鈴木善治の昔話   作:あずきシティ

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原作はシンデレラです。
日本の昔話以外からでも持ってきますよ~。


シンデレラ

昔、むかしあるところにシンデレラという美少女がいました。彼女の母親は不幸にも亡くなってしまい、父親は再婚しましたが、その再婚相手と連れ子はとてもひどい人格の持ち主でした。

父親がブラック企業勤務で家にほとんど帰らないことをいいことに、家事はすべてシンデレラに押し付け、遊びたい放題だったのです。

「シンデレラ!ここに埃が残って……」

「ません。ツヤツヤのピカピカの拭き上げています。」

「くっ……」

シンデレラは持ち前の胆力で抵抗していましたが、それでも裏から行われる嫌がらせまではどうしようもできませんでした。

ある日、自宅から少し離れたお城で王子様が舞踏会を開くことになりました。

未婚の女性が招待されており、シンデレラの家にも連れ子と合わせて2人分の招待状が届きました。

しかし意地悪な再婚相手はこれをシンデレラに見せず、まさかの自分が舞踏会に参加することにしたのです。

「では舞踏会にいってまいりますね」

「舞踏会……?」

「あれ?言ってませんでした?まぁもう時間なので」

そう言うと再婚相手と連れ子は舞踏会に向かいました。

舞踏会そのものにそこまでの興味は無かったものの、明らかに、はみごにするような仕打ちにシンデレラは非常に悔しく思い、打ちひしがれてしまいました。

そこへ魔法使い水原が出現しました。

「やぁやぁお嬢さん、とってもお困りのようだね」

突然現れた怪しい水原をシンデレラはとても不審に思います。

「なんですか?魔法使いって……?とりあえず不法侵入で警察呼びますよ?」

「ちょっちょっちょっと待って!警察はやめて!ただの魔法使いだから!」

「はぁ……」

若干、憔悴していたシンデレラは通報する元気もあまりないため、仕方なく魔法使い水原の話を聞きます。

「舞踏会に行くのをハミられてツラいんでしょ?」

「はぁ……」

「なので私の魔法で舞踏会に連れて行ってあげよう!と思いまして」

「はぁ……」

どうせ不審者の戯れ言だと思っているシンデレラは反応も薄めです。

「で、どうするんですか?」

「まずは……ほい!瓦町FLAGで買ってきたドレス。これでドレスコードは大丈夫。」

「はぁ……魔法じゃなくて普通に紙袋から出てきましたけど?」

「だって買ってきたんだもん。そりゃ紙袋から出てくるでしょ。あとは……」

「招待状とかありませんよ?カボチャの馬車でも用意するんですか?」

「いえ。あとはこの楽器ケースに入ってください。僕が台車に載せて運びます。」

「楽器ケースって……大丈夫?」

「ちゃんと呼吸出来るように穴は開けていますので大丈夫です。」

「そうじゃなくて……」

「あと時間があまりないので箱の中で着替えてください。10秒前になったらバスタオル投げ込みますんで」

「昭和のバラエティー番組か!……まぁとりあえずそういうことならお城にいきましょうか……」

こうしてシンデレラと魔法使い水原は舞踏会が開かれるお城へと向かいました。

 

魔法使い水原は配送業者に扮して城に突入します。

「お届けものですー」

「はーい、中身は?」

「楽器でーす。」

「楽器かぁ~X線検査はじゃあ要らないな。ヨシ」

城の守衛はシンデレラが入った箱を特に検査もせず、そのまま通しました。

そしていよいよ舞踏会のやっているホールの近くに着き、シンデレラは箱から放出されました。

「魔法使いと言いながら一切、魔法を使わないから心配だったけど、無事に着いたわ。ありがとうございます。」

「なんか余計な一言二言あったけど……まぁいいや」

「では、行って参ります。」

「の前にシンデレラさんよ。12時、夜の12時には必ず……」

「はいはい分かりました。」

「ではお達者で!」

軽い挨拶を交わし、シンデレラと魔法使い水原は別れました。

そしてシンデレラはとても美しく舞踏会では注目の的となり、すぐに鈴木善治王子の目にも留まりました。

王子の鈴木善治は言います。

「俺……じゃなかった。わたくしと踊ってはいただけませんか?」

「いいですよ王子さん」

こうして王子の鈴木善治とシンデレラは踊り狂い楽しい時間を過ごしました。

しかし、しばらくすると、なにかのきしむ音が聞こえてきました。シンデレラは気付きます。

「あ、いけない。もう12時……」

そう呟きましたが、諸般の事情から良縁に恵まれず、この機会をものにしたい鈴木善治の耳には届きませんでした。

 

「あら!こんな時間!私帰らなくては…」

今度はハッキリと鈴木善治に言いました。

「姫!お待ちください!」

鈴木善治はシンデレラの名前を聞き取りすらしていなかったため、とっさに姫と呼びました。が、12時が迫っていたためシンデレラは軽く謝りながらも走って帰ろうとします。

 

鈴木善治はきっとシンデレラがかぼちゃの馬車で来ていただろうと想像し、城の外の大通りへ向かいました。

しかし大通りにはかぼちゃの馬車はいません。仕方がないので鈴木善治は王子の権力を使いかぼちゃの馬車を従者に用意させようとしました。

そこにシンデレラが登場します。先回りされたことに軽く引きながらシンデレラは駆け足で王子の前を通り過ぎようとしました。もちろん、鈴木善治はもうすぐかぼちゃの馬車が来るため時間稼ぎのために声をかけます。

「姫!かぼちゃの馬車には乗らないのですか?」

「ええ、金曜日は午前0時便がありますから…」

シンデレラはそう言って鈴木善治の引き止めをガン無視し大通りに面した小さな駅舎のことでん高松築港駅に駆け込みました。

そして鈴木善治は呆気にとられている中、ことでん琴平線の金曜日午前0時便琴電琴平行きは高松築港駅を定刻で発車していきました。

 

後日、鈴木善治は王子の権力を使ってシンデレラの行方を探しましたが、ガラスの靴などの手がかりが一切なく、金曜日午前0時便は瓦町で長尾線・志度線の午前0時便に接続することから沿線と言っても範囲が広すぎる、さらには招待状を持たずに来たことからどこからやってきたかついには特定出来ませんでした。

 

その後、シンデレラは兼ねてから交際していた一般男性と入籍し幸せに過ごしましたとさ。

めでたしめでたし

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