この面倒臭い根暗に祝福を   作:漆塗り

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承認欲求が人よりも数倍強く、面倒臭い作者です。

あ、転生神のアクア様は今日非番です↓


プロローグ

俺は死んだようです

 

「貴方はながらスマホ自転車運転で横断歩道を渡っている最中に居眠り運転のトラックに引かれて即死しました」

「えぇ・・・」

 

なろうを読んでいたらいつの間にか死んでしまったみたいだ、ながらスマホをしていた俺の事を、目の前の女性は割と蔑んだ目で見ている。

 

言い訳をさせて貰うと俺がスマホに集中している時間はごく僅かだし、今まで事故を起こしたことは無いし、なんなら田舎なので歩道で出会う人は皆無と言っていい様な場所だった。

 

車が居ない時に信号無視をすると怒る人なら俺の事を批難するだろう、しかし無視する人なら許してくれる筈だ。

 

「確かに信号無視の下りは納得が行かないでもないですが、ながらスマホは長時間危険な事をしているのですから、比べられるものじゃないですよ」

「・・・あれ?俺、口に出して、ましたか?」

 

そう言えば、俺が死んだと言うのなら此処はどこなんだろう。全く見覚えがない、と言うか覚えられる物が無い場所なんだけど・・・。

 

「あぁ、自己紹介がまだでしたね。私は女神エリス、転生なんかも担当している、正真正銘の神です」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「・・・」

 

女神様の説明を纏めると、地球とは違う異世界が存在し、そこでは魔王呼ばれる存在が人類を滅ぼそうとしていて、本来死んだ人間は元いた世界に記憶を消され転生するものなのだが無残に殺された人達は転生を拒否してしまう、と。

そのせいで世界へと帰っていく魂の数が減り、ただでさえ人類は劣勢であるのに、人口も増えにくくなってしまったみたいだ。

 

そして若い異世界好きな人間にチートを持たせて送り込んで世界を救わせようという結論に達したらしい。

 

あーそういう事ね、完全に理解した(してない)

 

「と、言うことで、強力な神器や、特殊な能力を何か一つ選んで、異世界へと旅立って欲しいのです。一応記憶を失っての地球への転生や天国でのんびりするという選択肢もありますが、多分異世界に行きますよね?」

「はい、俺は人を助けられる能力が欲しいです」

「・・・えぇ?本当に?」

 

ながらスマホなんかしてた癖に・・・とでも言いたげな顔だ。

 

「女神様、自分は確かにながらスマホをしてましたが、人助けもするし面倒見もいいんですよ。自分の過去とか見たら分かると思います」

 

女神様は暫く沈黙した後、まぁ、確かに。と零した。本当に過去が見えるのか・・・。

 

「でも、ゲームしながら暴言吐いたりしてますよね?」

 

・・・ま、多少はね?

 

言い訳をさせて貰うと、リアルでいい人するのはストレスが貯まるのだ。誰もやらない仕事を引き受けても、その場限りの感謝の言葉があるのみで、別段何がある訳でも無い。周りの奴らは俺の事を出しゃばりな奴だと思っているかもしれない。

後輩の面倒もよく見ているが、本当に好かれているのかが分からない。向こうから夜にゲームの誘いが来る事もあるが、街で出会った時に、気が付いていないのか確信犯なのか、スルーされる事もある。確かめれば、白々しい反応が帰ってきてしまいそうで、尋ねることも憚られる。

心に少しばかりの傷を負うことになるし、本当に人間関係という物は面倒臭い。

そして我ながら屑だとは思うが両親のコトがあまり好きではなく、家に居てもストレスが溜まる。

共働きだった両親、幼少の頃は祖父母と暮らしていた記憶しかない。しかし小学校を出る頃には両親と祖父母が不仲になり、家を出た。育ての親は祖母だ、しかし母親に泣き落としを喰らい両親と共に家を出た。

仕事も変わり、前よりは家にいる時間も長くなったがそこで発覚したのは両親の致命的な相性の悪さ、離婚寸前まで行った両親を見て、こんな生活の為に祖父母を捨ててきたのか、と。そう思ってしまった。それからはもうダメだ。

 

家では家族にも関わらずお互いを傷付けあう両親、外では雑談とは名ばかりの序列の押し付け合い。相手の地雷を踏まないように気を遣う窮屈な人間関係。人の事を気にしない程にメンタルが強ければ人間関係なんて無視してしまえるのかもしれない。しかし、俺はふと気を抜くといい人を演じている。すっきり解決する事は殆ど無いし、すっきり解決しても特に何も無いし、なんならストレスの方が多くながらスマホなんかやっちゃう様な状態でも、そんな事をやってしまう。

 

「・・・えぇと、中々に面d んん。難儀な性格をしていますね・・・」

 

