本気制限決闘島   作:阿音

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0話の注意書きを必ず読んでからお読みください。
読まずに気分などを害されても自己責任でお願いします。


投稿日は12月24日、クリスマスイヴです。
という訳でそんな感じだけど全くそんな感じではない回。
ちなみにアニメもちゃんと冬休みが有りますので矛盾は無いですよー
前話が冬休み前最後の話ですしね。

今回の後、少し投稿を休みます。
正月までには投稿したいなぁ……と、思っています。
適当にお待ちください。

何故だか妙に瑞貴達のイメージ絵の伸びが凄い……
回覧数が2500を超えるって、投稿して良かったのかどうかちょっと怖い。
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=32114669


11話【冬休み編1 ホワイトクリスマス】

冬休み、多くの生徒が実家に帰っているだろう。

そういう俺も、家に帰ってきているのだがな。

しかしまぁ、こいつは何がしたいのかね?

 

『貴方の家に遊びに行くから家の場所を教えなさい』

 

咲良から電話をされた。

電話番号、こいつに教えたっけ?

……まぁいいか、逆にこいつの電話番号が手に入ったんだ。

用が有る時は電話してやろう、主に押し付ける時とか。

 

「お前、俺の事嫌いだろ?

何故遊びに来るんだよ」

 

『玲ちゃんに会う以外に理由が有るとでも?』

 

「会ってどうする?」

 

『会ってから考える

別に何かを吹き込むとか、手を出すとかじゃないから安心して』

 

いや、お前と会う事が先ず心配事でだな……

 

「会わせたいとは思わないな」

 

『玲ちゃんの癖なら知ってる、話し方

確か、話している相手の口調を真似してしまう……違う?』

 

「合っているがな、何故お前がそれを知っている?

確かに玲の事は知っているらしかったが、そこまで知っているなんてさすがに不気味だぞ」

 

当然、咲良に玲の事は教えていない。

以前の予想で俺が出ているアニメでもとか想像したが、そこに玲が登場したのか?

どうやって登場した? 咲良に問い詰めてみるべきか……さすがに重要人物じゃないよな?

 

『知っている上で言う、玲ちゃんを傷付けるような事はしないし言わない

この約束を破ったら、私が学園から出て行ってもいい』

 

そこまで言うなら大丈夫だとは思うが、やや微妙だな。

本当に家に入れるかどうかは、また別の判断が必要か?

問題と思うし気にする程の事じゃないが、戯れの気持ちも出てくる。

 

「条件付きで許可してやろう」

 

『条件?』

 

「この世界はどんな世界だ?」

 

『どんなって、遊戯王?』

 

「前提条件は当然として、玲とちゃんと仲良くしてもらう事だが

この世界ではこのような条件を出す場合、どんな条件だと思う?」

 

咲良の性格から考えて、玲を邪険に扱う事は無いだろうとは思う。

だから癖のせいで仲が良い相手が少ない玲の交友関係を広める為になるからな。

例え咲良であろうと、玲の為になるなら歓迎してやる事は平気でできる。

 

別に玲に悪く当たらなければ無条件で来て貰う事に異論は無い。

しかし、そんなに簡単に許可する事は俺らしく無ければつまらなくもある。

咲良も無条件でなんて言えば怪しむだろうしな……今までの俺の行動から考えると。

 

『まさか、決闘(デュエル)して勝てとでも言うつもり?』

 

「楽しい決闘(デュエル)を期待しておいてやろう

あと、その決闘(デュエル)では別の条件が有る」

 

『……わかった

それで、どんな条件?』

 

「それはだな……」

 

――――――――――――――――――――

 

「今日は学園の知り合いが来るぞ」

 

「突然過ぎ、何故?」

 

「お前に興味を持ったんだとよ

別に殆ど話してないんだけどな」

 

お兄ちゃんがいきなり学園の人が来るって言い出した。

……私に興味って、どういう事?

 

「一応訊くが、アレらのカードは誰にも見せていないな?」

 

「自慢したいぐらいだけど、約束は守ってる

それがどうした?」

 

「今回だけ特別だ、許可する」

 

お兄ちゃんがあのカードの使用を許可?

どうしてそんな事を許可するの?

 

「何故?」

 

「知っているからだ、手加減は不要だぞ」

 

お兄ちゃん以外に手加減をしなくていい……あれ?

 

「私がその知り合いと戦うのか?」

 

「嫌なら構わないが?」

 

「する」

 

数少ない機会だもの、逃がすなんてヤダ。

それにしても本気かぁ……勝てるかな?

 

「強い?」

 

「さぁな

しかし、1度負けそうになったな」

 

「それ、強いんじゃないか?」

 

「自分で判断するんだな」

 

強いと期待しておこっと。

お兄ちゃんに勝てそうになったんだもん、強いよね?

 

「そんなに気になるなら、俺が先に戦って見せてやろうか?

使用デッキは変えさせるから大丈夫だと思うが」

 

「なら頼む、見てみたい」

 

楽しみだなぁ……本気で決闘(デュエル)ができるなんて。

今までお兄ちゃんにカードを貰っても、手加減しかできなかったし。

お兄ちゃん以外では初めて、凄く楽しみ。

 

………………

…………

……

 

お兄ちゃんの知り合いが来ると聞いて数日。

その知り合いの人と会う為、待ち合わせ場所に向かっている。

 

「この寒い冬に、しかも夕方のどうしてこんな場所で……」

 

「待ち合わせ場所だからな」

 

だからって港じゃなくても……

暖かくして来てるから大丈夫だけど、肌寒くなってきた。

 

「この辺りでと言ったが、居るかな?」

 

待ち合わせの場所までもうすぐ。

お兄ちゃんは学園の人を探す為にあちこちを見てる。

 

「お、見つけた」

 

お兄ちゃんの目が止まった方を見てみると、女の人が立って待っていた。

学園の知り合いって女の人だったの?

