鬼狩り抜刀斎   作:チチオマコト

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剣心の戦闘をようやく書けたはいいが、如何せん短い。

クソ!
これも作者の文才の無さ故か…!

今回は前話までより過去の話です。
剣心が柱になって一年たってない位ですね。


黒死牟と抜刀斎と耀哉様

 

 

 

 

 

 

 一人の男が夜の山を一人歩く。

 その男は長い黒髪を後ろで縛り、六つ眼を持った異形の者。

 さらに額や首元から頰にかけて揺らめく炎のような黒い痣がある。

 

 そう。男は人ではなく鬼。

 しかしただの鬼に非ず。

 

 名を黒死牟。

 

 全ての鬼の祖である鬼舞辻無惨によって選別された最強の十二体の鬼、十二鬼月。

 

 その中で更に頂点にして最強の“上弦の壱”である。

 

 他の十二鬼月とは隔絶した力を有するこの鬼は正しく無惨にとっての切り札であり、その男が単独で何処かへと向かっている。

 それは無惨からの指令が下されたに他ならない。

 

 そして黒死牟は山を歩き続けること数分、遂に足を止め目的の地に辿り着く。

 

「…お前が…鬼狩り抜刀斎か…」

 

 目的の地には緋色の髪の鬼殺隊剣士が一人。

 その者こそ黒死牟が主である無惨より始末するよう言い付けられた標的。

 緋村剣心。

 またの名を鬼狩り抜刀斎。

 

(…なるほど…その若さで…まさか…これ程の剣士が…)

 

 主が自身に直接抹殺の指令を出す程の剣士。

 どれ程の者かと期待し、実際に目にすれば想像以上。

 歳のほどは現在14といったところか。

 だが身に纏う空気は歴戦のそれであり。

 剣気、闘気共に今まで自身が見てきた鬼殺隊の剣士の中で二、三番を争う程の逸材。

 

 確かにこれは今のうちに対処せねば、いずれ我らの大きな障害となり得る。

 

「…そういう貴様は上弦の壱か」

 

「…その通りだ…名を黒死牟…と言う」

 

「黒死牟…何故こんな所に貴様のような鬼がいる」

 

「…決まっている…お前を…始末するため…」

 

 その言葉と共に黒死牟の姿は剣心の視界から消えていた。

 

「くっ…!!」

 

 自身の視界から黒死牟が消えた刹那。

 剣心は体を半回転させる。

 そうすることで一瞬で自身の背後に廻り込んだ黒死牟の上段からの斬撃を回避し、そのまま刀を回転の勢いをつけながら抜刀。

 

「…な、に…」

 

 自身の攻撃を避けたこと、更にそこから攻撃に転じようとする動き。

 そして抜刀され刀身を顕にした刃の色に黒死牟は驚く。

 

 

 "龍の呼吸 肆ノ型 龍巻閃(凩)"

 

 そして抜刀された刀はそんな事はお構いなしに神速の速さにて黒死牟の頚に向かう。

 

 だがそれでやられるほど上弦の壱は甘くはない。

 

 "月の呼吸 伍ノ型 月魄災禍"

 

 黒死牟の周りに無数の月輪状の斬撃が出現し、剣心を襲う。

 

 "龍の呼吸 参ノ型 龍巣閃"

 

「う、おぉぉぉお!!」

 

 その無数の斬撃を前に型を切り替え瞬時に自身の持つ連撃技を繰り出す。

 龍巣閃による連撃で黒死牟が生み出した斬撃を剣心は体を後方に下げられながらも全て相殺する。

 だが敵がそれをただ黙って見過ごす訳もなく。 

 

 "月の呼吸 漆ノ型 厄鏡・月映え"

 

 当然放たれる次の攻撃。

 地面を這うように放たれた複数の斬撃。

 

「おおお!」

 

 "龍の呼吸 陸ノ型 土龍閃"

 

 地を這う攻撃に対して剣心は刀を地面に叩きつけることで衝撃を与え、土砂とその衝撃波によってまたしても黒死牟の攻撃を相殺してみせた。

 

「馬鹿な…」

 

 これにはさしもの黒死牟も驚愕を隠しきれない様であり、次の攻撃を放つことなく剣心を鋭い六ッ目で凝視する。

 

 ー気に入らないー

 

 それが黒死牟が剣心に抱いた感情。

 

 普段の黒死牟なら自身の攻撃をこれ程防いだ敵が居れば惜しみない称賛を送っていたであろう。

 よくぞ人の身でそこまで練り上げた、お前も鬼になれ、と言い。

 だが今の黒死牟にはそのような敵を褒め称える考えなど微塵もない。

 有るのは眼前の敵への怒り。

 

 そして嫉妬である。

 

 剣心の持つ才気、その緋色に光る(・・・・・・・)刀、そして何より眼が、

 

 かつて黒死牟が最も憎んだ男と重なる。

 

「忌々しい…!!」

 

