チートに「無敵結界」をお願いしただけなのに、なんでなの?   作:魔王パワーで無双したい人

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10.「へい、お待ち。グリーフシード丼ソウルジェム和え一丁あがり。」

 おはようございます。

 ついにシナリオ崩壊させてしまった残念ジルです。 

 

 いや持ち直したとはいえ、さやかだしな。

 どうせ魔女化するだろう。

 

 今日は魔女狩りやめて、さやかのストーキングするかな。

 マミが魔女化しなかったら、さやかの死体にINして使うし。さやかが魔女化しなかったらまどかがアルティメット化しないからな。

 仕方ないよね。

 

 キュゥべえ頑張って営業しろよー。こっちにくんなよー。

 さて起きるか。

 

「おはよーマミ。

 今日は……ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

 

 

 びっくりした!

 この私が不覚にもびっくりした。

 

 いや、普通にビックリするよ。当たり前だ。

 

 だって、マミの生首がテーブルの上にあるのだから。

 

 何事!?

 

『おはよう、ジルさん。』

「念話!?、お?おはよう…これはどうした訳だ?」

 

 テーブルの生首が動いている様子はない。

 マジ不気味。血は滴っていないな。

 

『うん、ちょっと試してみたの。でも思いのほか魔力が必要で…

 申し訳ないけど、グリーフシードをいくらか貸して貰えないかしら。』

「え?」

 

『これが上手くすれば、血で払えると思うから。』

「……え?え?」

 

 待て待て待て。なんだ、なんで生首を…魔力で復活させているのか?

 

「ど、どうやって?」

『だって、キュゥべえが言っていたじゃない。

 心臓が破けたって、ありったけの血を流したって、魔力で修復すればすぐに戦えるようになるって。

 

 だとしたら、例えば私の抜け毛でからでも、魔力さえあれば再生できる。

 理論上は……

 

 で、試したら思いのほか上手くいったのは良いのだけど、魔力足らなくなっちゃったみたい。』

 

 天才とかじゃない。

 これは…天然。そう天然の発想だ!!

 

 キュゥべえが言ったあんなセリフで、よくもまあ、ここまで発想できるものだ。

 アホか!

 

 あー信じられん。

 確かにさー!

 遺髪を元にパイアールあたりに再生させるとか、命令しようと思ったけどさーーー!

 なんで、髪から再生させようなんて思ったんだろうな。

 

 

 だが、まあ…グリーフシード余ってるし。

 

 

「ククク。

 いいだろう。

 グリーフシード全17個。全部使うがいい!」

 

 生首を横に置いて、ソウルジェムを抜き出し、どんぶりに入れる。そのどんぶりにグリーフシードを入れる。

 グリーフシード丼ソウルジェム和え。

 って所か。って何やってんだろ。

 

『ありがとう…』

 

 するとマミのソウルジェムが輝き、生首から、体の下が順々に生えていく。

 

 うわあ…

     うわあ

 

 グロイなぁ…

 これ、まどかとか見たら卒倒だな。

 

 死体とか、生きたまま解体とか常日頃やってるジルみたいなのの中に居なかったら、きっと耐えられないだろうな。

 まあ、だから私は余裕だが。

 

 だいたい30分で全身が再生した。

 血はまだだったようで、しばらくしてからビクンと体が跳ね、心臓が動き出した。

 

「……ああ、体がもどった…。」

「うん。……おめでとう。」

 

 呆然としつつ復活したマミを見る。マジやっちまいやがった。

 おいこれ、復活したぞマミ。

 

 どうなってんだ?