私達が女の人の方に向かうと、その人もこっちに気付いた。

 

「この寒い中で港に呼び出すなんて非常識」

 

「態とだ、気にするな

時間通りに来たんだし、問題は無い」

 

「本当に時間通り過ぎる

約束の時間2分前って……私は20分も早く来たのに」

 

「お前が勝手に早く来ただけだろうが」

 

仲が良いのか悪いのかわかんない。

友達というか、ライバル?

 

「それで、あの子が……」

 

私?

 

「妹の玲だ」

 

「堅守玲、よろしく」

 

「よろしくね、玲ちゃん

私は咲良結美、仲良くしよう?」

 

自己紹介の口調が良くなかったと思うけど気にしてない?

 

「で、どうする?」

 

「わかってるだろ?」

 

咲良さんが決闘盤(デュエルディスク)を装着。

お兄ちゃんは……呆れてる。

 

「馬鹿か?

こんな目立つ場所でできないだろうが

もっと人気の無い場所に向かうぞ」

 

「…………」

 

格好つけて決闘盤(デュエルディスク)を装着したのに格好つかなかった。

ちょっと凹んでいたから頭ナデナデしてあげた。

 

「玲ちゃんは堅守瑞貴と違って良い子」

 

「あぶ!」

 

い、いきなり抱きしめられたぁー!

なんで? なんで?

 

「玲はあまり人付き合いに慣れていないんだぞ

そういうスキンシップはするなとは言わんが、突然は止めておけ」

 

「そうなの?

その、玲ちゃんごめんね?」

 

「だ、大丈夫」

 

ビックリしただけで気にしてない。

それよりも私と咲良さんはお兄ちゃんの後ろを付いていく。

どこに向かうのかな?

 

暫く歩くと、有料の決闘場(デュエルフィールド)

どうしてこんな場所まで……って、決闘(デュエル)1回で5千!?

なんでこんな高い場所で!?

 

「なに、ここ?」

 

「有料の決闘場(デュエルフィールド)

その代わり、誰にも見られずに決闘(デュエル)できるという場所だ

時間制限は有るが監視カメラも無い、秘密の決闘(デュエル)をする為の場所だ」

 

「何に使うのか解らない」

 

「目立ちたくない人、手の内を外で晒したくない人などが利用する

他にも場所が無い時、集合場所にして時間潰し、そんな場合にも使える

俺達みたいな人間には助かる場所だ、時々有るから覚えておいて損は無いぞ」

 

私とお兄ちゃんの決闘(デュエル)は家で決闘盤(デュエルディスク)を使わない決闘(デュエル)

ここは決闘盤(デュエルディスク)を使いたい人とかも利用するのかな?

 

「……今度、探してみる」

 

お兄ちゃんが学園に行っている間、私も探してみよう。

お兄ちゃん以外に私の本気で戦える相手なんて居ないけど。

 

「一応訊くが、ちゃんと作ってきたな?」

 

「それが条件なら仕方無いから作ってきた」

 

お兄ちゃんと咲良さんが決闘盤(デュエルディスク)をセットする。

どんな戦いになるのか、楽しみ。

 

「ルールはどうする?」

 

「OCGルールで、ライフも8000にしたい

このルールでするなんて久しぶりだもの」

 

OCGルールって何? ライフが8000スタート?

久しぶりって、決闘(デュエル)って普通は4000のライフでしょ?

8000なんてタッグ決闘(デュエル)とか、そんな時以外殆どしないよ?

お兄ちゃんとは毎回ライフ8000でするけど……

 

「「決闘(デュエル)」」

 

「先攻は私、ドロー

氷結界の軍師を召喚し、効果を発動

手札の氷結界と名の付くモンスターを墓地へ送り、デッキからカードを1枚ドローする

ただし、この効果は1ターンに1度しか使えない

手札の氷結界の虎将 グルナードを墓地へ送り、ドロー」

 

黒い僧服みたいなのを着て、青い帽子をかぶったおじいちゃんが出てきた。

攻撃力は1600の、多分氷結界って名前が関係したモンスター?

この寒い冬に氷のモンスターは、見ているだけで寒くなりそう。

 

「カードを1枚伏せて、ターンエンド」

 

今回のお兄ちゃんのデッキはどんなデッキだろう?

 

「俺のターン、ドロー

魔法カード、トレード・インを発動する

手札のLV8のモンスターを捨て、デッキからカードを2枚ドローする

俺が捨てるカードはスノーダスト・ドラゴン、デッキからカードを2枚ドロー

コールド・エンチャンターを召喚する」

 

氷でできた杖を持った人……また氷!?

だけど攻撃力は氷結界の軍師と同じ1600、このままだと相打ち。

 

「コールド・エンチャンターの効果を発動

手札を1枚捨てる事で、場に存在する表側表示のモンスター1体にアイスカウンターを1つ乗せる

手札を1枚捨て、コールド・エンチャンター自身にアイスカウンターを1つ乗せる」

 

コールド・エンチャンターが杖を掲げて、光を放つとコールド・エンチャンターの杖を持っていない腕が凍っていた。

自分の力で自分を凍らせるって、大丈夫なのかな?

