やあ、元気かい?リムル=テンペストだよ!只今絶賛冒険中さ!何処にって?ふっふっふ、それは日本だ!え?どうやって?なんだ、忘れちまったのか?魔物の国には今や異世界に行ける技術があるんだぜ?ソレを使って日本にきてるのさ!
・・・ただし現在進行形でピンチなんだよなぁ。
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俺は志間 孝仁。ただの高校生。父母に中学生の妹の四人家族だ。なんの取り柄もない、ホントにただの高校生だ。一つだけ挙げるとすれば、ある日ちょっとおかしな体験をしてしまったくらいだ。
その日はハロウィンが近くなり、皆が浮かれている日だった。学校でも皆仮装の話ばっかしてた。
「なあ孝仁、お前ホントに来ないのか?せっかくのハロウィンだぞ?」
「行かないよ。そんなのは似合わないしな。」
「そうだそ孝仁。マミちゃんも来るんだぜ?」
「だから行かないってば・・・。」
「ちぇ、相変わらずノリが悪いよな。」
「ははは・・・。まあ、楽しんでてよ。」
「あ、帰るのか?すまんな、今日はどっちも部活だから一緒に帰れんわ。」
「ああ、そっか。・・・まあ部活頑張れ。じゃあな。」
「「おう、じゃあまた明日。」」
・・・・・・。疲れるわ。何なんだよ、仮装してそんなに楽しいのか?見せびらかしたいだけじゃないの?
もちろんこんな事考える俺はだいぶひねくれてる自覚はあるけど。でもやっぱわかんねえ。そもそもハロウィンって海外バージョンのお盆だぜ?それにゾンビとか魔女とかの変装して帰ってきたご先祖さまや悪いヤツとかと混じってわちゃわちゃするってやつだよな?それがどうして、日本ではただの仮装パーティーになっちゃってるよ。まだゾンビとかは分かるけど、ナニ?お巡りさん?マ○オ?○ォーリー?関係なくね!?ホント意味わからんよな・・・。どうした日本よ・・・。
なんて考えながら家に向かっていた。そしたら唐突にソイツは現れた。
角を曲がった所にいた。・・・・・・。何コレ?なんか水色がかった寒天(?)ゼリーが落ちてるよ。気持ちよさそう・・・。
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ヤバい、完璧に見つかってるよな?この少年、絶対俺見てるよな?・・・おかしいな、ちゃんと"隠形法"で完璧に隠れてるはずなのに。は!まさかコッチは魔素が薄いとか何とかでちゃんと技術使えないとかか!?
《そのような事はありません。"隠形法"はちゃんと使えてます。》
ふむ。なら何故見られてるんだ?
《分かりません。》
なに、シエルさんでも分からないだとぅ!まあいいや、取りあえずこれまでの出来事を整理してみようか。
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「リムル様、私リムル様が元いた世界が気になります!」
唐突にシオンがそう言った。
「あら、抜け駆けはいけませんよ?シオン?」
「リムル様が元いた世界、か。興味あるな。(甘い物あるかな・・・)」
「向こうでも俺が忍べるのか気になるな。」
「シオンにしては珍しく良い事を思いつきましたね。クフフ・・・」
なんと、シオンだけでなくシュナやベニマルにソウエイ、ディアブロも気になるようだ。
「ということでリムル様、私達はリムル様の元の世界に行きたいです!」
シオンがキラッキラの目で俺を見てくる。ヤメてくれ、心が痛い・・・。
「ムリだな。」
「えっ。どうしてですか?」
「見た目的にまずムリだ。向こうにはオマエらみたいに角があるやつなんていないしな。それと髪色もほぼ黒ばっかだし。確実に不審者かコスプレイヤー認定されるな。」
「・・・そうですか。」
うわぁ、シオンがあからさまに落ち込んでるよ。俺が悪いみたいじゃないか。・・・まあ、面白そうだけどな。シュナが本場の味を食べて料理の腕をさらに上げることも出来るしな。ちょっと真面目に考えてみるか。
なんて事があって取りあえずどうにかならないか探る為に日本に来てみた。
「いヤッホーい!!久しぶりの日本だ!!」
出てきたのは意外と人が多い街の公衆トイレ。だってみられたらヤバいしね。そこで取りあえず日本人みたいな格好に変装(変身)する。
ああ、日本だ。摩天楼がそびえたってるよ。と軽く感動する俺。今日は我が故郷をふらふらする事にした。
①まずは向こうから持ってきた宝石をひとつ現金に換えてみる。うひょー、75万円!?
②腹ごしらえ。やっぱり寿司は美味かった。
③とりあえずふらふら・・・。平日だからか、とっても静かだった。
ちょっと懐かしくなって住宅街にも入ってみる。
そこで俺のスライム細胞が思いついた!スライム姿で歩いてみたい、と。日本じゃ有り得ないことをしてみたい、と。
だから俺はスライム姿に戻り"隠形法"で隠れて街中を闊歩してみた。ヤバいわ、楽しい。人を下から見上げるのは最高だー!おねぃさん!
《魔力感知を切りますよ?》
すみませんでした、はい。
当然シエルさんに怒られた。でもやっぱ楽しいねぇ。この世界が前とは全然違って見えるな。ゴブリンの村を牙狼族から守って街を作り始めて・・・。色んな人と出会っては別れて・・・。日本にいる時には考えたこともなかった。人と人との出会いの素晴らしさ、努力が実を結んだ時の嬉しさ、誰かがいなくなる悲しさ。全てが奇跡だと思える。
あ、ヤバい。しみじみしちゃったな。
と思ってふと顔(どこだよ)をあげたら、あれ?
《!?見られてます!》
みたいだねえ。当たり前だろ、見た目は高校生くらいのヤツが俯いてんだ。泣いてんのかなー、って思って心配するだろ?
《マスターは今はスライムです。》
あ、忘れてたー。スライムだったー。・・・って、は!?スライムだよな?やばくねえか?
《ヤバいです。》
そこで少年が口を開いた。
「・・・・・・寒天ゼリー?」
「《!!!???》」
・・・・・・と今に至る。
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すっごいデカい寒天ゼリーが落ちている。持って帰ろうかと思ってたら
「あー・・・。聞こえてるか?」
「!?誰だ!!」
「前だよ、前。」
「!!まさか、このゼリーか?」
「うん、ゼリーじゃねーし。」
どういう仕組みだ?これ。触っても触っても機械らしきものに当たらないし。むしろ極上のウォーターベッドみたいな。どういうことだ?
「いつまで触ってんの?」
「うわぁ!!やっぱこのゼリー喋んのかよ!!」
「俺はスライムな?」
「は?スライム?あれか、青くて雑魚で弱いクソなモンスターか?」
「酷い言い様だなおい。まあ自己紹介しとくよ。」
「・・・」
「俺はリムル!悪いスライムじゃないよ!」
「ブブォ!?」
「寒天ゼリーじゃないからな?」