戦姫絶唱シンフォギア フロウレスエナジー   作:魚介(改)

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生死比率、15:1で奏生存ルートに突入です



第11話 ライブ開始

「未来どこ?私もう会場だよ?」

 

電話で遥か彼方の友人に質問している響の声、間違いない、これは響の最初期ボイスだ

 

ごめん、行けなくなっちゃった

とでも言われているのだろう

 

響の通話が終わるまで、少しだけ待ち

響が電話を切ったタイミングで話しかける

 

「ん、立花じゃん、どうしたの?

なんか困りごと?」

「?…!統慈さん!なんでここに?」

 

「あれ?言ってなかった?チケットもらったから俺もライブ観客って」

 

「言われてません!」

 

響は叫んだ直後に、

周りの視線に気づいて黙り込む

 

「一緒に行こうか?席はどうなってる?」

「席はE-35です」

 

「うわ結構遠い…まぁ仕方ないか」

「統慈さんは何処なんですか?」

「僕?僕は向こうの…おっと、列動くぞ」

結構早く列が流れ出したため、

響の手を引いて歩く

 

「んじゃ、僕は向こうだから」

 

物販コーナーでサイリウムだけ購入して

手を振りながら爽やかに分かれる

 

もうじきあれが始まる

…その前に、俺はネフシュタンを保管している部屋に行き、強奪を止めるか

上にとどまって出来る限り被害を減らすか

それを決めなくてはならない

 

選択の時だ

 

(僕は…)

 

A【ネフシュタンの保管室へ向かう】

B【上に、留まる】

 

(上に、留まる)

ネフシュタン起動強奪ルートはつまり

原作通りルートでもある

序盤どころか時系列的過去で乖離を大きくすれば二年後には大問題になる可能性もあり得る

 

前提ルートを変化させないで

出来るだけ人を助けたほうが良いだろう

 

「幸い、死者の人数を減らす為に

奏さんのlinkerは持ってきてる

………最悪でも、絶唱までの時間を伸ばすくらいにはなる!」

 

統慈は階段を上りながら、

鞄の中を確認する

 

その中には

保冷剤とともにLiNKERが入っている

「よし」

 

俺はボックス席に座って、その瞬間まで

二人の姿を見届けることにした

 

そして、ついに

「始まったか…!」

流れるイントロは逆光のフリューゲル、そして、歌声と共にカウントダウンが始まる

 

観客の光らせるサイリウムとの真ん中に、ピンクと青の両翼が、ツヴァイウィングが降りて来る

 

歌う二人を見つめながら

同時に観客の持つ空気と、とある席を注視する

 

奏の声が、元気よく

まだまだ行くぞー!と宣言した直後

 

「今っ!」

会場が突如爆発する

 

そして、次々と現れてくるノイズの群れは

観客たちに襲いかかる

 

その時点で判断の早いやつらは走り出したが、やはり、逃げようとする連中は次々にノイズに炭にされて行く

 

統慈の元にも、ノイズは押し寄せるが

「…っ!」

最小限の動きでカウンターを叩き込み、サイリウムを短剣のように操ってノイズを殴り倒す

 

「…やはり、来る!」

 

Croitzal ronzell (クロォイツァ ロンゼェル)gungnir zizzl(ガングニール ヅィール)

Imyuteus ameno (イミュテーウス アメノ)habakiri tron( ハバキリ トロン)

 

翼と奏はそれぞれの歌を歌いながら

互いのポジションを把握し合い

それぞれ別の場所で戦う

 

統慈も必死で避難誘導を行い

なんとか道を整える

 

何体かのノイズをサイリウムで殴り飛ばしてしまったのは気のせいとしてもらうしかないが

 

STARDUST∞FOTONや

LAST∞METEORでノイズを消し飛ばして行く奏

 

そして、それを崩れかけて人気の消えた観客席から、呆然と見つめている響

 

「やばいっ!」

統慈はノイズをサイリウムで殴りながら

全力で走り出した

 

観客席の上、関係者用のボックスシートに残された鞄、その中のLiNKERを取る為に

 

群れをなすノイズを躱し

時に殴り崩して進む

 

「ようやく、届いた!」

ついに鞄を掴んだその瞬間、

足元が崩れ落ちた

 

「ぬぉぉあああっ!」

 

ずがらがらがらっ!と轟音とともに

観客席の崩落に巻き込まれる統慈

 

そして、地面に叩きつけられると

同時に意識を失いかける

 

「ぐぎゅつ!」

 

体を叩きつけられて、衝撃で痺れている

しかも最悪なことに、叩きつけられた衝撃でアンプルが割れて、LiNKERを失った

 

