【完結】我こそは武田高信である   作:どんぐりヒッター

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第八話 初戦

◇◇◇戦国時代だ、武勲を稼げー♪◇◇◇

 

 

 

 竹田城に到着し、周囲の城に偵察を送る。

案の定、一色家の稲富祐秀は鉄砲隊を率いていた。

こちら方向にはまだ手出し不要だ。

 

 

波多野一家が支配する八上(やがみ)城を戦争対象に指定すると、

同じ細川家で無人の丹波(たんば)亀山(かめやま)城も戦闘地域に。

そして、赤松家の姫路城と三木(みき)城。

さらに、足利将軍家の二条城の計五つの城が戦闘地域になった。

 

 

ここでの強敵は別所(べっしょ)親子の領する三木城。

戦では、それぞれ家でそれぞれの城で一番身分が高いものが大将になる。

しかし、必ずしも大将が一番強い訳ではない。

この大将の部隊を壊滅させると、戦に参加した旗下の武将は捕らえられるか逃げ去ることになる。

 

 

八上城の大将は波多野晴通、二条城の大将は足利義晴(あしかがよしはる)、姫路城の大将は浦上政宗。

この三人は戦場で雑魚だ。俺でも十分勝機がある。

しかし、三木城の大将は別所就治(べっしょなりはる)

部隊適性も上手(うわて)で戦闘力が高いので対決は避けたい。

下手すると30日間戦場を逃げ回り、終局を待たなくてはならないかもしれない。

 

 

 

 みっともない戦い方と言われるかもしれないが、俺はやる。

俺達は弱者なのだ、戦い方などに格好つけている場合ではない。

勝って勝ち続けて強者になっていけば良いのである。

 

 

配下の兵たちの顔を見ると、皆一様にジャガイモのような顔で青くなり、震えているものもいる。

ジャガイモは茎だ。地下茎なので日にあたると光合成して青くなる。

そうだ、この者たちは怖くて青くなっているのではない。

震えているのも武者震いと言う奴だ。訓練などやっていないが問題ない。

 

 

「向かうは八上城、野戦にて敵の大将のみを相手とする。いざ出陣!」

「お、おぉー」

「みんな、がんばるよー!」

「おー!」

 

 

むむ、俺の声では反応が薄い兵たち。しかし、タチアナの声にはしっかりと答える。

そうだった、俺は魅力が低いのだ。タチアナはロマサガ3の世界でも魅力が高い方。

これは利用させてもらおう。

詩人は見たもの聞いたものを紙に書き記すのに夢中だ。

 

 

 

 現実が戦闘に代わると、偵察で聞いた情報とは全然違っていた。

八上城は兵を増やして暗愚な波多野晴通から兵をはがし、

勇猛な武将たちに兵をまとめて出陣してきた。

空き城だったはずの丹波亀山城には三好長慶(みよしながよし)と三好義賢(よしかた)兄弟が詰めていて、

三好義賢が兵30を率いて出陣。

こことは戦えない。当たれば即、我が方は蒸発するかのように消え去ってしまうだろう。

 

 

他の城から出てきた軍は姫路城の浦上軍、三木城の別所軍、二条城の足利軍。

戦って勝てるのは浦上軍と足利軍だ。

それでも慎重に兵の消耗を抑えなければならない。

 

 

兵の消耗を抑えたいのはどの軍も同じ。

俺は竹田城を出て姫路方面の山に潜み、兵たちの士気を鼓舞することにした。

 

 

「我こそは武田高信である。皆の命は預かった。存分に戦え!」

 

 

しかし、誰も聞いてない。兵は周囲の軍勢に臆して顔を下げている。

そばに居たタチアナが声を上げた。

 

 

「みんな! ちゃんと生きて帰るのよー!」

「おおー!」

 

 

まったく女の声で元気が出るとは現金な奴らめ。

それから俺が掛け声を伝えてタチアナが叫ぶ、兵の士気が上がる。

これを繰り返して兵の士気は満ちて行った。

 

 

 

 山道を歩いて姫路の城に近づくと浦上軍が気づいて戦闘を仕掛けてきた。

大将に浦上政宗、黒田親子が前衛に居る。

俺は兵を前に上にと動かし、黒田親子を避けて浦上政宗とだけ戦うようにした。

二合三合、叩き合ううちに互いの兵が消耗していく。

俺の40居た兵が22になるころ、ようやく浦上政宗の兵が尽き大将の捕獲と相成った。

 