 シナリオに無いぞ……

 

 この部屋、干渉遮断結界を張っといて良かったよ。

 まじキュゥべえにバレたら、何をされたことか。

 

「念話も終わりね。

 とても…助かったわ。」

 

「お、おう…」

 

 ふむ…満タンになったのはグリーフシード9個か。

 それらが孵化しないように即座に吸う。

 苦い…辛い?辛みが出てきたな。なんでだろ。

 

 でもすげえ、1%分回復した……

 

 43M/800M 順調なのは良いけどこれは何?って感じ。

 

「血は…あると思うから、存分に吸っちゃって。えっと9リットル?」

「あ…そっか。」

 

 まあ、吸ったところで何リットル吸ったかわからないんだけどね。

 一回あたり致死量x9回でよかろう。

 

「ちょっと待って。全部吸うと何リットルになるのかな…えーと、マミ体重何キロ!?」

「そ、それは聞かないでよ!」

 

「そうしないと何リットル今あるのか分からないじゃない」

「……そ、そう。そしたら、▼▲キロよ。」

 

「聞き取れないよ。いいよ平均で。ネットで調べたら多4リットルくらいだから……なんだ少ないな。」

「4リットルしかないんだ。」

「なので、全部吸い出し2回するね?」

「ち、致死量なのよね?」

「あー復活は辛いのか。」

「結構つらいわ。1リットルづつ行きましょう。」

 

 仕方ないので1リットルずつやってみた。

 

 かぷっ…うめえ…魔法少女の血うまい。

 なんというか、甘いとかまろやかとか、そんなのが合わさって美味い。

 どうしよう。

 今後もずっと魔法少女の血で良い気がしてきた。

 

 だが、マミは気を失っていた。

 

 一時間後…

 

「だ、だめ!0.5リットルずつにしましょう!」

 気を失ったら連続して吸えないからな。

 

 体に意識がある間は、宝石マミは稼働しないようだ。

 なんかジルが死なさそうでギリギリ死んでしまうあたりに吸うのが1リットルちょいだったな。

 ここら辺は相手の体重とか体調に左右されるから見ながら吸ってた。

 

 まー主導権が無い時は味、わかんなかったんだけどね。

 

 でも、とりあえずごくごくと飲む。

 マミが魔力で回復する、そして飲むを繰り返し9リットル終わりごろに

 

「ごめんなさい。グリーフシード、もう一個いいかしら?」

 

 魔力使いすぎてソウルジェムが濁ってきてた。

 ああ、なんかピンク色に濁ってて分からなかったんだ。

 

 吸わせたグリーフシードからの味が甘辛かった。なんでなの。

 

「はい、10リットル。」

「はぁはぁ…うん。これで契約は完了ね。」

 

 上気させた表情は少し色っぽかったが、吸血鬼に吸われるって、どんな感覚なんだろうね。

 

「そうだね。」

「また…何かあったら、グリーフシードお願いね。」

 

「…………仕方ないな。」

 

 とはいえ、暫くは戦場に戻せないな。

 キュゥべえの動きが分からないからね。

 

「じゃあ、私の復活を教えて回らないと。」

 うおい!

 

「待って待って!」

「え?」

 

「今しばらく、戦場は。いや…復活がキュゥべえに知られるのはまずい。」

「どうして?」

 

「キュゥべえは何かを隠している。

 今回みたいな件、『聞かれなかったから答えていなかった。』とか言うに違いない。

 なら、それを見極めてからでもいいでしょう?」

 

「…………………

 確かに、そうかも知れないわね。

 助けてもらった事もあるし、今しばらくは様子を見させてもらうわ。」

 

 ふぅ、とりあえずは良しとしよう。

 

「とりあえず、今日はさやかに張り付いて、さやかの様子を窺おう」

「さやかさんの……確かに心配ね。わかったわ。」

 

 念話じゃなくなったが連れまわす方向で実質は変わらない。

 しっかし、どうするかな。

 

 思いっきりシナリオから離れてしまった。

 

 

――――――――――――――――

 

 ………………

 あ、こんばんは。

 

 あ…いや、どういうことだ? 

 うん。ああ、解説するね。

 

 いま、さやかが魔女狩りに来てるんだけどね。

 杏子とほむらが一緒なんだ。

 

 うん。3人で組んでる。

 ……

 いつの間に仲良くなったんだ?

