鬼狩り抜刀斎   作:チチオマコト

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タイトル思いっきり間違えてた(汗)
修正させて頂きました!!




新たな柱候補

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「糞糞糞クソォォォ!!」

 

 深夜の人通りのない道を疾走する男。

 常人とは比べ物にならない速度で何かから逃げるその男は人ではなく、人を食らう悪鬼。

 人間を食料としてしか見なさない化け物だ。

 にも関わらず先ほどから全力で何かから逃げ続けている。

 

「話が違うじゃねーかよ!なんでこんなところに柱が、しかもよりによって・・・」

 

 斬!

 

 悪態をつきながらも全力で逃げ続ける鬼の首が飛ぶ。

 

 そして鬼が最後に見たのは緋色の髪の優男。

 

「鬼、狩り・・抜刀斎!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜の森にて少女と異形の者達が対峙している。

 いや、異形の者達が対峙していた。が正しい。

 何故なら異形の者である鬼達はたった一体を残して塵となり消え去ってしまったのだから。

 無論それを成したのは対峙していた少女にほかならない。

 

「群れをなしている鬼がいると聞いて警戒していましたが、貴方以外はただ寄せ集めの烏合の衆でしたね?まぁそんな烏合を率いていた貴方の程度もたかが知れていると思いますが」

 

 少女、胡蝶しのぶは自身の持つ切っ先と柄付近を残して刃の部分を大きく削ぎ落した特殊な日輪刀を構えながら、眼前の生き残った鬼に美しい微笑みを向けて毒を吐く。

 

「所詮十二鬼月といえど貴方は下弦の陸。しかも以前に発見され報告されていた鬼と違うことを考えれば最近加入したばかりの小物ということですね」

 

「小娘が!雑魚を狩った程度で粋がるなよ!!」

 

「あらあら。図星を指されて怒ったんですか?自覚していることを指摘してしまったのは申し訳ありません」

 

「き、貴様ァァァア!!」

 

 鬼である下弦の陸はしのぶの挑発に耐えきれず、彼女に自身の全力の疾走を持って飛びかかる。

 

「この程度の挑発も受け流せないなんて…」

 

 蟲の呼吸 蝶ノ舞 戯れ

 

「だから小物だと言われるのよ」

 

 まるで蝶のような独特の動きで鬼に動きを捉えさせず、数度の刺突を放つ。

 

「う、ぎがっ…!」

 

「貴方の一番の敗因は、私の体を見て鬼の頚を斬れないひ弱な隊士と舐めてかかり、配下と一緒に戦わなかったこと」

 

 そう言うとしのぶはしのぶの刀を鞘に戻し、

 

「私は確かに鬼の頚を斬れない隊士だけど、鬼に効く毒を開発した、ちょっと凄い剣士なのよ。…ってもう聞いてないか」

 

 鬼はしのぶの言葉を聞くことなく意識を失い絶命していた。

 そして物陰から様子を伺っていた者が一人。

 

「貴方もいつまでもそんな所に居ないで出てきたらどう?逃げ出した鬼の始末なんか速攻で終わらせて戻って来たんでしょうから」

 

「気づいてたのか…流石だな」

 

 しのぶの指摘を受け物陰から様子を伺っていた緋色髪の剣士 緋村剣心が姿を現す。

 

「よく言うわ。本気で隠れる気なんてなかった癖に」

 

「まぁその必要は感じなかったからな」

 

「あっそ。それにしても幾ら一番下っ端とはいえ十二鬼月の一角がこの程度なんて正直拍子抜けだったわ」

 

「それだけお前の実力が上がっている証拠だ。それにあの気味の悪い敬語の挑発も効いたのかもな」

 

「気味の悪いは余計よ!…まぁ何にせよ此れで私も柱に昇格出来そうね。ようやく他の隊士の前でも貴方に敬語を使わなくて済むわ」

 

 まるで清々するかのような言い分に、しかし剣心は気を悪くした様子はなく

 

「ああ、俺も此れでお前との会話に鳥肌を立てずに済む」

 

 だが皮肉を返す。

 

「なっ!それは悪かったわね!」

 

 その皮肉にしのぶは顔を赤く染めて剣心を睨む。

 何か言い返してやろうかと考えるも

 

 −こいつに口喧嘩で勝てた試しがないわね−

 

