学園生活部にOBが参加しました!   作:逢魔ヶ時

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今日から第6章、大学編スタートですよ!

…………執筆が遅れて投稿20分前まで書いてたとか言えない。


第6章:大学〈接触〉編
6-1:手錠で始まる日常


 ガチリ

 

 目を覚まし、ベットから立ち上がろうとした凪原の動きは何かによって妨げられた。

 寝起きのためまだあまり動いていない頭で違和感を感じた右手首へと視線を向ければ、金属製の輪が目に入る。

 手首にはめられた輪からは短い鎖が伸び、もう一端の輪はベットのフレームにはめられていた。

 

 要するに、凪原は手錠でベットに繋がれていた。

 

「………あーそういやそうだったか」

 

 しかしそのような状況に全く動じることなくたった一言で済ます凪原。

 自由な左手で頭を掻くと、そのままベットレストについた引き出しから鍵を取り出して解錠した。

 

「おいっすー、ナギ起きたか―――ってなんで俺の顔見るなりため息ついてんだよ」

 

 手首についた跡を消そうと揉み解していると照山が部屋に入ってきたが、彼の姿を見るなりため息を吐いた凪原に挨拶もそこそこに非難の声を上げる。

 

「別に、ただ朝起きて一番に見るのが美少女じゃなくてむさい野郎だということにがっかりしただけだ」

「起きて早々に喧嘩売ってんのかお前は!?」

 

 理不尽な物言いにキレる照山だったが、凪原はまともに取り合わずめんどくさそうに手を振って応じる。

 

「喧嘩も何も、純粋なる事実だろうが。起きて最初に見るのが野郎か美少女かだったら後者の方が確実に1日のやる気が出るだろうに。それが胡桃だったらなおよし」

 

 動じることなく言い切る凪原に照山も呆れ顔になる。

 

「お前ほんと変わったな、男女構わずに面白きゃいいって感じだったのに。これが彼女の力ってやつかね」

「別に変っちゃいねえよ。そっちこそどうなんだ?ハヤと2人っきりでの大冒険、さぞかしドキドキしたんじゃねぇの?」

「だから何回も言ってるけど俺は別にあいつにどうこう思ってるわけじゃないからな!?」

 

 両手を広げて力強く弁明する照山を完全にスルーし、凪原は体温計をわきに抱えていた体温計の表示を確認する。

 

「テルの恋路については置いておくとして――29.3度。安定してるっちゃ安定してる、か?」

「流すなっての……。ま、悪化はしてないみたいだな」

 

 感染発覚からしばらく、凪原の体温は正常とは程遠い温度のまま推移していた。

 

「一応聞くけど体調は?」

「どこもかしこも異常なし。体もしっかり動くし意識も明瞭、低体温による肌寒さとかもないな」

「見た目もやや色白って程度だしな」

 

 照山の問いに体の各部を動かしながら答える凪原。

 その様子は照山の目から見ても問題なさそうで、実際に体温が低いという事実さえなければ感染の有無は分からなかった。

 肌の白さにしても注意して見ればという程度であり、低体温症患者のように青白い肌に紫色の唇などということもない。

 

「にっしても訳分かんねぇ状態だよな。感染してんのはほぼ間違いないのに転化してないし、打ったワクチンが効いてるにしては明らかな異常が出てるし。ナギだけならそういうこともあるかって納得できるけど恵飛須沢さんもだからなぁ、どうなってんだよ?」

「んなこた俺だって聞きたいっての。あと俺を変なことがあっても不思議じゃないくくりに入れるな。仮に俺が入るならお前も入るだろうが、しれっと自分は違うみたいな雰囲気を出すな」

 

 半目となる凪原だったが、照山はそれを意に介することなく「ともかく、」と口を開く。

 お互いに相手のことは分かっているし、まして2人は男同士。この程度の軽口や掛け合いはごくごく普通のものだ。

 

「もうしばらくは恵飛須沢さんと一緒に様子見しとけ。俺とハヤも来たし、めぐねえを筆頭にいい人ばっかなんだから多少休んだところで文句は言われないだろうよ」

「あいよ」

 

 てきとうな調子ながら確かにこちらを心配していることが分かる言葉に、凪原は肩をすくめながらそう答えた。

 

 

