がっこうぐらしRTA_生存者全員殲滅ルート   作:ちあさ

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ラスト2話です。




特殊クエスト【使命を果たせ】

巡ヶ丘学院高等学校屋上

 

 

「こちら第一班、応答せよ!───ダメか」

 

 

アンブレラ特殊部隊隊長アンドレは一向に繋がる様子のない無線機へと苛立ちの声を出す。

第三班も全く応答に出ず、上空で待機しているはずのヘリもいつの間か姿を消してしまっている。

逃げる時に職員室から試験体が姿を現したのが見えた。おそらく第二班は全滅であろう。もはやこちらは自分とデーヴィドの二人だけ。18人の先鋭が1時間も経たずにこれか。状況の酷さに頭を抱えたくなる。

だが、メグミ・サクラの確保だけは何とかしなければ。これだけ被害を出して成果無しでは目も当てられない。

幸いメグミ・サクラは戦闘に耐えれる状態ではない。ゴリラも遠距離戦に徹すればやりようがあるはず。問題は試験体だ。かなり進化が進んでいるように見えた。

 

 

「だが、こちらにもまだ切り札がある。まさか本当に使うことになるとはな」

 

 

ヘリから降下時に一緒に降ろしたコンテナを開け、まだ希望はあると呟くのだった。

 

 

 

 

++++++++++

 

 

 

 

RTAは続くよどーこまーでもー。

ってどこまでも続いちゃダメじゃん。いつまでやるの、最速でしょ!

 

 

目を覚ました佐倉先生はゴリラさんに背負わせました。イカ足を使ってベチョズルっと動くことはできるけど、ゾンビ並みの速度だったので。

その点ゴリラさんは真のゴリラパワーに目覚めたらしく、佐倉先生を片手で担いで余りある腕力です。そのうち空だって飛べそうです。飛べないですかそうですか。

 

 

生き残りは他にゆきちゃんとサイコパスさんです。主人公勢ってこれだけでしたっけ? キャラ紹介書いた紙、どこにしまいましたっけ。チャートの紙も破れて読めなくなってますし。もしかして私、寝相が悪いですかね。

無いものはない、しょうがないね。どうせもう終盤ですから後はなるようになれです。

体力はどうでしょうかね・・・あれ? ゲージがないですね。終盤は難易度アップでHPが確認できなくなるんですかね。

でも体調はバッチリなので大丈夫ですいけますいけます、ここまできたら後は根性の問題ですよ。

 

 

ではまずはエンディング達成の為に特殊モブ生存者2体というのを探しますか。

特殊モブ生存者2体って誰ですかね。

そいつらがここを脱出するための手段を持っているそうですよ。

 

 

「特殊な生存者2人組? そういえば地下にいたあいつら、2人だったな。奥の部屋から出てきたし脱出する手段ってのを持ってるかもしれないな」

 

 

地下にいた2人組?───ああ! 思い出しました! そういえば佐倉先生達と戦ってましたね。いやーうっかり忘れてましたよ。ついさっきの事なのにね。なんか気絶する前の記憶が所々抜けてるっぽいんですよね。きっと寝不足だったせいでしょう。

 

 

「でもさっきやりあったばかりだってのに本当に協力なんてできるのかよ。また撃たれたりするんじゃないか」

 

 

えーと、その人たちについてはもう大丈夫だそうですよ。

あれはこちら側のレベルが低い時に発生するイベントです。一定以上のレベルまで上がれば戦闘はおきません。

はじめは敵対していたけど、ゲーム終盤では仲間になるというありがちな展開ですよね。

でも脱出イベントに必要な重要キャラなのにモブ顔なんですよね、キャラデザ手抜きし過ぎだろう。

とりあえず危険はもうないことを伝えつつ、特殊モブ生存者と合流するために1階までいきましょう。

階段から行くと生き残り兵士に待ち伏せされたり罠があったりする可能性があるので、安全に外から降りましょうね。

4人をアイテムボックスにとりあえず仕舞い、外へと飛び出します。

こらっ暴れないでください。動きにくいでしょう。ただでさえ重量オーバー気味だと言うのに。

初めて入るゆきちゃんとサイコパスさんが怖がってアイテムボックスから出ようと暴れてきます。

このままだと落っこちて危ないので先生たちの時のようにねっちょりさせます。

 