「はぁ…そう言えば貴方この後も別の任務残ってるんじゃなかった?」

 

 口喧嘩での敗北を認めたしのぶからの一言に、剣心は顔を初めて歪めながら首を縦に振り

 

「奴と合流して向かえとの指令だ」

 

「あぁ。彼と…それはご愁傷さま」

 

 奴と呼ばれるその人物に余程の苦手意識があるのか、剣心は顔をしかめたまましのぶと共に森を抜けるべく歩き出す。

 

「そう言えばそろそろ柱合会議の時期ね。姉さんも柱の引退を正式に告げるために参加するみたいだけど、貴方は今回の任務終わらせてからで参加できるの?」

 

「かなりギリギリだな。まぁ何とかするさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 鬼を斬っては捨て、斬っては捨ての毎日の中で美少女との会話は癒やしだわ〜〜

 

 ただ剣心の抜刀斎時代って女の子と話してる描写が巴さん位しかないもんだから、どう話せばいいのか。

 

 カナエさんには剣心が最初の方に巴さんと接してた感じで話せるけど、しのぶちゃん相手にそれは違和感あるしなぁー。

 

 てかそれ以上にこれからアイツと任務じゃん!

 嫌だー!!

 なんでアイツが鬼滅の世界にいるんだよ!!

 しかもお館様の意向で頻繁にコンビ組まされるし…

 

 マジでいつか背中から斬りつけられそう…

 

 

 

 

 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 剣心(偽)の頭の中は今日も平常運転のようだ。

 

 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 柱合会議

 

 それは、鬼殺隊最高位の剣士である柱たちと鬼殺隊の当主によって、半年に一度行われる会議のことである。

 原則として柱以外の剣士はこの会議に参加することは認められず、逆に柱はよほどの理由がない限り会議を欠席することは認められない。

 

 今回その柱合会議の場所に指定されている屋敷に6名の剣士が集まっていた。

 

 水柱・冨岡義勇

 音柱・宇髄天元

 岩柱・悲鳴嶼行冥

 蛇柱・伊黒小芭内

 風柱・不死川実弥

 そして元花柱・胡蝶カナエ

 

 いずれも鬼殺隊の頂点に相応しい実力を有する、または有していた剣士たちである。

 

「やぁ、よく来たね私の可愛い剣士たち」

 

 そして現鬼殺隊当主産屋敷耀哉。

 彼の登場と共に剣士たちは皆一斉に膝をつき頭を垂れる。

 

「早速今回の柱合会議を執り行いたいところだけど、少し遅れてる2人がいるみたいだから、もう少しだけ待とうか」

 

 すでに柱合会議の指定時間を過ぎているが、会議に呼ばれているものが2名足りていない。

 そのために開始時間をずらそうと提案する耀哉。

 その時

 

「龍柱 緋村抜刀斎様入られます!」

 

 新たな剣士が会議の場に現れる。

 その際に数名の剣士から鋭い視線が送られるが、当の剣士 剣心はそれらを全く意に介さずに剣士たちの列に加わり、膝をつく。

 

「やぁ剣心。よく来てくれたね」

 

「はい、お久しぶりですお館様。到着が遅れてしまい申し訳ございません」

 

「構わないよ。君が忙しいのはよくわかっている。それから彼と一緒ではないのかい?てっきり彼と君は共に到着するとばかり思っていたんのだけれど?」

 

「奴とは道中までともに行動していましたが、気付いた時には俺と離れて何処かに行ってしまいました」

 

「そうか、彼も変わらずということだね。仕方がない。これ以上待っても彼は来そうにないし、そろそろ柱合会議を始めようか」

 

 耀哉がそう言い会議が始まろうとした時。

 

「お館様。恐れながらよろしいでしょうか?」

 

 一人の剣士 風柱・不死川実弥が耀哉に語り掛ける。

 

「なんだい実弥」

 

「奴のことです。奴のここ最近での勝手な行動は些か以上に目に余ります。これ以上は他の隊士にも示しがつかない。厳正な処罰を願います」

 

「私も不死川に同意です。そして奴もそうだが抜刀斎、貴様もそうだ。柱合会議に遅刻し更に道中まで一緒に居たにも拘らずなぜ奴を連れてこなかった?一体何を考えている?貴様なら奴を引きずってでも連れてこれただろう」

 

