Afterglow〜Episode of Another〜 作:ある@誠心誠意執筆中
実は僕、明日から5日のあいだ、海外に修学旅行に行くんですよね。
...はい。そうなんです。海外ゆえにWifi環境があまり恵まれないので、投稿日を前倒しさせてもらったんです。急なお知らせで申し訳ないですが、そういうことです。
なお、今日から3日後のお話のぶんも前述の通りなのでお休みさせていただきます。お休みさせていただいたぶんは後日ちゃんと二話連続投稿しますので、どうかお許しください!
あ、あと今回後書きのほうに流誠くんもとい青藍くんのプロフィール的なもの載せてます。これを見れば流誠くんのことについて少しは詳しくなれると思いますので、ご拝見のほうよろしくお願いします。
では、どうぞ!
「ひーちゃん遅いじゃん〜」
ドアを勢いよく開け放ちスタジオに息を切らしながら入って来たのは、遅刻をしてきたひーちゃんだった。
「ひまりが遅刻なんて珍しいな......って、どうした?真剣な顔して」
いつも通り放課後のスタジオ練習をしにきた俺たちだったが、まだひーちゃんだけスタジオにいなかったのだ。
その理由はスタジオの受付の人からの話を聞いていたからだそうで、その内容とは......
「スタジオの人にこのチラシもらったんだけど......」
一枚の紙に、全て記されていた。
「『ガールズバンドジャムvol.1 出演者募集』......?これって......」
「ガールズバンドジャム......?ライブの催しか何かか?」
聞いた感じバンドライブの募集案内っぽいが、バンド初心者の俺には、結局よく分からなかった。
するとともちゃんが教えてくれた。
「ガルジャムは、ガールズバンド界結構メジャーなイベントなんだよ」
「そうなのか。まさか、ひーちゃんの聞いた話っていうのは、そのガルジャムに出るか出ないかっていう話だったり?」
「ピンポーン!そのまさかです」
予感が的中した。
誘われた理由として、スタジオの人がAfterglowが最近頑張っているのを見て、他のスタッフにガルジャムに推薦してもらうように頼んでくれたかららしい。
自分にとっての初ライブがそんな大きなイベントのライブになることに、俺は感動を覚えた。
するとともちゃんが、今度は俺たちを試すかのようにガルジャムについて語り始めた。
「確かに、ガルジャム出身の人気バンドは多い。アタシも客として何回か行ったことがある」
ともちゃんは自らの過去の経験を語ると、「けど」と前置きしたのちに言葉を続けた。
「アタシ達が今まで出てきたイベントは学生バンド中心の、規模が小さいやつだ。ガルジャムはそれとは規模も、熱量も全然違う。いくらスタッフの人が推薦してくれたとしても、あの場で、実際にライブをやるのはアタシ達だ......」
「「「「「......」」」」」
突きつけられた現実に、皆口を固く閉ざさるを得なかった。
もちろん、ガルジャムなどの大きなイベントに出ることは今まで小規模のライブにしか出てこなかったAfterglowにとって、自分たちをもっと知ってもらうためのまたとない機会だ。だが、それに見合った緊張感などが押し寄せてくるのもまた事実。そんな大きなイベントで失敗しようものなら、知名度こそ大なり小なり上がるかもしれないが、観客からは失望され、評価が下がってしまう可能性だってある。それだけは絶対あってはならない。観客には是が非でも、本気のAfterglowを知ってもらいたい。
神妙な顔つきでそんなことを悶々と悩んでいると、つぐちゃんがいきなり、
「......出ようよっ!!!」
「......え」
少し強張った声で言った。
「なっ......!つ、つぐちゃん!?」
先ほどまでの思考からは選び抜かれなかった選択を代わりに提案され、俺はたまらず疑問を投げかけた。
が、つぐちゃんは止まらなかった。
「で、出ようっ!うん、出たほうがいいよ!前の練習で、ライブに出たいって言ってたし、チャ、チャレンジだと思って、出てみようよ!」
「「「「「......」」」」」
「あ、あれっ!?私、変なこと言っちゃったかな......!?ご、ごめん......っ」
一同反応なし。沈黙を突き通していた。
が、表情は一変して、やる気に満ち溢れていた。俺もそうだった。
