がっこうぐらしRTA_生存者全員殲滅ルート   作:ちあさ

5 / 14
昨日半分まで書いて保存しておいたUSBメモリが紛失で泣きました。

なので書き直したのですが、微妙に不満点もあるのでもしかしたら今後改訂するかも。
その時は前書きとかで書きますね。


また、がっこうぐらしは11巻までしか読んでいないのでラストの方がどうなるかわかりません。
なので連載中の作品が途中でゲーム化される際に起きるオリジナルラスボスが登場している可能性があります。





地下室~放送室

とんでもない事態に慄いているRTAはーじまーるよー。

 

 

 

 

お星さま、綺麗・・・。

 

 

そんな現実逃避からスタートしますよ。

 

 

枠取り直しの間にチャチャっとチャートを見返したのだがミスしたようなところは無いんだよ。

全くもって意味が分からん。

考えられる可能性としては、トイレに生存者を誘導する際に佐倉先生を連れていたってことぐらいか。

それでも生徒の救出までなら分かるが、率先して戦闘に参加しているのが理解不能。

主人公達の危機なら自らの命と引き換えにって感じで身代わりになったりもするけど、元生徒であるゾンビを相手に陣頭指揮を取るような覚悟が2日目の時点で決まっちゃってるなんて初めてですよ。

でも考えようによっては戦闘に積極的なのは悪いことではない。

純粋に戦力が増えるので駅舎とショッピングモールでの戦闘速度が速まり、圭ちゃんとみーくんを連れて帰ってくるのが速くなりますね。

これだけならタイム短縮だひゃっほーーいと喜んで居られたのですが。

 

 

問題は左腕です。

 

 

見事にポロリしてましたな。

あれは早めに治療しないと失血死などで死んでもおかしくないです。

少なくとも止血と消毒、そして鎮痛剤なども必要ですね。

車の運転してもらえるかなぁ、それだけが心配です。

 

 

それと調べたところ、プレイヤーのゾンビが感染させるのには普通に攻撃を与えて傷をつけるだけでいいらしい。

特殊カットインが入る噛みつき攻撃の場合は確定感染ですが、傷を負わせただけでも自分と相手とのレベル差によって確率で感染起こるようです。

佐倉先生のレベルはそこまで高くないだろうから、これはかなりの高確率で感染起こりますよ。

幸いにも佐倉先生は感染しても完全に変異するまで時間があります。

なので変異するまでに抗ウイルス薬を打てば大丈夫。

殺害判定は完全にゾンビ化していなければ感染者状態でもカウントされます。

こうなると分かってれば朝方ドロップした抗ウイルス薬を拾ってきてたんですが、盛大にアフターカーニバルです。

 

 

では医薬品と抗ウイルス薬を取りに地下へと向かいますか。

 

 

そう考えている間にHPも全快しましたね。

代わりに微妙に腹ペコです。

先にトイレに寄る必要あるなぁ。

 

 

3Fと2F中央トイレの生存者が解放されたからには残る食料は図書館トイレだけです。

 

 

あそこは元々図書館に居残ってた人しかいないので残り何人だったかな。

そんなに多くないはず。

節約、しないとな。

 

 

そんなことを考えながら校舎へと移動してると、ゾンビとすれ違った際に捕食可能コマンドが。

 

 

え?食えるの?

 

 

はてなマークを大量に浮かべながらもつい条件反射で【△ボタン】を押し込み、捕食です。

 

 

血の渇望ゲージが1割程回復しましたよ。

そしてシステムメッセージが。

 

 

『スキル【悪食Lv1】を獲得しました』

 

 

おお、初めて見るスキルです。

早速詳細を見てみましょう。

 

 

『悪食Lv1』

自分より一定レベル以下、もしくはLv1の発症者・変異種・適合種を捕食可能。

血の渇望ゲージ回復量は対象の種別及びレベルに依存。

経験値取得不可・ステータス微上昇。

 

 

なんかすごいスキルが来た。

効果が云々より、説明文が凄い。

変異種とか適合種とかってなに?

え?がっこうぐらしですよね、これ。

どこを見渡しても普通のゾンビしか居ませんが?

