暖かい、そんな感じがしてふと意識がもどる。
目を開けてまず目に入ってきたものはなんの汚れもない真っ白な天井。そして感触からしてベッドに寝かされている自分。上体を起こし、あたりを見渡す。
部屋は言いようのないくらい広かった。VIPルーム並かそれ以上。しかし、部屋内にはさっきまで自分が寝かされていた高級感漂うベッド、これまた高級感漂う黒いソファーにその前に置かれたテーブルの3つしか置かれていなかった。
「・……うん?」
あれ、ソファーのところに人影があったような……。そう思い再度視線を向けるとそこにはソファーに足を組んで座っている人がいた。
体のラインがはっきりわかるほど密着した法衣を纏い、その法衣を内側から押し上げるように主張している魅惑的な身体を持ち、艶のある黒く長い髪がとても印象的だった。
「……気がついたか」
単調な言葉だけど、その中にどこか温もりを感じる。
「は、はい。あの……それでここはどこであなたは誰でしょうか?」
目の前にいる女性が助けてくれたのはほぼ間違いないだろう。けれど、確か僕は幽幻種に追われて、痛みに耐えながら走り抜いて……、それで茂みを抜けたら目の前に人が見えて安心して気を失っちゃったんだ。
でもあの時見た人達の中には目の前の人はいなかったような・……。
「あぁ、私の名はツァリ、とある事情でお前の事情を知っている者で、ここは
「っ!」
僕の事情を知っている……? それにここは
「どういう事・……ですか……?」
『それは私から説明しましょう。私の名前は紗砂・エンデンス・凛・ケールといいます。周りからはサラと呼ばれています』
突然頭に直接響くように聞こえる幼い女性の声。その声は自らを……ってえぇえ?
「あ、あなたが私のオリジナルですかっ?」
ということは、
『は、はい。そうです。私も最初ツァリから聞いたときは驚きました。私と同じ姿をした子が血だらけで現れて気を失ったと……』
「最初は紗砂が仕事放り投げて遊んでいたのかと思ったんだが、紗砂なら幽幻種一匹や
『あなたにはあなた自身の名前はありますか?クローンとしての名前ではなく、あなた自身の』
僕自身の名前……僕の前世の名前だけ思い出せない。それ以外の前世のことは思い出せるのに。
となると研究所での・……はクローンとしての名前だよね。被検体13号とか名前じゃないもんね。
って僕今、自身の名前ひとつもないっ?!
「すいません・……、私には研究所で呼ばれていた被検体13号くらいしかないです」
呼ばれていたって言っても実際はその時はまだ僕の意識はなくて、そのことに気がついたのは脱出する前に準備していたときだった。
『そうですか……。ではリリィ・エンデンス・凛・ケールというのはどうでしょうか?』
「え、いいんですか??」
一応聞き返したものの、僕の・……いやもう僕じゃなくて私かな? 私の心の中ではその名前を受け入れていて、名前が、自分自身だけのものがもらえてとても嬉しかった。
『はい、あなたが気に入っていただけたのなら是非』
「えっとじゃあ、改めて、私の名前はリリィ・エンデンス・凛・ケールです」
私は二人にそう自己紹介した。
現在、天結宮の何階が何というのを調べており、今のところ、
11階、護士候補生宿舎
274階、千年獅レオンの訓練室
276階、修道フロア・……ユミィが訓練していたところ
281階、大聖堂
287階、ユミィの個室
291階、楽園
現在1巻と2巻の途中まで天結宮の階層チェックしています。もし最新刊までみて説明されていない階は捏造していこうと思っています。
あと出てくるのって確か機械なんとか局とか、各巫女の私室くらいだったような・……