 

「なんか気持ちいいかも~」

「あっ───あっ───あっ───」

 

 

ゆきちゃんとサイコパスさんの好感度もマックスまで上がりましたね。これでみんな仲良しです。

佐倉先生は手はともかく足がないと不便かな。

誰かに担がせるとその分移動が遅くなりタイムに影響が出そうです。

なので特別サービスで手足をプレゼントしましょう。確か所持品に色々パーツが残っています。先程の兵士さんたちのドロップアイテムですね。

本当なら人間には装備制限があるのですが、佐倉先生は既に変異していますし、私の新しいスキル【融合】を使えばデメリット無しで装着可能です。

しかも【融合】を使って装着すれば私のステータスやスキルの一部が継承可能です。超お得です。クリア後の強くてニューゲームの時に役立ちますよ。

 

 

そんなこんなで1階に到着、4人を吐き出します。

玄関から中を伺うと、特殊モブ生存者の2人が銃を手に警戒しながら出てきました。

ショットガン持ちはこちらのことを警戒していますが、犬を連れたサブマシンガン持ちは無表情のまま冷静にこちらを観察しています。

さっきまではこっちの方が好戦的だった気がするのですが、いっぱい撃ち込まれたみたいだし。

 

 

「私のことはエムと呼んで。彼女はケー」

 

 

マゾさんとケツさんですか、なかなかマニアックですね。

とりあえずはじめまして。挨拶は大切です。

 

 

「はじめまして? やっぱりあの人の言ったとおり、私達の顔データ、ちゃんと消してくれてたんだ」

 

 

ボソリとケツさんが何か言ってますが、なんのことかよくわからないのでスルーです。

それじゃ合流は完了したのであとはどうやって脱出するかですね。

 

 

「脱出に関しては、救助部隊の先遣隊と先ほど会った。今、回収用のヘリを呼んでもらってる。あなたにヘリを誘導して欲しい。グラウンドの真ん中に立ってて貰えるかな」

 

 

マゾさんがすんごい棒読みのセリフ調で言ってくる。誰だよこんな素人声優起用したやつ。顔もモブなら声も棒。どうしようもねーな。

救助部隊とかヘリとか超盛り上がるところなのに。

はいはい、わかりましたよ。目立つところに行けばいいんでしょ。

佐倉先生は気をつけてと心配そうにしていますが、ここら一帯はきれいにお掃除してるのでゾンビも居ないし余裕ですよ。

タイムも好調でこのまま3日目でクリアですね。すごくいいタイムです。

なんだったらドナルドダンスでヘリを誘導しますよ。私はクリア間近になるとつい踊っちゃうんだ。

 

ド・ド・ドナルド・ド・ド・ドナルどおおおおおおおおおおおおおん!

 

グラウンドの真ん中でドナルドを踊っていると凄まじい衝撃と共に頭が吹っ飛ばされ、意識が暗転した。

 

 

 

 

++++++++++

 

 

 

救助隊のヘリを誘導するためにグラウンドでしずくさんが躰をくねらせていたら、急にしずくさんの頭部が吹き飛ばされ、上の方から大きな銃声が響いてきました。

 

 

「いやああああああ!しずくさんが!」

 

「ダメッ!危ないよ!」

 

そのまま崩れ折れるしずくさんの姿を見て、私は取り乱し、直ぐに駆け出そうとしましたがケーさんに羽交い締めにされ止められてしまいました。

続いてロケットのような物が倒れたしずくさんへと何発も撃ち込まれ、凄まじい爆発が繰り返され、そのたびにしずくさんの体はバラバラに吹き飛ばされていきます。

くるみさんたちもこちらにまで伝わってくる熱風と爆風の為に近寄れず、辛そうな顔をしています。

そして、やっと攻撃がやんだ後、そこにはしずくさんだった肉片が飛び散っているだけでした。

 

 

「アンチマテリアルライフルによる頭部の破壊。おそらく対試験体用の硫酸徹甲弾。そしてRPG-7の釣瓶撃ち。豪勢だねぇ」

 

 

ケーさんがどこか面白げに説明しています。

 