確かラスボスも感染者軍隊に守られた社長さんだったよね。

取り巻きの方が強いという残念ボス。

私はその軍隊をチェーンソー振り回してバッタバッタと薙ぎ払うくるみちゃんをぼーっと眺めてクリアしましたよ。

これはもしかしてハロウィンパッチで追加されたんですかね。

まだこのパッチが出てから半月経ってないので検証しきれてなかったってことですね。

 

 

でも変異種ですか、いったいどんなのでしょうね。

腕とかいっぱい生えてたり壁とか天井を這ってきたりとかするんでしょうかね、何それ怖い。

想像するだけでゾゾゾッと来ますね。

まぁこんな序盤の地域では出る心配はないでしょうが。

大学編なんて行かせず高校卒業までにクリアする予定なので遭うことはないでしょう。

 

 

とりま、このスキルは要検討なのでセーブ取っておきますよ。

 

 

では急いで地下室まで倍速です!

地下には上から落っこちてきたのか大量のゾンビがひしめき合ってます。

真っ暗だし足もとに水が溜まっている場合があるから動くたびに音が鳴ってゾンビを引き付けるしで、生存者でやる場合はここの掃除に非常に苦労するんです。

しずくちゃんの場合は元々盲目だから暗さは関係ないんですけどね。

そしてセーフエリアへと到着。

途中捕食可能なゾンビを食べてきたのでお腹もいっぱいです。

微上昇するステータスはランダムなようで、筋力や持久力も上がりました。

あえて上げる必要はないだけで、上がって困るものではないです。

 

 

コンテナから医薬品や抗ウイルス薬を回収します。

ここではアイテムごとに入ってるコンテナが決まってるので最短で行きますよ。

ゲームじゃなければ盲目のしずくちゃんではアイテムの識別ができないでしょうが、これはゲームなのでコンテナを開けたり手に取ったりすればアイテム名が表示されるので問題ありません。

 

 

まず普通の【医薬品コンテナ】からと『医療ボックス』『鎮痛剤』をゲット。

プレイヤーなら負傷しても医療ボックスだけでいいのですが、NPC相手なら鎮痛剤も必要でしょう。

この鎮痛剤というアイテムは使用すると『負傷しても動作が遅くならない』というアイテムです。

敵の群れを被弾覚悟で突っ切る際に使用します。

またはNPCが重傷を負っているときには怪我を治療するだけじゃなく、これも使わなければ痛みで動けずイベントが進行しない場合もあります。

今回は佐倉先生に車を運転してもらう必要があるので持っていきます。

 

 

ついでにすぐそばにある保冷庫に入ってる【食糧コンテナ】から食料も少し持って行ってあげますか。

さっきの襲撃で好感度がマイナスに振り切ってるでしょうから、少しでも上げておけば次回襲撃する際に手心を加えてくれる可能性があります。

また、モブ生存者を集めてコロニーを作っている場合、少量の食料を手に入れると奪い合いが発生して内輪もめを起こすことがあります。

モブ生存者がくるみちゃんに勝てるわけないのでうまくいけば次回遭遇した時はモブ生存者が半減っていう事もあるでしょう(ゲス)

『新鮮野菜』『謎の肉塊』『栄養ドリンク』をアイテムボックスに入れます。

 

 

さて最後は一番奥まったところにある【特殊薬品コンテナ】です。

ここに『抗ウイルス薬』が1個だけあります。

コンテナ自体はそれなりの大きさだし、もともと15人収容するはずのセーフエリアに何故1個しかないのか。

それはゲームのご都合というやつでしょうな。

序盤から全員感染者にしてのパワープレイができないようにっていう。

とりあえずコンテナを開けて回収しましょう。

 

 

『抗ウイルス薬ーU』『T-ワクチン』『RADアウェイ』『E型血清』『E-ネクロトキシン』『スティムパック』『Gウイルス散布装置』『スコーチ病ワクチン』エトセトラエトセトラ・・・。

 

 

すごい勢いでずらーっと大量のアイテム名が表示されましたね。

これは色々当てたパッチやModでの追加アイテムですか。

このコンテナに入ってる抗ウイルス薬はずっと使ってなかったのでこんなことになってるなんて気づきませんでしたよ。

 

 

名前だけではよく分からないアイテムも多いですね。

とりあえず一番上にあった抗ウイルス薬を回収していきましょう。

下の方に埋まってなくて良かったよ。

 

 

そろそろ30分ほど経ちますね、佐倉先生の体力だとそろそろやばいかもしれないので超特急で急ぎましょうドゥエドゥエドゥエ。

 

 

 

 

 

地下から玄関ホールを抜け、3階まで壁面を伝って放送室前に到着!

