本気制限決闘島   作:阿音

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0話の注意書きを必ず読んでからお読みください。
読まずに気分などを害されても自己責任でお願いします。

ネギま!の作品の方を再開しようかかなり悩み中。
素直に書きたいと思うものの、時間が足りません。
漫画も一応終わった事ですし、増刊号とか出そうですが……

最近頭がボーッとしてきていて、自分でも何を考えているのか分からない状態
こんな調子で大丈夫か? 大丈夫じゃない、ダメだ俺早くなんとかしないと……
そういう訳なので、申し訳ないのですがもう暫く感想返しはお待ちください。
体が弱い自分が憎らしい……すぐに体調を崩す。

あー……今回は短めです。
あと、言い忘れていましたが旧作で登場したデッキはあまり登場しません。
できるだけほぼ全て全くの別物デッキにする予定です。
自分の首を絞めているだけ? その通りですね、自覚有ります。


4話【四肢の底力】

あー……頭痛い、気分も悪い、吐き気もするし……熱も有る、完全に風邪だよ。

女子寮のあの下らない茶番から数日、まぁ予想通りというかなんというか風邪だよ風邪。

理由は当然、濡れた服のまま決闘(デュエル)2回分+帰宅時間まで外に居たせいだな。

季節は暖かいとはいえ、風邪をひいても不思議ではない……

 

そして今日はテストの日……

時間に間に合うように起きたとはいえ、この体調では少々辛いか?

無理とは言わんが、やる気は出ないし、すぐに終わらせて寝たい所だ。

 

力が入らないものの、ボーッとしながら着替えて寮を出る。

ダラダラと歩いていると、車を頑張って押している……購買部のおばさん、名前は忘れた。

無視してもいいんだが……というかこの体調では辛い。

 

申し訳無いが無視させてもらい、歩いていると後ろから大声が……頭に響く!

何事かと思って後ろを見てみると遊城が猛スピードで走って来た。

 

「遅刻だ遅刻だーーー!!!」

 

そのまま俺、そして車を追い越して走り抜けて……急ブレーキをする。

頭を抱えて車の方へ来て、車を押すのを手伝う遊城。

おばさんと会話をし、何故か途中で手を離してしまったものの、また手伝い始める。

 

あー……これ、俺が手伝わないで無視したら印象悪いよな?

購買部の人から嫌われる……今日はテストだからあまり気にしないだろうが

どちらにせよ、あまり歓迎できる事じゃないのは確かだな。

学生に嫌われるのは別に構わんが、教師や大人に嫌われるのはあまり良くない。

病人だし貧弱なんだけどな……したくないが、手伝っておくか。

 

「…………」

 

無言で車を後ろから押し出す。

突然重さが変わり、違和感を感じた遊城が俺の方を見て……

 

「おぉ瑞貴じゃん!

手伝ってくれるのか?」

 

「叫ぶな、頭に響く……そして名前で呼ぶな」

 

「え? なんでだよ?」

 

「名前で呼ばれるのは好きじゃない

そして黙って押せ、時間の無駄は嫌いだ」

 

「ここからじゃ見えないけど、いいのかいボウヤ?

今日はテストなんだよ?」

 

ボウヤって……

 

「筆記テストなんて10分も有れば終わるから問題無い

残り時間はどうせ無駄になる、こちらを手伝う方がまだマシだ」

 

「すまないねぇ」

 

「なぁに、苦しい時はお互いさまさぁ!」

 

「……暇潰しだ」

 

しかし後悔した、俺の体力の無さと力の無さからかなり辛い。

更に体調不良……完全に失敗したな。

この調子でテストはだいじょうぶだろうか?

赤点は取らないだろうから問題無いだろうが。

 

………………

…………

……

 

「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ……うぇ、ゲホッ!」

 

「だ、大丈夫かい?」

 

「なんとか……」

 

「肩貸そうか?」

 

「要らん」

 

思ったより、想像以上に体力を消費した。

やはり普段しないような変な親切なんてするものじゃない。

見返りを求めるべきだったか? いや、偶には素直に恩を売るべきか。

馬鹿正直に働くだけってのは若干遠慮したいが、今回は諦めておこう。

 

「アンタ達、そろそろテストを受けに行かないと時間が無いんじゃないかい?」

 

「げぇ! ホントだ! じゃあまたなおばさん!

