戦姫絶唱シンフォギア フロウレスエナジー   作:魚介(改)

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第3話 根本の失敗

「…3・5・1か」

 

 

あれから一週間程経ったのだが

 

今、青年は……競馬場に来ていた

 

もちろん賭博カスではなく

生活(ネカフェ)費を稼ぐ為である

 

「こんなことして金稼ぎとはねぇ」

真っ当に就職できない以上

こういった方法は金策の一つではある

 

運転免許も持っていない…前世と姿が違うから持っていても意味がない青年は

手っ取り早く金を得る方法として

競馬を選んだのだった

 

「…これは有難いんだが…転生特典…なのかねぇ」

 

実を言うと、青年は来るたびにある程度の金額を稼いでいたのだが

どうも正確に当たるのだ

 

この体は結構高性能であるようで

予知じみた運と少なくともオヤジ狩り集団五人くらいなら叩き返せるスペックを有していた

 

「兄ちゃん毎回稼いでんなぁ

その運、俺にも分けてくれよ」

「爺さん、運じゃなくて実力だよ

そもそも爺さんは大穴狙いすぎなんだ」

 

話しかけて来たのは、

来るたびに居るお爺さん

 

歳が幾つなのかもわからない程に歳をとっているように見える

「ワシはまだまだ現役じゃあ!男なら大穴狙わんかい!」「それで儲けを出そうとするのは間違いだよ爺さん」

 

確率が低いから倍率が出るのに

毎回かけてたら大損である

 

青年はなんとなくわかる

と言って、これには賭けないほうがいい、こっちに賭けてみよう、なんて気分で当てるのだが

爺さんは全くの楽しみ優先な賭け方をしている

 

当たる気がしない…それでもチラホラ当たるあたり、勝負師としての運は出てるようだ

 

「じゃあそろそろ、俺は帰るよ」

 

青年は換金を済ませてさっさと

移動して、ネカフェへと戻る

 

3日で別の場所に乗り換え、さらに別のネカフェに泊まるを繰り返して移動して

稼いだ金でバッグとスーツケースを購入

コインランドリーと銭湯で身綺麗を保つ

という収入以外は完全にホームレスな生活を続けている青年は、徐々に生活圏を移動しながら

ツヴァイウィングのライブを待っていた

 

のだが、この日は少し

様子が違った

 

「ノイズだぁぁっ!」

 

絶叫と同時に、黒い炭が舞った

 

様々な形、様々な性能を持つノイズ達が天空や地上より出現した

 

「ぅぉぁああっ!」「たすけてぇぇ!」

 

悲鳴とともに、さっきまで命だったものが辺り一面に転がる

 

逃げ惑う人々の流れと同時に

それを押し込むように人を圧するノイズ達

 

「マズイなぁ」

運が悪かったが故の死の危険を味わいながら、青年は離脱ビル上に籠る事を選択

遮二無二路上を抜けようとする人間の流れから自然に出て、手頃なビルに入り

 

階段ダッシュする

 

「ここで死んでたまるかっての!

まだライブいけてねぇんだぞぉっ!」

 

全力ダッシュで階段を駆け抜けて

5階、即ち屋上へと抜ける、

 

そこに

 

飛行型(フラスト)ノイズが襲来する

 

「禿げガァっ!死に晒せっ!」

 

突進してくるフラストノイズを辛くも避ける

 

しかし、ノイズはまだまだ多い

 

「俺単独で狙うなんてひどくありませんか?おかしいと思いませんか、あなた」

 

必死で回避し、

時には実体化した瞬間のノイズに

全力投擲の石をぶつけて動きを止め

なんとか切り抜けて

 

しかし、そこまでだった

 

屋上のドアが開く…そこにいたのは

人型ノイズ

 

「なにいっ!」

 

そして、驚愕の一瞬を突かれ

フラストノイズの突撃を食らう

 

「ぬがぁっ!」

 

突撃の威力を存分に受けて

()()()()()()()

 

「は?」

 

(どうなってやがる!人間が炭素転換されるのは確かに見た!その理に従うなら俺も転換されてるはず!

なのに俺はなぜ死んでいない?!)