「何?」

 

「数百年の時を経てもお前は俺の記憶から消えぬのか…!」

 

「貴様一体何を言っている」

 

 突然の敵から発せられる理解不能な言葉。

 剣心は警戒を怠らせず、ただ顔は黒死牟を訝しむ表情が浮かぶ。

 

「…もういい…早々に貴様を始末する…そうすれば奴の顔も浮かんでこまい…」

 

「ほざけ。貴様が何を言っているか知らんが、早々に始末するのは俺の方だ」

 

 そう言うと剣心は刀を正眼に構える。

 対する黒死牟は上段の構えを取り、両者から今まで以上の剣気が迸る。

 

「…来い…抜刀斎…」

 

「…行くぞ」

 

 "龍の呼吸 玖ノ型 九頭龍閃"

 

 "月の呼吸 玖ノ型  降り月・連面"

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 悲報 俺氏上弦の壱に狙われている。

 

 マジでヤベーって!! 

 何あいつ! メチャクチャつえーんだけど!! 

 飛天御剣流(なんちゃって)の技が全然当たんねーの! 

 しかも幾つ技の型あんだよ!!!! 

 多すぎて対処出来んわボケ!!!!!!! 

 

 何とか日の出まで時間稼ぎ出来たから助かっけど、次戦う時はこうもいかんし…

 

 あぁ本気で腹いてぇ(泣)

 

 

 

 

 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで黒死牟。貴様は結局柱の一人を始末する事も出来ずに戻って来たというわけか?」

 

「…申し訳‥ありません…」

 

 鬼の首魁 鬼舞辻無惨の拠点である無限城にて、黒死牟は頭を垂れ平伏しながら自らの主と対面していた。

 

「無様なものだな。上弦の壱はいつからそこまで墜ちたのだ? 私は貴様を信用して確実に奴を仕留めるために指令を出したというのに」

 

 主である無惨から黒死牟に注がれる視線には怒りはない。

 ただ有るのは心の底からの呆れと軽蔑。

 

「まぁいい。貴様を信用し過ぎた私の間違いだった。柱一人の始末も貴様には荷が重かったのだろう」

 

「…ッ!!」

 

「何だ? 何か言いたい事が有るのなら言ってみせろ? 貴様は上弦の壱でありながら一人の柱の始末をしくじった。これに何か間違いでもあるのか?」

 

「…いえ…何も間違ってはおりません…」

 

 黒死牟は歯を食い縛りながらも、無惨の言葉に平伏し続ける。

 

「…もういい。失せろ黒死牟。今貴様を見ていると虫唾が奔る」

 

「…は…申し訳ありません…」

 

 黒死牟は無惨にもう一度謝罪すると立ち上がり、姿を晦ます。

 

「抜刀斎…!!」

 

 その心中に煮えたぎった怒りを隠しながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 所変わって産屋敷亭にて剣心は鬼殺隊当主である耀哉に今回の黒死牟との戦闘の詳細を語っていた。

 

「そうか。ご苦労だったね剣心。君のお陰で今まで全く情報の無かった上弦の、それも壱のものが掴めた。これは無惨に打ち勝つための大きな一歩だ。本当に良くやってくれた」

 

「いえ、そこ迄言って頂くことではありません。俺は結局奴を仕留める事が出来なかった…」

 

「そんな事は言うものじゃないよ剣心。今まで多くの柱が上弦と戦い敗れてきた。生きて帰ってきただけでも素晴らしい功績だ」

 

 自らを卑下する剣心に耀哉は優しく否定する。

 

 耀哉は思う。

 責任感の強い子だ、と。

 

(誰よりも平和を愛していながら、その平和を護るために自らを修羅に変えてしまった。故に誰よりも鬼を狩ることに責任を持とうとする)

 

 それが悪しきものだとは言うまい。

 鬼殺隊の隊士であれば、誰もが少なからず持たねばならない責任感。

 

(だが剣心のそれは常軌を逸している。このままではその責任に全てを押し潰されてしまう程に…)

 

 だが耀哉に剣心を止めることは出来ない。

 何故なら彼は鬼殺隊の当主であり、剣心を修羅の道に誘った要因の一つなのだから。

 

(今更私がこの子を止めることは出来ない。だからせめてこの子に心安らげる居場所を作ってくれる誰かが居れば…)

 

 剣心がそのような存在を欲していない事はわかっている。

 いつ自分が死ぬかわからない状態で彼が自身にとって特別な人を作るわけがないと…

 そう分かっていても願わずにはいられないのだ…

 そこに彼を修羅の道へと誘った要因である事など、関係はなく。

 ただ子の幸せを願う親の気持ちのみがあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして耀哉の願いはそう遠くない未来に叶うこととなる。

 未来の蟲柱によって。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




取り敢えず前までの話に書いてる通り黒死牟とは決着つけれてません。
ただ標的としてロックオンされてしまってます。
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