でも受験シーズンはここからが本番、頑張りすぎて体調を崩さないようお気を付けください
さて、応援が終わったところでこちらはすべての試験がなくなったがっこうぐらし!の世界、学園生活部がショッピングモールに突入しますよ~
(RTAでは)ないです。(最速ではあるかも)
「はい、この度はご覧いただきありがとうございます。今回はタイトルにある通り、リバーシティ・トロン攻略RTA救出verということでやってきたいと思います。
タイマースタートは私たち全員がショッピングモールの建物内に入った時、タイマーストップは無事に生存者を確保し周囲の安全を確保した時となります。
また今回は解説役としてKさんにお越しいただいております。
さてKさん、リバーシティ・トロンに向かうにあたり注意しすべき点としてはどのようなものがあるでしょうか?」
「へっ⁉…え、えーと、中は暗いので物陰に気を付けてください?」
「はい、ありがとうございます。それでは始めていきましょう!第1回学園生活部主催RTえ「いい加減にしろバカ(バシンッ)」―――いってぇ、何すんだよ胡桃っ」
気持ちよくしゃべっていたところいきなり頭をはたかれた凪原は思わず非難の声をあげる。しかしそれを見返す胡桃はまるでバカをを見るような目を凪原に向けていた。
「何するんだはこっちのセリフだ!この子の表情見ろよ、短時間で色々ありすぎて理解が追い付いてないって顔してるぞ!」
「いやだからこそその子の緊張を俺の巧みな話術でほぐしてやろうと」
「今のどこが巧みな話術だ!巧みって意味辞書で調べなおしてこいっ」
「そんな馬鹿な⁉」
「バカはお前だっ」
そのままヒートアップしそうな2人に割り込んだのは悠里であった。スペースが足りないため自身の膝の上に乗せたるーちゃんの頭をなでながら呆れを多分に含んだ表情を浮かべている。
「その子を無事に連れてこれたのは良かったけど、車に乗って安全圏まで来たと思ったらいきなり変なことを言い出すんだもの。おかしくなったのかと思ったわよ」
「まぁナギさんが変なこと言いだすのはいつものことだけどね~」
「ちょっと待って由紀、そんな無邪気な笑顔で周知の事実みたいにそう言われるとさすがの俺でもダメージがでかい」
「当たり前だろ自分の在学時代を思い返してみろってんだ。だいたい―――
助け出された少女、
つい30分ほど前は自分はこのまま
だから駅長室に人が入ってきたときは本当に驚いたと同時に嬉しかった。だがその気持ちはその人の格好を見て吹き飛んでしまった。どう見ても警察や自衛隊関係の人ではないのに銃を持っている、以前見たゾンビ映画ではおなじみである「無法者」という言葉が頭をよぎる。一緒に入ってきた自分と同じ制服を着た女性に足の手当てをされたが自分のこれからについてで頭がいっぱいになってしまいうまく受け答えができたか覚えていない。
その後は手当てをしてくれた女性に支えられながら駅を脱出し、仲間がいるという車に乗せられた。巡ヶ丘学院の制服を着た人女性ばかりなのに一瞬安堵したが
のだが、車が走り出し駅から十分に離れるや否や銃を持っていた男(なぎと呼ばれていた)が変なことを言い始め、手当てをしてくれた人(くるみと呼ばれていた)に頭をはたかれたと思ったら他の人も巻き込んでじゃれ合いじみた言い合いを始めたのである。最初に口を挟んだ女性の膝に乗っている子(小学生ぐらいだけど妹なのだろうか?)も笑っており、その顔に不安の影は見えない。内心での不安をあざ笑うかのような平和な光景に圭は固まってしまっていた。
「フフッ、驚きましたか?」
そんな圭に声を掛けたのは運転席に座る慈だった。前方に注意を払いながらも圭の方を向くその顔は柔らかく微笑んでいる。圭の意識がこちらに向いたのを確認しながら話を続ける慈。
「挨拶が遅れてごめんなさい、初めましてってことはないかもしれないけど挨拶しておきますね。私は佐倉慈、巡ヶ丘学院で先生をやってます。制服を見た感じでは2年生のようですけどお名前を教えてもらえますか?」
「もしかしたら学校で挨拶してたかもしれませんね」と続ける慈に圭は慌てて自己紹介を返す。
「あ、こちらこそごめんなさいっ。私は祠堂圭っていいます、お察しの通り2年生です」
