チートに「無敵結界」をお願いしただけなのに、なんでなの?   作:魔王パワーで無双したい人

9 / 14
1000年間R18Gな残酷映画だけ見てたら、きっと性格歪んしゃうよね。多分


8.宝石(マミ)が、ただひたすら煩い件

 こんばんは。ジルです。諸君。ちょっと聞いて欲しい。

 

 なんか、宝石ユニットだけの奴を連れて歩いているんだけど、煩すぎるんです。

 どうすればいい?

 

 あの後、マミさんがマミったのを、まどかとさやかが悲しんでいる場面にステルスで遭遇。

 宝石マミが『ごめんなさい。』をひたすら連呼した上に濁っていくもんだから2回ほどグリーフシードが満タンになった。

 こやつ何回魔女化すればいいんだってくらい濁ってましたよ。

 あと苦かった。(重要)

 

 マミの濁り具合だけでHP100万くらい回復したんだけど。マジこいつだけで良い気がしてきた。

 

 それからずっと、壊れたスピーカーみたいにゴメンナサイしか言わないので放っといて、夕飯を探しに出かけた。

 延々と私にしか聞こえないんだけど、ゴメンナサイ言い続けてて、煩いのなんの無い。

 

 この宝石マミは現在、チェーン通して首からぶら下げていて、私の視覚と聴覚をリンクさせている。

 マミの会話は念話で、こちらからの声は私の聴覚から入る。だから会話は傍から見ると独り言。

 イマジナリーフレンドとの会話という事になるのでステルスの重要性は絶大だ。

 

 さて、魔女レーダーに従って移動すると、結構遠くの土地まで来てしまった。

 ククク…魔女狩りの時間だ。

 誰かのシマとかそんなの知らん。

 

 すっと魔女結界に入ると、『えっ?』とマミが正気に戻る。

 すたすた進むと使い魔が現れるも、とりあえず宝石マミだけ手で守りつつ、服を守るために全て迎撃。むんずと使い魔を掴むと吸える奴は吸う。

 機械みたいな見た目のやつは破壊する。

 

『えっちょっと待って、ここ魔女結界?え?』

「なんだ、正気に戻ったの?」

 

 絶賛交戦中…いや駆除中。敵の遠距離攻撃がうざいので、魔法の死爆で撃ち減らす。

「死爆!死爆!しばく!死爆!」

 

 使い魔はどんどん数を減らしていく。

 

『え、すごい…でもなんで魔女結界に?』

「ちょっと黙ってろ。」

 

 雑魚どもを撃ち減らすこと1分半。

 全滅させたので最奥に向かって歩き始める。

 

『すごいものね、戦い慣れているみたい。』

「いや、戦い慣れては居ないぞ。」

『ええっ?』

 

 いや、防御とか考えないで、ただ魔法釣瓶撃ちするだけとか、戦いじゃなくて駆除とか虐殺とかそういう方向だ。

 相手の刃が此方の命に届かなければ、そもそも戦いとして成立しない。

 そういう意味では、初戦はランスとの戦いであり撤退戦だ。

 白星しかないな。

 

『あんなに、使い魔を蹴散らしていたのに?』

 

 そういう事を考えると、そもそも戦闘は得意ではないとなる。

 強いのに戦闘は不得意。これは結構あるあるだな。

 しかし、意図せず戦いになる場合があるので、後々鍛えていきたいと思う。

 

「あれは駆除だ。戦いじゃない。

 蚊を潰す程度のことを、お前は戦いと言い張るのか?」

『蚊……………』

 

 ほんとそれ。蚊は吸われると痒くなるが今のはそれがない。

 群がる蚊をパンパン手を叩いて潰して回っただけの感覚で、むしろ撃ち漏らしをわざわざ狙い付けて叩かなければならないあたりも、逃げる蚊を追う感覚だ。

 

 さて、そうこうしていると魔女の間に到達。でっかいぬいぐるみのような奴が現れた。

 

『っ!気をつけて、魔女が居るわ。』

「知ってる」

 

 進むと、飴とかステッキチョコなどが攻撃として降ってくる。が、無視。

 頭には当然当たるが服に当たらないなら、どうでもいい。

 ぬいぐるみまで進み掴むとおもむろに吸う。

 

『あぶ、……え?あ、あぶな!…………えええっ?』

 マミ煩い。

 

 中に液体があった。苦い苦い味だ。

 ちゅううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅ………………ぽん。

 

『ええっ!!す、吸ってる!?』

 

 ぬいぐるみなのに液体が出るのは変な感じ。苦い茶を飲んでいる感覚だった。

 

「にがっ」

 口を離すと、魔女結界は崩壊し通常空間に出る。グリーフシードは回収した。

 そして手早くステルスを発動させる。

 

『た、倒したの?』

「よし、今日はこんなもんで良いかな。」

 

『こんなもん…え?』

「さあ、帰るよ。というか、さっきから煩かったよー」

 

『煩いって、え、どういうこと?』

「魔女狩った。以上」

 

『いやいや、もうちょっと説明しなさいよ。

 そもそも、どうして魔女を狩っていたの?それにさっきのは一体。どうやって倒したの?