「駆け出せっ!」

 

奏の声が遠い…

 

そして、遥か彼方では

奏が限界時間を超えて尚、槍を振るって響を助けようとしている

 

ガングニールの鋭い風切り音

そう、これは終わりの合図

 

「…っ、…!」

 

ガラリ、と瓦礫が崩れる

鋭いもの重いもの、そして軽く崩れるもの

 

種々様々なものが背を打ち、

統慈を押しつぶそうとする

 

しかし

「!っ!」

 

無理矢理に体を起こし、

統慈は足を動かす

 

その瞬間、ガングニールが砕ける

「うぁあぁあああっ!」

 

奏の声と共に、砕けた破片が飛散し

響に、地面に、背後の壁に突き刺さる

 

「おい!死ぬな!」

倒れた響に駆け寄る奏、

 

「目を開けてくれ!」

 

響に呼びかける声

「生きるのを諦めるな!」

 

それに気づいたか、響はゆっくりと目を開き

 

それに安堵した奏は、最後の歌を決意する

 

「いつか、心と体を全部空っぽにして…」

 

槍を携え、響の前に立つ奏

 

「思いっきり、歌いたかったんだよな…」

 

ノイズの群れは、

大型小型入り混じる、比類なきものであり

もはやLiNKERの一本や二本で変えることはできない状況、故に、一人でも多くを活かすために

 

赤き天の鳥は

自らの死を歌うと決めたのだ

 

「今日は、こんなにたくさんの連中が聞いてくれるんだ…だからあたしも、出し惜しみ無しでいく」

 

必勝を謳う大槍を、高く天に掲げ

崩れゆくその槍の陰で

零す涙は、誰の目にも映らない

 

「とっておきのをくれてやる…【絶唱】」

 

それは、彼女の絶唱

過去に囚われた緋色の鳥が最後に歌う

高く奏でる明日の調べ

 

「Gatrandis babel ziggurat edenel」

 

シンフォギアの機能を最大限に発揮する代わりに、装者自身も危険にさらすその歌を、奏は高らかに歌い上げる

 

「Emustolronzen fine el baral zizzl」

 

(ダメだ!歌っては!)

「いけない奏!歌ってはダメェッ!」

 

覚悟の撃槍は天高くを指し示し

相方の声にも、全く揺らぐことはない

届かない声にも、揺るがない

 

「Gatrandis babel ziggurat edenel」

 

最後の一節を目前に、響がつぶやく

「歌が…聞こえる…」

 

莫大なフォニックゲインが

崩れかけたアームドギアを介して、半ば無理矢理に増幅され、循環し

奏自身を傷つけながら膨れ上がっていく

 

その悲しき歌が、響へと届いたのだ

(そうさ…命を燃やす、最後の歌)

 

「Emustolronzen」

 

その瞬間に、

統慈の目の前が真っ暗に染まる

 

(何がリンカー持ってきただ…

何が避難誘導だ…結局、何も変えられてない!ただ安穏と流されてただけじゃないか!)

 

(ならば、何を求める?)

(護れる力だ!絶望の中でも、大切なものを護れる力だ!)

 

(ならば、何処に求める?)

(何処でもない!()()()に!)

 

「fine-el」

 

(ならば目覚めよ、その力の名は

終末を封じし絶望の鍵匣(レーギャルン)

 

「zizzll…」

Laegyalun(レーギャルン)!」

 

奏が血を吐きながら笑うと同時に、

叫ぶ

 

自ら壊れようとしている槍を壊させないために、炎を封じる魔匣は目覚めた

 

贄は既に此処にある

〈捧ぐは不死鳥(ヴィヴゾニィル)、炎の尾羽は此処に在り〉

 

絶唱によって生まれたフォニックゲインを

全ての力を、反動を

全ての炎を飲み込んで

 

匣はその鎖を解く

 

「そんな…!」

奏の携えた勝利の撃槍(ガングニール)は今度こそ崩れ去り

同時に奏は気絶して倒れる

それを鍵としたように

 

匣の鍵穴の隙間から、僅かな光が溢れ出た

ただそれだけで

 

()()()()()()()()()()()()()()()

 

統慈の右腕に宿った完全聖遺物

終末を封じし絶望の鍵匣

レーギャルン、覚醒の瞬間であった

主人公は今後

  • レーギャルン一本で戦い抜く
  • どんどん他のも目覚めるお!
  • やはりアームドギアだけで戦えば…
  • マジカル☆八極拳習得
  • は?竜宮に封印一択でしょ(ウェル博士感)

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