扉の前にモブ生存者が立ってるけど無視して突っ込むぞ!

多少攻撃食らったけど、この程度なら問題ない。

 

 

バーンっと開けておじゃましまーす!

 

 

アクティブソナーを使い一番奥に寝かされた佐倉先生を見つけます。

 

 

佐倉先生、生きてる?

 

 

達成項目欄の【佐倉 慈 殺害 0/1】が消えてない事を確認しつつ急いで駆け寄る。

 

 

だけど、その前にくるみちゃんがシャベルを構え立ちふさがる。

 

 

おいおい!

もう時間がないんだよ!

早くしないと発症するんだから邪魔しないで!

 

 

すぐ使えるように医療ボックスを出しながらもくるみちゃんの頭部殴打の間合いに入らないように注意する。

 

 

「まって・・・くるみさん」

 

 

佐倉先生がりーさんに支えられながら上体を起こす。

でも何やら考えこんでいるみたい。

どうでもいいから早く治療しないと殺せなくなる。ハリーハリー。

 

 

「しずくさん、あなたなら発症を止められるの?」

 

 

そんなんわからねーよ。

でもとりあえずワクチンは持ってきたから大丈夫じゃね?

 

 

「ワクチン!?なんでそんなのがあるんだよ」

 

 

くるみちゃんが横から怒鳴ってくる。

 

 

いや、あるもんはあるんだからしょうがないじゃん。

この学校の地下にあるのは最初から決まってたことだからね。

 

 

おっと何やら佐倉先生が口元を抑えて吐きそうになってますね。

もしかして発症しだしたかな。

 

 

 

「一つだけ、お願いがあるの。そのワクチンが効かなくてアレになったら、生徒たちを襲う前に先生のこと止めてくれないかな」

 

 

ん?そんなの決まってるじゃん。

そうなる前にサクッと殺してあげるよ。

殲滅エンドに行くためには発症する前にみんな殺さなきゃいけないしね。

 

 

「おい!なにほだされそうになってるんだよ!こいつは栄太と備助と椎太郎を殺しやがったんだぞ!」

 

 

私の後ろに立っていたモブ生存者、仮にDとしておくか、が震える手で包丁を突き付けてきますね、殺しちゃおうかな。

 

 

AとBとCのことならあっちから襲ってきたんだし、それに殺しちゃったからには食べないともったいないからね。

貴重な食料なんだし、ご飯食べないとほら、死んじゃうしね。

 

 

「なっ!ご飯だって!」

 

 

そういうシステムなんだからしょうがないないじゃない。

 

 

「私たちも食べるのか、それとも私たちが攻撃しなきゃ食べないのか?どっちなんだ」

 

 

いやいやくるみちゃんは殺さないよ、まだ。

くるみちゃんが死んだから全滅しちゃうじゃん。

まだまだ生きててみんなを守ってもらわなきゃいけないんだから。

圭ちゃんとみーくん連れて帰ってくるまでがんばって生き延びてくれ。

 

 

そんなことはいいから早く治療しないと。

本当になんでこんなに長いのよこのイベント。

そんな怪我なんてちゃっちゃと治してショッピングモール行けよおまえら。

 

 

「しずくさんを信じるわ。治療をお願い。そして・・・ダメだったときも、お願いね」

 

 

ういういまかせてよーっと。

ではサクサクっと医療ボックスで治しますね。

といってもアイテム使うだけだから、難しいことは何もありませんよ。

これって使う人の知力か直感が高いと治療効果に上昇補正あるんですよね。

だから他の人に渡して使ってもらうより知力10の私が直接使った方がいいんです。

箱から取り出した謎の注射器をブスーーーっと刺して、包帯巻き巻きーーっと、どうしてこんな雑な治療方法で治るのか、そして同じ方法なのに回復量が変わるのか。

まぁゲームだからしょうがないね。

 