一瞬で目まぐるしく思考を巡らせる青年

 

「だが、生きてる!」

俺は再び突進してくるフラストノイズを

コンクリ壁のすぐ前に陣取って迎え撃ち

 

ギリギリで回避する事で

相手が存在比率を変える前にコンクリ壁に激突させて動きを止め、更に実験を行う

 

「せえらっ!」

思いきりぶん殴ったのだ

 

果たせるかな…ノイズに触れた俺の右手は

炭素転換される事なく、

ノイズは炭となって消えた

 

(俺がカウンターすれば…攻撃できるのか?)

 

一度の実験で効果証明には早いと考えた青年は更に実験を繰り返そうとして

 

「危ないぞ!離れろっ!」

強烈な声に、咄嗟に下がる

 

直後に、大槍がコンクリ床に突き刺さる

 

当然の如くノイズを貫いて

 

「まぁったく…そこの人?無理せずに隠れておきな」

「…わかったよ」

 

現れたのは天羽奏、勝利の撃槍(ガングニール)の…現状唯一の適合者

 

「君は…いや、なんでもない!頑張ってくれ!」

「はいよっ…じゃあ頑張りますかぁ」

 

憎悪に塗れた槍は、

再開されたその歌声に応えて

唸りを上げた

 

戦闘BGM:

 

【STARDUST∞FOTON】

 

歌いながら槍を大きく引き絞り

投擲する

 

投げられた槍は大量に増殖し

多数のノイズを消し炭に変えていく

 

「うぉ…大迫力…」

 

青年が冗談めかして笑った瞬間、

謎の鈍痛が右腕に走る

 

「ぐぅっ…ぬぁ…いってぇぇ」

 

思わず声を上げた青年に、残存していたノイズが集り…

「隠れとけって言ったろ」

 

ガングニールに貫かれた

 

「ノイズ反応消失、戦闘終了です」

 

高性能イヤーが、インカム音声をキャッチし

それを理解したと同時に

 

(モブ厳世界で…生き残った…)

貴重な生存者枠に入った、という実感が湧く

そして

 

ご存知黒服さん達の御来訪である

「お手数ですが、ご同行願います」

「…アッハイ…」

 

すごくゴツい手錠的なもの?を付けられた青年はそのまま車で輸送され…

(リディアンの地下ですね分かります…

特定災害対策二課…でよかったかな?まぁ詳しくはどうでもいいけど)

 

無言のまま謎のエレベーター(カ・ディンギル)に詰め込まれて超速降下を体験して

「………ぬぁぁーーーっ!」

 

慣れた様子の職員の間で一人みっともなく叫ぶ

 

その後生気のない表情で話しと

誓約書の説明を聞き、

とりあえず同意して……

 

(この時間軸ってことは、まずセレナ死亡確認だよな…ついでに響、未来の存在確認、これ重要

あとほかの転生者がいないか)

 

考え込みながら歩いていると

 

「きゃっ!」

「おわっ」

 

人にぶつかってしまったようだ

「すいません、大丈夫ですか?」

体勢を崩して尻餅をついている女性…

 

『櫻井了子』と書かれたネームカードを首から提げた女性に、反射的に右手を差し出し

 

(どう見てもフィーネですねわかります

…ヤッベェ死ぬ!俺死んだ!)

 

内心絶望的な表情だが、ちゃんと心配げな顔を維持している辺り

なかなかメンタル強めである

 

「…ありがとう、ちょっと上の空だったわ」

「ここ多分地下ですよね?」

「あっ、上手い」

 

散らばってしまった書類を集めて渡し

「はい、どうぞ…これで全部かな?」

「ちょっと多すぎてわかんないけど、まぁ後で見直せばわかるわ、せっかくだし一緒に来る?」

 

この時、フィーネには本当に他意はなく

純粋な行動だったのだが、青年には地獄に引きずり込もうとするかのような巨大な腕が幻視された

 

「コーヒーくらいなら淹れるわよ?」

「ぜひに」

 

青年はここしばらく飲めていない

ブラックコーヒーを求めて

櫻井女史の研究室にお邪魔することにした

 

そろそろ聞かないといけないんですが 主人公は絶唱しますか?

  • YOU絶唱顔晒しちまえYO!
  • いや…流石にドン引きです…
  • シンフォギアもどき使うだけなら…
  • ↑いやRNもあかんやろ

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