 というより、いきなり魔女結界入ったわよね。どうやって分かったの?

 あとここ見滝原じゃないじゃない、何処よここ。』

 

 元気になったと思ったら、ゴメンナサイ連呼マシーンが、質問連打マシーンに変わってた。

 

「めんどくさい…」

『め、面倒くさいじゃないわよ、

 一体なんなの!ちゃんと説明して!』

 

 ドンびくわー。

 質問畳み掛けないで欲しいんだけど。

 マジめんどい。だからボッチだったんじゃないかな。

 

「はいはい、後でね。あと私これからスーパー行くから、回答できないわよ。」

『△■※%▼□!!!!!』

 

 はい雑音雑音と。

 その後スーパーに行くと、宝石マミは黙った。

 ふう、やっと静かになった。

 

 そして、しれっとマミの部屋に上がる。

 

『待って、え?なんで入れたの?え?待って?』

「合鍵あったから。

 住処無いから助かる。」

『ちょ、ちょっと!勝手に!?』

 

「前に泊まらせてもらった時、預かった筈。」

『あーあー。はいはい。あったわね、確かに。』

 

 そうじゃないと、魔女狩り体験ツアーに鍵閉めて行けないじゃないか。

 

 ということで、カップ麺食べて…寝る

 お湯を注いで3分…………

 

 クッ魔王を待たせるなんていい度胸じゃないか、カップ麺。

 

『その前にジルさん。』

 

 タイマーかけて……なによう。

 

「なに?」

『あんなに強いの、黙ってたのね?』

 

「別に、私は弱いとも強いとも言っていないよ。

 魔女狩りツアーも、別に良いって断ってたじゃない。」

 

『あ、あれはその…ねえ』

「マミが私の実力を見誤って、勝手に弱いと見下していただけ。でしょ?」

『う………』

 

『魔女の血?というか吸っていたわよね。』

「吸っていたね。」

 

『あれが食事?なの?』

「食事といえば食事だね。」

 

『それなのに、ソレ食べるのね?』

「貴女だって、ご飯食べた後に甘いもの食べるじゃない。別腹よ」

 

『え?そんななの?』

「違うけど、ご飯食べて寝ると回復する。血を吸うのも回復する。いま回復させたくて仕方ないのよ。」

 

『回復って、体の方は問題ないみたいだけど?』

「体力が…最大値の1%未満状態。

 おかげで、全能力値-90%ペナルティ中よ。」

 

『1%未満って…あれだけ吸ってて?』

「うん。あれだけ吸っててまだまだまだまだ足らない。」

 

『…………』

 

 あ、3分だ。

 はむはむ、ずるずるずるずる。はむはむ。

 

『……それで、人の……人の血は吸うのかしら?』

「吸えなくもない。」

 

『吸えなくも?』

「人の血を啜ったところで、魔女の1/100も無い。なら魔女から吸ったほうが良い。」

 

 まあ、人間のほうが美味いとは思うけどね。

 

『…………そ、そうなんだ。』

 

 ごくごくごく。

 ぷはー

 

「魔法少女のはまだ吸ってないから、今後機会があったら吸ってみたいな。

 ああ、撃たれた時、マミから吸っておけばよかった。」

『えっ!?』

「しっぱいしっぱい。じゃ、寝るから何かあったら起こしてね。」

 

『ええっ!?』

 

 宝石マミをテーブルの上に置いて、私はベッドに入って寝る。寝た。

 ほんとダルい。餌だけ運んできてほしい。

 

『ちょちょっとーーーーえ、私どうすればいいの?え、暗い!