ほら瑞貴、行こうぜ!」

 

「先に行け、俺は歩いて行く」

 

俺の事を気にしていたが、テストが有るのは事実なので先に向かう遊城。

やはり体調が悪いので俺はのんびりと歩いて教室に向かう。

 

テスト終了時間まで残り10分ぐらい……やっと教室に着いた。

無遠慮に堂々と教室の扉を開け、申し訳なさそうな顔を全くせずに大徳寺教員の前へ向かう。

 

「遅刻しました」

 

「そんな堂々と言わなくても……まぁいいにゃ

もう時間があまり残ってないし、急ぐにゃー」

 

テスト用紙を受け取り、問題を流し読む。

そしてすぐに答えを書き込んでっと……

 

「(テストに40分も遅刻してくるだなんて……)」

 

「(アイツ、そんなに不真面目な生徒だったのね)」

 

「(テストを嘗めてるのでしょうか?

それとも筆記テストなんて眼中に無い?)」

 

「(頭が良いからって遅刻していいものじゃないのに……)」

 

なんという簡単な問題……これでテスト?

まぁ俺は他より実年齢が高いから当然かもしれない、そう思いたい。

そう思いたいのだが……別に国語とか数学ではなくただのカード問題

これでは年齢は殆ど関係無く、ただ勉強をしたかしてないかだけの問題だ。

よって俺には簡単過ぎる問題であり、どの問題も筆記時間のみの時間消費

思考時間なんて1問で5秒有るかどうか……面倒になってきたな、これ。

 

そんなこんなだったが、問題を書き終えてもなお時間が余った。

良いのか? こんな簡単なのが筆記試験で……若干心配になってきたぞ。

まぁ……爆睡している遊城や丸藤に比べたらまだマシか。

 

………………

…………

……

 

『これで筆記テストは終了

なお、実技テストは午後2時から体育館で行いまーす』

 

テスト終了の放送が終わった直後、駈け出すほぼ全ての生徒。

そういえば新カードの販売が開始されるんだったかな?

俺には関係無いし、実技テストまで体力を回復させる為に昼寝でもするかな。

 

「テスト時間ギリギリに登校なんて、随分と余裕ね」

 

折角昼寝をしようと思った所に……誰だ?

 

「…………なんだ、咲良か

俺は現在絶賛体調不良の病気中だ、遅刻ぐらい許せ」

 

「え、大丈夫?」

 

「……お前が俺を心配するとは、明日は豪雪だろうか?

傘程度で防げると助かるのだが、さすがに豪雪は無理か」

 

「貴方ね……そのまま大病にでもなって入院の為に学園から出て行きなさい!」

 

咲良は怒って教室を出て行った、これで静かになるな。

やれやれ、やっと昼寝ができる。

午後2時から実技テストだし、1時半に起きれば間に合うかな?

それまでのんびりと休ませてもらおう。

 

――――――――――――――――――――

 

どうせ堅守瑞貴は試験場に来るし、今度こそ……

私は月一試験の対戦相手の変更希望をする為、鮎川先生を捜している。

月一試験は同じ寮の人と対戦するんだけど、堅守瑞貴と対戦をする為!

……私はストーカーじゃない! 絶対に違う!

 

「あ、鮎川先生!」

 

「あら、咲良さんじゃない

実技試験の為にデッキ調整とかしなくていいの?」

 

「構いません

それより、月一試験の対戦相手の希望をしたいのですけど」

 

「あらあら……」

 

少々困ったような顔をされたけど、それでも構わない。

堅守瑞貴は絶対に……

 

「オシリスレッドの堅守瑞貴……彼と戦わせてください!」

 

「えっと……彼、売約済みよ?」

 

「へ?」

 

売約済み? 彼女が居るとか?

……じゃなくて! そうじゃなくて!