 

嘘…さっきまであんなに元気だったのに。

誰にも負けないぐらい強かったしずくさんが…。

私は、私はまた守れなかった。

 

 

「大丈夫。あの試験体は最終段階まで達している。あそこまで進化したら通常兵器では殺すことは不可能。見て───」

 

 

へたり込む私に、エムさんが無表情のまましずくさんの肉片を指差します。

飛び散った肉片がピクリと動き、膨張していきます。

そしてそれぞれが集まり、融合してより大きな肉塊となっていき、そこから二本の太い手が出て屋上めがけて伸びていき───

 

 

ぐあぁぁあぁぁぁあぁああ

 

 

断末魔の悲鳴が届いて来ました。

 

 

「これで最終段階。後はゲームを終了させるだけ」

 

 

目まぐるしく変わっていく状況についていけず唖然としている私達の耳に、エムさんの小さな声が聞こえてきました。

 

 

 

 

++++++++++

 

 

 

サブシステム起動

 

 

警告、頭部損失

 

 

メインシステム、ロスト。

保護プログラムによる復旧を開始します。

 

 

身体機能回復開始

 

 

攻撃元の探査…完了。

脅威度の高い敵性体を2体確認。

排除開始…排除完了。

 

 

実験プログラムに致命的なエラー。

走者システムのバックアップに欠損が見られます。

欠損データの回復プログラム実行…エラー。

走者システムの実行プログラムの代替データを探しています。

 

 

特殊クエストの実行フラグが解除されました。

 

 

オンラインに記憶データを確認。

記憶データをロードします。

 

 

特殊クエストを開始します。

 

 

特殊クエスト【使命を果たせ】

 

 

 

 

使命を果たせ───

 

 

 

 

使命を果たせ───雪野しずく!

 

 

 

 

もう、二度と惨劇を繰り返さないためにも。

 

 

 

 

この最悪の試験体を絶対にアンブレラに渡すな!

 

 

 

 

そうだ…絶対に…渡してはいけない。

 

この試験体は危険すぎる。

 

お前が作ったんだろう。ならお前が始末をつけないでどうする!雪野しずく!

 

 

「うおぉぉぉぉ!!!!」

 

 

肉体が進化し、むき出しの脳や傷が治り、人間の頃の雪野しずくと同じ可愛らしい顔に戻り、その口から雄叫びが上がる。

上半身は裸の少女の体、だが、下半身は大きな人間の手の形が足代わりになった巨大な蜘蛛のような形状に変化している。

そして下腹部に巨大な口があり、更にその中に無数の手が蠢いている。

目は相変わらず見えないが、常に超音波で周囲を探査しているため周りを見るのには困らない。

走者システムが起動している間は体に埋め込まれたカメラから脳に直接映像が流されていたが、もうその機能は使えない。

もちろん望めば進化して目を生やすことも可能なのだろうが、今は保存された記憶データを元に肉体を修復したので目の機能はなくなったようだ。

 

 

「しずくさーーーん!」

 

 

佐倉先生が涙声で呼びながらこちらへと駆けてきた。

他のみんなも一緒だ。

 

 

「しずく、おまえ…大丈夫なのか」

 

 

くるみさんが心配そうに声をかけてくる。

 

 

「ええ、大丈夫です。今までごめんなさい。記憶を弄られていて、あなた達に酷いことをしてしまったわね」

 

「おまえ…声が…それに記憶って? どういうことだ」

 

「私は今までアンブレラの実験のために記憶を封印され、試験体として決められた行動を取るように動かされていました。でも先程の攻撃で頭部が完全破壊されてそのプログラムが修復不可能になり、封印されていた記憶が開放されたんです」

 

「その顔…それにその声…もしかして地下の研究所の?」

 

ケーと呼ばれていた少女。

 

「あなたは───祠堂圭さんですね。実験プログラムの対象の。地下のあの子に会いましたか。どうやら保険が役立ったようですね」

 

「実験プログラムから顔データを削っていてくれたらしいですね、お陰であなたに襲われなくてすみましたよ」

 

「しずくさん。実験プログラムとかって…何か知っているの? 試験体ってなんなの?」

 

 

佐倉先生が不安そうに聞いてきます。

 

