよかったと思うけど?

そういえば何枚もドローしていたけど、残りの手札は?」

 

「次のターンにでも雷魔神-サンガが出てくると予想していたからな

ゲート・ガーディアンを特殊召喚される可能性が高かった

そう考えると無駄になる可能性の方が高い

ちなみに手札は薔薇の刻印と種子弾丸、ポリノシスだ」

 

「確かにそれなら無駄な可能性も有ったか……

なら薔薇の刻印でさっさとヒューガやスーガを奪えばよかったのでは?

種子弾丸を発動しておけばキラー・トマトをリクルートしている間に全弾貯まっていたはず

そうすれば2500のダメージを与えられたし、もっと早く終わっていた

ポリノシスを伏せて、超魔神イドの蘇生だって無効にできたはず」

 

「奪っていた場合、場が埋まって超魔神イドが蘇生できないだろう?

まぁ、その場合はフェニキシアン・クラスター・アマリリスの蘇生数を減らせばいいだけだがな

種子弾丸を使ってもつまらんだろう? それに使っていたらデストラクト・ポーションを伏せられなかった

ポリノシスで超魔神イドの蘇生を阻害しても意味は無い、ヘイト・バスターが伏せられていたしな」

 

……ダメだ、あの2人が何を言ってるのか全くわかんねぇ。

 

「貴方達、あの2人の会話の意味、わかる?」

 

「全くなんだな」

 

「僕も……」

 

「凄いって事だけはわかる」

 

あの2人、どれだけ勉強したんだ?

結美の授業態度って確か、真面目だけど凄くやる気無さそうにしてるはずじゃなかったっけ?

瑞貴も見た目は真面目だけど、授業なんて殆ど聞いてないのに……

あ、でも問題の解答を求められたら2人共簡単に答えてるな。

本当に勉強してるのか? 全くわからないな。

 

「あ、校長先生

これで問題無いですよね?」

 

「はい、君達の停学の件は取り消しましょう」

 

「もう帰ってもいいですか?

ここに居る意味も無いですし」

 

「おや、他の4人の決闘(デュエル)は見ていかないのですか?」

 

「見るだけ無駄ですから

結果は決まっていますしね」

 

それだけ言って瑞貴は出て行った。

結果は決まっているか……信用してくれてんのかな?

 

「(どうせメインキャラが停学になんてなるはず無いしな

しかし負けてくれれば学園が静かになって助かる

そもそも、自分さえどうにかなれば気にする事でも無い)」

 

「咲良君、君はどうするのかね?」

 

「見ていきます

どうなるか、気になりますし」

 

結美は残るみたいだ、情けない姿は見せらんねぇな!

アレだけ簡単に勝ったんだ、俺も続いてやるぜ!

 

「では、次は誰かな?」

 

「はいはいはーい!

俺、俺が出る!」

 

「アニキ……」

 

「頑張れ遊城君、あの人達そんなに強くないから勝てる

(……はぁ、やっちゃった

どうして決闘(デュエル)が始まると負けようなんて気持ちが無くなる?

変なプレイングはしておいたけど、それでも負ける気にはならなかった

負けるつもりだったのに……勝ったら意味が無い

やっぱり邪魔をするのではなくて、自分で倒して勝つぐらいの気持ちじゃないとダメ?

困った、良い機会を逃すなんて失敗、また次の機会が有れば頑張ろう)」

 

「おう!」

 

俺は決闘場(デュエルフィールド)に立ち、翔も着いてくる。

悔しそうな顔をしていた迷宮兄弟も、気持ちを入れ替えて本気の目だ。

もう負けはしない……楽しくなってきた、全力で戦おうぜ!