 

「どういう意味ですか!?」

 

「既に彼と戦いたいと言う生徒と対戦カードを組んでしまったのよ

残念だけど、今回は我慢してちょうだい」

 

「そんな……」

 

いったい誰が堅守瑞貴との対戦を?

今まで彼が人前で誰かと決闘(デュエル)した事なんて数えるぐらいしか……まさか!

 

………………

…………

……

 

午後2時になり、体育館で試験が開始される。

私の予想が正しければきっとあの人が堅守瑞貴と決闘(デュエル)する。

なんだか十代と万丈目が決闘(デュエル)してるけど、私の眼中には入らない。

私が気になるのはアニメメインキャラよりも……

 

「…………おい、何故俺の相手がお前なんだ?」

 

「貴方に興味が湧いたからよ」

 

堅守瑞貴VS天上院明日香!

この前、決闘(デュエル)をしなかったからなんとか回避できると思ったのに防ぎきれなかった。

でも、本来は明日香のデッキは強化されていたはず。

今回はそんな感じがしないし、明日香の元々のデッキ?

 

「頭が痛い……二重の意味で」

 

「さぁ、本気で相手をしてもらうわよ!」

 

「断る、面倒」

 

「…………」

 

明日香の力が抜けるけど、仕方無い。

あんなに切り捨てられたらなんというか……ねぇ?

 

「真面目に相手をしなさい!」

 

「大声を出すなよ、風邪ひいてて頭が痛いんだから

この前の女子寮の事件のせいだぞ、少しは考えろ」

 

「え……だ、大丈夫?」

 

「最低限は……まったく、面倒だ

さっさと終わらせてやるから構えろ」

 

どっちが話を長引かせたのやら……

体調不良の堅守瑞貴を労っているのか、黙って構える明日香。

やる気は十分、後は勝てるかどうかだけど、無理ね。

 

決闘(デュエル)!」「決闘(デュエル)……だから大声を出すなと」

 

「先攻は俺が貰う、ドロー

冥界の死者を守備表示で召喚し、カードを1枚伏せてターンエンドだ」

 

鎌を持ち、ローブを身に纏った死神のようなモンスター……

冥界の死者? 確かあのモンスターの効果は……となるとあのデッキはやっぱり?

 

「私のターン、ドロー!

ブレード・スケーターを召喚!」

 

薄い紫と濃い紫で肌を守る、アイススケートをしているであろうモンスター。

モンスターと言える部分はやはり、両腕に付けられているブレード……見た目はかなり怖い。

 

「ブレード・スケーターで冥界の死者に攻撃!」

 

決闘場(デュエルフィールド)を華麗に滑り、冥界の死者へと強烈な蹴りを叩き込む。

体をバラバラに砕かれ、粉砕される冥界の死者……その腕に付いているブレードは使わないの?

 

「(頭痛いって言ってるのに大声を出しやがって……)冥界の死者の効果が発動される

このモンスターが場から墓地へ送られた時

お互いのプレイヤーはデッキからLV3以下の通常モンスターを1体、手札に加える

この効果は強制効果だ、デッキに入っている場合は必ず手札に加える必要が有る」

 

「私のデッキにLV3以下の通常モンスターは入っていないわ」

 

「そうか、ならそれを確認する為にデッキ内容を見せてもらおうか?

その発言が嘘だった場合、反則負けになるが」

 

「な……私が組んだデッキよ! 嘘なんて言うはずが無いじゃない!」

 

「ルール上、お互いのデッキを確認する強制効果が発動した場合

手札に加える、特殊召喚をするなどの効果が発動した時

その効果を受けられないプレイヤーは本当に受けられないのか相手プレイヤーに確認させる義務が有る

先ほども言ったがこれは強制効果であり、ルールである

残念だが見せたくないなどと言う我が儘は通用しない、デッキを確認させてもらおうか?」

 

「クッ……」

 

明日香は堅守瑞貴の前まで移動し、決闘盤(デュエルディスク)からデッキを抜いて渡す。

観客から卑怯だ、反則だ、最低だ、セクハラだ、変態め、羨ましい、明日香様のデッキハァハァと……

一部、凄まじく不適切な言葉を発する馬鹿(主に最後)が湧いていたけど、ルールだから仕方無い。

あんなモンスターを使う堅守瑞貴のデッキ、やはりあのデッキは……

 

「(覚えるのが若干辛いが……この程度なら大丈夫か)

ふーん……戦士族を中心としたデッキか」

 

「…………屈辱だわ」

 

「ルールだからな、諦めろ」

 

「そういう貴方のデッキはどうなの?