 

あとは鎮痛剤も使っちゃいますね。ぶっすりと。

鎮痛剤はいっぱい持ってきたので車運転するときにでも使ってください。

 

 

そして効くかどうか抗ウイルス剤。

ダメそうなら発症する前にサクッと殺さないと。

効いてくれよ、佐倉先生がいないと車運転でタイムがががが。

 

 

見るからに怪しげな抗ウイルス薬を佐倉先生の腕にさすと、佐倉先生がビクンッと仰け反る。

でもすぐに効いてきたのか「あれ・・・なんだか・・・体が・・・」と不思議そうにしている。

失敗したのかと焦っちゃったじゃないか、も~。

 

 

すると佐倉先生がせっかく巻いた左腕の包帯をスルスルと解きだしましたよ。

おお、なんか左腕の切断面が塞がってる。

というかなんか塞がった切断面から指ぐらいの大きさの小っちゃい触手が5本うねうねと生えて動いているんですがなんぞこれ。

 

 

間違って違うの持ってきたかな?でも抗ウイルス薬って名前だったからな。

おっかしいなぁ。

 

 

まぁ細かいことは気にしない。

これだったら車の運転楽勝でしょ、タイム的に逆に短縮で結果オーライです。

マジで完璧な私のチャート進行能力、今日も鬼がかってますね。

 

 

とりま、やること終わったし、しずくちゃんはクールに去るぜ。

 

 

 

 

っと、待ったーーーー、また忘れるところだったよラジオ!!

 

 

ラジオ無いと圭ちゃんの救援届かないじゃない。

もう、私ってダメな子。

あれ?所持品にラジオにないぞ。

確か購買部で・・・って回収してないじゃん。

トイレの食事終わったらチョーカーさん食べようってルンルンしながら行ったらバリケード無くて・・・そしてまたもやラジオがスポーーーンと抜けてたわ。

今気づいたけど、チョーカーさん普通に放送室にいますね。

ゆきちゃんとお手手つないでゆるゆりしてますね。いや普通にこっち見てるだけか。

と、なると今更チョーカーさん殺せないし、後回しだな。

どうせ人数の関係で居残りだろうし、りーさんと一緒に殺ればいいか。

 

 

えっと、今からラジオ取りに行ってまたここに戻ってくるの?どんな顔して?

んーーっと。

 

 

そういえばここ放送室だよね。確か放送室ってラジオ放送聞けたよね。

ゲーム的に主にBGMを変更したり鑑賞するための機能だけど、クラシック放送や圭ちゃんの救援も受信できますね。

ここに居なきゃ聞けないのでなんらかの理由でラジオが壊れたり取りに行けない時じゃないと利用しませんが。

 

 

「おい、何してるんだ?」

 

 

くるみちゃん、さっきから好奇心旺盛過ぎない?

まだイベント続いてるのかよ。

 

 

クラシック放送聞いて少しはお淑やかになってくれ。

ラジオ機能をオンにして部屋にクラシックが流れます。

 

 

「これって・・・放送・・・されてるのか」

 

 

ですよー。

まだ人類は全滅していない!希望はまだある!だったかな、そんな感じのイベントでしたよね。

いや、あれは卒業してからだっけ?

まぁ卒業前に私が殺しちゃうから希望も何もあったもんじゃないけどねケケケ。

 

 

んじゃ本格的にやること終わったし、何気に空腹になりかけてるので帰りますか。トイレに。

 

 

ではみんな生きてたらまた会おうね、主に殺害目的で。

 

 

 

 

と、いい感じで終わったところで今回はここまでかな。

では次また枠取りますので見てくださいね。

 

 

 

 

よっしゃ、なんとかなった、ぜったいなんとかなった!