 

「コールド・エンチャンターの攻撃力は場に存在するアイスカウンターの数×300ポイントアップする

この効果により、コールド・エンチャンターの攻撃力は1900まで上昇」

 

自分を凍らせれば攻撃力が上がるの?

どんな仕組みなのかよくわからない。

 

「再びコールド・エンチャンターの効果を発動

手札をもう1枚捨て、アイスカウンターをコールド・エンチャンターに乗せる」

 

腕の氷が更に大きくなって攻撃力が2200までアップ?

もうLV4の攻撃力じゃない。

 

「更にもう1回だ

手札を捨ててアイスカウンターをコールド・エンチャンターに乗せる」

 

「攻撃力が2500……」

 

腕の氷がもうコールド・エンチャンター自身ぐらいまで大きく……

そして攻撃力が上級モンスター並まで上昇した。

だけど、その為に手札を3枚も捨てるなんて勿体ない。

氷結界の軍師を倒すだけなら1枚でよかったのに。

 

「バトルフェイズ、コールド・エンチャンターで氷結界の軍師に攻撃」

 

コールド・エンチャンターは凍っている腕を振りかぶって、氷結界の軍師を叩き潰す。

こんな方法で攻撃するなんて、実は怖い人?

咲良さんのライフは残り7100まで減った、どうなるかな?

 

「クッ……」

 

「速攻魔法、超再生能力を発動する

このターン中に手札から捨てた、または場や手札から生贄にしたドラゴン族モンスター

その枚数だけ、このターンのエンドフェイズ時にドローする

俺が手札から捨てたドラゴン族モンスターはトレード・インで捨てたスノーダスト・ドラゴン

更にコールド・エンチャンターの効果で捨てたスノー・ドラゴン

青氷の白夜龍(ブルーアイス・ホワイトナイツ・ドラゴン)、ブリザード・ドラゴンの計4枚だ」

 

あのデッキって、どんなデッキ?

水属性・ドラゴン族デッキだとしたらコールド・エンチャンターは入らないだろうし。

手札を捨ててもあまり効果を使えそうにないモンスターだし……よくわからない。

 

「完全に手札事故」

 

「だが、それは十分に活用できた

カードを1枚伏せてエンドフェイズだ、超再生能力の効果で4枚ドロー

ターンエンド」

 

無くなりそうだった手札を一気に補充した。

名前を聞く限り、どのモンスターも寒そうな名前。

 

「私のターン、ドロー

氷結界の術者を召喚」

 

攻撃力1300のモンスターじゃ勝てないよ?

 

「更に自分の場に氷結界と名の付くモンスターが存在している場合

手札の氷結界の伝道師は特殊召喚できる、守備表示で特殊召喚

ただし、この効果でこのモンスターを特殊召喚をしたターン

自分はLV5以上のモンスターを特殊召喚する事はできない」

 

青いフード付きマントを羽織ったおじさん。

だけど守備力はたったの400、こんなモンスターだと危ないよ。

 

「自分の場に自身以外の氷結界と名の付くモンスターが存在している場合、氷結界の術者の効果が発動する

LV4以上のモンスターは攻撃宣言ができない」

 

ロック効果モンスター、だから攻撃表示で召喚したのかな?

 

「私はこのままターンエンド」

 

「俺のターン、ドロー

コールド・エンチャンターの効果により、手札を1枚捨ててアイスカウンターを1つ自身に乗せる

これで更に攻撃力は300ポイント上昇した」

 

「だけど、攻撃できないのなら意味は無い」

 

コールド・エンチャンターの腕の氷がどんどんと大きくなってく。

もう2mぐらいは有りそうで、見ているだけで怖い。

 

「先ほど捨てたカードは氷の女王だ」

 

「……それが?」

 

「俺の、墓地には、水属性モンスターが、5体のみ、なんだぞ?」

 

「水属性モンスターが5体のみ……あ!」

 

「自分の墓地に水属性モンスターが5体のみの場合、このモンスターは特殊召喚できる

手札から氷霊神ムーラングレイスを特殊召喚だ」

 

巨大な氷が現れ、その中から白い体を持つ氷のモンスター……

攻撃力2800のモンスターだけど、それだけだとロックは止められない。

 

「氷霊神ムーラングレイスの効果を発動

このモンスターが特殊召喚に成功した時、相手の手札をランダムに2枚捨てる

氷霊神ムーラングレイスの効果は1ターンに1度までしか使えないがな

さて咲良、お前の手札の3枚の内、真ん中と左のカードを捨ててもらおうか?」

 

「…………」

 

黙って手札を2枚捨てる咲良さん。

お兄ちゃんの手札は3枚で咲良さんの手札は1枚。

 

「そしてスノーマン・クリエイターを召喚する」

 

……えっと、かき氷を作るモンスター?

青い機械でできた体の、まるでかき氷を作る機械みたいな体をしたモンスター

攻撃力は1600だけど、LVは4だから攻撃ができない。

 

「スノーマン・クリエイターの効果を発動

召喚、反転召喚、特殊召喚をした時に発動ができる

自分の場に存在する水属性モンスターの数だけ、相手の表側表示モンスターにアイスカウンターを乗せる

スノーマン・クリエイターを含め、俺の場に水属性モンスターは3体

よって3つのアイスカウンターを乗せる、乗せるモンスターは全て氷結界の術者だ」

 

スノーマン・クリエイターのかき氷を作る場所に雪達磨が作られて……えぇ!?