 いや、仲良くなったのはさやかと杏子だが。

 

「うんうん。みんなで力を合わせるのは良いわよね。」

 ステルス中のマミと一緒に魔女結界で見守っています。

 すごい感激しまくっててうざいです。助けて。

 

「……うん、なんか問題ないみたいだね。」

「でも…………鹿目さんまで連れてて大丈夫かしら。彼女、魔法少女の契約していないのに。」

 

 それな。

 まあ、危険だから家に居なさいって言っても聞かなかったんだろう。

 

 ……どうしよう、このまま仲良くなって、そのままワルプルギスの夜と戦うのか?

 勝てる?

 いや…どうかな。無理な気がするが。

 あと何日猶予あったかな。

 

 ………

 えーと、杏子とほむらが組んでだいたい二週間後に来るんだったっけ?あれ?一週間だったっけな?

 

 さやかが時間無駄食いさせて問題を滞留させまくったおかげで、時間がつぶれてしまう。

 最終的にほむらだけでは勝てない状況にして

 アレは……まどかと契約するつもりだろうから、邪魔なのは…………杏子か。

 杏子だけでも潰しておきたいはずだ。

 となると、マミをステルスで魔女狩りに尾行させておけば、アレの妨害もなんとかなるか。

 それで、まどかを含まない4人でワルプルギスの夜と戦えばいい。

 

 まー倒せないまでも頑張って撃退すれば勝ちだ。

 でもその時ほむらも気付くだろう。

 まどかが契約しないという事は、いつまで経ってもキュゥべえがセールスかけてくるって事に。

 最悪、まどかを一人きりにして契約しないとヤバいって状況に追い込みかねない事に。

 故に、ほむらにとって敵はワルプルギスの夜ではない。

 

 アルティメット化しないルートの場合は大変そうだが……まどかが魔女化したら、果たして私は勝てるのかな。

 

 魔法少女たちの絶望は楽しみだが、今後どうなるかストーリーから外れちゃったから読めない。

 まあ、なるようになる。高みの見物といこうじゃないか。

 

 で、アレの動きだが、私に対してはステルスってるし、単純に魔女狩って過ごしているだけだから契約の邪魔になるとは思っていないだろう。

 ほむらほど絡んでもいないし。

 ちょっかいをかけて来ることはあるまい。その情報が不足しているはずだ。

 

「ふむ、ちょいと日課の魔女狩りするので、マミは杏子について回ってくれ。」

「え?」

 

「なんとなく、キュゥべえがちょっかいかけるのは杏子な気がするんだよね。」

「……そう?

 まあ、わかったわ。このステルスのまま付いて回ればいいのね。」

 

「そう。」

「………………

 まあ、暗躍も意外と面白いから頑張ってみるわ」

 

「あ、いちおう、人魚の魔女に逢ったら戦わずに逃げるように。ではな。」

「???」

 

 これでさやかが万が一魔女化しても、その場にほむらが居ない限りは分かるまい。

 で、あとで魔法少女の真実2を知り、絶望することだろう。

 うむ。よしイイね。

 

 あと、他人の魔女狩り見てるのはめんどいしね。

 自分は魔女狩りして回復に努めましょう。

 

 

 

 …ああ。

 

 ああああああぁぁーーーーーーーーーーーーーー

 うるさいマミの呟きから解放されたぞーーーーーーー!

 やっほーーーーー!

 

 え?煩かったから置いてきたんじゃないかって?

 そうだよ、悪いか。

 いやほんとうるさいんだヨ。

 まあ、宝石ユニットだと、ホントこっち喋りかけるしか外界への接触手段無いからね。

 仕方ないけどね。

 

 じゃあ、ストレス解消に魔女退治といきましょうかね。

 

 

 

 

 

ジル HP 53M/800M ■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

 

 

 




とてもありがたい話ではあるのですが…!
感想への返信は、次話を上げてから。
としています。

自分も、「コメントしないで続きを書いてくれ」と、思っている時があるので、まずは次話上げだなって。

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