 

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「「暇だ(な)」」

 

 朝食を終えた後のリビングにて、凪原と胡桃の声がきれいに揃った。

 向かい合わせに置かれたソファーの一方では凪原が思い切り寄りかかっていた背もたれから体を起こし、もう一方では胡桃が寝っ転がって足をパタパタさせながら漫画を読んでいた胡桃がパタリと冊子を閉じる。

 

「なにもするなって退屈過ぎるだろ、これでまだ半分以上残ってるぞ」

「ほんとにそうだよね、あたしももうすることなくなっちゃったよ」

 

 そう愚痴る2人は感染を照山と早川に指摘されたうえで他のメンバーにばらされ、さらに加えて身体能力の向上を黙っていたのも白状させられ、メチャクチャに怒られた。

 さらにその上で翌日から2週間の完全休養を言い渡されることとなった。

 

 ゾンビが蔓延るようになった現在において生きるためには毎日必死に働かねばならないというのが当然であり、むしろ働かなくて良いなどと言われたら喜びこそすれ残念がるなど普通ではない。

 とはいえそこは普通の範疇から思い切りはみ出している凪原と、それに感化されつつある胡桃である。動けないという現状に不満こそないものの多少の居心地の悪さを感じていた。

 

「第一訓練もだめじゃさ、2週間経ったら体鈍っちゃうじゃん」

「まぁ体力に関しちゃ多分落ちないんだろうけど、勘は絶対鈍るよなー」

 

 元運動部らしい胡桃の発言に、凪原は前回の休養期間明け(4-1)のことを思い出しながら答える。

 以前は2週間ほとんど動いていなかったにもかかわらず運動神経は向上していたのだ。これが感染による影響だと考えるならば、感染が進行したと思われる今なら更なる能力の向上すら起こるかもしれない。

 しかし、それと戦闘時の勘というものは別物である。こちらは実戦を経験し続けることでしか維持できないのだ。

 

「でしょ?だから内緒で訓練しない?外には出ないにしても組手くらいならさ―――」

「あー…、頷きたいのはやまやまなんだけど」

 

 声を潜めて提案する胡桃だったが、言いにくそうな顔をした凪原に途中で遮られる。そして遮ったのに最後まで言い切らない凪原に胡桃が首をかしげたところで、彼女の背後、すなわち凪原の視線が向く先から声が掛けられた。

 

「なぎ君も胡桃ちゃんも、ちゃんと、休んでくださいね。こっそり、働いてたり運動したら、お説教ですよ?」

 

 少し離れたテーブルで朝食に使った食材を帳簿にまとめていた慈がニッコリと、それはもうニッコリと笑いながらこちらを向いていた。

 穏やかな口調ながら、短く区切られたその言葉からは彼女の気持ちを容易に推察することができる。背後に浮かんだ阿修羅が目に見えるようだ。

 

「ひぇ…」

「りょ、了解めぐねえ。んじゃ俺等は部屋に戻って休んでるから」

「分かりました、まだすこしありますけどお昼ご飯になったら声を掛けますね」

 

 その迫力に思わず声を漏らした胡桃、彼女に代わって凪原がそう答えれば慈は変わらぬ笑顔で応じてくれた。

 

 

 

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「―――で、怖くなって逃げてきたと?」

「しゃーねーじゃん、あの状態のめぐねえの圧がすごいのは知ってるだろ。俺はともかく胡桃には難易度が高いっつの」

 

 照山の言葉に仏頂面で応じる凪原。

 その傍らではようやく一心地つけた胡桃が安堵のため息をついていた。

 

「初めてめぐねえの顔が怖く見えた」

「なんでめぐねえが31代生徒会(俺等)の担当教員だったか分かったか?」

「うん、よく分かった。あれは怖いよ」

 

 以前は生粋の問題児といっても過言ではない凪原がどうして慈には逆らえないのか疑問に感じていた胡桃だったが、その理由を身を持って体感させられた。

 

「にしてもめぐねえそんなヤバかったのか?いくら初見っつっても恵飛須沢さんのビビり方がすごいんだが」

 

 未だプルプルと小さく震えている胡桃の様子に照山が首をかしげる。

 

「えーっと、校舎の階段をウォータースライダーにした時くらいの感じ」

「オッケー把握した。初見であれは辛いわ」

 

