G級ハンターがいた世界。   作:アイリッシュコーヒー

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その御伽噺に出てくる主人公はありとあらゆる武器を使いこなし、そしてありとあらゆる危機から世界を救った。

その話に憧れてハンターを目指した者はその世界の厳しさにそんな者はいるはずがないと目を伏せた。
世界でも優秀なハンターのみなれる上位ハンターにとってはG級などとはただの笑い話でしかなかった。

どれほど優れたハンターでも3個の武器を扱う事で限界が訪れる。
御伽噺で語られるG級ハンターはあまりにも常軌を逸っしすぎていた。

そうしてG級ハンターはこの世から架空の存在として扱われるようになっていった。

しかし一人の若いハンターがまたこの伝説を探し旅立ったのであった。


SAVE DATA1 強い世界にニューゲーム

~とある船~

「ねぇー団長ー。」

 

「うん?どうした我らの団ハンター!船酔いか?」

 

海の上、船と呼ぶにはあまりにも奇抜なデザイン、鯨のような形をした船の上で気の抜けた声が団長と呼ばれた男に掛けられた。

 

「違うよ!もー、せっかくG級ハンターに会うために旅に出ようって言ったのになんでバルバレに戻ってるのさ~、契約違反だ~詐欺だ~。」

 

そう言って我らの団ハンターと呼ばれた少女、ティアは頬を膨らませた。

 

「ははは、そういうな我らの団ハンター!情報を集めるにはまずあそこが一番だろう、しかし、あんな御伽噺を本気にして探そうとは前の我らの団ハンターを思い出すな!」

 

団長が馬鹿にしているのか笑いながら言った、そう、私はつい最近このキャラバンの専属ハンターをする事になった新米ハンターだ、HRだって未だに1のままだ。

 

「前のって・・・あの金ぴかのランス使いの人?へー、意外だなー、お堅そうな見た目なのにロマンチストなところもあるんだねー。」

 

ティアはそう言いながら話下手なギルドの筆頭リーダー率いるあのパーティーに所属している厳格な見た目と物言いのランス使いを頭に浮かべる。

 

「ははは、違う違う、あいつは見た目通りそういう御伽噺は御伽噺と区別するタイプだ。実は我がキャラバンにはお前さんとあいつの間にもう一人うちで専属ハンターをやってた奴がいるんだよ。そいつがまた面白い奴で腕っ節も今まで会ったハンターとは次元が違ったな。」

 

「へー、そんな人がいたんだー、どんな人だったの?」

 

「それはもう凄いハンターの中のハンターでしたよ!」

 

「うわっ!いたんだ姐さん。」

 

団長がここまで褒めるのは珍しいと思いそのハンターについて聞こうと身を乗り出すと後ろから大きな声が掛けられた。それは先ほどまで海を飛び跳ねる魚のスケッチに勤しんでいた我がキャラバンの受付嬢件看板娘

通称”姐さん”だ。

どうやら団長との会話を聞きつけたらしく他のメンバーもこちらに集まり始めた。

 

「ふふふ、それはもう凄いハンターでしたよ、あ、その人のスクアギルに噛まれた跡のスケッチありますけど見ます?」

 

「いや、流石にそれに興味はないかな。」

 

いつも思うがこの受付嬢はどこか残念だ、黙っていればさぞモテるだろうに。

噂によればあのブラキディオスに恋をしているなど聞いたが最近これが本当なんじゃないかと思えてきた。

 

「そうじゃなくてさー、実際に何をしたとかそういう話を聞かせてよ。」

 

「ハンターさんはねー、わたしの村を救ってくれたんだよー!」

 

そう言ってひょっこりと頭を出したのはこのキャラバンで加工担当の手伝いをしている土竜族の子供だ、たしか彼女はナグリ村の加工屋の娘だったか。

私がこのキャラバンに入った時にはすでにこのキャラバンにいたのでそういった話はなかなか新鮮だった。

 

「ははは、そういえばあいつは行く先々で村の危機を救っていたな、そうだな、まるで御伽噺のG級ハンターみたいな奴だったよ。」

 

団長が懐かしむようにその前任のハンターを語った。

 

「へー、団長がそこまで言うってよっぽど凄かったんだね、ま、私の憧れであり私がハンターを目指すきっかけとなったG級ハンター様まではいかないだろうけど、でもそんなに凄いなら一度会ってみたいなー、今は何してるの?ギルドからスカウトでもされたの?」

 

「分からん!」

 

そう言って団長はいつものように笑い始めた。

 

「分かんないって、クエストから戻ってこないとか?」

流石に死んでる人の話をここまで笑う事はないだろうと気軽に聞いてみると少し苦笑いを浮かべながら受付嬢が続けた。

 

「いえ、なんというかあの人団長以上に自由人なんですよ、ある日旅に出るって書き置きだけ残して姿を消したんですよ。」

 

「あいつを勧誘するのは苦労したんだがな!あの後すぐにお前さんにあえてよかったよ!」

 

「勧誘って、あたしみたいに新人ハンターじゃなかったの?その人。」

 

「旦那はここに来る前は別の村で専属ハンターをやっていたと言ってたニャル。そんなことよりそろそろバルバレに着くからその前に腹ごしらえするニャルよ。」

 

そう言って巨大な中華鍋を叩いたブラウンの毛並みのアイルー、我が団の料理長が顔を出した。

 

「はーい、でもそんなに凄いのにうちに来てる依頼って私が入った時から下位のものだけだけど上位ハンターではなかったの?その人。」

 

そう言った瞬間少し受付嬢の姐さんの顔に陰がさしたような気がしたがすぐにいつもの顔に戻り口を開いた。

 

「あの人が消える時には依頼も少なくなっていたのでティアさんに合った依頼ぐらいしかなかっただけですよ、ハハハー。」

 

そう言って料理長の元に歩いていった彼女の後ろで心配と安堵の混じった溜息を漏らした団長に気づく者はいなかった。

 

 

 

 




こんな駄文にお付き合いいただきありがとうございました。

補足としてオリジナルハンターやオトモに関しては自分のキャラの名前を使用してたりします。

よろしければ感想など残していただければ嬉しい限りです。
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