「ぷっ...はははははっ。変なことなんか言ってないよ。つぐ、よく言った」
「つぐ、かっこいい〜」
「ええっ、ちょっと、やめようよぉ...」
冗談っぽく褒められたつぐちゃんは、とうとう赤面してしまった。かわいいらしい。
「つぐの言うとおり、チャレンジしてみるのもいいかもな。蘭、モカ、流、どう思う?」
つぐちゃんの反応を見終えたともちゃんは、参加の有無に特に反応を示さなかった蘭とモカ、そして俺に話を振ってきた。
そして、その答えはもちろんYESだった。
「ああ。一緒に頑張ろうぜ。俺は観客側だけどな」
「いいんじゃない」
「さーんせ〜」
これでメンバーの意見が定まった。まあ、俺たちがビビって参加拒否することなんてないだろうし、最初からこうなることは決まっていたのかもしれない。
いつだって『いつも通り』やる。100%を出し切る。ただそれだけなんだから。
「蘭ちゃん、モカちゃん、流誠くん......!」
「やっっっったーー!!それじゃ、決まりだねっ!」
「ああ!」
俺たちの賛成の声を聞き、発案者であるひーちゃんと質問者であるつぐちゃんとともちゃんは、揃って舞い上がって喜んでいた。
......いや、見間違いだ。大げさにぴょんぴょんと舞い上がっていたのはひーちゃんひとりだけだったか。そしてその勢いで、ひーちゃんはメンバーを鼓舞した。
「そうと決まれば、練習がんばらなきゃ!
ん〜〜!なんかやる気出てきたっ。
みんな、頑張ろうね!!
せーの、えい、えい、おー!」
「「「「「......」」」」」
そんなひーちゃんからの、やるのに多少勇気のいる掛け声の前フリに、場が凍りついた。
「......って、みんな言ってよぉ〜!もぉ〜!!」
一緒に掛け声をやってくれると信じていたひーちゃんだったが、見事に空振りしてぶーたれていた。
「ひーちゃん、悪いがやる側の気持ちにもなってみてくれ......」
「......さすがに、えいえいおーはないでしょ」
「ええっ!?」
「確かに、ちょっと恥ずかしい、かな......」
「え〜!巴まで!ひどいよぉ〜!」
掛け声に冷めた反応を示す俺たちと相反して、ひーちゃんはまんざらでもない様子だ。どれだけ度胸があるんだこの天真爛漫少女は。
その後しばらく笑いあって、ともちゃんが俺達を現実に引き戻しにきた。
「......冗談はさておき、本気で練習しないとな。アタシ達の晴れの舞台だ。派手にかましてやろうぜ!」
「えいえいおー」
「今言うの!?」
ともちゃんから喝を入れられ、気合い十二分となって、モカも数十秒遅れて例の掛け声をした。
そんなモカも決して不真面目ではないことなど、この中のメンバーなら誰もが知っている。
特に蘭と俺は。
「モカ。こないだ引っかかったフレーズ、合わせたい」
「おっけー。じゃあ一回合わせてみて、せいくんにどんな感じだったか聞いてみよーよー」
「そうだね。流誠は別にいいでしょ?」
「おう任せろ。良い点も悪い点もはっきり言ってやる。だから、安心して弾いてくれ」
「ありがと。じゃ、その2つ前のフレーズからいくよ......」
蘭からフレーズを直してもらうように頼まれたモカが、続いて俺に演奏を聴いてもらうよう頼んできた。蘭も同じ頼み事を考えていたらしい。それを代わりにモカが頼んでくれた形となった。そして、蘭は俺が肯定すると分かっていたような口ぶりだった。まさに阿吽の呼吸だった。
俺たちは互いに微笑み合うと、気持ちを切り替えて、ガルジャムに向けた練習に身を投じた。
そんな俺たちの練習風景に、他の3人も背中を押されたのか、負けじと練習を開始した。
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練習は長い時間ぶっ通しで行われた。しかしがむしゃらに張り切って練習しすぎてもいけないなとも思い、キリのいいところで休憩することにした。
休憩時間になったので、俺もひと段落と周りに合わせて近くのパイプ椅子に腰掛けた。そんな中、蘭が前の練習の時と同じように、携帯を手に取りスタスタとスタジオの外へと出て行ってしまった。
その直後、モカが自前のパンを貪りながらこちらへ駆け寄ってきた。
「......やっぱり蘭、何かあるねー」
「だな。ちょっと、声かけに行ってやるか」
「りょうかーい」
「すまんみんな。俺とコイツ席外す」
