戦姫絶唱シンフォギア フロウレスエナジー   作:魚介(改)貧弱卿

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待たせたな!


第23話

「…さぁて、まずはどうするか」

 

やっぱりそれらしいことを言って体を鍛えさせる、と言うのが一番いいだろう

と単純なごまかしを頭に思い浮かべた統慈は、適当なことを言って響を空き地に連れ出し、

 

全力で殴られていた

 

「よぉし、そのまま打ってこい!」

「はい!」

 

そもそも中高生女子相手にボディビルダーのような筋トレは無理があるので、

必然的に『近接格闘戦に必要な筋肉』の筆頭である上腕筋を集中的に鍛えるトレーニングを行うことになり、最初に提案したのが…ランニングと腿上げ、そしてこのミット打ちだった

なおミットは二課の支給品である

 

さて、一番に言い出したこのミット打ちだが、目的は主に2つ

1、響の現在の体力レベルを確認して、それがどれだけ活用できているかを見る

2、響が打てるパンチの威力を測定し、シンフォギア装備時の響のパンチ威力を推測する

 

おまけとしては、響のパンチの癖を見ておき、敵対してしまうときには回避しやすくすることが挙げられる

 

…これは統慈の利点を挙げただけだが

それでも3つも出てくる

それだけで十分だろう

 

「えっと、普通にやってましたけど、これにどんな意味があるんでしょうか?」

 

「体力と身体能力のおおよその測定!疲れたら言ってくれよ?」

「はい!わかりました!」

 

その後しばらくして、黙々と打ち込んでいた響からの声が上がる

「もう動けません…」

「バカか、動けなくなるまで動くな

疲れてから体力は戻らないんだぞ」

 

響の手を引いて立たせて

軽い体を抱き上げる

 

「きゃぁぁっ!何やってるんですか!」

「運んでるだけだ、騒ぐかよ」

 

響を呼び出す前に置いておいた簡易イスに座らせる

 

ちなみにこれは二課の備品

…というか、持ち主が『いなく』なった椅子である

 

「落ち着くのには体を休めることがよい、あとこれ」

 

響にペットボトルを渡した統慈は、同じ黄金色の液体が入ったペットボトルをもう一本出して軽く呷る

 

「…こいつはいわゆる栄養剤でね、疲労回復に良いんだよ」

 

ただの栄養剤であり、薬物は一切ない

……忍殺的な意味合いではなく

本当に薬物も化学物質も入っていないのだ

純然たる自然産の生薬の力である

 

「…いただきます…………」

 

少しずつ飲んでいる響の姿は非常に可愛いのだがそれは置いて

 

「ぬるいです…」

「キンキンに冷えてると体に悪いんだよ、だからあんまり冷やしてはいない

んで、飲みきったか?」

「はい!」

 

元気の良い返事に、統慈は笑う

 

「んじゃそれ返してくれ

10分休憩だ、ゆっくりな

呼吸を整えるだけじゃなく、自分の体の状態を把握するのも重要だぞ」

 

 

軽く言っているが、自分の体の状態を完璧に把握するなんてことは一流のアスリートや武道家がようやくできるような技である

当然ながら中高生の女の子に求められるようなことではない

 

「…………10分経過、休めたかな?」

「はい!」

 

響の元気の良い返事に、

統慈は破顔しながら立ち上がる

 

「よし、じゃあ今の限界を調べよう

今は『体力の限界』から無理やりに回復した『付け焼き刃な状態』だから、当然すぐに疲れる、それは筋肉の断線とかで出力自体が最大から落ちているせいだから、気にしなくて良いけど

把握しておく必要があるんだ

自分がどれだけ動けるのか、自分の肉体はどれだけ頑張れるのか、それを知らずには鍛えられないからな!」

 

説明しながら

響を引っ張り

 

「ランニングからだ、今はどれだけ走れるかな?」

「頑張ります!」

 

ちなみに、三キロで足が動かなくなった

 

「まぁ、マシな記録だな、お疲れ様…これあげるから、風呂上がりに飲みなさい」

「はーい……」

 

目から光が消えている響に

カス(ry の水筒を渡す

 

「疲労回復、体力増進、代謝活性の効果があるから、当然ながら体温は上がるし、一時的に体力を消耗する、本当に疲れてる時は無理に使わない方がいい

 

トレーニング程度なら問題はないけどね」

 

「はひ……」

「帰り道、送ろうか?」

「お願いします」

 

流石に俺は車を使えないので

緒川さんを経由してエージェントを呼び、エージェントに車を出してもらった

 

「えっと…良いんでしょうか

こんな車なんて出してもらって」

「良いんだよ、シンフォギア装者は現状二人しかいない、その片方の自主トレーニングなんて邪魔できるわけもないし、送迎くらいあって良い」

 

結局そのまま家まで送り

ちゃんと夕食は食べるように念を押したあと、響と別れる

 

 

「で、エージェント・リンネ

よかったんですか?」

「エージェント・マスダ、その質問は意味をなさないよ…送迎自体についての可否なら、事前にシンフォギアの要項を読み漁ってお上に確認をとっているし、訓練についてなら僕はあくまで繋ぎ、一般自衛官程度のレベルに鍛えるだけだよ」

 

「……そうですか」

「エージェントとして、我々には責務がある、職場だけではなく私生活にまで

だから僕は私生活の一部として、立花響を鍛えることにした、それでは不満かな?」

 

「….いえ、それでは私はこれで」

「あ、待ってくれ」

 

「……」

「僕も基地に戻るから、ついでに乗せてってくれる?」

「………はぁ……わかりました」

 

最後だけは、少し締まらなかった

一般通過カルマノイズさんへのカウンターは

  • 転生者追加
  • 新聖遺物覚醒
  • カルマノイズさんは一般なので消えていった
  • カルマノイズの性能、ノイズ3位に下方修正
  • クリス「今回だけだかんな!」
  • フィーネ「メテオール発動承認!」

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