 

「佐倉先生、私はこの地獄を生み出したアンブレラの研究所で働いていたんです。学校の地下の。そしてこの試験体と呼ばれる化け物を作り出したのが私、ドクター雪野です」

 

「なんですって…一体どうしてそんなことを」

 

「私は見たかった。この美しい世界を私自身の目で見てみたかった。だからずっと目を治す研究をしていました。研究の結果、事故や病気で失明した人の目を治すことは出来た。でも先天的に目の機能を持たない私自身は治すことが出来なかった。一時期は絶望の淵で研究を投げ出そうとしたこともあります。そんな時にアンブレラから声をかけられたんです。

アンブレラの遺伝子研究ならば後天的に遺伝子を操作して身体を進化させ、視力を取り戻すことも可能だと。

そのために私は倫理的にタブーとされた研究にも手を出しました。それが戦争の道具として使われ、そして人類を滅ぼす可能性すら秘めていることに気づかずに。

そんな中、アメリカのラクーンシティでこの街と同じように発症者による惨劇が起きたのです。

それでも私なら発症者すら制御できる、惨劇を防げると信じ、そしてこの最悪の試験体を生み出しました」

 

 

周りを見渡すと、佐倉先生だけじゃなく、他のみんなも真剣な顔で私の話を聞いています。

 

 

「この試験体は、負傷するごと、捕食して外部の遺伝子情報を入手するごとに自己修復と進化を繰り返します。そして一定の進化段階に至ると、不死状態になります。どれだけ破壊されても細胞が1つでも残っている限り増殖し回復させてしまいます。つまり不死身の生体兵器です。アンブレラはこの試験体に大喜びでした。制御さえできるのであれば無敵だと。同じく開発した走者システムと呼ばれる制御プログラムがあればそれが可能だと。

でも、完全なる制御など出来ません。先程見ていたとおり、頭部を完全破壊された直後に体をバラバラにされることにより体内のプログラムがエラーを発生させ、走者システムの復旧ができなくなり、制御から外れてしまうんです。それを保護するプログラムなんてありませんでしたから。

その後、この試験体には素体に一定以上の知能など複雑な条件があったためメインプランからは外されるとか色々ありましたが。

でもそれでも危険なことは代わりありません。

なので発症者を生み出すウイルスとともにこの試験体のデータを持って逃げることにしました。

でも結局捕まってしまい、アンブレラにこの試験体の素体として使われてしまったんですけどね」

 

 

ミイラ取りがミイラになるってやつですかね、と冗談めかして言いましたが、みんなの顔は暗く沈痛な目を向けられてしまいます。

 

 

「でも大丈夫ですよ。アンブレラには秘密にしてましたが、この試験体に対する特効薬がありますので。───圭さん、預かってますか?」

 

 

圭さんが、スノークイーンから持っていくように言われたと、アンプルがセットされた注射器を渡してきました。

 

 

「しずくさん、それで…それで元のしずくさんに戻れるんですか?」

 

 

佐倉先生が聞いてきますが、そんなことは都合のいいことはないです。

 

 

「元には戻れないですよ。そういう特効薬じゃないですから。見てればわかりますが───」

 

 

私は一瞬の躊躇いもなくその注射器を腕に打ち込みます。

直ぐに反応が出て、腕がカラカラに乾いて白く結晶化していきます。

 

 

「このように、これを打てば、不死身のはずの試験体はあっという間に死にます。先程、私が作り出したAI、スノークイーンと通信が繋がり、アンブレラのサーバのハッキングに成功して試験体のデータを全て消去することができたそうです。これで後は私が完全に死ぬことでアンブレラが二度と試験体を生み出すことはありません」

 

「なっ!なんてことをしてるの!それじゃしずくさんが死んでしまうじゃないの!」

 

 

佐倉先生が声を荒げ、私の腕を掴みますが、掴まれた途端にパキンと砕けて落ちてしまいます。

 

 

「しょうがないんです。自業自得ってやつですよ。私は罪を重ねすぎたんです」

 

「だったら償えばいいじゃない!何も死ぬことは「死ぬことが償うことです」っ───」

 

 

