学園生活部にOBが参加しました!   作:逢魔ヶ時

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先週やるかもと言っていた書きたくなったネタがこちら,ゾンビ系といったらコレと言っても過言でない程のビックタイトルとのクロスオーバーです.
説明その他は後に回すとしてとりあえず,どうぞ.


※※※注意※※※
本編とバイオハザードとのクロスオーバーです.ここから読んでいただいても大丈夫な構成ですが本編もお読みいただけると嬉しいです.


連続番外編:Welcome To Raccoon City
1,覚醒


 目を覚ました時,俺は妙に生暖かくて変にとろみを持った液体で満たされた培養槽の中で体のあちこちににコードが刺さった状態で浮かんでいた.パニックを起こさなかったのはひとえに,自分の正面で同じような状態で目を閉じている胡桃の姿が容器越しに目に映ったからだな.

………まぁ認識した瞬間に激高して培養槽のガラスを叩き割ったから,それがパニックなのだと言われたらそうかもしれない.

 

 

―――凪原勇人,当時を振り返って

 

 

 

====================

 

 

 

「前に何かで読んだんだけどさ,どう話を進めればいいか分からない時はブレインストーミングをするのがいいんだって」

「確かに名案だ.早速やってみるとして,お題は『現状で理解できないもの・こと』あたりでいいか?」

「うん」

 

 胡桃が頷いたのを確認し,「じゃあ俺から,」と口火を切る.

 

 

「起きたら放送局じゃないどころか全く知らない場所にいた」

「恐らく研究所だけど誰もいない,廃墟なのかなここ」

「俺と胡桃しかいなくて他のメンバーが見当たらない」

「というかなんでアタシもナギも服着てないんだよ?恥ずかしいんだけど」

「いちおう布羽織ってるからセーフだろ.それに胡桃の身体は割と見慣れてるし,もちろんいつ見てもすごい綺麗だけど」

「セクハラ」

「ごめん」

「許す」

 

 

 許された.

 

 ただ体がどうこうと言えばそこが現状で一番意味不明なところなんだよな,なんか胡桃の視線的に同じこと考えてそうだし.

 と,お互い一息ついたところでブレインストーミング第2部,開始.

 

 

「胡桃の頭から角が生えてる,2本」

「ナギも同じだぞ,そんでナギは左側が全体的にギザギザした感じになってる」

「胡桃の方は右側だな,逆になってるのは偶然なのかなんなのか…」

 

 答えつつ左腕を目の前に持ってきて眺める.上腕より下が黒く変色して指の先端には鋭い爪が生え,ひび割れのような赤いラインがあちこちに走ってて,どう見ても人間の腕じゃねえよな.

 触覚は生きてるけどだいぶ皮膚が硬くなってる,っとさすがに棘みたいなとこは感覚なしか.

 

 そのまま脚の方も確認してみたけどこっちも似たようなものだ.

 つーかこの辺は正直今どうでもいい.明らかにおかしいけど機能に問題はなさそうだし,なにより人体と構造が同じだからだな.

 もっと憂慮すべき点が他にある.

 

「んでもって特におかしいのは()()だよ()(),マジでどうなってんだ」

 

 大きく振ってみせたのは首でも腕でも脚でもない.人間には存在しないはずの部位,尻尾だ.まさに“ドラゴンの尻尾”といった造形,角と同じ色の甲殻で覆われたご立派様で腰の後ろ辺りから実に堂々と生えている.

 

「なんか普通に感覚あるし思ったように動かせるし,違和感全然ないのがすごい違和感なんだけど…」

 

 自身の尻尾の先端を前に持ってきてペタペタ触りながら胡桃が何とも言えない表情でぼやく.先に言うなよ,俺だってぼやきたいんだから.

 あ,ため息つくのと同時に立ててた尻尾が垂れた.感情に連動するタイプかこれ.