 凪原の返答に、照山は即座に納得の表情を浮かべた。

 いつもであれば「なんでそんなことやってんだよ」というツッコミが入るところだが、担当の胡桃がダウンしているため誰からもツッコミが入ることは無かった。

 

 

 閑話休題。

 

 

「それで、お前は銃の整備か」

「おう、定期的に手入れしてやらないとすぐ壊れちまうだろうからな」

 

 照山が座るデスクの上には複数の銃器が並べられていた。言うまでもなくすべてが実銃である。

 何となく一丁を手に取った凪原だが、すぐにこの銃がどの組織に配備されたものかを思い出し表情が険しくなる。

 

「MP5-JにH&KUSPってこれ銃対の装備だろ。どこで手に入れたんだよ、状態もいいみたいだし―――まさかとは思うけど、ヤッてないよな」

「なわけねえだろ」

 

 銃対すなわち銃器対策部隊、いわゆる警察の機動隊が持つ銃だったために確認したが、幸い危惧したことはないようだった。

 

「避難民が押し寄せて一瞬で崩壊した警察署からパク、借りてきた。中はあいつ等だらけだったからマジであのゲームの世界みたいだった」

「思ったより無茶してるな」

 

 明らかに聞き流していい内容ではないが、凪原にとってはそうなのかの一言で片付くことなので気にしない。

 手にしたMP5を構えたり、弾が入ってないのを確認したうえでマガジンの着脱を行ってみたりと感触を確かめる。それが終わると今度はUSPを手に取って同様に動作を確認する。

 今のところはグロックとそのカービンカスタムから切り替えるつもりはないが、いつか命を預けることになるかもしれないものだ。念入りにチェックして悪いということは無い。

 

「ねー、照先輩。こっちに置いてある銃は何なの?」

 

 その一方で、ようやく復活した胡桃は照山に声を掛けていた。その視線は机の端に置かれている拳銃に向けられていた。

 

「それはP230、正直使えないからどかしといたんだ」

「えっ壊れてるの?」

「いや壊れてるってわけじゃないけど、まあ見せたほうが早いか」

 

 そう言うと照山は2つの弾丸を取り出して胡桃へと見せる。

 

「これが9ミリパラベラム弾、MP5とかUSPはこの弾を使う」

「うん、あたしとナギが使ってる銃もこの弾だね」

「まあ世界的にメジャーな弾だからな。んで、こっちがP230に使う.32ACP弾。威力が低い上に弾がほとんど確保できなかったからそうそう使えないんだわ」

「ふーん」

 

 渡された銃弾を見比べる胡桃に代わって、今度は銃のチェックを済ませた凪原が口を開いた。

 

「よくP230なんてレアな奴置いてあったな。皇宮警察かSPがメインじゃなかったっけ?」

「まあ指揮官用かなんかだったんじゃねえの。俺としては置いてきたかったんだけどハヤが珍しがってな」

「あいつのミリタリー好きは相変わらずか」

 

 ミリタリー好きには男が多い印象だが、別に男しかいないわけではない。数は少ないものの女性にもコアなファンは一定数おり、彼等の同期の早川もその1人であった。

 銃が好きだったりゾンビパンデミックに向けての準備に本気で取り組んでみたりと、なかなかにマニアックな趣味をしているが現在は非常に役立っているわけで、結果的に見ればいい趣味だったと言えるのかもしれない。

 

「あれ、そういやハヤは?」

「今外、なんか直樹さんと祠堂さんに稽古つけるって言ってたぞ」

 

 模擬戦やるって言ってたから見てきたらどうだ、という照山の提案をうけ、凪原と胡桃は様子を見に行くことにした。

 決して作業の邪魔だからと追い出されたわけではない。

 

 

 

====================

 

 

 

「お、凪原君に胡桃ちゃんじゃん。どうしたの?」

「こっそり訓練とかしに来たんじゃないでしょうね。まだしばらくは安静にしてなきゃダメよ」

 

 梯子を上って屋上に出た2人に悠里と葵から声が掛けられた。

 葵が純粋な質問なのに対し悠里の声には疑念の色が含まれているあたり、付き合いの長さが表れていると言えるだろう。

 