 ああ、ジルさんが、目を閉じると暗くなるのね。

 ちょっと、暗いんだけど。

 え、ほんとどうすれば…

 私寝れるのかしら。

 寝れる?…あれ?寝れない?』

 

 煩いんだけど…

 

 仕方ないので、TVを付けて、ヘッドホンとカメラを宝石にセット。

 

「じゃ、おやすみ。」

 

 まったく手を煩わせて…。

 

『あ、ありがとうね……

 

 ………ぐすん。ほんとうに。

 からだ無くなっっちゃったんだ。はぁ…ぁぁぁ…ぐすん』

 

 TVつけたんだからいいだろ!煩い!

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 おはようございます。

 ジルです。

 なんで、昨日はイジメなんてしようと思ったんだろう。

 イジメカッコ悪い。

 

「おはようマミ」

『あら、おはようジル。』

 

 ……呼び捨てか。

 まあ良い。一瞬、熱湯入りの紅茶ポットの中に投げ入れてみようかと思ってしまったが…。

 何かを乗り越え、吹っ切れたのだろう。

 

 安心したまえ。今日の私の機嫌は非常に良い。

 

「まあ聞いてくれ。

 やっと1%回復したんだ。」

『え?、やっと…?』

 

 そう。やっとHP800万超え。8,000,000 / 800,000,000 ゼロが多いと分かりづらいな。

 8M/800M とすれば分かりやすいか。

 

「さあ、今日も魔女狩りで回復だ!」

『え、ええ。頑張りましょう…』

 

 重衰弱は25%回復で解消。衰弱になる。50%回復で衰弱も解消になるから先は長いなぁ。

 

――――――――――――――――――――――――

 

 こんばんはこんばんは。

 夜まで魔女を狩り続けて4件。ホクホクです。

 さてあと1件くらい狩ってみたいけど……もう帰ろうか。

 

 で、見滝原に到着。

 おうちに帰るのだよ。って思ってると魔女結界の反応である。

 

 ピタリと足を止め、そして方向を変える。

『………どうしたの?』

「本日、最後のお仕事。」

 

『ああ、また魔女結界ね。』

「そそ。」

 

 すたすた歩くが、なんだろう。ピンク髪がのやつがオロオロと倉庫の中に入っていくのが見えた。

 まどかが魔女に絡まれたか、ん?

 こんなイベントあったような無かったような。

 

『まずいわ。中に結構人がいるわ。なんとかしないと。』

「そうね…」

 

 しかし慌てずに向かうと、なにやら騒ぎが起きているようだ。

『一体何が…助けましょう!』

 

 体がないのに良くまあ頑張るね。

 と、様子を見ていると、近づく人…いや魔法少女の気配。

 ここは彼女にまかせてしまおう。

 どうせ彼女だし。

 

『どうしたの?』

「魔法少女だ。」

『えっ!?』

「うーん。ここで絡んでも良いけど。今日はお預けだな。様子だけ見ておこう。」

『そう?

 でも誰かしら。見滝原で魔法少女なんて私しか居なかったはずなのに。

 キュゥべえが誰か呼んだのかしら。』

 

 知らんがな。

 さて、魔女結界にステルスで突入。

 すると、青い髪の魔法少女が、丁度まどかを助けていた。

 

『うそ!さやかさん!?』

「うん。あれは確かに美樹さやかだね。彼女魔法少女になったんだ。」

 

『私が不甲斐ないばかりに…』

 

 さやかをストーキングしていたら魔法少女の真実が見れるはず。

 クックック。その時のマミの反応が見ものである。楽しみだね。

 しばらく張り付いていようかな。

 

 

 まどかを助けたあたりで会話を拾える辺りまで近づいてみた。

 

「いやーゴメンゴメン。危機一髪ってとこだったねぇ」

「さやかちゃん…その格好」

 

 そうですね、魔法少女ですね。

 

「ん?あーはっは、んーまあ何、心境の変化って言うのかな?

 大丈夫だって!初めてにしちゃあ、上手くやったでしょ?私」

「でも…」

 

 と、来た来た。丁度会いたかったんだよね。

 暁美ほむらさん。このあと会話したいな。

 

「あ!」

 っと叫ぶのはさやか。

 

「貴女は……」

「ふん、遅かったじゃない。転校生」

 

『あの娘……行っちゃった。』

「追いかけるよ!」

 

 という事で、まどかとさやかを放置して、ほむらの方をストーク真後ろにセット。

 まどか達から十分離れたところで、ステルス解除して話しかける。

 

「こんばんはー」

「っ!」

 

 彼女は、ばっと振り向いて間合いを取る。

 なんで、銃器取り出すかな。

 

「貴女は…」

「こないだは自己紹介も無かったかな。ジルです。」

 

「……暁美ほむらよ。」

「はい、こんばんは。」

 

「それで、何の用かしら?」

「ええ、ちょっと交易に来ました。」

「交易?」

 

「この、未使用のグリーフシードと、貴女の持っている使用済みグリーフシード。

 交換しない?」

「……どういう事かしら?

