アダム爺とマック爺は山へ狩りへ、ウィリアムとハヤトとハルロの3人は監督官のC.A.M.P.の武器作業台で銃のメンテナンスを、残った女性陣3人はクッキングステーションでフローリィがハーブティーの淹れ方をアリサカへ教えている。
スチュワートはといえば製材所と農家へ戻ってジャンクを拾っている。
「アダム、あんまり撃ちすぎないでくれよ?肉が傷んでしまう。」
コックが携行ナイフで
「あぁすまんなコック。」
「目が悪いんならV.A.T.S.でも使えばいいじゃないか...」
「なんだいそれ。」
「動体センサーとサーモグラフィーで生物の大体の位置を割り出して表示する補助機能...ってアダムあの講習聞いてなかったのか?」
「小難しい話は昔から眠くてな。」
「寝てたのか...」
「いやいや、意識が飛んでたのさ。」
「重症じゃないか...。」
「いやしかしやはりレバーアクションが欲しいな。おれの愛銃が恋しいよ。」
「私はエアポンプライフルかクロスボウあたりがいいかな。弾を取り出しやすい。」
「すべては美味しいジビエのために、か?」
「もちろん。」
「ハッハッハ変わらんな流石コックだ。後でウィリアムかハヤトに聞いてみればどうだ?何かやれるかもしれないぞ?」
「そうしてみるよ。っとアダム静かに。遠くに何かいるぞ。」
「どこだ?」
「北東方向だな。」
「ここぞそのヴァッツ?とかいう奴の出番だな...ありゃあ犬か?痩せてるな。」
「ジジイのエイム練習台になってもらうか?」
「ハッハッハーハッハそりゃいいや」
「笑うな声がでかい」
「...」
山を駆ける爺。
ところ変わって監督官のC.A.M.P.。
ウィリアムとハヤトがくしゃみをする。
「どうした?」
「「誰かが噂したらしい(です)。」」
「アダムだな。」
「「間違いない(ですね)。」
ハルロの勘が的中している。
アリサカから預かったショーテッドライフルや他の—猟友会をのぞく—人から預かったパイプ銃を分解して構造を見る3人である。
「パイプ銃の方はまさに『パイプガン』ですね。」
ハルロが続いて
「簡易的な資材で簡易的に銃を量産する、となると猟銃じゃねぇな。猟銃というより軍備といったところだ。」
「量産が目的となると何かから身を守るためにか何かを襲うためにとなりますね。」
ウィリアムが口を開く。
「たしかにこれなら修理素材も楽に手に入るしね。ただ問題は命中精度かな。パイプを銃身に代用しているからライフリングがなくて、弾もパイプにゆるすぎない程度のものを選んだんだろうね。38口径弾薬だけど銃身内で弾が揺れるからブレるし。」
「素晴らしく簡易的という点ではAKに及ぶがな。」
「これでフルオート化していたら勲章ものだね。」
「ショーテッドライフルの方は...まぁハンティングライフルの改造銃でしょうか。」
「ロシア帝国にこんなのあったよな?」
「ハルロそれは...オブリズかい?モシンナガンを短く切った奴だね。」
「あぁ!そうそれだ!一部の州じゃあ規制避けのために猟銃で作られたタイプだ。これもそうかもな。」
「女性に扱わせるにはちょっと負担が強すぎるね。ストックでもつけてあげようか。」
「フルストックは作る暇がないな。」
「アラインストックをハヤト君に教えるついでにね。ハルロ、君がさっきバラして資材にしたパイプガンはあるかい?」
「あぁちょっと待て...」
しばらくして何かの肉を持った猟友会が帰ってきた。コックがミートハンマーで叩き、軽く塩を振ってグリルにする。またその間にウィリアムとハヤトへ彼が猟銃の相談をしていた。
「なるほどね、マック。クロスボウは私も知識がないから用意はできないがエアポンプならバラねじにボトル、バネが手に入れば作れそうだよ。」
「フラットウッズでしばらく滞在するなら作りたいですね。」
コックは大喜びだ。
後にシリンジャーという既製品を発見したコックであったがそれは取らずに、彼らに作ってもらったエアポンプライフルを愛用し続けたのだとか。
コックのモールラットグリルを食べ終わった一行は出発する。9人の大御所帯である。
コックと爺、フローリィ、ハルロが前衛を張る。コックは大きなバックパックに調味料と料理用品を詰めて斧を片手に。爺はベルトの金属リングにマチェーテを掛け、パイプピストルを片手に。フローリィはホルスターにパイプピストル、バックパックの外付けポーチにトマホークを入れている。ハルロは割と軽装であり、サバイバルナイフにパイプピストルである。彼の場合は荷物をウィリアムが持っている。
後方にパイプボルトアクションを持ったハヤト、ショートバレルのライフルを抱えるアリサカ。護身用にパイプリボルバーを持つダネルとパイプボルトアクションピストルを改造してライフルにしたウィリアム、殿にトゥルーストックのショートライフルを持つスチュワートである。
途中、プールを持つジムにやって来たがめぼしいものはなかった。何かあったかといえば
コックが「アレの味はどう思うか」と爺に相談した時にはダネルが全力で止めていた。試すつもりはなかったらしいが。
木造で白いペンキを塗った古い教会が見える。坂を下って突き当たりのT字路を右へ曲がればその教会と酒場に出るのだ。
爺の記憶の中では新しい。あの酒場がある町である。
しかし悲しきかな。ここもやはり人の気配がないのだ。途中の一軒家の玄関先では高齢の女性が亡くなっていた。彼女の遺したホロテープからレスポンダーという組織の活動が推測できたが、彼女が生前に経験しホロテープで1人語った内容は古びた絶望の色をしていた。
かつては細やかながら栄えていたフラットウッズの町は今では教会しか燈を灯しておらず暗い。教会には監督官のホロテープが彼女のスタッシュと共に置いてあった。
曰くレスポンダーとは弁護士、警察官、医師といった専門職の集まったチームで近隣の住民などから厚い信頼を寄せられていたという。
ハルロの流すそのホロテープを聞きながら爺は独り酒場へ足を運ぶ。
息絶えたレスポンダーの遺体が多く倒れている。
血痕をみるに何らかとの戦闘か内乱によって死滅したとみられるが、真相は探らなければわからない。あの人型—彼らレスポンダーはそれらをスコーチと呼んでいた—との戦闘であるやもしれない。
レスポンダーのシステムは生きていることからレスポンダーのボランティアに参加することとなった。酒場に入ってすぐ目の前の壁にあるコンピュータで登録を行う。
爺は登録した後、正規メンバーのリストを閲覧する。
「あぁ、君たちはここに居たのか...。」
懐かしい名を見たのだ。
あの夜にvault 76に入る爺を祝い偲んで共に飲み明かした同僚たちの名だった。
また大学時代の後輩の名もあった。
彼女はたしか薬学で研究員をしていた。いつか自分の研究が何かの役に立つことを願って。
昔を思う爺を他所に、あまりに高額な取引をだすベンダーロボットに対して発狂して叫びをあげるウィリアムの姿が教会にあったとかなかったとか。
投稿ペースが早い人間性。
これはつまり私が忙しくなる前に新話を出そうと躍起になっているということです。
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