 不死川の意見に賛同する形で蛇柱・伊黒小芭内も会話に加わる。更には会話の矛先を剣心に向けて。

 

「流石にそれは緋村君の責任ではないんじゃないかしら伊黒君?彼がまともに柱合会議に今まで出たことのほうが稀なのだし」

 

「そうだね。彼のことに関しては剣心に責任はないと思っているよ。遅れてきたことに関しても、剣心は他の柱と比べても多忙だから仕方のないことだ」

 

 そこで元花柱胡蝶カナエが剣心を擁護し、それに耀哉も同意し同じく擁護する。

 

「それに今ここにいない彼に関しても罰を下すのは厳しい」

 

「それは何故でしょうか?」

 

「簡単なことさ。彼は上弦の肆を単独で討伐している。上弦の鬼の討伐はここ百年以上どの柱も成し遂げれていない偉業だ。それを成した彼を会議に出席していない程度で罰するわけにはいかないからね」

 

「それはっ!・・・・っ!!」

 

 耀哉の言葉に伊黒は押し黙る。

 単独での上弦の撃破は確かにそれだけの偉業だ。

 多くの柱が今まで討伐せんとし、返り討ちにあってきたのだから。

 

「彼の件はここまでにして、ここからは会議の本題に移ろうか」

 

 耀哉が話を切り上げ

 

「鬼殺隊の新たな柱についてだ」

 

「「・・・・・」」

 

「わかっている通り今鬼殺隊は度重なる戦闘で多くの柱が殉職し、更につい二ヶ月程前にカナエも上弦の弐との戦闘で受けた傷が原因で戦線への復帰が困難となり、剣を置くこととなった」

 

「柱の入れ替わりが多いのは鬼殺隊にとって悲しいことだが常、だが今回はその中でもかなりの速度で柱がいなくなっているということか・・・南無」

 

「申し訳ありません。ですが、私の穴を埋める人材はすでに育っています」

 

 耀哉と岩柱・悲鳴嶼行冥の言葉に申し訳なさをにじませながらも、カナエは新たな柱について話す。

 

「そうだね。既に彼女の毒は十二鬼月の下弦が相手ならば通用することは実証されている。柱となるには十分な実績だろう」

 

「となるとそいつを含めて柱は八人か・・・九人目の当ては誰かあんのか?」

 

「知らん。人に尋ねる前に貴様のほうはどうなんだ不死川。そんな事だから・・・」

 

「あ"ぁ"!!なんだてめぇ!喧嘩売ってんのか!?」

 

「静かにしろお前たち。してお館様、他に現状の柱候補はいるのでしょうか?」

 

「そうだね。現状三人ほどいるよ」

 

 三人その言葉に剣心と水柱・冨岡義勇以外の者たちは驚きを隠せずにいる。

 柱とは他の隊士と隔絶した力をもつ剣士であり、それ程の力を持つ剣士が候補の段階とはいえ三人まだ存在することは中々に珍しい。

 

「一人は義勇の継子の子だよ。もう一人は煉獄家の長男の子だね。二人とも実力と実績ともに柱に昇格しても何ら問題はないのだけど」

 

「柱の重複ということですね・・・」

 

「そうだね。水柱と炎柱は既に席が埋まっている。そのために未だに二人の階級は甲のままなんだ」

 

「なるほど。ではもう一人のほうは?」

 

「彼に関しては現状まだ若すぎると彼の育手に反対されててね。なんせまだ歳は十二だから」

 

「なっ!・・・それは将来が楽しみな剣士ですね」

 

「は!まるでどこぞの誰かさんみたいなガキだな!なぁ抜刀斎?」

 

「・・・そうですね」

 

 三人目の候補者の歳を聞きカナエはその才覚に驚愕し、不死川はその才覚を剣心に照らし合わせる。

 

「まぁそう言うわけで現状九人目の柱は空席として、相応しい剣士が育つまで君達には誰一人欠けて欲しくない。だからどうか今度の柱合会議でも君達の無事な姿を私に見せてくれ」

 

 会議を締め括るかのような耀哉の言葉。

 それに対して剣士たちは

 

「「御意!」」

 

 全員が一斉に頭を垂れ言葉を合わせた。

 




剣心の戦闘シーンがない。
おかしい。
俺は誰が主人公の小説を書いてるんだ…


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