戦姫絶唱シンフォギア フロウレスエナジー   作:魚介(改)貧弱卿

50 / 57
第50話 二期5話

「ネフィリム!?」

 

統慈はその名に反応して即座にタスラムを発砲する

 

しかし、うねるタスラムの魔弾は灰白の獣、ネフィリムの爪に弾かれ

そのまま弾を砕かれて終わる

 

「タスラムが!……早く撤退してください!」

 

翼を連れたエージェント2人をさがらせ

響とクリス、そして統慈の3人のみを残す

ネフィリムは下がっていく3人には頓着せず、響と統慈を狙う動きを見せた

 

「はぁっ!」

 

響が拳を突き出し、クリスがレーザーを照射し

それらを受けてなおネフィリムは健在

 

「アームドギアで迎撃したんだぞ!」

「なのになんで!?」

 

「こいつはノイズじゃないんです!」

 

連射されたタスラムが縦横無尽の曲がり、空中に複雑な軌道を描いてネフィリムに迫るが

しかしネフィリムもそれを爪で迎撃し

撃ち落としていく

 

ことはできなかった

 

爪による斬撃の軌道を通りながら、透けるように姿を消したタスラムが爪をすり抜け

その背に出現して直撃したのだった

 

「グギァァ!」

 

初めて入ったダメージらしいダメージ

しかし、有効打には程遠い

 

「タスラムだってタダじゃないってのに!」

 

メビウスの腕輪を解放した統慈が炎光剣で突撃し、その背を周るように最後の一発となったタスラムが奔る

 

「はっ!せい!」

 

ネフィリムの爪と撃ち合う炎光剣

日輪の軌道を描く鋒が爪の描く三日月と衝突し、火花が弾ける

 

「……ぅううぉらぁっ!」

 

爪を切り上げてガードを浮かし

すかさず炎を解放して爆破

爆風と衝撃がネフィリムの腹を打ち据える

 

「グルルゥァァ!!」

 

しかしネフィリムは獣、いかに傷を受けても死なない限り衰えなどない

 

「ギァァッ!」

 

跳躍、壁や天井すらも足場とした超常の疾走を見せたネフィリムは真っ直ぐに響へと突撃し

 

「危ないっ!」

 

割り込もうとした統慈よりも早く響を吹き飛ばしてさらに追撃に入った

 

「ガァァァアアッ!」

 

戦力の落ちた響はまともな防戦も叶わず

攻撃を受けてしまう

 

「ガァァァアヴァオア!」

「きゃぁぁっ!」

 

シンフォギアの防御性能すら貫通したダメージ、そんなものを生身の統慈が受ければ死んでいただろう

 

「解放ッ!」

 

バーストしたメビウスの腕輪からのびる光炎剣をさらに大きく伸ばし、吹き飛ばされて転がる響に当たらないスレスレの軌道で横薙ぎに切り払う

 

「ガァッ!」

 

爆声と共に跳躍したネフィリムが響から離れながら振るわれる剣を回避して

そのまま廊下の先へと飛んでいく

狭い廊下ゆえに統慈の体を盾にクリスの射角から外れたネフィリムはすぐにその主人の元へ

 

「お前はっ!?」

 

「マイネームイズ……日本語でいい?

私はオーダー・ナイトリーン

そっちは?」

 

座り込んだネフィリムを撫ぜながら

こちらに向けて微笑む女

 

〈名乗るなよ統慈君!〉

(もちろんですよ)

 

「へぇ、トウジくん、ね?」

 

にちゃあ、と言わんばかりに

三日月のように口端を歪めながら

その唇から流れたのは間違いなく

今しがた耳打ちされた言葉

 

「うっそ!」

「聞こえるっての、そんなチャチな通信機でさ、なんで傍受できないと思ったの?

バカみたい!」

 

湧き出すノイズと戦うギア装者を尻目に

嘲るように笑う女

酷く不快なその声(カコフォニー)は統慈を苛立たせる

しかし、冷静を崩す訳にはいかない

 

「……!」

 

最後の一発となったタスラムを撃つか否か

その判断は統慈の手の中にある

 

メビウスの腕輪の解放にかかる予備動作は0.8秒

タスラムを撃つのなら0.2秒

そのどちらも、敵は許さなかった

 

ネフィリムのケージをノイズに運ばせ

撤退に掛かったのだ

 

咄嗟にタスラムを放つが、ノイズ6匹を犠牲に防がれ、そのまま逃走を許してしまう

 

「さいなら〜♪」「待てッ!」

 

廊下どころか窓すら通り抜けて

突如出現したヘリに飛び乗った女

 

「二課本部急速浮上求むッ!」

 

統慈は叫びながらメビウスの腕輪をバーストし、そのまま跳躍

ブースターにした炎の軌跡が空に茜の筋を描き

そして浮上してきた二課本部

()()()()()()の上甲板を足場に再度跳躍する

 

「届けぇぇっ!」

 

超常的な跳躍によってノイズが運ぶケージへと突撃する統慈だが、空中で突如推進を停止し、背面にバリアを展開する

 

「防がれたか」

 

遠くから、呟くような声

被弾の衝撃で軌道をそらされ、海へと落下した統慈を見つめるその視線の主人

マリア・カデンツァヴナ・イヴ

 

「時間通りだね、フィーネ」

「黙りなさい」

 

マリアは笑みを深めたオーダーの顔を嫌悪感にも似た意志を込めた視線で睨みつけながら底冷えするような声で黙らせた

 

そして

 

「deus ele」

 

声が溢れる

 

「De/E nes Cross」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。