サモナーさん関連短編集   作:cohaku

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うん、めっちゃ原作と違う展開になってしまった。
サモナーさんだとどうしてもこういう方向に行ってしまう。とりあえず書いたので投稿しますが、もしかしたらIF扱いになるかもしれません


召喚士とゼロ5

ポータルガードとパーティーモンスを召喚し、10匹のスケルトンマンモスと30匹のラプターを用意する。

あとは、自分は羅刹や護鬼などと対戦を他のモンス達がスケルトンマンモス達を倒し終わるまで続け倒したら解体ナイフを突き刺しドロップアイテムを回収する。相変わらず回収率は高くないがその分は量で補う。

古代石と古代石柱は、石工を持つドール系モンスターを3匹ほど促進培養で増やした。他にも鍛冶や細工を持ったドール系も増えた。

 

「キースさん!もうそろそろ、お時間ですよぉー」

「!分かった、これで終わりにしよう」

 

熱中していて気が付かなかったが時計を見てみるとそろそろ睡眠を取りに戻らなければならない時間だった。

最後に召喚されたモンスターたちが倒され、ドロップアイテムを回収し終わると闘技場に来ていた少女に近づく。

 

「毎日すまないな。つい、熱中してしまう」

「大丈夫ですよ。見ているだけでも面白いですし」

「そうか、負担でなければいいんだが」

 

土くれのフーケことマチルダを雇って、雇用条件の一つを迎えに行った。空中に浮かぶ国アルビオンの森の中に隠されるようにあった小屋に住むハーフエルフとそのハーフエルフが面倒を見ていた孤児たちだ。

ハーフエルフのティファニアは、マチルダを『マチルダ姉さん』と呼び慕いマチルダの方もティファニアを妹のように思っているようで、今までの怪盗家業の報酬も大半は彼女と孤児たちの生活費として使っていたらしい。

最初に聞いた時、この島に来る以上完全に人間社会とは切り離されるが問題ないのかと問うとあっちにいるよりこっちの方が安全だから問題ないと即決していた。

トリステインやアルビオンなど周辺各国ではエルフなどが迫害の対象になっていてハーフであるティファニアも迫害の対象で最悪の場合殺されることもあるという。

この島は、基本的に関係者以外立ち入りを禁止する結界もあるし、元々トリステインなどがある大陸からも離れているので安全安心という訳だ。

 

「さて、そろそろ戻るか」

「行ってらっしゃいませ!」

 

ティファニアに見送られてキースは魔法学院へと戻っていった。

 

「最強の系統は知っているかね?ミスツェルプストー」

「『虚無』じゃないんですか?」

「伝説の話をしているわけではない。現実的な答えを聞いているんだ」

 

『風』の系統の授業。土もそうだが、彼も自分の系統が自慢らしい。

『疾風』のギトーという先生がキュルケの魔法を防ぐが、生徒と先生では力量が違うのだから防げるのは当たり前だとも思う。

先生が生徒の魔法を防げないなどほぼほぼあり得ないだろう。態々生徒を虐めて自分が上だと示す、些か教鞭をとる者として相応しい態度ではないとも思う。

その様子を冷めた目で眺めていると、『火』の系統の授業を受け持つコルベールが教室に入ってきて、今日の授業は全て取りやめになりトリステインの王女アンリエッタが魔法学院を訪問するので出迎える準備をするの授業を取りやめにすることにしたらしい。

 

「諸君が立派な貴族に成長したことを、姫殿下にお見せする絶好の機会ですぞ!覚えがよろしくなるように、しっかりと杖を磨いておきなさい!よろしいですかな!」

 

 

魔法学院に続く街道を、アンリエッタ王女殿下とマザリーニ枢機卿の馬車が清々と歩んでいた。2台の馬車の四方を固めるのは崩室曲族の近衛隊『魔法衛士隊』の面々だ。

名門貴族の子弟で構成された魔法衛士隊は国中の貴族の憧れだ。男の貴族は誰もが魔法衛士隊に入隊したがり、女の貴族はその花嫁になる事を望んでいる。トリステインの華やかさの象徴とも言えた。

街道は花々が咲き乱れ、街道に並んだ平民たちが、口々に歓呼の声を投げかける。

 