 

「ルールはさっきと同じなノーね

では、始めルーの!」

 

「へへ、勝たせてもらうぜ」

 

「もう油断はせん!」

 

「全力で向かわせてもらう!」

 

「僕だって、僕だって……僕だって!」

 

「「「「決闘(デュエル)!」」」」




「今日の最強カードはフェニキシアン・クラスター・アマリリス
攻撃力2200、守備力0の炎属性・植物族でLV8のモンスターだ
フェニキシアン・シードの効果、または自身の効果でしか特殊召喚できない
普通に通常召喚するのは可能だが、攻撃力が低いからイマイチ頼りないかな?
このモンスターが破壊され、墓地へ送られた時、相手に800ポイントのダメージを与える
これは効果破壊でも戦闘破壊でも発動するバーン効果だな
ちなみにこいつ自身が攻撃をした場合、このモンスターはダメージ計算後に破壊される
相手に効果破壊、戦闘破壊されなくても、自分から攻撃して自壊もするから破壊は楽だ
更に墓地の植物族モンスターを1体除外する事で、守備表示で墓地から蘇生できる
除外やバウンスには弱いが、それが無い場合は苦戦するだろう」
「【アマリリスバーン】は強い」
「お前が【超魔神イド】なんて使うからこれを選んだんだろうが」
「素直に【超再生】を使っていればよかった!」


Q.十代と亮、隼人とその父親の話は?
A.有りません、瑞貴が関わる内容ではなかったので。
結美? 瑞貴が介入しなければ彼女も関わりません。

Q.前回の行動は意図的にしたの?
A.半意図的ですね、最初はそこまで考えていませんでしたが
十代が翔と組むと言ったので1組決まり、残りの組を誘導しました。

Q.嘘を交えての会話って……お前らタッグじゃないのか?
A.完全完璧にタッグですね。

Q.十代達は遅刻?
A.アニメではそんな事は無かったのですが
今回は隼人も出てきているので……してもおかしくない!

Q.瑞貴の、カイザー観察記!
A.それは何か違いますが、そんな感じですね。
彼の噂、性格、行動などを総計した結果の、瑞貴なりの予想です。

Q.瑞貴は亮が嫌いなの?
A.進んで会話をしたい相手ではない、という所ですね。
有名人の調査をし、戦った場合有利になるように考えているだけです。
彼本人にはほぼ関心が有りません。

Q.校長自重しろ!
A.本当に自重してくれませんかね、あの人は……

Q.で、本名は?
A.さぁ……なんでしょうね?

Q.瑞貴のデッキは?
A.見ての通り、【アマリリスバーン】ですね。
お姫様もデッキに入っていますが、ギガさんは入っていません。
トレード・インのコストの為でもあり、パーミッション効果の為です。
まぁ……結美のデッキに合わせているのでフェニキシアン・クラスター・アマリリスに特化したデッキです。
そうでなければ結美にボロボロにされてしまいますからね。
後は古の森を使用し、蘇生したフェニキシアン・クラスター・アマリリスを攻撃したモンスターを破壊します。

Q.結美のデッキは?
A.極々普通の、【超魔神イド】です。
漆黒の太陽みたいな壊れカードは抜いています。
お互いのモンスターや自分のモンスターを破壊するギミックが大量に積んであり
効果破壊をトリガーとする機皇帝も入っています、場合によっては生贄要員にもなりますしね。
超魔神イド以外のモンスターはほぼ全てLV1のモンスター、または悪魔族補助のカードぐらいですね。

Q.そういえば発動されなかった迷宮兄の伏せカードって何?
A.アニメで使用していた、アヌビスの裁きですね。
今回は使い道は無かったようです。

Q.結美は負けようとしていなかったの?
A.していましたが、決闘(デュエル)が始まると彼女のそんな思考は消えます。
性格上、手を抜くという事が苦手なのです……だからタイタン戦の時も瑞貴の行動に驚いていました。
負けないといけない、そんな考えは戦いの間はほぼ消滅しますからね……
実はそういう意味では、彼女は演技決闘(デュエル)に全く向いていません。

Q.十代達の決闘(デュエル)は?
A.描写無し、十代&翔も明日香&隼人もしません。
別に改造をしたデッキでも無し、瑞貴達も関わっていない。
なので正直に言えば……楽しくないし面倒なのでしません。

Q.なら、何故明日香と隼人を停学タッグ戦で呼んだの?
A.十代と翔だけならともかく
上記2人を含む瑞貴だけ、結美だけ、またはこの2人だけだと不自然だからですね。
呼ばれる場合、全員でなければ色々と変なので明日香と隼人も呼びました。
まぁ……全く意味が有りませんでしたけどね。

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