このせかいを ふっかつ させたい   作:………

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あなたは なにも しらない

 

 

「それで まもられいたのは そとにいる みんなの ほうだった!」

 

「ハ … ハ ハ … 」

 

 

―――ソウルの割れる音がする。

 

 

 

―――そして塵。

 

 

 

同じ言葉。もう聞き飽きた。そんな言葉では私には響かない。止められない。変えられない。

仕方のない物だとは知っているけれど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すっかり静かになってしまったこの空間に、おもちゃのナイフを持ち、リボンを無造作に付けた子供が一人。

子供には驚くほど似合わない顔をして、ただ、前へと進んで行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

===========

 

 

 

 

 

縞の入った服にピンクのリボンを付けた子供。これがモンスターたちを傷つけた犯人の特徴らしい。

 

 

これはナプスタから聞いた情報だ。ナプスタはゴーストだからダメージを負う事はないのだが、そのふりをしていたらしい。

 

子供が犯人とは驚いた。本当なのだろうか?

 

 

飴をなめて、遺跡の中を歩きながら考える。

ちなみにこの飴はずっと踊っているモンスターから貰った。やっぱり傷が癒えていく。モンスターの食べ物はそういう物なのか?

 

 

今、周りにはたくさんの柱やいろんな色のスイッチがある。これも何かの仕掛けなんだろうけど、全て解かれているので横を素通りして行く。

 

奥に来てから塵を全然見かけなくなった。もちろん隅々まで確認しているが。

きっと、遺跡の入り口辺りでの危険を察して、ここら辺にいたモンスターたちは逃げたんだろう。

 

 

 

特に何もなく、広い空間に出る。落ち葉がたくさんと、葉も花も実も何もついていない大きな木が、その空間のど真ん中に居座っている。

その奥にあるのは…家?

 

遺跡なのに小綺麗なこの場所もそうだが、それ以上に、遺跡の中にこんな清潔感のある家があるのもだいぶおかしい。

 

 

誰か住んでいるのだろうか?

 

ドアは私の身長を大きく越しているため、今まで会ってきたようなモンスターたちが住んでいるわけではなさそうだ。

ドアの上には「ホーム」と書かれている。

 

 

他の道も全て見てまわったが、全て行き止まりだった。

他に行っていない場所というと、途中の物置きのような場所から見えた、使われていないらしい家々。それと、今目の前にある大きな家。

 

この家は他と違って使われている感じがする。どこか温かみがあるというか…

 

 

という訳で、行く所はここ意外にはないのだ。もしかしたら、この家の先に道があるかもしれない。いや、そんな気がする。

 

 

 

 

「あの…誰かいませんか?」

 

声をかける。

 

 

 

 

 

――――――返事はない。

 

 

「お邪魔します…」

 

 

家の中に入る。

 

 

 

その瞬間、温かさが身を包む。ずっとここに居たくなるような、この温かさに体を預けてしまいたくなる。そんな温かさ。

 

それと同時に感じたのはある香り。香ばしくて、甘くて、優しくて、懐かしくて、…そして、切ない。そんな香り。

 

 

 

 

部屋をまわる。

誰もいない。

 

ダイニングに入る。

誰もいない。

 

キッチンに入る。

誰もいない。

 

 

誰かそこにいてくれることを願うように、走って探した。

誰もいなかった。

 

 

入り口のすぐ前にあった、下へと続く階段の先は、やはり道があった。

 

 

階段を下りる。

 

 

もう、あの温かさは感じられない。

もう、あの香りは感じられない。

 

戻りたくなるけれど、戻れない。

 

背中を押されているからだ。

 

他の誰でもない、自分に。

 

 

焦燥感でもなく、怒りでもなく、悲しみでもなく、哀れみでもない。

 

 

これは『ケツイ』だ。

いつかの私のケツイが、私の背中を押す。

 

 

 

私は()()「ホーム」をあとにした。

 

 

 

 

 

 

長い廊下を突き進んだ先にあったのは、大きく、重たそうな扉。そしてその前にあるのは…

 

一際大きな塊の塵。

 

 

黙って側まで寄る。

 

 

 

 

 

―――――――――助けたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――何かが動く。自分のものである何かと、自分のものではない何かが。

 

 

 

 

 

 

 

 

何かが光る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――何も起きない。

 

 

 

 

 

どうして?どうしてできない?助けなければいけないのに。

 

 

焦りが大きくなる。

 

 

 

 

助けられないだなんて嫌だ。このモンスターにも大切な物があるかもしれないのに。

 

話しができないなんて嫌だ。友達になれたかもしれないのに。

 

会えないだなんて嫌だ。こんなに悲しいのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嫌だ。諦めるもんか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何かが光って―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――っ…」

 

息が詰まる。

 

 

 

体を起こして居られなくなり、遺跡の硬い床に倒れ伏す。

 

瞼が重い。いや、体全体が重い。

 

意識が遠のき、冷たい床だけが感じられる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ケツイがみなぎった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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