「わかった。早く戻って来いよー」
蘭のそんな行動は俺とモカにとって前々から気になって仕方なかったことだったので、痺れを切らして聞いてみることにした。
蘭のやつ、どうみても何か背負い込んでる。悩みがあるなら俺達が聞いてやるのに......まったく、何のための幼馴染なんだか。
スタジオから出て早々、俺とモカの二人は、窓際で携帯を耳に当て電話をしている蘭を見つけた。それから俺とモカは、その横顔へと声をかけようと口を開いて────。
「......だから、それは......!」
「「っ......!」」
蘭が怒気のこもった声を出し、それに怯んでしまい、声をかける寸前でその場に留まってしまった。
「かなりデカい声で怒鳴ってるな......邪魔しちゃ悪いだろうし、このまま観察してみるか。声かけるとしても、電話が終わってからにしよう」
「うん、その方が良さそうだねー......」
作戦を急遽変更した俺たちは、蘭からは死角となっている通路の角から、事の一部始終を覗き見るような形で観察することにした。
すると再び、渋るようなものから確かな怒号へと変貌した声が聞こえてきた。
「いちいちあたしのことに口出さないで。......だから!関係ないって言ってるでしょ!」
耳をつんざくような怒号に、すぐ側にあったカウンターのスタッフさんは、早く終わってくれと願わんばかりに終始目を瞑っていた。自分がやった事でもないのに、あまり面識のないスタッフさんに対して、俺は申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
「はぁ......」と電話を切り、ため息をついた蘭はどこか虚ろな目をしていたように思えた。
それを察したモカは、何気ないように見せかけてすかさず蘭に声をかけた。そんなアドリブに、俺も続いた。
「蘭〜?」
「そろそろ練習始めないか」
「分かった。ごめん、今戻る」
「もう一回さっきのところ、せいくんに聴いてもらいながらやってみよ〜」
と、結局俺とモカは蘭の諸事情についてはあまり触れずに、あたかもさっき来たかのような素振りをとって、蘭を練習に引き戻した。
(今度あんなことになったら、俺達に悩みを洗いざらい明かしてもらうからな......)
目的を完遂できなかった俺は、歯噛みしながら心の中でそう呟いた。それはきっと、隣でへらへらと冗談を垂れてるモカも同じだった。
メンバーも再集結しスタジオ内に熱気が戻ってきた。
ただ、それはいつも感じるのとは少し違った低迷じみた熱気だった。それが、今日の最後の練習となった。
蘭が珍しくキーを外していた。そんな、実に印象的な練習だった。
前書きでも書いてあった通り、主人公でもありオリジナルキャラクターでもある流誠くん、もとい青藍くんのプロフィール(設定内容)を紹介していきます。()内に書かれているものは流誠くんがまだ青藍くんだったころのものです。ただ、過去のことに関しては、今明らかになっていることだけを書いています。
名前:長門 流誠
(長門 青藍)
身長:163cm
特徴:天パ、黒髪、黒瞳、意外かもしれないが眼鏡くん←事故の時、視力障害も患ってしまったため。
好きなもの、得意なもの:夕日、天体観測、昼寝、運動、料理、チョコ、爬虫類や両生類などのんびりとした生き物、もふもふしたもの
(夕日)
嫌いなもの、苦手なもの:人付き合い、勉強
大切なもの:Afterglowのメンバーもとい幼馴染、孤児院の先生、孤児院の子供達(両親、幼馴染)
部活:陸上部 短距離種目
性格:Afterglow5人の性格が合わさった感じ
誕生日:1月15日←流誠という名前が付けられた日が誕生日となっている
補足:記憶喪失とはまた別で、生まれもって喘息を患っている
以上が流誠くんと青藍くんのプロフィールとなります。ほとんど作者の経験してきたものがそのまま流誠くんの設定になっています。何かを元にして設定しないと色々と面倒だったので、お許しください。
さて、雲行きが怪しくなってきたところでいかがだったでしょうか。察しのいい方もおられるとは思いますが、アエオアは本家のバンドストーリーなどをもとに執筆しています。ご了承ください。
次回の投稿は11月30日の19時30分を予定しております。お楽しみに!
では、また次回お会いしましょう!