後は予定通り圭ちゃん達を助けに行ってもらって、タイム的にまだいける!絶好調ですよ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

持ってきた食料は放送切る前に気付いて慌てて放送室の外に置いてきました。

 

 

 

 

 

 

++++++++++

 

 

外が騒がしいと思ったら、勢いよく扉が開かれる。

入ってきたのは異形と化したしずくさんだった。

 

「オ・・ジャマ・・・シマス」

 

 

先ほどあったときと同じく、歯を鳴らしながらぐるりと室内を見渡して、そして私を見つけたのかこちらへと顔を向けてくる。

もしかしたら、音の反響で周囲を認識しているのかな。

 

 

「サ・クラ・・・センセイ・・・イキテル?」

 

 

そしてこちらへと駆け寄ってくるも、私を庇うようにくるみさんが立ちふさがり、シャベルで威嚇する。

 

 

「ジカン・・・ナイ・・・ハヤク・・・シナイト・・・ハッショウ・・・スル・・・ダカラ・・・ジャマ・・・シナイデ」

 

 

たどたどしく彼女は言葉を紡ぐ。

発症と聞いて、くるみさんが少し戸惑うように私としずくさんへと目を行き来させる。

しずくさんがお腹の裂けめからメディカルボックスらしきものを取り出しました。

もしかして、本当に私の為に?

少なくとも彼女もこちらを襲うつもりで来たようではないみたい。

その証拠に、外で見張りをしていた子達の武器が体に刺さっているのに、反撃もしようとしていない。

 

 

「まって・・・くるみさん」

 

 

傷の痛みを我慢して、りーさんに助けてもらいながら体を起こす。

今は戦うときじゃない。

彼女の話を聞かないと。

しずくさんは他のアレとは違う。

姿かたちもそうだけど、何より明確な意識があり、そしてたどたどしいけど言葉もしゃべることができる。

 

 

彼女はアレになる前から、普通の生徒とは違っていた。

神童、天才、そんな言葉すら陳腐になるほどの高すぎる知能を持っていた。

聞いた話では幼児期に難解な学術書を理解し、彼女の為にわざわざ何人もの有名な学者が訪れてはすぐに教えることがなくなったと匙を投げるほど。

だから本来ならここみたいな普通の高校に来るような生徒ではないが、近くにあるランダル・メディカルセンターで目の先進治療をするためにこちらへと引っ越してきたそうだ。

 

 

そんな高い知能を有していた彼女だからこそ、アレになっても思考能力を失わずに済んだのかもしれない。

だけど、私ではゾンビになっても思考を維持できるなんて思えない。

 

 

『発症する』

 

 

私が死ぬのは別にいい。

怖くないわけではないけど。

でも、生徒たちを残していくこと。

そして、アレになった私が、生徒たちを襲って殺してしまう。

そんなことは耐えられない。

 

 

「しずくさん、あなたなら発症を止められるの?」

 

しずくさんはコテンと頭を横に傾げながら「ワカラナイ」と答え、

 

 

「デモ・・・ワクチン・・・モッテキタ・・・ダイジョウブ」

 

 

え?ワクチン?

 

 

「ワクチン!?なんでそんなのがあるんだよ」

 

 

私と同じように疑問に思ったくるみさんが声を上げる。

 

 

「アル・・・ショウガナイ・・・コノガッコウ・・・チカ・・・サイショカラ・・・キマッテイタ・・・コト」

 

 

この学校に地下にワクチンがある?

それに『最初から決まっていたこと』?

ふいに、教頭先生の言葉が思い出される。

 

━━━緊急時にはここにあるマニュアルを読むこと。緊急時以外は開封厳禁。

 

━━━地下には害獣対策の散弾銃や、怪我をした際の薬品がありますからね。

 

そして教頭先生も校長先生も、この事件が始まる数日前にいきなり休暇を取り連絡がつかなくなった。

 

 

この事態は、想定されていたこと?

私たちは見捨てられたの?

 

 

子供を守るはずの大人が、この事件を起こし、そして・・・一番に逃げ出した?

 

 

その可能性に行きつき、私は吐きそうになった。

 

 

 

 

「一つだけ、お願いがあるの。そのワクチンが効かなくてアレになったら、生徒たちを襲う前に先生のこと止めてくれないかな」

 

 

「ソンナノ・・・キマッテル・・・ソウナル・・・マエニ・・・コロシテアゲル」

 

 

アレになる前に、まだ綺麗な人間のうちに殺してくれる。

その彼女の気持ちに私は泣きたくなった。

こんな大人の悪意によって作られた世界でも彼女の優しさは損なわれていなかったのね。

 

 