「祠堂さんですね。それにしても、無事で本当によかったです。もう駅から離れたので安心してください」
「あ、ありがとうございます」
思わず返事をしてしまった圭だったがやはり
「なぎ君の事なら心配しなくて大丈夫ですよ、いい子ですから祠堂さんもすぐに仲良くなれると思います」
「えっと、あの人はどういう人なんですか?制服を着てないしうちの生徒じゃないですよね?」
「そうですね。なぎ君はうちの2年前の卒業生で今は大学2年生です。祠堂さんと入れ違いで卒業してしまったので知らないと思いますけど、3年生の時は生徒会長をやってたんですよ」
「なるほど、そうだったんですね」
とりあえず男の素性は分かったので返事をする圭、しかし学生ではない彼が行動を共にしている理由や銃を持っている理由がまだ不明である。それゆえ完全には警戒を解くことができない圭に慈は困ったような表情を浮かべると口を開いた。
「なぎ君に関して不安に思う気持ちは分かります、でもあの子の格好とかはちゃんと理由があっての事なんです。それについて私が話すのはちょっと筋違いですし、それに話すと長くなってしまいます。あなたが言っていたお友達の無事が確認できればなぎ君自身から離してくれると思います。だから、それまでなぎ君を信じてくれませんか?」
そう話す慈の表情は真剣であり、彼のことを心から信頼していることがうかがえる。それを見た圭は少なくとも彼が
(先生がここまで言うんだから信じてもいいのかな、美樹のことも助けてくれるって言ってたし……うん、きっと大丈夫。そもそもあの人たちが来てくれなかったら私はあそこでお終いだったんだし、なら信じてみるしかないか)
そう判断した圭は改めて慈への返答を口にした。
「こちらこそよろしくお願いします、佐倉先生。それと、助けに来てくれてありがとうございました」
「………」
圭の言葉を聞いた慈が固まった。
「今のもう一回言ってください」
「今の?助けに来てくれてありがとうございました」
「その前です」
「こちらこそよろしくお願いします?」
「そのあとっ」
「えーっと、佐倉先生?」
「……(パァァッ)」
いきなり聞き返してきたと思ったら今度は満面の笑みを浮かべる慈に混乱する圭、何度か呼び掛けても反応は返ってこないが耳を澄ましてみると小さく呟く声が聞こえてきた。
「先生って、佐倉先生って呼んでもらえました。いつもそう呼んでって言ってるのにみんなめぐねえめぐねえってばかりで全然先生って呼んでくれなかったのに今日はちゃんと呼んでもらえました~」
「えぇ……」
圭は呆れてしまった。笑みとともに「えへへ~」と声が出てしまっている様子はとてもじゃないが教師には見えない、近所のダメなお姉さんといった感じである。
「おっ、めぐねえがトリップしてる(ヒョコッ)」
「うわぁっ」
耳元でいきなり声がして驚く圭、振り返れば凪原が後部座席から身を乗り出していた。後部座席に目を向けると、いつの間にかじゃれ合いは終わっていたようで、他の面々も運転席の慈をのぞき込んでいた。
「え?あ、ホントだ。どうしたんだ?」
「先生って呼ばれたのが嬉しかったみたいよ」
「なるほど、めぐねえはいつもめぐねえって呼ばれてるからね~」
「うにゅ?めぐねえはめぐねえじゃないの?」
「そーだよなー、めぐねえはめぐねえだよなー」
「違いますっ!」
「うわっびっくりした、いきなりでかい声出すなよめぐねえ」
いきなり覚醒した慈に文句を言う凪原だったが、当の慈はそんな非難などどこ吹く風でプリプリと怒ったように口を開く。
「佐倉先生ですっ、最近はスルーしてましたけど今日は言わせてもらいますよ。ちゃんと佐倉先生って呼んでください、みんなは祠堂さんを見習うべきですっ」
「「「了解、めぐねえ」」」
「もーっ!」
話を聞く気ゼロの皆に怒りの声を上げる慈、それでもハンドルから手を離さないのは教師としての意地なのかもしれない。それでもめげずに先生と呼ばせようとする慈だったが、その声を笑いながら流す凪原たちの前では効果は薄いようである。
「(クスッ)」
その様子に圭は小さく噴き出してしまった。彼等を見ていると自分が感じていた不安が小さくなっていくのを感じる。皆の顔には笑顔があり、悲観している雰囲気はみじんもない。