LV3以下の通常モンスター、本当に入っているのかしら?」

 

「馬鹿かお前、こんなモンスターを使って入れていない馬鹿は先ず居ない

入れているとしたらカード不足で仕方無くか、火力か、それとも何も考えていない大馬鹿だけだ

ほら、デッキを返すぞ」

 

堅守瑞貴から強引にデッキを奪い、デッキをシャッフルしてセットする。

堅守瑞貴はデッキからカードをサーチ……探しているけど、やっぱりあのカードか。

 

「俺がデッキから手札に加えるカードは……封印されし者の右腕だ」

 

「な……エクゾディアパーツですって!?」

 

体育館の生徒達がざわめき出す。

やっぱりエクゾディアってあまり見ない?

それにしても、早々に戦略を見せるなんて何を考えている?

堅守瑞貴の目的が分からない……

 

「カードを1枚伏せて、ターンエンド!」

 

「俺のターン、ドロー

あー……そうだ、魔法カード、ワン・フォー・ワンを発動

手札からモンスターを1枚捨て、手札かデッキからLV1のモンスターを特殊召喚する

俺は手札の封印されし者の右腕を捨て、デッキから封印されし者の右足を特殊召喚」

 

「え!? 封印されし者の右腕を捨てた!?

しかも封印されし者の右足を特殊召喚するだなんて!」

 

動きが少し止まったような……やっぱり頭が痛いとか?

それにしても何が目的? 封印されし者の右足を攻撃表示で出すだなんて理解できない。

各パーツを揃えるなら場に出す意味なんて無いのに……

 

「永続罠、エンジェル・リフトを発動

自分の墓地からLV2以下のモンスターを1体、攻撃表示で特殊召喚する

俺が選択するモンスターは当然、封印されし者の右腕」

 

「またパーツを……」

 

生徒達が堅守瑞貴を嘲笑う声が聞こえる。

笑っている生徒、馬鹿にする生徒、理解できないと困っている生徒、悩みすぎて頭から煙が出ている生徒。

最後の生徒は心配だけどそれは置いておいて、私も何が目的か理解できない。

 

「魔法カード、ワンチャン!?を発動

自分の場にLV1のモンスターが存在している時、デッキからLV1のモンスターを1枚加える

ただし、このターン中にこの効果で手札に加えたモンスター、または同名モンスターを召喚しなかった場合

このカードを発動したプレイヤーは2000ポイントのダメージを受ける

俺はワンチャン!?の効果により、デッキからLV1のモンスター……封印されし者の左足を手札に加える

そしてそのまま、封印されし者の左足を召喚」

 

攻撃力200の通常モンスター、こんなモンスターを並べても……

 

「どういうつもり?

エクゾディアパーツは手札で揃える事で特殊勝利できるモンスター

まさか場で揃えて勝とうだなんて馬鹿な事は言わないでしょうね?」

 

「ある意味正解だな

魔法カード、トライアングルパワーを発動する

自分の場に存在するLV1の通常モンスターは全て、元々の攻撃力が2000ポイントアップする

よって、俺の場に存在するLV1のエクゾディアパーツ3体の攻撃力は……2200だ」

 

「1ターンで攻撃力2200のモンスターを3体ですって!?」

 

まさかあのデッキ……パーツで殴り勝つデッキ?

だとしたら呆れるしかできない、でも……なんだか勝ちそうで怖い。

 

「カードを1枚伏せて、永続魔法、弱者の意地を発動

手札が0枚の時、自分の場のLV2以下のモンスターが相手モンスターを戦闘で破壊した場合

俺はデッキからカードを2枚ドローする」

 

手札が無くなった時の為のカード……完全に戦闘仕様のエクゾディアデッキ!

戦うエクゾディアパーツってどう誰が得するの!?

