鈴木善治の昔話   作:あずきシティ

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こぶとり善治さん

昔むかしあるところに鈴木善治という男がいました。彼は顔に大きなこぶがありました。

「このこぶ醜いよなぁ……うまく取れたらいいんだが……さすがに自宅の鎌でスパッと刈るわけにはいかないよなぁ……」

そんな風に思いながら、彼はいつものように山へ芝刈りに行きましたとさ。

 

めでたしめでたし。

 

「終わるな!!」

 

 

と鈴木善治からツッコミが入りましたので、やっぱり続きます。

 

彼は今、ツッコミを入れた時うっかり足を滑らせてしまいました。そして転倒して意識を失います。

数時間後に目を覚ましましたが、間が悪いことに雨が降り始めました。

 

「やっべ……どっかで雨宿りを……!」

鈴木善治はたまたま近くにお堂があり、そこに避難しました。お堂の中は薄暗く誰もいません。

「おじゃましまーす。……って誰もいないのか。とりあえず……」

彼はお堂の隅っこで一息つきます。

「雨止まないなぁ……」

数時間ほど待っていた鈴木善治でしたが最終的には雨は止まずに居眠りしてしまいました。

 

 

 

「……!やべぇ……寝ちまったぜ……」

 

鈴木善治が目を覚ますと、なんと鬼が周りを取り囲んでいました。

「おっ!やっと起きたぜ……」

鬼も気づいたようで鈴木善治は大変、怖く思いました。いつからいたのか、最初から気づいていたのか、逃げることは出来るのか、もしかして取って食い殺されるのではないか、と様々な不安が頭をぐるぐると回り始めます。そして鬼が次にどういう行動に出るのか注視していましたが、こう着状態に陥ってしまいました。

しかし、このままではよからぬことになりそうだと感じた鈴木善治は、異文化コミュニケーションの基本は挨拶であると思い出し、思い切って挨拶をしてみました。

「おっ……お邪魔しています……」

「邪魔すんねんやったら帰って!!」

このどっかで聞いたことのあるボケを入れられました。鈴木善治はボケなのか本気なのか迷いましたが、外は未だに土砂降りで帰るまでに遭難しそうな勢いであったことからイチかバチかでツッコミを入れることにしました。

「はいよー……ってなんでやねん!外土砂降りやないか!」

「おぉ!ナイスツッコミ!!こんないい定番のツッコミしてくれる奴、ひさびさや!!」

鬼たちは普段、逃げられるたり恐れられることが多いため、人間と話すことも少なく、鈴木善治のド定番のツッコミに大変、喜びました。

 

そしてその後は、鬼たちが酒を飲み、歌って踊り大宴会となり鈴木善治も、内心は怖くなりながらも、その場にあわせて楽しそうな雰囲気でやり過ごしました。

オールでカラオケ大会となり、夜が明け朝になりました。

鬼たちは鈴木善治に金銀財宝をプレゼントしながら言います。

「お前のおかげで、今日はおもろかったわ!これは礼や!また今晩も来いよ!また来るように、その顔面のアクセサリーは預かっとくからな!」

そう言うと鈴木善治の顔面のこぶを取り上げてしまいました。

 

内心、恐怖でいっぱいだった鈴木善治はやっと開放された安心感と、こぶが取られ本来のまぁまぁ整った顔になったという達成感から、二度と鬼のもとには行かないと決意します。

 

 

しかし、鬼には「また来い」と言われており、それを無視するのも怖かった鈴木善治は奇策に打ってでることにします。

 

彼はバイト先のワクドナルドで自腹でビックマックセットを軽減税率のテイクアウトで買います。

そしてそれをUbaber Eatsに配達させることにしたのです。

「どうも~お世話になってます~Ubaber Eats配達員の水原です~」

「お世話になってます。ワクドナルドの鈴木です。これをこの住所まで配達お願いします。あと『鈴木善治の代理です』と伝えてもらえますか?本当は俺が行かなきゃならんかったんですが、ちょっと事情があっていけなくなったんすよ」

「分かりました!鈴木善治さまの代理とお伝えですね!」

「よろしく頼むよ」

こうして、鈴木善治は配達員を鬼の元へ向かわせました。

 

 

 

この後、鈴木善治は鬼から追われることもなく、平和に暮らしましたとさ。

 

 

めでたしめでたし

 

 

 

 

「そういえばあの水原さんって配達員見なくなったなぁ……やめたのかなぁ……」

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