その様子を見るうちに、圭は自分の中で
(こりゃあたし結構追い詰められてたかなぁ、でもそれもお終い。こっからは今まで通りのあたしでいくよ)
心のどこかで諦めてしまっていた
「もうっ、祠堂さんからも先生って呼ぶように言ってあげてください」
そんな圭の様子に周りは気づいていなかったようで、業を煮やした慈がヘルプを求めてきた。しかしパンデミック前は愉悦派で通っていた圭。調子を取り戻した今ではどう答えるかなど決まっていた、ニコリと笑って口を開く。
「まぁそれだけ皆に慕われてるってことなんじゃないですか、めぐっち先生?」
「祠堂さん⁉」
唐突に誕生した新しいあだ名に目を白黒させる慈。
一方でそんな圭の様子を見た凪原はニヤリと笑う。どうやら
「めぐっち先生か、いいあだ名付けるじゃないか祠堂さん」
「ありがとうございます。あと圭でいいですよ、凪先輩」
パンッ、と小気味よい音を立ててハイタッチ。何やら通じ合うものがあったようですぐに打ち解けた。
「このまま、
「了解しました~」
そのまま打ち合わせを始める2人。慈の「2人ともお説教ですよっ⁉」と言う言葉を右から左に聞き捨てつつ、リバーシティ・トロン内部の状況について情報共有をしていく。
(美紀、すぐ助けに行くからあと少しだけ待ってて。絶対、絶対大丈夫だから)
そう内心でつぶやく圭の胸には、つい1時間ほど前には無かった安心感が宿っていた。
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「それじゃあリバーシティ・トロン内部に入るにあたっての作戦を説明するぞ」
「「「はーい(はい)(了解)」」」
凪原の言葉に返事をする一同。
圭を加えた学園生活部の一行はリバーシティ・トロンへと到着していた。休日であれば多くの家族連れの車で混雑する駐車場も、平日の昼間にパンデミックが起こって以降訪れる者もいなくなった今となっては寒々しいほどに閑散としている。
「さて、まずは侵入経路からだけどこれは基本的に圭が脱出してきたルートを逆に辿る予定だ。要するに従業員用のバックヤードの通路や階段を使って最上階まで行く。最上階の5階に着いたらフロアに出るけどここはあいつらの数が少ない、んだよな?」
「そうですよー、最上階だけは避難者全員で何回も確認してバリケードも作ってましたからね。まぁ結局リーダーがゾンビ化しちゃってご破算だったけど……。でもあたしが脱出した時もバリケードは崩れてなかったから新しく入ってきたりはしてないと思う」
話を振られた圭が言葉を引き継ぐ、敬語とタメ口が混ざったような話し方だが彼女曰くこれが素であるとのことなので気する者はいない。彼女が言い終わるのを待って凪原は再び口を開く。
「んで、モールに避難してたのは圭とその友達の
「ま、油断するなってことだ」と言って笑う凪原に胡桃が口を挟む。
「おいナギ、その辺の話はあたし等も一緒に圭から聞いてるんだから知ってるって」
「確認ってやつだよ胡桃。そんなに急ぐとすぐに老k、ごめん俺が悪かった、だから落ち着いてその振り上げたシャベルを下ろすんだ」
ハイライトの消えた瞳でシャベルを構えた胡桃に一瞬で無条件降伏を申し出る。視界の端で圭が笑いをこらえているのが見えたので絶対許さないと心のノートに書き込んで置く。
「ハヤクシロ」
「イエスマム!」
「誰がマムだっ!」
「はい2人ともそこまで、ふざけてないで続きを話して頂戴」
悠里に止められたところで閑話休題、咳ばらいをひとつして話を本筋に戻す。
「コホン、―――それで中に入る順番なんだけど、先頭が俺で前方の警戒とあいつ等がいた時の排除。その後ろで圭に道案内をしてほしいからりーさんが支えてほしい。んで次が由紀とるーちゃん、2人で手をつないで離さないように。めぐねえはその後ろで2人を見てて、余裕があれば周りの警戒もお願い。最後尾は胡桃で後方の警戒、俺らが通ったからといって油断しないように。―――って感じで行こうと思うんだけど、なんか質問とか意見とかあったりする?」
「うーん、まあそれでいいんじゃないか?」
「そうねそれが現実的だと思うわ」
「私も問題ないと思いますよ」