 

「浦上政宗捕らえたり!」

「敵の大将、捕らえたよー!」

 

 

タチアナも声を上げる。戦場で女性の甲高い声は良く通る。

敵方にも聞こえていたようだ。敵軍が混乱する中、黒田親子も捕まえることが出来た。

 

 

捕まえた武将と兵を竹田城に送り、俺は22の兵を連れて竹田城付近の山に潜んだ。

まだだ、まだ勝てる相手が居る。足利軍だ。

足利軍は波多野軍と三好軍と並んで八上城付近に展開していた。

 

 

浦上軍との戦いで疲労し落ちた士気は、タチアナを使って回復させた。

野戦は30日しか行われない。

30日も外の陣地に居ると厭戦(えんせん)気分が蔓延(まんえん)し、戦を続行できなくなってしまうからだ。

 

 

その30日目の最終日。俺は足利軍に襲い掛かった。

足利軍は大将が足利義晴、はっきりと愚者。

配下に文官肌の三淵晴員(みつぶちはるかず)和田惟政(わだこれまさ)

三淵は知勇兼備の細川藤孝(ほそかわふじたか)の親なので引換券として重要だ。

和田惟正はなかなかの武将なので、これと戦ってはいけない。

大将の足利義晴だけと戦った。

 

 

足利義晴は凡将とはいえ30の兵を有していた。

俺の兵が22から9にまで消耗した時、ようやく捕らえることが出来た。

配下の武将も捕獲。

戦が終わり竹田城でとらえた者たちを見分した。

引換券の黒田親子と三淵は無事に山名家の家臣になる事を選んだ。

 

 

 

 問題なのは浦上政宗と足利義晴。

 

 

俺は三国志の世界と銀河英雄伝説の世界で、義理の低いものは切り捨てよと学んだ。

あれほど時代や文化や環境が違えども戦乱の世では何が起こるか分からない。

未然の処置は大切だ。

 

 

浦上政宗は義理が低めの野心家だ。そこそこ政治能力もある。

切り捨てるべきか、内政要員にするべきか。

悩んだ末に家臣にすることにした。理由は義理が俺ほど低くないからだ。

御屋形様が嫌えば追放されることだろう。

そこはこいつが御屋形様に取りいれば良い事。俺の知ったことではない。

 

 

そして足利義晴。名ばかりとは言え室町幕府の将軍だ。

義理とは関係なしに、生かして返しては将来の禍根となる。

ここは誅することにした。誅してみると義晴は所持していた家宝を落とした。

一級品が二つと十級品が一つ。

家宝は俺がその場で持つことはできない。

御屋形様に送らなければならないのだ。

 

 

ここに室町幕府は足利家の消滅と同時に終焉(しゅうえん)となった。

 

 

今後、俺は御屋形様の顔が家宝に見えることだろう。

独立して御屋形様に戦を仕掛け、誅して家宝を手に入れるつもりだからだ。

 

 

 

 竹田城にて兵の再編成を行った。

黒田親子や足利配下の武将の兵を俺の兵としたのだ。

3ほど余った兵は、山名家と相性が悪くないのか忠誠度が高い和田惟政に預けた。

 

 

俺は御屋形様に今後の方針についての献策を手紙にしたためた。

内容はこうだ。

 

 

『山名一門と垣屋一家は羽衣石城にて尼子への防衛、そこに腕利きの和田惟政を派遣。

鳥取城は黒田親子を軍団長にして、三淵と浦上を補佐に内政に当たらせたい。

俺は竹田城にて周囲の状況を見ながら敵武将を捕らえて集める。

場合によっては敵の城も攻めとる』

 

 

 

 黒田親子に手紙を渡して鳥取城に向かわせることにした。

 

 

「それがしどもを軍団長に推薦ですか?」

「ああ、御屋形様次第だが引き受けてくれるか?」

「はっ、以後は武田殿の意に沿うよう全力で事に当たりまする」

「三淵殿、黒田親子をよろしく頼む」

「わかったでおじゃる」

「浦上殿、鳥取城の防備は頼んだ」

「ふん」

 

 

浦上はやはり切るべきだったのだろうか?

 

 

「和田殿、羽衣石城にて我が御屋形様の警護を頼む」

「承知」

 

 

 

◇◇◇戦国時代だ、武勲を稼げー♪◇◇◇

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