「ちがうちがう、散歩みたいなもんだって」

「ハヤが美紀と圭に稽古をつけてるって聞いたからその見学にな。りーさん達は見た感じ種まきか、何植えるんだ?」

 

 凪原の言葉の通り、悠里達2人はガーデニング作業を行っていた。

 どうやら早川と照山が合流する前に作った屋上菜園2号が今日から本格稼働するらしい。 

 

「ええ。とりあえず小松菜にそら豆、あとはかぶを植えるつもりなの。そら豆はしばらくかかるけれど、後の2つは一月くらいで収穫できるはずよ」

「かぶかー、あたしお吸い物がいい」

「葉っぱも意外においしいんだよな」

「はいはい、収穫できたら作ってあげるから、しっかり休むのよ」

 

 お母さんのようなことを言ってくる悠里に手を振って別れ、今度は外壁についた梯子を伝って地面へと降りる。

 建物の正面へと回ればそこにはいくつかの人影があった。

 

 

「無駄無駄無駄無駄ァ!」

 

 

 そして、早川が圭のたんぽ槍と美紀の模造山刀による猛攻を哄笑しながら模擬ナイフ1本で捌いていた。

 

「よし、異常なしだな。戻るぞ胡桃、外寒いし」

「あたしが見た感じ異常しかないと思うんだけど?」

 

 何事もなかったかのように回れ右しようとした凪原の肩を掴んで止める胡桃。

 

「あれ見て驚かないのかよ!?美紀の山刀は始めたばっかにしても圭の槍はナギでも捌くの難しかっただろ、なんで早川先輩は普通に捌けてんだよ」

 

 胡桃の声が聞こえたのか、少し離れたところで3人の模擬戦を見ていた人物が凪原達に気付いたようだ。

 

「ゆーにいにくーねえ、いらっしゃいなの~」

「胡桃ちゃん達も来たんだ、それにしても早さんってすっごい強いんだね」

「おーう、暇だったから様子見にな。あれはまあ、ハヤだからな」

 

 駆け寄ってきた瑠優(るーちゃん)の頭をなでつつ、再び模擬戦をする3人に目を向ける凪原。視線の先では先ほどまで防御に徹していた早川が動きを攻撃へと転じさせていた。

 リーチの短いナイフを使っているにもかかわらず、的確な踏み込みや体のひねりで持ってやすやすと圭達の懐に踏み込んでいる。

 

「ハヤは31期(俺等)の代の中でも身のこなしは頭一つとびぬけてたからな。純粋な身体能力なら今の俺よりもまだ上だろうし、白兵戦じゃ勝てる気がしねえよ」

「ほへ~凪さんでも勝てない相手なんているんだね」

「ナギでも十分バケモノなのに上には上がいるもんだな」

 

 感心したような呆れたような口調の胡桃だったが続く凪原の言葉に目を丸くすることになる。

 

「何言ってんだ、胡桃だってもう体力と体の動かし方は俺とほぼ同レベルからな?」

「え、そうなの!?」

「そうだよ」

 

 食い気味の肯定に思わず沈黙する胡桃。その横では由紀と瑠優(るーちゃん)が「すごいすごい」と目をキラキラさせている。

 

「まあやりあったらとしたら経験とかの差で俺が勝つとは思うけど、胡桃はもっと自分に自信を持っていいと思うぞ―――っとあっちも決着がついたみたいだな」

 

 凪原の言葉に3人が模擬戦の場に視線を戻してみれば圭と美紀が倒れ込み、それを見下ろしている早川の姿があった。

 

「ああ見逃しちゃった、最後どうなったの?」

「ハヤが一気にしゃがみ込んだ後に限界まで右足を伸ばしての足払い。上半身に意識がいってる状態であれ喰らうとマジで対応できないんだよな」

 

 由紀に解説をしていると、凪原がいることに気付いた早川が声をかけてきた。つい先ほどまで激しく動いていたのに既に呼吸も整っていることからも彼女のレベルの高さをうかがうことができる。

 

「あらナギじゃない、どう?久しぶりに一戦やらない?」

「いややめとく。ハヤと模擬戦やったなんてめぐねえにバレたらヤバい」

「あー…確かにそうね。せっかく卒業したんだからもうめぐねえのお説教は受けたくないわ」

「(ハヤの性格上何かしらやらかすのは時間の問題だろうけどな)」

「なんか言った?」

「いや別になにも、にしてもやっぱりうでは落ちてないみたいだな」

「当然よなんせ―――」

 