1人が怖いから、周りに来て欲しくて、人を助けるんだ。性格も特徴も雰囲気も、人を惹き付ける何もかもに自信が無いから、恩で人を縛りつけようとしていた。

 

まぁ、誤算があるとすれば多少の恩なんか幾らでも踏み倒す連中しかいなかったって所かな・・・。それとも、相手からすれば恩ですら無かったのか。

 

・・・誕生日プレゼントに500円普通に渡したら「少なっ」って言われたこともあったな・・・少ないのかな・・・。普通学生なんて渡さない物ぐらいの勢いだと思ってたけど1000円とか上げるのかな・・・。

・・・遊びとか誘って来るような相手だったのn

 

「異世界転移するんですか?しないんですか?」

 

あ、はい、します。無駄な話でしたね、へへ・・・

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悩む・・・

 

実を言うと、地球に居た時からこういう状況で、どういう選択をするか、っていう妄想は死ぬ程していた。人を助けられる能力、と言うのは今思いついたカッコつけの言葉では無い。本当に、そういう力を願っていたんだ、まさかマジでこんな事になるなんて思ってなかったけどな。

 

そして、ずっと考えていても答えは出なかった。

 

色々考えすぎてしまうんだ。

 

例えば、チート能力に戦闘力を選んだ場合、病気や大怪我で、知人が危機に陥ってしまっても助けられないかもしれないだろ?目の前で死ぬなんて想像するだけで・・・

 

なら、回復魔法なんかに全振りしたとする。そしたら今度は絶望的に力が足りないんだ。盗賊や、もしかすると魔物なんかに、大切な人が殺されてしまうかもしれない。そんな時に回復魔法なんて持ってても、何の役にも立たない。

 

なら財力はどうだ。金があれば強い人間も雇えるし、高い医療技術も思いのままだ。

 

金で繋がる人間関係の儚さは嫌という程知ってる。

 

権力は?

 

人を従える自信なんてこれっぽっちもない。

 

あれなら・・・これなら・・・いくら考えても纏まらなかった。地球でもよくこんな迷路に迷い込んでいたものだ。

 

無敵、なんかの余りに強い能力は論外。そんな力を持ってしまえば自分が何をするか分からない。人よりも、自分が一番信用ならないんだ、それだけは分かってる。

 

「・・・女神様なら、どうしますか?」

 

最初に比べてかなりテンションダウンした俺の言葉に、女神様はううんと悩み、答えを出した。

 

「ひとまず、アドバイスはしますけど。最後に決めるのは貴方です」

「それは、まぁ」

 

そう前置きし、女神様は話し始めた。

 

俺が向かう世界は、レベルやらステータスやらの存在するファンタジーなせかいだ。そして、その世界の基準で俺の能力を表すと、魔力・器用の能力が平均より高く、他の能力は平均程度らしいが、運は少しばかり低いのだとか。まぁ、運動はずっとやってたし、身体は鍛えられてるかな・・・。運も、自信なかったから妥当な評価だ。

 

「職業に就くとしたら、ウィザードかアーチャーですね。どちらも需要のある職業です」

 

・・・しかし、ウィザードになれば魔法の効かない敵なんかにはなすすべもなくやられることがあるかもしれないし、アーチャーはマトモに矢が刺さらなそう(偏見)

 

「そう言うのって、その、仲間とかに頼るものなんじゃ・・・」

 

自分は、仲間と強固な信頼関係を築く自信はないし、そもそも自分が信頼出来ないと思うのでその選択肢はあんまりないです。

 

「(め、めんどくさい・・・)」

 

女神様でも手詰まりなのか、と思いきや彼女は溜息を付きながらこう言った。

 

「なら、冒険者になるしかないですね。なんでも1人でできる職業ですよ。本職の人には劣りますが・・・」

 

冒険者、あらゆる職業のスキルを覚えることが出来る。しかしその効力は本職の人間には及ばず、更に覚える為に消費するスキルポイントも多くなってしまう為人気の無い職業らしい。

 

「そういう事ならいざと言う時に力不足になったr」

「記憶消されたいのか」

「あ、はい、なります。すみませんでした・・・へへ・・・」

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重井 光明(おもい こうめい)

所持チート:スキルポイント爆増




自分の事を言葉にしてみるとこんな感じです

表面・クラスに一人はいるヤツ、便利屋。断らない

表層・傲慢、自信家。自分よりも劣った人間を心の中でバカにしている

中層・寂しがり屋、人に認められたい。何も出来ない自分が嫌い

深層・嫉妬深い、なんでも出来る人が嫌い

普段出るのは中層位までです。表面で普段は対応して、心の中では表層が幅を効かせてます。しかしその表層は中層の心理の裏返しでその奥には深層が隠れてます。

我ながら汚い人間です
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