 

 

 

====================

 

 

 

「―――だいたいこんなとこか?」

「だね,ほぼ全部はできったんじゃない?」

 

 しばらくブレインストーミングを続けてみたけど,やっぱ重要なのは最初に出てきたもんだよな.まあ疑問が並んだところで解決するわけでもないんだけどさ.

 胡桃の方もここからどうしたものかと腕を組んだまま唸っている.

 

 よし,ここはひとまずアレだな.

 

「そんじゃまず確認」

 

 言いながら胡桃に向けて右手を伸ばす.胡桃も特に避けずにそれを眺めているので俺は遠慮なく―――

 

 フニ.

 

―――彼女の左頬をつまませてもらった.

 うむ,やっぱりいつも通りもっちりしていて柔らかい.軽く引っ張ってみると,おーやっぱよく伸びる.

 

ひゃにひゅんだよニャギ(なにすんだよナギ)

 

 向けられるジト目に構わずやわっこさを堪能することしばし,視線が冷たさを増してきたと判断したところで手を放して咳払いを一つ.

 

「…夢ではない,と」

「それでかっこつけれてると思ったら大間違いだからな」

「まーまー,軽い冗談だって」

 

 手を振って宥めながらなんとか頭を回して状況を理解しようとする,けど無理だな.脳がボイコットしてるわこれ.

 ひとまずまとめて声に出してみるか,なんか気づきがあるかもしれないし.

 

「あー,なんだ.起きたら俺ら2人だけ素っ裸で廃研究所の培養槽みたいなのの中にいて,おまけに体が意味不明な変異を遂げて角やら尻尾やらが生えていたわけだが…慌てるのはよくないんだこういう場合は………ただまぁ,打つ手はないな,基本的に」

「いやなんか思いつけよそこは」

「無茶言うなよ,俺だって混乱してんだ」

 

 むしろ口に出したことでより一層混乱に拍車がかかったまである.ガチでどうなってんだよこれ.

 

「そもそも意味不明な情報が渋滞してるくせに有益な情報が少なすぎんだよ,ちょっとその辺探してみようぜ」

「あ~だね.しっかり調べてみれば何か見つかるかもしれない,し―――」

 

 あ,胡桃がフリーズした.

 なんか壁の一点を見つめて固まってるけど,ここからじゃ瓦礫が邪魔で見えないな.

 

「どうしたんだよくる――マジかぁ……」

 

 胡桃の方に移動してその視線の先に目をやってみれば,とあるマークが描かれていた.

 

 赤と白のパラソルを模したような八角形,ご丁寧にその下には

UMBRELLA Arklay Laboratory

と現在地まで書かれていた.

 

「……なあナギ,何も見なかったことにしようぜ」

「そういうの出来たら苦労しねえよ」

 

 数十秒の沈黙を挟み,妙にサッパリとした笑顔で言ってきた胡桃に俺は肩を落としながらそう返すことしかできなかった.

 

 

 どうやら俺と胡桃はゾンビが蔓延る世界から,ゾンビ以外にもありとあらゆる生物兵器(B.O.W.)が跋扈するバイオハザードの世界へと異世界転移してしまったらしい.

 ハハッ………もし神がいるんだったら絶対ぶん殴る.




はい,バイオハザードの世界に凪原と胡桃をウイルス変異体の状態で放り込んでみました.

 容姿について,胡桃は『きららファンタジア ☆5/せんし 恵飛須沢胡桃』の状態です.凪原についてはこれを男版にした感じを想像してください.

 作中時間としてはラクーン事件辺り(バイオ2,3)を書こうかなと考えています.この番外編を書くにあたって色々資料を調べたのですが,基本的にはRE版を基礎に据えつつ旧作や独自解釈を混ぜていく予定です.あくまで番外編なのでプロット等は本編程練らないと思うので作り込みが甘かったり1話が短かったりすると思いますがご容赦ください.もちろん本編を書かなくなるわけではないのでご安心をば.

 ということで本作初の単発ではない番外編についての説明でした.


 それではまた次回!
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