かき氷じゃなくて雪達磨を作る機械だったの!? そんな事ができるんだ……凄い。

次々と作っていって、できた雪達磨は3つ、その雪達磨を伸びた機械の手で掴んで投げた!?

雪達磨は氷結界の術者に当たって、雪に埋もれた氷結界の術者になっちゃった。

凄く重そうだけど、大丈夫なのかな?

 

「そしてアイスカウンターの数が更に3つ増えた事により

コールド・エンチャンターの攻撃力が更に900ポイントアップする」

 

コールド・エンチャンターの腕の氷が大きくなるだけじゃなくて形も変わってきた。

凄く刺々しくて、人に当たったら串刺しにしてしまいそうな形で凄く、物凄く怖い!

アイスカウンターの数は7個、攻撃力は2100アップして攻撃力3700!

 

「スノーマン・クリエイターのもう1つの効果を発動

この効果でアイスカウンターを3つ以上乗せた場合

相手の場のカードを1枚破壊する、氷結界の伝道師を破壊だ」

 

「それはさせない、罠カード、海竜神の加護を発動

このターンのエンドフェイズまで、自分の場に存在するLV3以下の水属性モンスターは戦闘や効果で破壊されない

アイスカウンターデッキだもの、効果破壊を狙う事ぐらいは予想できている」

 

「氷結界である程度ロックをしてくると予想をしていたが……

確かに氷結界は下級モンスターはロックに向いているとはいえ、そのカードを使うか

お前の性格から考えれば若干予想外だったな」

 

「……決闘(デュエル)中に悪いけど、質問

今の会話を聞くと、もしかしてデッキをお互いに知ってた?」

 

「ん? 私達は学園の同級生

デッキを把握していても不思議じゃない」

 

「が、今回は俺が指定した

俺はアイスカウンターをメインにするデッキ

咲良は氷結界モンスターをメインにしたデッキとな」

 

「なんで?」

 

別に指定する理由なんて無いと思うんだけど……

 

「何故って、今日は何月何日だ?」

 

「12月24日のクリスマスイヴ……」

 

「今年は辰年、そのクリスマスだ

だから俺の使用デッキはドラゴン族を多用する【アイスカウンター】デッキだ

他にも氷、アイス、ブリザードなど、雪などに関係したモンスターを多用している」

 

「私は雪の結晶の形をしたものを身に付けている氷結界のモンスター

例えば氷結界の伝道師の杖の先には結晶みたいな形をしているでしょ?」

 

「えっと、つまり?」

 

「今日は辰年(ドラゴン)()降る聖夜(結界)だ(結界=聖域)

できれば屋外がよかったのだが、お互いのデッキ構築から考えて自重した」

 

「それに寒い」

 

ロマンチックっていうのかな?

ちょっと呆れちゃって素直に感動できない。

 

「それはさて置き、攻撃を封じられて効果破壊もできないとなると今は諦めか

俺はこのままターンエンドだ」

 

「私のターン、ドロー

氷結界の伝道師の効果を発動

自身を生贄にする事で、自分の墓地に存在する氷結界と名の付くモンスターを1体、特殊召喚する

氷結界の伝道師を生贄に、氷結界の虎将 グルナードを特殊召喚」

 

氷みたいな青い綺麗な鎧を着た戦士のモンスター

攻撃力が2800の最上級モンスターがこんなに簡単に出てくるなんて……

だけど、氷結界の術者の効果で攻撃はできない。

 

「氷結界の輸送部隊を召喚して、効果を発動

自分の墓地の氷結界と名の付くモンスターを2体デッキに戻してデッキをシャッフル

その後、お互いにデッキからカードを1枚ドローする

私は墓地の氷結界の軍師と、氷霊神ムーラングレイスの効果で捨てられた氷結界の水影をデッキに戻して、ドロー」

 

「氷結界の輸送部隊のドロー効果はお互いに発動する

よって、俺もデッキからカードを1枚ドローする」

 

緑のドラゴンみたいな見た目をした海竜族モンスターが大きな荷物を背負ってる。

なんだか馬みたいな扱いな気がする。

 

「氷結界の虎将 グルナードの効果を発動

このモンスターが表側表示で存在している限り、自分のメインフェイズ時に1度だけ発動できる

通常召喚に加え、氷結界と名の付くモンスターを1体、召喚する事ができる

この効果で氷結界の武士を召喚する」

 

グルナードみたいに氷のように綺麗な鎧を着た、刀を持った武士のモンスター

攻撃力は1800だけど、やっぱり攻撃できないよ?

 

「……本当にいいの?」

 

「構わん、既に教えている

当然だが色々と条件を付けているがな」

 

私に教えて、色々と条件?

という事はもしかして……

 

「なら……LV4の氷結界の武士に、水属性LV2の氷結界の術者をチューニング

氷に閉ざされた結界に潜む猛虎よ、その荒々しい姿を現せ!

シンクロ召喚! 砕け、氷結界の虎王 ドゥローレン!」

 

「し、シンクロ……召喚」

 

「本当に知ってる……」

 

どうして咲良さんがシンクロ召喚をできるの?

お兄ちゃん以外、このカードを持っている人なんて誰も居なかったのに。

もしかしてお兄ちゃんが咲良さんにあげたのかな?

