彼女が私の前からいなくなって数日
何とか気を保つ為、生活を保つ為私は多くの依頼をがむしゃらにこなしていた。
けれど彼女を忘れ去ることはできず、もがけばもがくほど彼女を思い出してしまう。
「今日は...こっち...孤島...か...?」
こなす依頼の目的地はあの孤島、再びあの孤島に行く依頼が入っていた。
その依頼が書かれた紙から目線を外せず、取り憑かれたように見つめている。
「孤島に依頼なんて珍しいな...内容は...?」
彼女のことを考えずにはいられず、行方不明車の捜索かなにかではないか、と淡い希望を抱いて依頼書の内容に目を通す。
【孤島に生息するモンスターの生態系調査】
"近頃孤島のモンスターの様子がおかしい。小型モンスターはめっきり姿を見せないようになり、大型モンスターの数も減少しているように感じられる。実際に向かって調査を依頼したい。"
との事だった。
少し気を落とすも、そこそこ多い報酬金は魅力的であり、内容も調査のみで極端に難しい訳では無い為受けない手は無いと判断し、依頼を受注に向かう。
それとも彼女に再び会いたいという気持ちからやけになってしまっているのかもしれない。
「これ、受注を。」
「かしこまりました、お気をつけて。狩人さんにご武運を。」
支度を終え、クエストカウンターからの言葉も貰った所で早速目的地へと向かった。
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孤島、ここはいつも変わらず仄かに潮の香りがする。
今回の依頼はモンスターの生態調査。ターゲットはモンスターの痕跡を調査し、予測の為のサンプルを手に入れること。
「来てはみたが...噂通りモンスターが少ない...?」
ある程度歩き、いつもは大型草食獣や小型肉食獣が徘徊しているエリアを見てもポツポツと居るだけであまり賑やかでない様子が見て取れる。
これ程までに分かりやすく変化するとはただ事では無い。と直感的に悟る。
「なんでだろう?疫病とかでは無いといいんだけど...」
ゆっくりと観察を進めながら島の奥地へと向かっていく、モンスターが少ない為か調査はスムーズに進んでいく。
「ここまで顕著に変化するなんて...一体どんな...」
ジャギィ達が蔓延るエリアにも静寂が広がり、虫の羽音や鳥の鳴き声だけが響いている。
余りの静寂に動揺を隠せず、少々臆しながらも観察を続ける。と、彼女の足に何かが引っかかった。
「?...なにか落ちて...」
そこには何かの血痕が染み付き、ところどころ折れている大型モンスターの骨が散らばっている。
余程の怪力を持ったモンスターでもいるのだろうか?頭蓋骨と思われる骨には深深と牙の後が刻まれている。
「...っ...ここは危ない、早く戻ろう...」
骨になってはいるが、自身がいた日からそう長くは経っていないこと、肉片の腐り具合を見ても古すぎるものでは無いことから、付近にはいなくとも、大型のモンスターがこの島に居座っている可能性があるためだ。
ゆっくりと、しかし最大限警戒しながら来た道を辿り、ベースキャンプへと向かう。
その時、背後からなにかゾワッとする、殺意の塊のような気配を感じる。
「っ...!」
余りにも直接的に感じるオーラに、身体が強ばってしまう。
確かにそこにある、今そこにある恐怖を感じながらも身体は言うことを聞かない。
こちらに気づいていないことを祈りながら、確実に、1歩1歩歩いていく。
「っ...はぁっ...はぁ...」
どれほど歩いただろうか?と言っても来た道を戻っただけ、たいした距離では無かったがまるで永遠のように長く感じていたようだ。
早く帰らないと...そう思っていたところだった。
「まってー!おねーさん!」
恐怖で頭がおかしくなったか、奇妙な鳴き声の鳥だろうか?
あの子の声が聞こえた。
えーと...はい...くっ、殺せ!