 そのまま会話を始める生徒会役員2人の傍で、胡桃達は圭と美紀にねぎらいの言葉を掛けていた。

 

「2人ともおつかれ、はいタオル」

「おつかれさまなの~」

「ありがと。あ~最近は凪先輩ともそこそこやりあえるよになったから2人がかりならいけると思ったんだけどな~」

 

 未だ起き上がる体力のない圭は地面に横たわった愚痴っており、何とか体を起こした美紀も立ち上がる気力は無いようで座り込んだまま。

 

「前に屋上で鬼ごっこした時を思い出しました」

「うんまあ早川先輩にはナギも勝てないみたいだし、しょうがないんじゃない?」

「どんなバケモノですかそれ…」

 

 胡桃の言に思わずといった感じで言葉が漏れる。

 

「はいそこ聞こえてるよー、うちだって何人かに囲まれたらあっさりやられるからね」

「何人で掛かっても勝てる想像がつかないよ早先輩」

「そうでもないぞ?ハヤだって憲兵隊が出てきたら逃げてたし」

「いや~いくら憲兵だって………けんぺい?」

 

 耳慣れないワードに圭の凪原への返答が途中で止まった。

 

「けんぺいって、憲兵?」

「おう」

「あ~そういえばいたね、憲兵さん」

「どうして学校に憲兵がいるんですか?…いや何となく分かりますけど」

 

 理由は想像できるものの聞きたくない、といった様子の美紀に答えるのは胡桃だ。

 

「多分が美紀が想像してる通り。ナギ達生徒会とかあと他にもやらかした先輩達を捕まえるための組織だよ。31期の先輩のうち真面目で運動できる人達で構成されてたみたい」

「凪さん達が3年生だった1年間しかなかったけどね」

「そうでしょうね…」

「そんなのを組織しないとダメって31期の先輩たちはどうなってたのさ…」

 

 もはやあきれ返ってしまった34期の2人(美紀と圭)を尻目に、31期きっての問題児2人(凪原と早川)は暢気に思い出話に花を咲かせていた。

 

「いや~なかなかやり手が多かったよな憲兵隊」

「集団での包囲は抜けるのに苦労したわね。あと隊長のサイドテールにしてたあの子、いつも隊長って呼んでたんだけど名前なんだっけ?」

「あー…、えーっと……―――たしか()()じゃなかったか?」

「ああそうだ()()()ちゃんか!元気してるかしらね」

「ま、死んでるってことはないだろ。あいつも結構強かったし」

 

 




章初め恒例日常回です。キャラが増えてきたので全員登場させるのが大変でした……
さて、投稿予定時刻まであまりないので今週の解説コーナーに参りましょう。


手錠
原作では2巻から登場したアイテムですが、本作ではやっとの登場になります。鍵が本人の手元にあるのは「起きて自分で外せるな発症はしてないし、ヤバそうなら外さないだろ」という信頼の現れ。ちなみに胡桃の毎朝のチェックは基本的にりーさんの担当。

照山たちが持ってきた銃
5-10の最後に聞こえたフルオートの発砲音はMP5のものでした。銃器対策部隊は日本警察の最後の砦ですからこれくらいの装備は持っています。文中には書きませんでしたが防護服やプロテクター、ライオットシールドなども持ってきています。

屋上菜園part2
りーさんからのつよい要望で実現。曰く「栄養を考えたら野菜はどうしても必要なのよ」とのこと。

早川
近接オバケ、感染により身体能力が向上した凪原でも勝てません。多分スタントとかも普通にこなせる。


そんなわけで第6章がスタートしたわけなんですがここで連絡があります。筆者なんですがこれから数ヶ月間猛烈に忙しくなります。恐らくこの前忙しいって言ってた時の比じゃないレベルです。
なので申し訳ありませんが毎週更新はできなくなると思います。読者の皆様には申し訳ありませんが、気長にお待ちいただけると幸いです。

エタることだけは無いと思いますのでどうかこれからもよろしくお願いします。


それではまた次回!

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