ヴォルフ視点
我が主は、少々変わったお方だ。
サモナー系統という後衛職の系統であるはずなのに誰よりも先陣を切る奇特なお方だ。
戦う事が何よりも大好きで、格闘戦をしなければ禁断症状が出て、物欲が凄くて、無節操にスキルを取って、弟子の育成に容赦の欠片もない、配下の育成も容赦の欠片もない。そんなお方だ。
私は、主が初めて冒険をした時から共にいた。
ある時は、まだ弱い頃の主と連携して敵を仕留め。
またある時は、主に危険を知らせ。
そのまたある時は、主を身を挺して庇い死に戻った事もある。
今の主はそれなりに単独で魔神と戦える位の実力を発揮する存在だが、初期の頃は弱かった。戦い方も世界の事も良く知らず、偶然知り合った生産職の方々に教えてもらいながら進んでいた。
だが、今の主は比類なき強さがある。対戦のときは相手に合わせ呪文も武技も封じるが、封じて居なければまともに相手に出来る存在は果たしてどれだけいるか。
私たちも主の邪魔をせずに黙って見守る事もままある。死に戻ったのは情報も何もなく油断していた数回でその後はきちんとリベンジをしている。
私たちも強くなったが、まだまだドラゴンたちや師匠たちの配下たちにはまだ及ばぬ。
我が主も幾度も魔神と戦ったが仕留められたのはドワーフの魔神だけ、他の魔神は未だ倒せておらず先が見えぬ相手に勝つために己が技術と実を研鑽している。
私たちもまた、主に付いて行けるように強くあらねばならぬ。どれもこれも後衛が適しているくせに主の影響を受け前衛に出ていたり、性格に難が有る者ばかりだが、そこはもう我が主の配下らしい個性的な面々であるとしかいえない。
我が主も二面性が強い性格ゆえ、そこはもうどうしようもないのではないかと思っている。
私と私の同期ともいうべき最古参組はそんな時々抜けている戦闘狂の主を支え、仲間達を纏める役目を担っている。
全員性格を治そうとも思っていないが、最低限の統率は出来ているので良しとしてもらおう。連携面に問題が無く生活面で問題がある位見逃してもらう事にしよう。
にしても我が主は、私の毛並みが気に入らぬと言う。後輩であるシリウスの毛並みは気に入っている様だが、たまには私に触れてくれてもいいのではないか?
最近では、すすで汚れてしまった毛並みを我が主に洗ってもらえるのかと楽しみにしていたと言うのに実際洗ってくれたのは後輩の逢魔だ。我が主も水魔法が使えるのだからステータス操作など後回しにして洗ってもらいたかった!!
昔は同じベットで寝たと言うのに………