完全に遊び&嫌がらせ&苛めでしょ!

 

「バトルフェイズ、右腕でブレード・スケーターに攻撃」

 

右腕が飛んでいき、ブレード・スケーターのお腹に拳が突き刺さる。

トライアングルパワーで強化された右腕の攻撃は強烈で、そのままサイバー・ブレイダーを粉砕する。

攻撃力1400のブレード・スケーターとの攻撃力差は800……結構大きなダメージ。

 

「弱者の意地の効果発動、俺の現在の手札は0枚、よってデッキからカードを2枚ドローする

右足で直接攻撃(ダイレクトアタック)

 

「永続罠、リビングデッドの呼び声を発動!

自分の墓地に存在するモンスターを1体、攻撃表示で特殊召喚するわ!

ブレード・スケーターを墓地から特殊召喚!」

 

「ならばそのまま右足でブレード・スケーターに攻撃」

 

今度は強烈な蹴りがブレード・スケーターに……って、踏みつけ!?

蹴るならともかく、踏みつけは酷い!

 

「左足で直接攻撃(ダイレクトアタック)

 

「クッ……あら?

……かはぁっ!」

 

左足は明日香の股下を潜り……背後から踵で腰を強打。

なんというか、持ち主の性格が反映されるかのような攻撃方法。

そしてこれで明日香の残りライフは200……首の皮一枚繋がった感じ。

 

「トライアングルパワーの効果を受けたモンスターはエンドフェイズ時に破壊される

それを回避するカードである、先ほど伏せた魔法カード、馬の骨の対価を発動する

自分の場に存在する効果モンスター以外のモンスターを1体選択し、墓地へ送って発動

デッキからカードを2枚ドローする

俺は右足を墓地へ送り、デッキからカードを2枚ドロー

……ドローしたカードに馬の骨の対価が入っていたな、もう1枚発動する

今度は左足を墓地へ送り、デッキからカードを2枚ドローだ

魔法カード、マジック・プランターを発動する

自分の場に存在している永続罠カードを墓地へ送り、デッキからカードを2枚ドローする

俺は場に存在するエンジェル・リフトを墓地へ送り、デッキからカードを2枚ドロー

エンジェル・リフトが場から離れた時、蘇生対象モンスターは破壊される

エンジェル・リフトの効果対象となっていた右腕はこの効果により破壊される」

 

「な、な、なぁ……」

 

トライアングルパワーで受けるデメリットを全て回避し、更にドローするだなんて……

このターンで堅守瑞貴が使用したカードはワン・フォー・ワン、右腕、右足

エンジェル・リフト、ワンチャン!?、左足、トライアングルパワー、弱者の意地

馬の骨の対価が2枚、マジック・プランター……合計で11枚。

それなのに手札に有るカード枚数が6枚ってどういう事なの?

 

「魔法カード、トライワイトゾーンを発動

自分の墓地に存在するLV2以下の通常モンスターを3体を選択し、墓地より特殊召喚する

俺が選択するモンスターは封印されし者の右腕、右足、左足だ」

 

「また出てきた……」

 

どうしてかな、あの腕や足が凄く強く見えてしまう。

今度は何を狙っているのか、怖いけど気になってしまう。

 

「カードを3枚伏せ、ターンエンドだ」

 

伏せカードが3枚……また通常モンスターを補助するカード?

だとすれば何が出てくるか予想できるような、できないような……

 

「私のターン、ドロー!

……魔法カード、死者蘇生を発動!

墓地に存在するモンスターを1体選択し、特殊召喚する!

私が選択するモンスターはブレード・スケーター!

更に手札から魔法カー……」

 

「永続罠、暴君の自暴自棄を発動

自分の場に存在する、トークン以外の通常モンスター2体を生贄にして発動

俺は右足と左足を選択し、生贄に捧げる

お互いのプレイヤーは効果モンスターの召喚、特殊召喚は不可能となる

残念だが、エトワール・サイバーとブレード・スケーターを融合させ、サイバー・ブレイダーにはさせない」

 

「そん……な……」

 

デッキを確認したのはこの為?

