エナドリ(元気ドリンコ)で生活します。
森の中で目覚めた。
周りには誰もいない。
モンスターも、あの子も。
体はまだ、思い通りに動いてはくれないが、意識ははっきりしている。
(あの子は...何処に...)
「おい...居ないか...?」
返事はなく、ただ草木の揺れる音が聞こえてくるばかりである。
「何処...いっちまったんだ...」
だんだんと心配は、重い不安に変わっていく。
私は一人、彼女は?モンスターは?彼女は?
彼女は?彼女は?彼女は?...
それから数十分、動けぬ体をゆっくり回復させながら、彼女のことを考えていた。
そこで私は嫌でも気づかされた。
私は彼女が好きなのだ。
思えば、私はあんまり人との付き合いが良いわけでもなく、一人で行動することが多かったからか、あまり人と話したことがない。
そんな私が一番頻繁に会話したのが彼女だからだろうか?
...いや、今はそんなことを考えている場合ではないな...
「ここから...抜け出さないと...」
軋む身体をゆっくりと起こし、鉛のような身体を引きながら森を抜けた。
森の外は彼女が居た地獄の様な風景とは一変、寧ろ嘲笑うかのように清々しい風景だった。
その何も無かったかのような風景は、逆に彼女の崩れそうな心を揺らした。
跡形もなく消えてしまった彼女を考えていた頭は混乱を始め、身体は発熱を始めた。
そんな中でも身体は治癒が進み、普段通りとは行かないが動けるようにはなった。
「探しに...行かなきゃ...」
武器を持ち直し、ゆっくりと森に入った、
モンスター達に刺激を与えないよう、気配を消し物陰に潜みながら進んでいく。
しかし彼女は、今この状況で最も見たくない物を瞳に映すことになる。
帽子。
どこかのハンターが落としたものでは無いだろう。
緑に赤のラインが入ったバンギスXシリーズの頭装備だ。
あの子がつけていたものと同じ...帽子...
瞳に映ったものはそれだけではない。
同じく緑と赤のラインが入った獣竜種。
恐暴竜、イビルジョー。
上位個体などでは無い、間違いなくG級、それでもトップクラスの部類だろう。
本来ここにいるべきではない、余りにも強大なモンスターだ。
確実な死は相手の瞳にも映っているかもしれないが、私には1つの切り札も残っていた。
切り札を相手の目の前に投げつけ、一気に相手に向かって走った。
相手を映すはずの目は閉じて。
閃光玉、強力な光を発する虫を加工して作られたアイテム、その強烈な閃光は...
「一時的だけど...視界を奪える...!」
奴の足元に落ちる帽子を拾いながら、物陰を縫うようにエリアを抜け出した。
「はぁっ...はぁっ!」
元々少なかった体力を限界まで使い切って、何とか帰りの船が着く場所まで辿り着いた。
「ぅ...こんな...の...落として...」
止まらない震えと涙、そして帽子を持ったまま。
...この投稿者より不定期な人を教えて貰いたいですね