天地無用! オリ主 活動中   作:雪芽乃 菜々菜

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第17話

「進路前方にエネルギー反応感知」

 

進路方向の空間にまるで蜘蛛のつくった網が形成され、毒々しい赤い光を発光させた。

 

「エネルギーネットです! 」

 

「緊急回避! 」

 

状況を示すモニターを食い入るように見る艦のメンバー。

 

モニター中央に浮かぶ3DモデリングされたGP輸送艦がビームで構成されたネットのギリギリをかわしていく。

 

「ブレイク成功」

 

その言葉に艦長はもちろんクルーたちはほっとするがGP艦の周囲に避けたとは別のネットがいくつも出現しだした。

 

そしてトドメとばかりに後方より高エネルギー物体セカンドレベルの反応が3つ確認された。

 

「こちらにとどめを刺す気か」

 

艦長が唸る。

 

「着弾まで3.2.1きます」

 

艦が大きく揺れる。

 

座席シートに座る素人のウサギと西南は身にかかる大きな衝撃に顔がひきつった。

 

そして、打ち込まれた隔壁の映像がモニターに映し出された。

 

「これはラットです!」

 

叫ぶオペレーター

 

打ち込まれたミサイルの先端がパカと開大量の半球形のロボットが次々とGP艦に侵入しだした。

 

「ラット数10000はいます。」

 

その状況に対応すべく艦長はトラップを発動させた。

 

すると猫のような鳴き声とともに四方八方からキューブが飛び出してラットを駆逐しはじめた。

 

だが、ラットの駆逐作業が思うように捗らないこのままでは海賊に捕まるのは時間の問題だ。

 

「予測プログラムのバージョン9.42ってあるかしら?」

 

美兎跳は艦長に問いかけた。

 

「9.42ですかあれは3つも前の旧型ですよ」

 

「処理はあちらのほうがはやいし、やってみてくださいな」

 

その言葉に従って艦内人は急遽旧バージョンのトラップに切り替えるよう指示を出した。

 

するとどうだろう。明らかに駆除効率が上がった。

 

「凄いです次々と狩っていきます!」

 

オペレーターが喜びの声を上げた。

 

そんな皆が活躍する中、西南は自分は役立たずだとうなだれた。

 

その様子を見て、同じ思いでいるウサギだったが、何も訓練も受けていない自分や西南は役立たずで当然と割り切っていた。

 

この辺が年齢の差なのだろうか?

 

落ち込んでもしょうがないと見るウサギ。

 

落ち込み続ける西南。

 

二人は対照的であった。

 

「ねえ、西南君。」

 

「はい」

 

「僕達に今できることは邪魔をしないことだと思わないかい? 」

 

西南はその言葉に頷くことしかできなかった。

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

マーロンのいるブリッチジには急にやられ始め、ついには数が少なくなったラットの情報が流れてきた。

 

「旧バージョンをつかうとはな…制圧は無理か、機関部に集中させて足を止めるんだ」

 

すぐさま数の少なくなったラットに対して遠隔操作が行われた。

 

そして命令の受けたラットは何体か融合して通路の壁面に溶け込み、機関部への直接侵入を試み始めた。

 

「GPがわの猫トラップも高速でラットに追いつこうとするが融合し大きくなったラットのすべてを飲み込めず捕え損なった部分たちが小さな爆発を所々で起こし始めた。

 

「03.05回路持って行かれました」

 

「排除まだか!」

 

そして、なんとか全ラット排除に成功した。

 

だがラットの影響は残った。エンジン出力が徐々に低下し始めたのである。

 

その影響下体感速度が若干遅くなったように感じたウサギと西南。

 

事実急速に海賊艦たちに距離を詰められていた。

 

その状況に艦長はある一つの決定を下すことにした。

 

「美兎跳様あれを実行します。よろしいでしょうか?」

 

「んーそれしかないわねー」

 

「ええ、では全クルーにつぐランダムジャンプ用意」

 

その言葉にクルーたちは引きつった顔を艦長に向けた。

 

「まじですか!」

 

「あれをするんですか!」

 

「イヤだー」

 

そのクルーたちの悲鳴にこの艦長の決定が苦肉の策であることが理解できた。

 

美兎跳は艦長をフォローするようにいった。

 

「この状況じゃしかたないわ、あの海賊の量相手にするつもりある?」

 

そう問われたクルーたちは必死に首をブンブンと横に振り、ランダムジャンプの準備をはじめた。

 

その様子に意味がわからないでいる二人がいた。

 

もちろんウサギと西南である。

 

二人は顔を見合わせ、首を傾げた。

 

「あの、ランダムジャンプって何ですか?」

 

わからない時は聞くしかないと西南は口を開いた。

 

ウサギも同様で周りが嫌がるほど危険でもあるのかとそばにいる美兎跳に問いかけた。

 

すると美兎跳は説明しだした。

 

「えっとね、海賊さん達が追ってこれないようにでたらめな座標へ短いジャンプを何度も繰り返すの。

うーん水切りの感じに近いかな。超空間突入と離脱の影響をそのままに重力痕を最小にして適当に飛んで行くのよ」

 

その説明の全ては理解できない素人の二人であったがやばそうだということだけは理解できた。

 

そして、ランダムジャンプが始まった。

 

「ランダムジャンププログラムロード」

 

「ロード完了。10秒後にジャンプします。」

 

そしてジャンプした。

 

船体は揺れクルーたちは苦しそうに顔を歪めた。

 

不謹慎な話だがこの状況にまさに期待したワープだと西南は内心喜んでいた。

 

ウサギが西南の口からもれる「ワープ最高…」 という小さなつぶやきを聞いたからそれは間違いなかった。

 

やがて衝撃は緩やかなものになってゆきランダムジャンプは終了した。

 

そして艦長はすかさずクルーに問いかけた。

 

「振り切れましたか!」

 

レーダーを確認するクルー。

 

程なくしてぽつんとレイダーに反応があったと思ったら、増殖するように敵艦がレイダー上に現れた。

 

それはランダムジャンプが全く意味がなかったという意味であり、艦長以下クルーたちを絶望させた。

 

「なぜだ!」

 

その思わず出た艦長の叫びは

 

この艦に乗るクルーすべての代弁でもあった。

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