確かにエクゾディアパーツは通常モンスター、でも自分にもデメリットは少なくない。

さっき使った冥界の死者も……あ、場から墓地へ送られるだけだからセットしてもいいのか。

召喚、特殊召喚はできないけどセットと反転召喚はできるもの。

 

「なら、ブレード・スケーターで封印されし者の右腕に攻撃!」

 

「速攻魔法、突撃指令を発動

自分の場に存在するトークン以外の通常モンスターを1体選択して発動、俺は右腕を選択する

選択したモンスターを生贄に捧げ、相手の場のモンスター1体を破壊する

右腕を生贄に、ブレード・スケーターを破壊」

 

蹴りのモーションに入る為、勢いを付けて向かって来るブレード・スケーター

だけど突撃指令を受けた右腕はカウンターの形を取り、ブレード・スケーターをぶん殴る。

ブレード・スケーターは倒れそうになるものの、なんとか右腕を蹴り飛ばして破壊し、破壊された。

 

「うそ……そんな、私が……こんなにアッサリと?

モンスターをセットして、カードを2枚伏せて、ターンエンドよ」

 

「俺のターン、ドロー

魔法カード、強欲な壺を発動し、更に2枚ドローする

封印されし者の左腕を召喚し、装備魔法、下克上の首飾りを左腕に装備させる

このカードは通常モンスターにのみ装備できる装備カードだ

このモンスターが戦闘を行うダメージ計算時、相手モンスターとのLV×500ポイントの攻撃力がアップする

その伏せモンスターがLV4の場合、左腕とのLV差は3、よって左腕の攻撃力は1500アップする

仮にそのモンスターがLV4で、守備力が1700未満の場合、そのモンスターは戦闘で破壊されるな」

 

あの伏せモンスターは高確率でエトワール・サイバー……というかそれぐらいしか無さそう。

エトワール・サイバーの守備力は1600、左腕の攻撃力1700より低い。

つまりこのまま左腕の攻撃を通した場合、明日香の場がガラ空き状態になってしまう。

 

「…………(伏せカードが嫌な予感しかしない

まぁいいか、寧ろこの場合はそれが正解した方が助かる)

封印されし者の左腕でセットモンスターに攻撃」

 

「(掛かった!)罠カード、聖なるバリア-ミラーフォース-発動!

相手の攻撃宣言時に発動! 相手の場の攻撃表示モンスター全てを破壊する!

残念だけど、貴方の封印されし者の左腕は破壊よ!」

 

左腕で持った首飾りで殴り掛かるものの、ミラーフォースに防がれ、破壊される。

だけど全く動揺していない……どういうつもり?

 

「残念だったな、これで俺の勝ちが確定した

素直に倒されていれば良かったものを……」

 

「え?」

 

「罠カード、補充要員を発動

自分の墓地にモンスターが5体以上存在している時に発動できる

自分の墓地から攻撃力1500以下の効果モンスター以外のモンスターを3体、手札に加える

俺の墓地には、今破壊された左腕を含めて5体のモンスター、よって発動条件を満たしている」

 

「防がれる事を承知で……」

 

「その通りだ

俺は補充要員の効果により、墓地から封印されし者の左腕、右腕、右足を手札に加える」

 

各パーツが堅守瑞貴の手札に……だけど、まだ封印されしエクゾディア、封印されし者の左足が足りない。

だけど、勝ちが確定したという発言から考えると……

 

「魔法カード、ダーク・バーストを発動

自分の墓地に存在する攻撃力1500以下の闇属性モンスターを1体、手札に加える

俺が手札に加えるモンスターは当然、封印されし者の左足」

 

「だけど、封印されしエクゾディアが手札に無ければ……」

 

「残念だったな、俺の手札には既に……有るんだよ、封印されしエクゾディアがな」

 

「え……」

 

「俺の手札に封印されしエクゾディア、そして封印されし者の右腕、左腕、右足、左足

全てのエクゾディアパーツが揃った、これにより、俺の勝ちだ」

 

エクゾディアパーツを決闘盤(デュエルディスク)にセットしていく堅守瑞貴。

堅守瑞貴の背後から出てくる右腕、左腕、右足、左足……そして、エクゾディア。

 

「そんな、こんなにアッサリと……」

 

「運が無かったな、俺の勝ちだ」

 

エクゾディアは両手を合わせ、少し広げた中に強く輝く炎の光。

あの攻撃は……怒りの業火 エクゾード・フレイム、エクゾディア最強の攻撃。

エクゾディアは輝く炎を撃ち出し、明日香は輝きに呑み込まれる。

これにより、堅守瑞貴の勝利が確定した。

 

「私の……負けよ」

 

がっくりと崩れ落ちる明日香……さすがにショックだった?

