さあさあ、孤島にやってきた。
天気は快晴、気温湿度共にいい感じだ。
「んっ…くぅ…いい空気だ。」
思いっきり息を吸ってみれば、身体の中身を全て入れ替えたような、強烈な爽快感が全身を駆け巡る。
「渓流以上に空気が綺麗なとこってのもあるもんなんだなぁ…」
「ふわぁ♪いい匂い♪」
我々は今ベースキャンプで地図を確認、そして計画を立てている。
「こっちに行った後こっちに…」
彼女は全くもって話を聞いていないようだ、全くもう…
「そんな事より食べ物だよぉ…お腹空いちゃった…」
…おいおい船の中で食ってたご飯はどこ行っちゃったんだよ…
「もうか?一体どんな消化器官を持ってんだ…」
そういって私は気がついた。
そういえば、バンギス装備ってのは素材主と同じくお腹が空きやすくなると聞た事がある。
そのせいでこうもお腹が空くのだろうか?
まぁ、そんな事なら尚更、早く出発した方が良さそうだ。
「まぁ、そろそろ出発だな、着いてこい!」
「はぁい」
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二人の少女の前には、十二分と言える自然の空気、十二分と言える生命力が広がった。
「おぉ...ベースキャンプからは想像できなかったな...こんな風なのか...なんか、凄いな...」
私は、海風に前髪を揺らしながら、その自然に驚嘆の声を漏らしている。
「ふわぁ...気持ちいい...♪」
この子も同様に自然を感じている様だ。
先ずはお腹を満たすとするか、彼女にはああ言ったものの、実は私も空腹を感じてきた。
「じゃぁまぁ...飯、食おうか...肉がいいなぁ」
背伸びをしながらそういえば、少女は食いつく。
「お肉!あの小さくて柔らかいのがいい!」
彼女は袖を引き、遠くに見えるケルビを指さす、よく見えたものだ。
「ケルビ、か...いいけど、捕まえられるかな...?」
私は丘を越え、2頭のケルビを確認し、1匹にそっと寄っては一気に飛びつく。
「っ...ぅぁ...!」
なんとも美しい曲線を空に描き、その獣は狩猟者の手を避ける。
「ちっ...やっぱり早いな...」
無様な狩猟者の声と同時に、同種の獣の悲鳴が聞こえる。
...?
「...♪」
彼女が、ケルビを捕まえていた。
あの素早い獣を、上から跨るように押さえつけ、今にも食いついてしまう勢いで見つめている。
「おぉ...よく捕まえたな...?」
「こんなの、少し睨んだら動かなくなっちゃうよ...!」
彼女は、その歯を獲物の喉に当てて...
「おいおい待て待て、締めるならこっちにしろ...」
と、私は彼女に小柄なナイフを差し出す。
彼女は容赦なくそれで首を掻っ切って、息の根を止めた。
「...よし、それじゃぁ料理するか...」
締められたケルビを2人で運び、水の流れるエリアへと向かう
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「...ほわぁ...♪」
「おぉ...凄いな...」
今回の料理は豪快に石焼きだ。
油を敷かずとも、ケルビ肉の脂が溶けだし、いい具合に焼けている。
「...♡...♡」
ジューシーな見た目だが、見た目だけではないだろう。
持ってきたスパイスの香りがより一層肉を引き立て、ほのかに香る海の香りが仕上げにかかる。
これぞ、私が求めていた食事だ。
「...はぅぅ...♪」
だんだん我慢ができなくなっているな...
お預けにするのは酷だ、もう食べてしまおう。十分に火は通っているだろうしな。
薪を下ろして火力を下げて、仕上げに余熱でしばらく焼けば出来上がりだ。
「ふむ...上手くできたな...!」
早速木製のお皿2枚に盛り付ける。
もちろんお肉だけではなく、島の野菜なんかも入っている。
じゃぁ...感謝を込めて...
「「いただきます...!」」
先ずはもうお肉だ、ナイフとフォークで切り分けよう...ん?
「くっ...んんー...!!」
あの子が苦戦しているな...切り分けてやるか...?
いや、自分で切ってこそステーキだな...教えてやろう...
「ここをこうやって押さえるんだ...そしてこっちで...こう...」
「わぁ、凄い!できたぁ!」
なんとも無邪気な...この世の中じゃ珍しいな...
全く装備に似合わんが。
「ささ、熱いうちに食え...」
「...ぁー...っ♡」
大きくひとくち...
「...ぅん!美味しいよっ...!」
「...どれどれ...っ...」
ふむ、こりゃ美味い。
外で作って食うのもあるが、これは美味いなぁ...
「...」
おや、彼女の手が止まっている、何かあったのだろうか。
既に肉は消滅しているが、更には野菜が残っている。
そういうことか...
「おい、お肉だけじゃダメだ、バランスよく食べなきゃ...」
「ぅぇ...だって草だもん...生肉とお揃いさんだもん...」
うじうじと...自分勝手じゃ不健康だぞっ...
フォークに野菜を刺し、彼女の背に手を当てて...
「さぁ口を開けろ、こういうもんも食わないといけないんだ...」
彼女の柔らかな唇に押し付ける。
「むぐぅ!?...むぐぅー...」
なんとしても食わないのか...ならしょうがない...
私は押さえていた手で彼女の脇腹を擽った。
「ふひゃ!?あはははっ!やめてよぉ!」
スキあり...
危険のない速度で音もなく、隙だらけの口にフォークを入れる。
「!...」
その口は閉じられ、僅かに空いた隙間からはフォークのみが出される。
野菜はお口の中だ。
「ぅ...っ...うぅぅ...」
苦虫を噛み潰したような顔とは、まさにこんな感じだろう。ニガ虫ではないが。
まぁ、あんまりだし、これをやろう。
「ほら、生えてた果実だ、口直しに食っとけ。」
そう言って、彼女に野いちごを渡した。
しかし...まぁ...
食べさせてあげると、どうも母性的な本能を感じるな。
可愛く見えてくるもんだ...
そう考えながら私は、野いちごを美味しそうに貪る彼女を見つめている。
...可愛いな...
...(しゃきーん!