 それ、あなたに何のメリットが?」

 

「ああ、じゃあ交換してくれたら、何に使うか実演しましょう。この場で。」

「まさか、魔女でも孵そうなんて考えているんじゃないでしょうね。」

 

「そんな事考えてないよ。」

「………」

 

 ジト目でこちらを見ているな。何考えてんだろう。

 

「わかったわ。」

 とりあえず、了承が得られたのでグリーフシード1つを投げ渡す。

 

「……」

 ジロジロとグリーフシードを見る。

 それで確認できたようなので、使用済み…というか使用中のグリーフシードを投げ渡してきた。

 

「じゃあ、実演するわね。」

 いつもどおり、ちゅるちゅると吸う。

 

 ……………から!

 

 辛い!!!!

 なんで辛いの!!!!

 

「辛いわね。」

 冷静に答えるけど、全部吸ったら、相当の辛さだった。しかもしょっぱいのもある。

 辛子と塩を混ぜて食べるとこういう味かもしれない。

 

「辛い?…貴女、グリーフシードを浄化できるの?」

「いえーす」

「…………本当に何者なの?」

『ほんと、非常識よね。』

 

 マミからもツッコミが入る。

 何者もなにもなぁ…無難に答えても信じないしなぁ。

 

 うーん。仕方ない。今こそ中二病的名乗りをしても良いかも知れない………………

 って、なんで度々この選択肢が出るの!?

 ううん駄目。はずい。

 

 だがはぐらかすには丁度いいし、脅威には感じるが魔女ではないから敵ではないと知れるだろう。

 

 メリット=敵とは思われない。はぐらかせる。でも嘘はついていない。

 デメリット=はずい。ただただひたすら恥ずかしい。

 

 くっ、恥ずかしいだけがデメリットか。いいでしょう。

 や、やったらーーー!

 

「ククク…

 我が前で生きていらりゅりゅ…」

 

 かんだ…

 

「……」

『……』

 

 手のひらををほむらに向けて顔を下にする。

 ちょっとタンマ。

 

 はい、気を取り直して………

 

 テイクツー

 

「クックック

 わ、我が前で生きていられる事に感謝せよ、

 我が名はジル…五代目魔王にして吸血鬼である。

 敵対するものには等しく絶望をくれてやろう。」

 

 格好もつけて、どやぁ~~

 …ただし顔真っ赤~~

 

『魔王!吸血鬼にして魔王だなんて!

 道理で、こちらの攻撃が効かないし魔女を簡単に狩れるわけね。』

 

「……はぁ…それで。その茶番は必要だったのかしら?」

 

 マミとほむらで反応が違う件。

 あれ?なんで?

 なんではぐらかされないの!?

 おっかしーなー。はぐらかせると思ったのに。(尚、マミ基準)

 

「…………………………」

「…………………………」

『え?…え?ちょっと、どういうこと?え?魔王あれ?茶番?』

 

 くっ。仕方ない。

 

「コホン。

 あーそれでね。色々できるので、グリーフシード浄化事業とかしようと思うの。」

「はぁ」

 ジト目で見てくる。

 

「だから、ほら、番号交換しよ?」

「……まあ良いでしょう。

 グリーフシード浄化できるのは助かるし。」

 

 よし、なんとかはぐらかせた!

 恥ずかしい想いした甲斐があったわ。

 

『え?ちょっと、そのスマホ私のじゃない。』

 自宅に置きっぱにして学校行くお前が言うなし。

 

 はい。

 という事で2つ目の魔法少女電話番号げっとー

 

「相変わらず貴女の目的が知れないけど、とりあえず浄化にはメリットがあるからつきあってあげる。」

「はいはい。じゃ、グリーフシード溜まったらよろしく!」

 

「今度は貴女の正体と目的。正直に教えてくれることを願うわ。」

 と言ってターンして帰っていった。

 

 はい、ほむターン頂きました。

 ごっつぁんです。

 

 てか、はぐらかせてないじゃん。カッコつけて名乗ったのにぃ!

 

『それで、ねえ、さっきの魔王とかなんとか、茶番とか一体なんだったの?』

 ああ、これから説明が大変になるのね。

 

 

 現在のHP 12M/800M

 




何というか、新ジルさんは情緒不安定なイメージなので、方針がフラフラしててすいません。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。