あれだけ秘密にしろって言っていたカードをあげたって事は……

 

「さて咲良、ドゥローレンをシンクロ召喚してどうするんだ?」

 

「ドゥローレンの効果を発動するに決まっている

自分の場に存在する表側表示のカードを好きなだけ手札に戻し

ドゥローレンの攻撃力を戻した枚数×500ポイントアップさせる

私は氷結界の輸送部隊を手札に戻し、ドゥローレンの攻撃力を500ポイントアップ」

 

ドゥローレンの咆哮で輸送部隊が怯えて手札に戻っちゃった。

やっぱり虎って怖いのかな? 気になるなぁ、触って見たいなぁ……

でも触ったら体中が痒くなるから触れない……くすん。

 

「しかし、スノーマン・クリエイターの効果で乗ったアイスカウンターは全て消えたが

それでもコールド・エンチャンターの攻撃力は2800、グルナードと同じだ

まさか相打ちを狙っているとは、言わんよなぁ?」

 

「輸送部隊は手札に避難させただけ

バトルフェイズ、氷結界の虎将 グルナードでスノーマン・クリエイターに攻撃」

 

「甘いな、罠カード、儀水鏡の反魂術を発動

自分の場の水属性モンスター1体をデッキに戻し、墓地の水属性モンスターを2体、手札に戻す

俺はスノーマン・クリエイターをデッキに戻し、墓地のスノーダスト・ドラゴンとスノー・ドラゴンを手札に戻す」

 

グルナードは背中に背負った氷の大剣でスノーマン・クリエイターを壊そうとするけど、その前にデッキに戻っちゃった。

これじゃあ相打ちをしない限り、お兄ちゃんのモンスターは倒せない。

 

「逃げられた……ならバトルフェイズ終了

魔法カード、浮上を発動

自分の墓地に存在するLV3以下の水族、海竜族、魚族モンスターを1体選択

選択したモンスターを表側守備表示で特殊召喚する

私が選択するモンスターは氷結界の術者、守備表示で特殊召喚」

 

え、ちょっと待って?

確か氷結界の術者って、他に氷結界が居る時に……

 

「これで再びLV4以上のモンスターは攻撃できないロックができた

私はこれでターンエンド、このロックを突破できる?」

 

「ロックは俺の大好物、使われると良い気はしないがまぁいい

氷結界とアイスカウンター、どちらを選ぶと俺が訊いたんだからそこは諦める

俺のターン、ドロー

手札を3枚捨て、コールド・エンチャンターの効果で自身にアイスカウンターを乗せる

これで攻撃力は900ポイントアップし、再び3700まで上昇した

更に魔法カード、サルベージを発動

自分の墓地に存在する攻撃力1500以下の水属性モンスターを2枚、手札に加える

俺が手札に加えるモンスターはスノー・ドラゴン2枚だ」

 

さっきのコールド・エンチャンターの効果で2枚共捨てたのかな?

だけど1枚しか手札に回収してない、またドローした?

 

「そして再びコールド・エンチャンターの効果だ

手札を2枚捨て、自身にアイスカウンターを乗せて攻撃力がアップする」

 

攻撃力が4300……凄い。

全身が氷で覆われて、自分の体が巨大化したみたいな姿にまで変化しちゃった。

氷でできた、2周りぐらい大きい自分ってちょっと不気味。

ちなみに氷の体が持っている杖の形が槍みたいになってるんだけど……

 

「氷霊神ムーラングレイスを守備表示に変更し、カードを1枚伏せてエンドフェイズ

速攻魔法、超再生能力を発動、効果は先ほど説明した通りだ

スノー・ドラゴンを2枚を2回、スノーダスト・ドラゴンの計5枚だ

よって俺はデッキからカードを5枚ドローする

(ロックを突破できるモンスターがなかなか来ないな、これは困った)」

 

お互いに殆ど動けない状態。

咲良さんは攻撃力4300のコールド・エンチャンターに手出しできない。

お兄ちゃんも攻撃を封じられて身動きが取れない。

どっちが先に相手を攻略できるのかな?

 

「私のターン、ドロー

氷結界の輸送部隊を召喚して、効果を発動

墓地の氷結界の武士と氷霊神ムーラングレイスの効果で捨てられた氷結界の番人 ブリズドをデッキに戻す

そしてお互いにデッキからカードを1枚ドロー

氷結界の虎王 ドゥローレンの効果を発動

表側表示で存在している輸送部隊と術者を手札に戻して、攻撃力を1000ポイントアップする」

 

攻撃力が3000までアップした。

攻撃表示のままだったら氷霊神ムーラングレイスに攻撃して戦闘ダメージを与えられたけど。

だけどお兄ちゃんはちゃんと読んでいたみたいで守備表示にされちゃってる。

 

「バトルフェイズ、氷結界の虎将 グルナードで氷霊神ムーラングレイスに攻撃」

 

守備力2200の氷霊神ムーラングレイスじゃ攻撃を防ぎきれない。

グルナードの大剣で斬りつけられ、破壊されてしまう。

 

「氷霊神ムーラングレイスの効果

このモンスターが場から離れた場合、次の自分のターンのバトルフェイズをスキップする

次のターン、俺は攻撃する事ができない」

 

「なら守りを考える必要は無さそう

メインフェイズ2、グルナードのもう1度氷結界を召喚する効果を発動し、氷結界の軍師を召喚して効果を発動

手札の氷結界と名の付くモンスターを墓地へ送って、デッキからカードを1枚ドローする

私は手札の氷結界の修験者を墓地へ送り、デッキからカードをドロー

このままゆっくり、コールド・エンチャンターを倒すカードが来るまで待つよ

私はこれでターンエンド」

 

「俺のターン、ドロー

モンスターをセット、カードを1枚伏せてターンエンドだ」

 

モンスターをセット?

