千年守り続けた皇姫のクローンになっちゃった   作:先名咲亜

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5話 巫女様とご対面

 天結宮(ソフィア)268階にあるとある会議室に、現在第三位の巫女とその千年獅、第一位の巫女と千年獅以外の全巫女と千年獅が集まっている中に私はいた。

 

『では、リリィお願いします』

 

「はい、ええと、リリィ・エンデンス・凛・ケールです。今日から巫女の六位になりました。よろしくお願いします」

 

 自己紹介が終わったので一礼して椅子に座る。

 

 私は、結界系・降臨系・領域系・礼讃系・洗礼系の5系統全てに適正がなく、さらに巫女見習いにもなってもいないし、個人的に練習したわけでもない。なのに、私は巫女の第六位につくことになった。

 

 それには当然理由があるのだけれど、まだ理由入っていないので、必ず誰かが言うはずだ。

 

「サラ様、ちょっといいですか? どうしてこんな急に六人目が決まったのでしょうか? 本来ならば、規定日時に最終試験で合格した者のみがなれるはずです。ですが、今回は最終試験は行われていない」

 

 椅子から立ち上がり、念話で参加している紗砂―紗砂とツァリさんだけの時は呼び捨てで呼んで欲しいと言っていた―に質問する見目麗しい長身の女性。背中を超えて伸びるエメラルド色の長髪は絹糸のようにさらりと流れ、こっちを見ているというか睨んでいる灰色の双眸。

 服装からして巫女だと思う。

 

 これに答えるのは紗砂。

 

 元々そういった質問が来るのは分かっており、紗砂が私が答えたほうが説得力ありますからと言ったからだ。

 

『確かにメイメルの言うように、巫女は最終試験で決めるのが普通です。しかし、今回のは第六位とは言っていますが、リリィは巫女見習いですらないので術式も知らなければ過酷な訓練も受けていません』

 

「だったらなんでなおさら・……」

 

 紗砂が一旦息をついた時にメイメルさんが呟く。

 とても小さな声だったけれど、今みんな紗砂の言葉を待っている状況で、この部屋内は静寂が支配している。そのせいでとても良く響いた。

 

『彼女は沁力だけなら私以上に持っています。そして彼女は大切な(キー)。ですがそれだけで六人目の巫女というのに納得できなのもわかります。ですがこれは名前だけの第六位。納得できないかもしれませんが今はそれで納得してください。時期が来たら全てを話します』

 

 言い終わると同時に念話が切れる感じがした。

 

「はぁ……、納得できないわ、けれどサラ様が言うんだもの。それほど大きな手札ということかしらね」

 

 念話が切れると同時にため息をし、呟くメイメルさん。

 

 会議室内は未だに沈黙が支配していてこの声も良く聞こえた。

 

「それじゃあ、気を取り直して今度は私たちが自己紹介しましょうか。私は巫女第二位のメイメル・イン・カーネイション。結界系が得意よ。そして隣にいるこの子が爛」

 

 爛と呼ばれた亜麻色の髪を乱雑に切った少女。鮮やかな琥珀色の瞳も印象的だが、それよりも全身に彫られた刺青のようなものが一番印象的だった。

 

「俺は爛、メイメルの千年獅で第二位、それとこの全身に彫っているのは刻印儀礼で刺青じゃないからな!」

 

 返事をして先の考えを思い出す。

 

 あれ刺青じゃなかったんだ……。確かによく見たら魔法陣みたいなファンタジーみたいな感じがするし、というか視線でバレてたのかな……。

 

 気がつくとメイメルさんと爛さんは座っていて、銀髪の青年とその青年の服の端を掴んで後ろに隠れるようにして立っている黒髪の幼い少女。少女の纏う法衣は赤と白の織物で胸元に紫の帯をいう珍しいものだった。

 

「俺はレオン、今俺にぴったりくっついているのが巫女第四位の春蕾の千年獅だ。俺はあなたにどんな事情があるのかは知らないが、困ったらいつでも俺のところに来るといい。俺に出来ることならできる限り手伝おう」

 

「・…………春蕾・……第四位……よろ…しく……」

 

 こちらこそと返しながら座ったまま頭を下げる。

 

 レオンさんって滅茶苦茶いい人かもしれない!

 

 それにしても、なんかこの二人とても対象的でいい組み合わせだと思う。

 

 そして最後は、淡い黄金色(オフゴールド)の長髪と色鮮やかな翡翠色の瞳、可愛いと綺麗の中間で、とても優しそうなオーラみたいなものを感じる。

 

 その少女は一人椅子から立ち上がり、自己紹介を始めた。

 

「ユミィ・エル・スフレニクトールです。序列は第五位で得意な術式は洗礼系です。みんなからはユミィと呼ばれてるので気軽にユミィって呼んでください」

 

 そう言って大きく頭を下げてお辞儀して椅子に座るユミィさん。

 

 あれ……。

 

「あの、ユミィさん。ユミィさんの千年獅の方って任務かなにかですか?」

 

 そう、ユミィさんには他の二人の巫女とは違って隣に千年獅の人がいなかった。

 

 もしかしたら任務かもしれないと思って一応聞いてみたけれど、一応六人目の巫女の発表だから多分集まれるような日を選んだとは思うんだけれど……。

 

「え、えっと、私には千年獅はいないんです。それとさん付けなんてしなくても呼び捨てでいいですよ。今日から同じ巫女仲間じゃないですか」

 

 ユミィさ…ユミィが千年獅のことを言っているとき、なぜか悲しみ、寂しさ、そういったものを押し殺して話しているような感じがした。




鷹柳 晃様が感想で天結宮の階層について詳しく教えてもらったので、自分で調べた分とまとめて以下のようになりました。

これからも付け足せれたり、改善する可能性がありますが一応載せておこうと思います

1階、案内ロビー
11階、護士候補生宿舎(男性と予想)
14階、女性用候補生宿舎
21階、組織端末スペース 候補生部隊の会議室
22階、塔内医院
28階、護士の訓練施設
36階、塔内食堂
48階~67階、機工局
59階、機工局航空課
65階、66階、二フロア合併の塔内飛空場
199階、監禁室
219階、塔制局電算開発部
241階、大ホール
247階、貴賓用のフロア、宿泊施設
248階、大食堂
268階、会議スペース
269階、錬護士用会議スペース
271階~275階、千年獅専用訓練フロア
271階、多分、ユミィの千年獅専用訓練フロア(不在のため不使用)
272階、ホルン専用訓練フロア
273階、レオン専用訓練フロア
274階、爛専用訓練フロア
275階、ファルヴァレン・シーケンサー専用訓練フロア
276階~280階、巫女5人の修道フロア
276階、ユミィの修道フロア
277階、春蕾の修道フロア
278階、ヴィオラの修道フロア
279階、メイメルの修道フロア
280階、巫女第一位エルミーティアの修道フロア
281階、大聖堂
287階、ユミィ・春蕾・レオンの私室
288階、メイメル・爛・ヴィオラ・ホルンの私室
289階、巫女第一位エルミーティア及びファルヴァレン・シーケンサーの私室
290階、皇姫の私室
291階、楽園


鷹柳 晃様の感想では273階がホルン専用訓練フロアとなっていますが、巫女の修道フロアの並び方と私室の並び方は巫女の序列順になっており、千年獅の訓練フロアも序列順ではないかと予測したためです。

投稿後にも天結宮の階層調べの続きをしますが、その時に間違っているところがありましたら随時修正していく予定です。
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