「おい!なにほだされそうになってるんだよ!こいつは栄太と備助と椎太郎を殺しやがったんだぞ!」

 

 

私たちの会話を聞いていたディーノくんが我慢できないと震える包丁を突き出しながらしずくさんへと一歩を詰める。

 

確かディーノくんは先ほど亡くなった彼ら3人と親友同士だったわね。

たしか「俺ら最強の巡ヶ丘四天王」とか言っていつも仲良くトイレで遊んでいたのを思い出す。

 

 

「アッチカラ・・・オソッテキタ・・・コロシタラ・・・タベナイト」

 

 

ご飯食べないと死んじゃうから。そういうシステムだから。

 

 

その言葉にディーノ君が怒ってるけど、確かにアレは人間を食べる。

しずくさんも思考能力はそのままだけど、人間を食べないと生きていけない体に変異してしまっているのね。

 

 

たぶん見た目が変わってしまって、それで生存者に襲われて。

生き延びるために反撃して殺してしまい、そういう人たちだけを生きるために食べてきたのね。

いくら生きるため、そして自分を襲った人とはいえ、人間の心を残しながら人間を食べないといけないなんて。

彼女はいったいどれだけ辛い思いをしてきたのだろう。

 

 

「私たちも食べるのか、それとも私たちが攻撃しなきゃ食べないのか?どっちなんだ」

 

 

同じことを思ったのか、悲しそうな目で、問いかけるくるみさん。

 

 

「クルミ・・・チャン・・・コロサナイ・・・ヨ」

 

 

悲しそうに首を振りながらしずくさんが答える。

 

 

「クルミチャン・・・シンダラ・・・ゼンメツ・・・シチャウ・・・ミンナヲ・・・マモッテ・・・ガンバッテ・・・イキノビテ」

 

 

私の分まで生きて。人間として生き延びて。

 

 

彼女のその想いが伝わり、くるみさんは顔を覆い泣き出してしまう。

 

 

「ハヤク・・・チリョウ・・・シナイト」

 

 

そう言ってしずくさんが私の前でひざまずき、短くなった私の左腕に巻かれ血で赤くなった包帯を解いていきます。

触れられたことによって激痛が走りますが、歯を食いしばって耐えます。

 

 

しずくさんはメディカルボックスから無針注射器を取り出し、注射します。

それだけで切断面から流れていた血が凝固していきました。

その後、もう一度包帯を手際よく巻いていき、「鎮痛剤」を打ってくれました。

 

 

「イッパイ・・・モッテキタ・・・ツカッテ」

 

 

そういい、更に8本の鎮痛剤をお腹の裂けめから取り出し渡してくれます。

嬉しいけど、なんかねっちょりしてます。

 

 

そして彼女がワクチンを取り出しました。

 

 

そのワクチンの入ったケースには『アンブレラ社』の社名とエンブレムが印字されてあります。

医療関係に疎い私でも知っている国際的な大企業です。

そんな会社までこの事態に関与していたと思うと、頭がくらくらしてきます。

 

 

しずくさんはケースの中から取り出した『螺旋型の変な形の管が入った筒』を注射機に取り付け、私の腕へと注射しました。

 

 

「うっ!」

 

 

体が熱く、寒く、そして全身へと何かが侵食するような、そんな今まで味わったことのない感覚が襲い、私の体が跳ね上がります。

 

でも次の瞬間には意識がクリアになり、先ほどまで感じていた左腕の痛みも嘘のように消え去ってしまいました。

それどころか、逆に力がみなぎってくるような、十全感が感じられます。

 

 

そして左腕から違和感を感じ、急いで包帯を取ると・・・。

 

 

そこには5本の触手が生えていて、そして私の意思で動かせていました。

 

 

「めぐねぇ・・・それ、大丈夫?痛くない?」

 

 

丈槍さんが心配そうに声をかけてくれます。

 

 

「大丈夫よ。痛みとかはないし」

 

 

怖くて不安たっぷりだけど、教師としてそんな姿は見せられないので虚勢を張って笑顔を作る。

 

 

「おい、何してるんだ?」

 

 

くるみちゃんの声で顔を上げると、しずくさんが放送機材を色々操作している。

 

 

「キイテ」

 

 

しずくさんがボリューム操作のキーを上げると、スピーカーからクラシック音楽が流れてきました。

 

 

「これって・・・放送・・・されてるのか」

 

 

え?放送って・・・ラジオ?