リバース効果モンスターで氷に関係するモンスターなんていたっけ?

 

「(OCGルールだから、守備モンスターは必ずセットにする必要が有る

アニメルールみたいに表側守備表示ができないから、リバース効果モンスターかただの壁かわからない)

私のターン、ドロー

氷結界の軍師の効果を発動して、手札の氷結界の交霊師を捨ててドロー

氷結界の御庭番を召喚」

 

銀髪の両手に剣を持った男の人なんだけど……こ、攻撃力100のモンスターを攻撃表示?

剣を持った見た目に反して攻撃力が100って、なんだか悲しい。

 

「(あ、ヤバイ)

罠カード、水霊術-「葵」を発動する

セットされているスノーマンイーターを生贄にして効果を発動

相手の手札を確認し、カードを1枚選択して捨てる」

 

「水霊術……はい、手札」

 

咲良さんの手札は氷結界の術者、氷結界の輸送部隊、氷結界の破術師の3枚。

氷結界の破術師の効果ってどんな効果だろう?

 

「俺が捨てさせるカードは当然、氷結界の術者だ」

 

「くっ、このまま水霊術を発動しなかったらよかったのに」

 

「そんな事誰がするか

御庭番は対象を取るモンスター効果から氷結界を守るモンスターだ

ドゥローレン辺りに攻撃されて、リバースした時に発動するスノーマンイーターの効果が発動した場合

強制効果だから必ず表側表示のモンスターを1体破壊する必要が有るんだぞ

そうなった場合、氷結界は対象にできないからコールド・エンチャンターが破壊される

無防備状態を晒せと言うのか貴様は」

 

「私が楽になるのに……それ以上に今、私がピンチだけど」

 

気のせいかな?

この2人の決闘(デュエル)、私が普段している決闘(デュエル)と次元が違う気がする。

お互いにモンスター効果とか理解して、すぐにピンチを回避してる。

ここまで戦って、まだ1回しかライフが減っていないって凄い。

 

「仕方無い、グルナードの効果でもう1度召喚をする

氷結界の輸送部隊を召喚して、効果を発動

墓地の氷結界の術者と氷結界の修験者をデッキに戻して、お互いにドロー

ドゥローレンの効果を発動して、輸送部隊、御庭番を手札に戻して攻撃力をアップさせる

ドゥローレン、グルナード、軍師を守備表示に変更

これで私のターンは終了」

 

「俺のターン、ドロー

魔法カード、貪欲な壺を発動する

墓地に存在するモンスター5体をデッキに戻し、デッキからカードを2枚ドローする

俺はスノー・ドラゴン2体、スノーダスト・ドラゴン、ブリザード・ドラゴン、氷霊神ムーラングレイスをデッキに戻す

そしてデッキからカードを2枚ドロー」

 

お兄ちゃんの手札が8枚にまで増えちゃった。

咲良さんの氷結界の輸送部隊の効果とか、色々とでこんな事に。

でも何回も墓地からモンスターを回収してるから全然墓地のモンスターが増えない。

デッキと手札と墓地をモンスターが走り回ってる。

 

「魔法カード、強欲なウツボを発動

手札の水属性モンスター2体をデッキに戻し、デッキからカードを3枚ドローする

俺は手札の水属性モンスター、ドラゴン・アイスとE・HERO アイスエッジをデッキに戻す

そしてデッキからカードを3枚ドロー」

 

手札を2枚戻してデッキから3枚ドロー?

魔法カードの強欲なウツボを使って、手札が2枚減って、3枚ドローだから……

あ、ただの手札交換カード?

 

「ふむ……魔法カード、トレード・インを発動

手札のLV8のモンスター、ブリザード・プリンセスを捨ててデッキから2枚ドロー

場に存在するコールド・エンチャンターに乗っているアイスカウンターを4つ取り除き

手札より、スノーダスト・ドラゴンを特殊召喚する」

 

氷でできた体を持つ大きな赤い目のドラゴン。

アイスカウンターを取り除いて特殊召喚できるんだ……

 

「スノーダスト・ドラゴンが表側表示で存在している限り

アイスカウンターが乗ったモンスターは攻撃できず、表示形式も変更できない効果だったはず

コールド・エンチャンターは高攻撃力の壁にしかならない」

 

コールド・エンチャンターの体の氷を食べてるスノーダスト・ドラゴン。

これでアイスカウンターを取り除いているんだ……

ついでに凄く冷たそうなブレスでコールド・エンチャンターをカッチコチにしてる。

今のブレスでアイスカウンターが乗っているモンスターは動きを封じられるのかな?

それでもコールド・エンチャンターに乗っているアイスカウンターは5つ。

攻撃力は3100だからまだまだ強い。

 

「更にもう1体だ、アイスカウンターを4つ取り除いてスノーダスト・ドラゴンを特殊召喚」

 

「2体目……だけど、まだコールド・エンチャンターにはアイスカウンターが乗っている

攻撃力も1900まで下がったし、攻撃もできない」

 

でもスノーダスト・ドラゴンの攻撃力は2800も有る。

咲良さんのモンスターだって簡単に倒されても不思議じゃない。

 

「ならこうするまでだ、スノーマン・クリエイターを召喚して効果を発動

自分の場の水属性モンスターの数だけ、相手モンスターにアイスカウンターを乗せる

俺の場の水属性モンスターは4体、とりあえずドゥローレンにカウンターを全て乗せる

そして追加効果、アイスカウンターを3つ以上乗せた場合に発動

相手の場に存在するカードを1枚選択して破壊する

俺が破壊するカードは氷結界の軍師だ」

 

さっきみたいに雪達磨を投げつけてドゥローレンを雪達磨で埋めちゃった。

そして氷結界の軍師に雪達磨を投げつけ……あれ? 雪達磨の中に何かが入ってる?

