この素晴らしい世界に嘲笑を!   作:湯瀬 煉

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可愛いが正義ならば、カッコいいも正義ですよね。


第四話 この中二病魔女と名乗り上げを!

 「『セイクリッド・エクソシズム』!」

白い光とともに俺が消滅した。次の瞬間。

「ムハハハ!! 高慢なる【嘲笑の悪魔】、テトロド、ここに参上しました。俺をお呼びでしょうか?」

わざとらしくアクアを嘲笑してやる。これがなかなか楽しくて、今日まで彼女から何度も悪感情を頂いた。

「ったく。鬱陶しい悪魔ね。そんなんだからエリスに逃げられるのよ」

この女神、さっき一番言っちゃいけないこと言ったぞ。俺は『黒炎魔法』を乱発し。すべてアクアに跳ね返される。被弾したコップが焼き尽くされて灰に変わる。そもそも術者以外には見えないはずの『黒炎魔法』をどうやって跳ね返しているんだアイツは。

「ふぅ…。信者は大切にしておいた方がいいですよ?」

アクアの動きが一瞬止まる。

「あんた、今なんて言った?」

「信者ですよ。昨日入信書を協会に届け出ましたよ」

もちろん、エリスに殺されかけた翌日に出した。これでもしエリスが俺を除霊したら宗教戦争にしてやる。…………出来るかは知らないが。

「――あなた、ちょっと来なさいよ。お酒、飲ませてあげるわ」

「え。俺悪魔ですよ?」

「私の信者ならば仕方ないわ…。信者は私にとって可愛い迷える子羊なんですから。本当は嫌だけど」

コイツに迷える子羊扱いされるのは若干腹立たしいことだが、ぐっと飲みこんで酒を飲む。昨日も思ったが、この女神はわりと良い奴なのかもしれない。エリスのあの徹底した不寛容はトラウマ級だ。

「よく考えてみると、アクア様っていいですよね」

「ふぇ!?」

アクアが驚いたような声を上げる。しかし、俺は気にせず続けた。

「だってこんな悪魔でも救ってくださるし、なんだかんだ言ってもみんなの頼れるアークプーリーストです」

と、頭をぽんぽんして撫でた。すると、アクアの顔がみるみる赤くなっていく。酒に酔ったのだろうか。

 あ。違うわ。俺の容姿って人間をたぶらかすために結構カッコいいんだった。

どうしようかな…………。とアクアの髪の毛の感触を楽しんでいるとめぐみんが声をかけてくれた。

「あの…さっき名乗りみたいなのやっていたのですが、あれは何ですか?」

めぐみんの方を見ると目を紅く輝かせながらこちらを見ていた。水の女神(笑)は放っておいて、めぐみんと向き合う。

「ああ。あれは悪魔が召喚されたときの挨拶みたいなものなんですよ。そういえば、紅魔族にも名乗りがあるんでしたね」

「はい。 我が名はめぐみん! 紅魔族随一の天才にして、爆裂魔法を愛する者! という奴です」

かっこいいなぁ。今度のクエストまでに俺も考えてみよう。

 

 

「そういえば、テトロドって武器はどうするんだ?」

カズマの問いで全員がこちらを見た。

「…そうですね。基本的に『聖遺物封印』で武器は出せるんですが」

「それじゃだめよ」

それは、アクアの声だった。

 

「あなたに死なれたら私は困るわ。だからちゃんとした装備をして頂戴」

 

……いつの間にアクアルートのフラグを立てたのだろう。

 アクアが、真顔なら結構美人なアクアが真面目な顔で言うものだからつい了承してしまった。

 そして議論の末次の日、めぐみんと買いに行くことになった。

めぐみんとのデート権を手に入れたのである!

 

「あなたなら、この剣がいいのではないですか?」

疲れためぐみんの声が聞こえる。俺は、武器屋でおすすめされる度にめぐみんにちょっと尋ねてみている。そしてついに折れためぐみんが適当な武器を選んでくれたのだ。もちろん俺の目的は「めぐみんの選んだ武器を装備する」ことである。めぐみんには悪いことをしたとは思うが、後悔はしていない。

 

パーティと合流した後、アクアが俺を見て呟いたのが聞こえた。

「…結構いいじゃない。悪魔なのに……結構カッコいい。いやでも私は女神なんだし……」

アクアルートが解放されかけているが、正直こいつと恋愛するつもりは全くない。するならめぐみ…いや、いつか死ぬめぐみんよりアクアの方が優良なのではないだろうか。

 …………まだ捕らぬ狸の皮算用だな。

 

 その日は突然やって来た。

『緊急クエストです! 冒険者の皆さん、とくにサトウカズマさんのパーティーは至急ギルドへ!』

 

は?




アクア様がだんだん可愛く見えてきたこの頃です。それでもめぐみん推しです。これは曲げません。
そうそう、そういえば中二病魔女よりも駄女神の出番が多かったですね。すいません。
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