ライフをギリギリにされた上、エクゾディアを揃えられたら悔しいに決まっている。

しかも、下手すればエクゾディアパーツ、攻撃力200のLV1モンスターだけに敗北する所だった。

そう考えたら明日香は寧ろよく耐えたと、褒めるべき?

 

『オシリスレッド、堅守瑞貴君』

 

校長からの放送?

もしかしてこの流れ、このタイミングでって事は……

 

『君の素晴らしい決闘技術(デュエル・タクティクス)

モンスターをあらゆる方法で使いこなす技術

更にあのエクゾディアを揃えるテクニック

成績も優秀だし、決闘(デュエル)の実力も高い

文句なしで君は、ラーイエローに昇格です』

 

あ、やっぱり昇格するのね。

あちらでは昇格後、制服が変わってもオシリスレッドに留まっていたけど

今回はどうなる? ラーイエローに残るのか、それともまたレッドに残るのか……

 

………………

…………

……

 

数日後、風邪が治ってもレッド寮に残っている堅守瑞貴が居た。

理由を訊いてみたんだけど……

 

「原作知識的な意味で、あまり覚えていないが別の寮に移動しない方がいい気がした

あと、好み的にもこちらの方が好きだ

金は有っても、やや貧乏性な所が有るのでな、これぐらいの部屋の方が落ち着く」

 

との事で、なんだか私の知っている堅守瑞貴と違う。

この堅守瑞貴と、私の知っている堅守瑞貴、どれぐらい違うの?

私が変に介入したからなのか、それとも私の知っている堅守瑞貴とまた別人なのか……

どれにしても納得ができない、私はどうすればいいんだろう?




Q.案の定風邪なのか
A.案の定です。

Q.瑞貴の親切?
A.いいえ、暇潰しです。

Q.瑞貴がテストを受ける時に出てきた内心って誰?
A.前話登場の女生徒4人です、なお十代と翔は寝ています。

Q.結美は瑞貴を心配してるの?
A.気に入らない相手でも心配はするでしょう
え、寧ろ愉悦? 瑞貴はともかく、結美はそんな性格ではないので……

Q.瑞貴VS明日香
A.実はジュンコやももえにしようかと悩んだのは秘密。

Q.ピーピングが目的?
A.単なるサーチモンスターであり、ピーピングはオマケです。

Q.卑怯だ、反則だ(略)
A.もうダメだこの学園……早くなんとかしないと!

Q.笑っている生徒(略)
A.最後の生徒は心配ですね、大丈夫でしょうか?

Q.架空決闘(デュエル)で仕事を滅多にしない聖なるバリア-ミラーフォース-が仕事をした!
A.しかし、利用されているので仕事をしたと言えるかは……

Q.そういえば明日香のデッキは?
A.原作のままですね、原作に登場したカード以外は使っていないかと思います。

Q.今回の瑞貴のデッキは?
A.結美の言う通り、戦うエクゾディアデッキです。
正確には、戦いながらパーツを回収するデッキでしょうか?
形的にはビートデッキなんですが……納得できない何かが有ります。

Q.風邪になった意味、有ったの?
A.ほぼ皆無……利用したかったのにできなかった作者の実力不足です。

Q.瑞貴はレッド寮に残ったんだ
A.本人の言う通りやや貧乏性であり、広い部屋よりも狭い部屋の方が落ち着くタイプですので。
旧作ではカードを管理する為に移動を拒んでいましたが、今回は趣味的な面で拒みました。

Q.結美の今後について
A.まぁ、お楽しみという事で。

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