何が入っているのかと考えている間に、氷結界の軍師に雪達磨が直撃した。

雪達磨が壊れて、中から鰐みたいなのが出てきた!?

しかも氷結界の軍師がガブガブってされて、破壊されちゃった……アレ、何?

 

「自分の場の水属性モンスター2体、スノーマン・クリエイターとコールド・エンチャンターを生贄にする

手札からアイス・ブリザード・マスターを特殊召喚だ」

 

氷でできた杖を持ち、金髪の長い髪を靡かせている綺麗な女のモンスター

攻撃力2500で特殊召喚効果を持っているモンスター……咲良さん、危ない?

 

「……1ターンでそんな布陣、できるもの?」

 

「お前が手札を潤してくれたからな

でなければここまでできたとは思わんよ」

 

氷結界の輸送部隊、何回も効果を発動したら仕方無い?

だけど、効果を使わなかったら咲良さんも手札が足りなかったし……難しい。

 

「永続魔法、異次元海溝を発動

このカードの発動時、自分の場・手札・墓地の中から1体、水属性モンスター選択して除外する

俺が選択するカードは墓地に存在する水属性モンスター、氷の女王だ」

 

このタイミングで除外?

どんな意味が有るんだろう?

 

「これで俺の墓地に存在するモンスターはブリザード・プリンセス、青氷の白夜龍(ブルーアイス・ホワイトナイツ・ドラゴン)

スノーマン・クリエイター、コールド・エンチャンター、スノーマンイーターの5体

全て水属性のモンスターであり、この5体のみだ」

 

「ちょっと、まさか……」

 

「手札より、氷霊神ムーラングレイスを特殊召喚する

そしてこの特殊召喚の成功により、相手の手札をランダムに2枚捨てる効果が発動する

4枚の内、真ん中の2枚を捨ててもらおうか」

 

「また手札が……」

 

攻撃力2800のモンスターがまた出てきた。

攻撃力2800のモンスターが3体、2500が1体で咲良さんの残りライフは7300。

そして壁モンスターは2体だから、なんとか耐えられる。

 

「アイス・ブリザード・マスターの効果を発動

1ターンに1度、場に表側表示で存在するモンスターを1体選択し、アイスカウンターを1つ乗せる

この効果で氷結界の虎将 グルナードにアイスカウンターを1つ乗せよう」

 

アイス・ブリザード・マスターは杖を振りかぶって……殴った!?

しかも殴られたグルナードが凍った! 更にスノーダスト・ドラゴンが氷のブレスで更に凍らせた!

だけど、アイスカウンターを乗せる意味って有るの?

 

「アイス・ブリザード・マスターのもう1つの効果を発動

自身を生贄にする事で、アイスカウンターが乗ったモンスターを全て破壊する」

 

「ちょっ!」

 

「アイスカウンターが乗ったモンスターが氷結界の虎王 ドゥローレンと氷結界の虎将 グルナードの2体

アイス・ブリザード・マスターを生贄にし、ドゥローレンとグルナードを破壊する」

 

アイス・ブリザード・マスターが杖を振りかざすと、凍っていた2体のモンスターの氷が粉々になった。

この術で力を使い切ったのか、アイス・ブリザード・マスターは倒れて、消えていった。

 

「私の、氷結界のモンスター達が……」

 

これで咲良さんの場にカードは無い。

お兄ちゃんの場には攻撃力2800のモンスターが3体。

この攻撃を防ぐ手段は、無い!

 

「終わりだ

スノーダスト・ドラゴン2体と氷霊神ムーラングレイスで直接攻撃(ダイレクトアタック)

 

「くぁぁっ!」

 

スノーダスト・ドラゴン達は氷のブレスで攻撃。

氷霊神ムーラングレイスはお腹部分の氷柱を落としての攻撃。

咲良さんのライフは0、お兄ちゃんの勝ち!

 

「俺の勝ちだな」

 

「また負けた……そろそろ勝ちたい」

 

「頑張れ」

 

何回も決闘(デュエル)して、全部お兄ちゃんが勝ってるんだ。

あ、そうだ忘れてた。

 

「咲良さん」

 

「なに? 玲ちゃん」

 

「どうしてシンクロモンスターを知ってる?」

 

「どうしてって……知ってるから?」

 

「それは答えになるのか?」

 

知ってるから知ってる、間違ってないから答えになってる?

よくわかんない。

 

「一応訊くけど、玲ちゃんも使うの?」

 

「使うぞ

俺が許可した時以外では絶対に使うなと言っているがな

ちなみに、俺のライフも相当削られたりする時も有る

玲は強いぞ? 鍛えたからな」

 

鍛え……た? 拷問の間違いじゃ?

そう言いたいぐらいスパルタだった気がするけど、きっと気のせいじゃない。

 

「という訳だ咲良、次は玲と決闘(デュエル)な」

 

「え?」

 

え? 聞いてないの?

 

「何故驚く? 楽しみだろう?」

 

「私が玲ちゃんと決闘(デュエル)?」

 

「別に構わんだろう?