「制御プログラムは完全に破壊されているんです。もう私の意識すらあと僅かしか持たないんですよ。このままだと死ぬことすらなく誰に止めることができない怪物が世界を滅ぼしてしまうんです」

 

 

腕だけじゃなく、体の半分以上が既に結晶化している。

残り時間はあと僅か。

 

 

「私は佐倉先生の事が好きでしたよ。いつだって生徒のことを愛してくれて、一生懸命だった佐倉先生が眩しかった。私は自分のことしか考えられない人間だったから。だから、最後だけは佐倉先生のように他の人の為になることをしたいんです。でも中途半端でごめんなさい、後のことは頼みます」

 

 

佐倉先生はへたり込み、泣いています。

周りのみんなも泣いています。

こんな私のために泣いてくれる。

それはなんて幸せな最後だろう。

 

 

───あなたが生まれたとき、あなたは泣いていて周りの人達は笑っていたでしょう。 だから、いつかあなたが死ぬとき、あなたが笑っていて周りの人たちが泣いている。そんな人生を送りなさい───

 

 

確かそんな言葉があったっけ。

 

 

私がそんな最後を迎えられるなんて夢にも思わなかったよ。

 

 

「先生、最後に1つ聞きたいことがあるんだ」

 

 

「なに?」

 

 

「今日は晴れてるかな」

 

 

「ええ、今日は綺麗な空よ」

 

 

そっか───

 

 

「見たかったなぁキレイな空───」

 

 

 

 

++++++++++

 

 

 

 

「見たかったなぁキレイな空───」

 

 

その言葉を最後にしずくさんは完全に固まってしまった。

 

 

死んでしまった。

 

 

その事実に心が折れそうになる。でも───

 

 

───後のことは頼みます

 

 

しずくさんからの頼み。

 

 

私はまだ倒れるわけには行かない。

残った子達を守らなければいけない。

彼女から受け継いだこの力を使ってでも、守ってみせる。

 

 

「彼女の作ったAIが言ってました。試験体を絶対止めないといけないと。今、救助部隊が地下にそのAIのデータを回収に行ってます。後でそのAIにも会えるはずです。そこで詳細は聞けるはずですよ」

 

 

ケーさん。いや祠堂圭さんが慰めてくる。

 

同時に空からヘリの音が近づいてくるのに気付く。

ヘリは私達のそばへと降りて、中から何人もの防護服を来た人たちが出てくる。

 

 

「ドクターユキノの依頼を受けて救助に来ました。ドクターユキノは?」

 

 

降りてきた1人がそう聞いてきますが。

 

 

「雪野博士は───」

 

 

圭さんがしずくさんだった白い彫像を指差すと、その人は「そうですか、残念です」と顔を伏せる。

その後、他の救助の人たちが毛布や飲み物などを持ってきて渡してくれた。

 

 

「あのヘリに乗ってください。医者も待機していますので」

 

 

私達はヘリに乗り込み、左右の壁に据え付けられた椅子に座り、防護服を来た医者に色々質問されています。

 

 

そのうちヘリのドアが閉まり、エンジンが大きな音をたてはじめました。

 

 

おそらく先に私達だけ退避させるのね。

窓からは青い空が見えます。

 

 

しずくさんに見せてあげたかった。

 

 

ふと周りを見ると、みんな疲れてしまったのか眠ってしまっています。

 

 

くるみさん、ゆきさん、若狭さん、圭さん、そしてエムさん。

 

 

たった5人。

 

 

あれだけいた生徒が───

 

 

いや、5人も助かったのだ。

 

 

しずくさんのお陰で。

 

 

 

 

 

しずくさん。

 

 

私はもう、誰一人だって失わせません。

 

 

あなたが命をかけて…助けた彼女たちを…守り…抜き…ます。

 

 

見てて…くださいね…。

 

 

 

これは終わりじゃない───新しい戦いの始まり───

 

 

 

でも今だけは、少しだけ眠らせて欲しい。

 

 

 

しずくさんの夢を見ながら………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───こうして彼女たちは巡ヶ丘学院高校から脱出したのだった───

 

 

 




【先生たちの戦いはこれからだEND】


次回、エピローグです。

エピローグは短いですしほぼ出来てますので、明日には載せれます。
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