上から胡桃、悠里、慈の反応である。その他の面々を見ても特に不満のある人はいないようなのでこの隊列で突入することになり、7人は電気が消えたせいで洞窟のように見えるモール内部へと踏み込んでいった。
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建物に侵入してからおよそ30分、モール内の攻略は順調に進んでいた。
バックヤードにはほぼゾンビがおらず足を止める必要がない。とはいえ所々にはゾンビが潜んでいるのだが―――
「アアァァァ(フラフラ)」
「お、また出てきた。やっぱ明かりにも釣られるんだな」
「そうみたいだね~」
―――隊列中央の由紀が掲げているランタンの明かりに反応し、うめき声を上げつつ自分から出てきてくれるので先頭で9ミリ拳銃を構えた凪原に簡単に始末されていく。
「それにしてもさっきから私服姿のヤツばかりね、従業員はいなかったのかしら」
悠里の呟いた疑問は皆が先ほどから感じているものだった。モールに入ってからというもの出てくるゾンビは私服姿のものばかりで従業員の制服を着ていたものはほとんどがいなかった。
「あーそういえば、あの日異変が起きた直後ぐらいの館内放送で従業員も事前の練習通りに直ちに非難するように~みたいなこと言ってた気がしたような」
「それはまた……従業員の安全を第一にする優良企業と言うべきか」
「あるいは、客を放置する接客業における最低の行為ね」
当時のことを話す圭の言葉にそれぞれの感想を述べる凪原と悠里、どちらの内容にもとりあえずの筋は通ってる。その話を聞いて、慈が何か思い出したように口を開く。
「そういえばこのモールってランダルコーポレーションが経営してましたね。お客さんからの評価は普通ですけど福利厚生が充実してるから社員からの評判はいいって聞いてましたけど、こういうことだったんでしょうか」
「ほーん、そうなんだ。結構来てたけど知らんかったわ」
「あそこの企業、元は製薬会社なのにいろいろ手広くやってるよなぁ」
「大体どのテレビ見てもCMに出てくるよね~」
警戒は解かないまでも雑談をしながら進むことさらに数分、一行はついに最上階の店舗フロアにつながるドアの前に到着した。
「特に問題なくここまで来れたわけなんだけど、その直樹美紀って子はフロアの反対側にある職員用スペースにいるってことでいいんだっけ?」
「そうですね、美樹がそのまま移動しちゃったりしてなければそこにいるはずです」
圭の返答に頷いた凪原はいつもより真剣な表情になって注意事項を伝える。
「了解。それじゃフロアに出るけどこっからは商品棚やら何やらで死角が多い、これまで以上に周りに注意して何か気づいたららすぐに知らせてくれ、ただし大声は厳禁、必ず小声で頼む。あ、あとランタンの明かりは最小限にして、どこまで光が届くか不明だから周りがかろうじて見えるくらいでいい」
皆が了承の意思を示し、由紀がランタンの光量を絞る。少し待ち目が暗さに慣れたところで静かに扉を開き、一行はフロアの中へと入っていった。
みーくん出したかったけどそこまでいかんかった
圭ちゃんのとこに思ったより文字数が掛かってしまいました……ユルシテ
圭ちゃんは愉悦派、原作にて「生きていればそれでいいの?」というシリアス全開の名台詞(?)を言った時は閉塞感で追い詰められていたから―――ということにしました。普段は面白そうなことがあれば首を突っ込みに行く元気な子なんです(願望)。もし凪原と同じ時期に巡ヶ丘学院に居たら生徒会入りしてたかも?
………はい、すべて筆者の趣味です。
最後にちょろっと出てきたランダルコーポレーション、社員を優先する企業の鏡にして客を見捨てる接客業のクズ。
リーダーさん達が少し減らしたとはいえ暗くて入り組んだ店内を圭が1人で脱出するのは無理があるじゃないかなーと思案した結果、こうすれば一応筋は通るんじゃないかと。
そしてそこを逆に辿れば最速でみーくんのところに行けるのではと考えた結果このタイトルになってしまいました。
次はちゃんとみーくんが出ますのでお楽しみに~
それではまた次回!
PS.
めぐねぇをめぐっち先生って呼ぶキャラがいてもいいと思うんだ。たまに違う呼び方されるとめぐねぇがあたふたしてりして見てて可愛いと思うんだ