ここに来たのだって、半分はそれが理由だからな」

 

「わ、私達が決闘(デュエル)をした意味は?」

 

「玲が咲良と決闘(デュエル)をしたくなるかどうかのテスト?

それで玲、咲良の実力はどうだった?」

 

咲良さんの実力なんて、当然だけど……

 

「強かったと思う、是非とも対戦を願いたい」

 

「……だとよ、受けてやれば?

当然だが、デッキは変えていいぞ」

 

「玲ちゃんと決闘(デュエル)……する

玲ちゃんの実力も気になるし」

 

咲良さんと決闘(デュエル)、頑張ろう。

きっと強い、私の本気のデッキで戦う!

 

「お手合わせ、お願いしようかな」

 

「望むところ」

 

私は自分のデッキを決闘盤(デュエルディスク)にセット。

咲良さんもデッキをセットして、お互いに準備はできた!

 

「んじゃ、頑張れよ」

 

お兄ちゃんは少し下がり、のんびりしてる。

だけど今はお兄ちゃんに目は向かない、目の前の相手によそ見なんてできない!

 

決闘(デュエル)!」「決闘(デュエル)




「今日の最強カードは氷霊神ムーラングレイス
攻撃力2800、守備力2200で水属性・海竜族のLV8だ
通常召喚できず、自分の墓地に水属性モンスターが5体のみの場合にのみ、特殊召喚できる
このモンスターが特殊召喚に成功した時、相手の手札をランダムに2枚捨てる
そして氷霊神ムーラングレイスの効果は1ターンに1度しか発動できない
問題はこいつが場から離れた時、次のターンはバトルフェイズができない
1ターンに1度しか効果が発動できないから大量展開しても効果が発動できない点が惜しいな」
「それぐらいしないと、初回1ターンで墓地に水属性モンスターを5体揃えた場合
手札に2枚有れば相手の初期手札を1枚にできるでしょ
捨てる手札が2枚以下じゃない点も残念な所だけど
1ターンに1度、2枚までの両方が揃っていたら制限になっていたのでは?」
「かもな」


Q.前回の後書きで瑞貴と会う事を恥ずかしがっていたけど、結美は大丈夫なの?
A.ある程度日数は過ぎているので大丈夫になりました。

Q.どうして結美は瑞貴の電話番号を知っているの?
A.誰が教えたんでしょうね?

Q.結美は玲をどう思っているの?
A.瑞貴と兄妹とはいえ、瑞貴と違ってこの世界の人間です。
なので全く悪く思っておらず、単純に会ってみたい子供です。

Q.瑞貴が良い兄っぽい。
A.妹には優しいのです、兄妹ですから。

Q.瑞貴が玲に言うアレらのカードとは?
A.次回までお預け。

Q.玲の本気って……
A.さぁ、どんなデッキでしょうね?

Q.待ち合わせが港な理由って……
A.結美への嫌がらせ、それ以上はありません。
でも自分も寒かったから半相打ち、若干間抜け。

Q.有料の決闘場(デュエルフィールド)なんてあるの?
A.そういう設定、有っても不思議じゃないと思います。
というか、あの世界では無いほうが不思議かと思います。
まぁ、さすがに利用料金は高い過ぎる気もしますが気にしない。

Q.瑞貴は玲とOCGルールで決闘(デュエル)はしないの?
A.イマイチ理解できそうにないからです。
何故裏側守備表示にする必要が有るかなど、アニメ世界では表側守備表示が基本ですからね。

Q.瑞貴の今回のデッキは?
A.シナジーがあまり無いのですが、基本的に【水属性】でしょうね
で、メインにしているのは【アイスカウンター】です。
スノーダスト・ジャイアントも入っていますが、効果がほぼ無意味なので未登場。
辰年なので水属性・ドラゴン族モンスターを多用。
他にもシナジーよりも名前にアイス、ブリザード、氷などの文字が入っているモンスターを使用。
シナジー完全無視ですが、クリスマスなのでホーリー・ナイト・ドラゴンも入っていたり……
どちらにせよ、ネタデッキの域は超えられませんね。

Q.結美のデッキは?
A.普通の【氷結界】ですね。
ただし、氷結界モンスター以外のモンスターは全くの無使用、氷結界オンリーです。
しかし結美の羞恥心が耐えられないので半裸の氷結界の虎将 ガンターラは入っていません。
そして禁止氷結界も入っていますが、今回は不要だったので未使用でした。
個人的に、氷結界は大好きなモンスターです、ロック系効果が多いですからね。
ただしブリューナクとトリシューラは除く。

Q.クリスマスって……
A.メタ? 気にしない。
まぁ冬休みなのでこの話内でクリスマスでも全く問題ありませんね。

Q.今回発動された魔法・罠カードが少ない。
A.今回はモンスターがメインなのでお互いにあまり入れていません。
こういう殴り合いっていいですよね! 瑞貴はライフ減ってませんが。

Q.瑞貴のデッキにトレード・インが多い。
A.LV8のモンスターが地味に多いデッキですので。
ブリザード・プリンセス、氷の女王、アイス・ブリザード・マスター
スノーダスト・ドラゴン、青氷の白夜龍(ブルーアイス・ホワイトナイツ・ドラゴン)、氷霊神ムーラングレイス他。
上記内でダブりカードも入っていますし、実はかなり重量級デッキです。

Q.また決闘(デュエル)は無しでスルーなんてしない……よね?
A.ちゃんとします、玲の本気デッキを見せたいので。
実は作者が一番玲のデッキを楽しみにしているかもしれません。

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