 

 

「マダ・・・ジンルイ・・・ゼンメツ・・・シテナイ・・・キボウ・・・ハ・・・マダアル」

 

 

しずくさんの顔には笑顔が浮かんでいました。

唇がないので分かりにくいですが。

 

 

 

「イキテイタラ・・・マタ・・・アオウネ」

 

 

 

そういって、しずくさんは出ていきました。

 

 

 

また行ってしまうんですね。

私たちに希望を託して、一人で。

 

 

 

でも待っててください。今度は私たちから会いに行きます。

 

 

 

 

 

力をつけて、あなたを助けに。

 

 

 

 

 

 

 

◆このプレイでのしずくちゃん◆

 

知力が初期値限界の10のため、人類の到達点的な知力になっています。

故に、それに準じた過去になっていて、めぐねぇたちにも超天才少女と認識されています。

また、走者が佐倉先生と呼んでいるのが設定に反映され、知的キャラなので他の生徒と違い「めぐねぇ」と呼ばずに「佐倉先生」と呼んでいることとなり、めぐねぇの初期好感度が非常に高いキャラとなってしまいました。

それが最大のガバです。

 

 

見た目

 

・脳みそむき出し

これはショッピングモールから落下した時に頭が割れてしまいました。

肥大化はレベルアップの効果ですかね。

 

・喉元から臍元まで縦一文字に裂け目があり、その裂け目の淵には肋骨が牙となって並んでいます。裂け目の中からは無数の手が生えています。

ショッピングモールまでに来る前の民家での戦闘でヤクザに日本刀でバッサリ切られました。

その後、『張り付き最適化』で壁や天井を登る為に手が中から生えて、『高速捕食』と取ったことで肋骨が牙になり、裂け目が捕食用の口になりました。

生えてる手は捕食した生存者の手で、捕食するごとに出せる数が増えます。

また没ルートになりましたが、それを生存者に移植することが可能になります、ですが今後この設定いかされるかどうか不明。

 

・全裸

全裸です。

 

・唇がなくむき出しの歯

ショッピングモールから落ちた時の怪我ですね。頭から盛大に落ちましたね。むしろ目元だけよく無事だったな。

 

 

HPが回復すると傷が治るっていつから勘違いしていた?

ゾンビの怪我なんて治るわけねーだろう。

むしろそのケガが変異して新たなる武器へと進化していくのが機能美ってもんだろう。

 

 

ちなみにアイテムボックスにアイテム入れたり出したりは裂け目から体の中に出し入れしてることになっています。

走者はそもそもFPS視点だし、ゲームシステムで出し入れしてるだけなので気づいてないですが、周囲の人たちはドン引きしてます。

 

 

◆没ルート◆

 

 

佐倉先生の左腕どうにかならないかな。

 

医療ボックスを使用して止血した後、半ばで切断され半分の長さになった左腕を見ている。

北米版にしてよかったな。切断面のグロさが日本版と比べてかなりリアルで心躍るわ。

 

数秒ほど見つめていると、システム音と共に【○:腕の移植をする】というコマンドが浮かび上がる。

○ボタンを押すとどこからともなく、私の右手がビクンビクン震える謎の腕を取り出し、佐倉先生の左腕切断面に押し当てる。

 

 

ジュウゥゥという焼けるような音と共に切断面から煙が上がり歪ながらもそれが癒着する。

 

 

【佐倉 慈 に 『捕食した右腕』 が移植されました】

 

 

おおっ!なんと佐倉先生の左腕が修復されましたよ。

目の前で移植された右腕を不思議な顔をして動かしている佐倉先生。

 

 

両腕が右腕の異形の女教師誕生です。これはきっと鏡の中に敵を引きずり込んで倒すスキルとか生えるでしょう。ハングドマーーーーン!

 

 

◆◆◆◆◆◆

 

 

没ルートはあまりにご都合主義的でしかもギャグ過ぎて前回のシリアスシーンを全てひっくり返す展開なので没になりました。

シリアル展開が売りの小説なのでしかたないね。ギャグは苦手なのです。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。