「ななな何なんですか、この状況はァァァ!!??」
頭を抱え艦長が叫び
「わ、わかりませ~ん」
泣きながらクルーが叫んだ。
「あらあらあら」
美兎跳は笑顔でわらって座席に座っている。
そんな悲鳴と怒号の入り混じった、一人例外がいるがそんな空間であった。
ジャンプ中のニアミスだけでも大事件なのにも関わらず、艦のレーダーには十数隻の海賊艦影が表示され、しかもその全てがこちらのGP輸送艦に向かって攻撃しているのだ。
いくらGP隊員といえども最前線で戦闘するわけでもない輸送艦のクルーたちがこんな状況に陥ればパニックを起こしても仕方がなかった。
「いやぁァァァ! 」
「ヒィィィ! 」
取り乱すなと言う方が無理な話である。
そんなところにノコノコ現れたウサギと西南に艦長は気付き、使命感からか強引に冷静さを取り戻そうとし、口を開いた。
「だ、大丈夫ですよウサギ君に西南君。こ、こんなことは私のGP経験上初めてのことですから」
それって、ぜんぜん大丈夫じゃないんじゃと思う二人。
ウサギと西南は、ここは驚いたり怖がったりするところだと思いながらもそうできなかった。
そのどこか冷めた目でみるウサギと気の毒そうにみる西南に艦長は問いかけた。
「怖くはないんですか? 海賊ですよ」
「慣れてますので」
という西南。
それに首を傾げる艦長、その悠長なやりとりにウサギは我慢できなくなった。
今は非常事態なのではないのだろうか?
ウサギは思わず口を開いた。
「艦長! このまま何もせず怯えていていいんですか? 僕が言うのもなんですが、あなたは皆の命を預かる責任者のはずだ! 」
そんなウサギの叱咤に完全に冷静さを取り戻した艦長は周りを見渡し、不安そうなクルーたちに頭を下げた。
そうすると周りも冷静さを取り戻したのか、つぎつぎと自分の仕事をし始めた。
今出来る最善を導き出すために…
そうしてあげられる現在状況に艦長の顔が険しくなった。
ゆっくり打開策を考えている暇はなさそうだと思う艦長。
そんな艦長に美兎跳は「降伏する? 」 とあっけからんに言った。
「ダメですよ! この艦には美兎跳様が九羅密家の方が乗っていることを海賊たちに知られるわけにはいかんのです。」
この時ウサギも西南も九羅密家のことなど何も知らないが、宇宙でも有数の財閥であり名門の家系であった。
そのため九羅密家の者が攫われたとなると身代金の額が天文学的な数字となる。
そのため九羅密家は海賊にとって捉えることができれば金鉱脈を掘り当てたも同じであった。
といっても、こと美兎跳に関してはそれが当てはまらないのだが、ウサギと西南がそれを知るのはずっと後のことであった。
そうこうしているうちに敵艦が距離を詰めてきた。
「6800まで敵機接近! トラクターネットの射程圏内です。」
「えっと~副機関のエネルギー全部メインに回してくださいな」
いままでほんわかと終始笑顔を浮かべるだけだった美兎跳が、やはりほんわかとしたまま指示を出しを出し始めた。」
「そ、そだと攻撃システムにししょうが…」
「あら、どうせこの艦の兵器では戦ったところで勝ち目なんて無いでしょう? 」
「そ、それはそうですが」
口ごもる艦長。
「ほら、この状況では変なメンツもプライドもいりませんよ。早く逃げましょ」
「了解です。」
艦長は美兎跳に従い指示を出した。
この美兎跳人は見かけによらないを体現しているようなぞんざいであった。
掃除係なんて本人はいっているが本来の仕事をやらせれば凄腕のオペレーターだったりするのである。
そして逃げる準備を急いで始めたGP艦をよそに、海賊たちは今なを外部通信から発せられている実況中継を拝聴していた。
そんなこのとにマーロン率いる海賊艦のオペレターは馬鹿にしたように言った。
「いつまで、自分の勘の内部情報垂れ流しにしているですかね?」
「なーにこっちにしてみれば美味しい情報ばかりだ気にすることはない」
そして、やっと自分たちの重大なミスに気づくGP側のオペレーターの声が外部通信上に流れた。
『艦長! 外部通信回路がずっとONになったままになってます!』
そのことに吹き出すGP艦艦長
『あらあら、じゃあ全部筒抜けってことなのね。やだわ私変なコト言わなかったかしら? ねぇ海賊さん達? 』
『は、早く切って』
ようやくGP艦の内部情報の実況は終わった。
「はは、どこも人手不足は深刻な問題だな。といっても情けなんてかけるつもりはないが、おい! 減速させたところでいつものやつぶち込めよ! …ただし」
「わかってますわさー。全機殺傷用から捕獲用プログラムに書き換え済みですわ」
「よし! 万が一でも美兎跳さんを傷つけたら他の連中から袋叩きにされるからな! 」
「ええ、美兎跳さんファンクラブの連中は怖い奴らばかりですからね。じゃあエネルギーネット発射しますよ」
そして、火器管制を預かる海賊艦クルーは発射ボタンを押した。