戦姫絶唱シンフォギア フロウレスエナジー   作:魚介(改)貧弱卿

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第34話 鏡よ

「すぅっ……!」

 

統慈は吸い込んだ息を声帯に通し

歌詞を探しながらデュランダルを受け流す

 

力任せに振り回されるデュランダルは殺意と敵意に満ち溢れ、力を漲らせている

流石にガラスのように砕けてしまう炎光の剣では張り合いがないのか、その驚異的な破壊力を万全には発揮できていないが

それでもなお統慈を了子(フィーネ)ごと斬り殺して余りある威力だ

 

「……クソッ!」

 

戦闘中に頭の中で歌詞を編み出せるほど統慈の頭はイカれていない

デュランダルに対する防御に集中しすぎて歌える状況ではないのだ

 

「ヴァァアァァァァァアァァアッ!」

 

絶叫と共に、響が剣を振るう

その瞬間

 

「オラァァァッ!!」

 

クリスのビームキャノンが直撃した

 

底上げはあくまで攻撃力、防御力の上昇はあれど、それが主眼というわけではない

シンフォギアの攻撃を直撃させれば流石に無傷とはいかない

響はその衝撃でわずかに体勢をくずし

 

統慈は更に姿勢を崩すべく柔術による組討ちを仕掛ける

 

「!」

 

その瞬間、響の胸に輝くギアペンダント

ウィトルウィウス的人体図同様に、概念的な人体を表した形態を示すそれから

旋律が流れ込んでくる

 

重低音と同時に金属の擦れるような音

何かの軋む音、そしてどこかからの声

 

(目覚めし者よ、すでに与えられた身に

なにを求める?)

 

(当然、力を!助けなきゃいけない人を!助けられる力を!)

 

統慈はその声に答えて願う

 

(ならばどこに求める?)

(この身この腕、この心にだ!)

 

それはあの時と同じ声

統慈の内の存在の声

 

(ならば目覚めよ、その力の名は

力殺しの盾鏡(テシュカトル)

 

遂に目覚めた、二つめの統慈の力

 

それと同時に、完全聖遺物である統慈自身がギアに触れたことによって

共鳴現象(デュオレリック)が発動する

 

それは響と統慈のシンフォギア(ガングニール)と|完全聖遺物のシンクロ

 

暴走状態にあり、制御されていないギアから統慈に主導権が流れ

 

【You count the medals 1,2 and 3 Life goes on Anything goes Coming up OOO】

 

力強いドラムとシンバルの音が聞こえて

統慈はその瞬間に記憶から歌詞を引き当てた

 

「要らない持たない、夢も見ない

フリーな状態... それもいいけどッ!」

 

響から離れ、デュランダルを今度は受け流すのではなく完全に躱し

再び至近距離に入って膝を取り、無理やりにデュランダルを振るうことを防止しながら強引に歌を続ける

 

【こっから始まるThe show we're waiting for Count the medals 1,2 and 3】

 

「運命は君 放っとかない

結局は 進むしかない!」

 

デュランダルを避けられ、強引に突破することも叶わないと悟ったか、響の動きが変わる

デュランダルに頼った剣術紛いのそれから、獣じみた四肢を駆使した動きへ

 

【未知なる展開 Give me energy Count the medals 1,2 and 3】

 

「大丈夫明日はいつだってブランク

自分の価値は 自分で決めるものさ」

 

ガングニールギアの供する旋律は強く統慈の歌を支えて、統慈の纏うフォニックゲインは徐々にその量を増していく

 

【オーズ!オーズ!オーズ!オーズ!】

「Come on! Anything Goes! その心が熱くなるもの 満たされるものを探して」

 

密着状態での至近距離ではもはやデュランダルは役立たず、そう考えてこのまま押し切ろうとした直後に左肘を打ち込まれて咄嗟に離れ

着地してジャンプ

 

「 Life goes on! 本気出して戦うのなら 負ける気しないはず! 」

 

空中で解放したメビウスの腕輪の炎をブースターにして加速、そのまま両足でのドロップキックを叩き込む

 

「とっ……セイヤァァアァツ!」

「うぐォアア!」

 

ブースターをつけた飛び蹴りを響はデュランダルではなく自身の腕で受け止めて

その瞬間、統慈の右腕から煙が吹き出す

 

「ア ァァア……あぁぁぁ!」

 

煙に巻かれた響がガクガクと痙攣して

獣としか思えない様相を見せて暴れていた響の暴走状態か治っていく

 

「ああ……あっ……」

 

がくん、と完全に意識を失って倒れた響のギアが解除され、統慈を駆り立てていた旋律は途切れる

 

「……よし……」

 

崩れ落ちる響を受け止めた統慈は

そのまま響をお姫様抱っこで運んで

 

無事な車がないことを思い出して軽く絶望した

 


 

使用楽曲コード: 172-0420-8

次の話は

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