「トリステイン万歳!アンリエッタ姫殿下万歳!」

 

馬車の窓からそれに答え花のような笑みを浮かべて手を振る王女に人々はさらに歓呼の声を投げていた。

それは魔法学院でも変わらず、生徒たちは歓声を上げて王女一行を出迎えていた。

 

その日の夜は、ルイズは落ち着きがなかった。王女一行を迎えていた時は、その護衛の1人を見て頬を染めて見ていたのでその護衛が婚約者で部屋に訪れるのを待っているのかもしれない。

座ったり立ったり、枕を抱いてぼんやりしたり忙しない。

それを見守っていると、ドアがノックされた。ノックは規則正しく叩かれた。初めに長く2回、それから短く3回…ルイズの顔がはっとした顔になり急いでドアを開けた。

そこに立っていたのは真っ黒な頭巾をすっぽりとかぶった少女。

 

「……あなたは?」

 

ルイズは驚いたような声を上げたが、頭巾をかぶった少女はシッと言わんばかりに口元に指を立てた。それから、頭巾と同じ漆黒のマントの隙間から、つを取り出すと呪文を呟く。

光の粉が部屋に舞う。

 

「…ディテクトマジック?」

 

ルイズが訪ねた。頭巾の少女が頷く。

 

「どこに耳が、目が光っているか分かりませんからね」

 

部屋のどこにも、聞き耳を立てる魔法の耳や、どこかに通じるのぞき穴がない事を確かめると、少女は頭巾を取った。

 

「姫殿下!」

 

そこにいたのは、アンリエッタ王女殿下だった。ルイズが慌てて膝をつく。キースは、どうすべきか一度考えて会釈にとどめた。

 

「お久しぶりね。ルイズ・フランソワーズ」

 

ルイズとアンリエッタ王女殿下は、幼馴染らしい。宮廷の中庭で蝶々を追いかけたなど昔話に花を咲かせている。最初は堅苦しい態度を取っていたルイズだが、昔話をするにつれてきやすい態度に変わっていった。アンリエッタ王女殿下はそれが狙いのようで態度が気安くなるにつれて嬉しそうに微笑む。

 

「あら、ごめんなさい。もしかして、お邪魔だったかしら?」

「お邪魔?どうして?」

「だって、そこの彼「あ、姫様に紹介してませんね!彼の名はキース、私が使い魔として召喚してしまった人です」

「ご紹介に預かりました。ルイズ嬢の使い魔を務めております、キースと申します。お見知りおきを、アンリエッタ王女殿下」

「まぁ、使い魔?はぁ、ルイズ・フランソワーズ、貴方って昔からどこか変わっていたけれど相変わらずね」

 

そう言うと、アンリエッタ王女殿下はため息をついた。

それを気にしたルイズが問いかければ、誰にも話すなと最初に告げてからアンリエッタ王女殿下は事情を話し出した。

アンリエッタ王女殿下は、ゲルマニアと同盟を結ぶために輿入れをすることになったといえばゲルマニア嫌いのルイズは憤慨した。

同盟は、アルビオンの貴族たちが反乱を起こし、今にも王室が倒れそうなこと。反乱軍が勝利したら次にトリステインに進行してくるだろうということ。

それに対抗するためにゲルマニアとの同盟が必須であり、ゲルマニア皇室に嫁ぐ事になったと言えば流石のルイズも政治的に必要な事だと理解したのか肩を落とした。

口調からその結婚を望んでいないと分かるが一貴族であるルイズに出来る事は何もないと分かっているからだろう。

 

「…私の婚姻を妨げるための材料を血眼になって探しています」

「もし、そのような物が見つかったら…」

 

同盟を妨げるものを反乱軍側が探しているとアンリエッタ王女殿下が言えば、そんなことを言うならばもしやあるのではないかと想像して顔色が悪いルイズが問いかければアンリエッタ王女殿下はかおを両手で覆うと床に崩れ落ちた。

 

(捨て駒か)

 

その芝居がかった仕草にこの後の展開を想像して、流石為政者だとアンリエッタ王女殿下に感心した。幼馴染さえも切り捨て同盟を成すために利用する。まさしく為政者の行いだ。

アンリエッタ王女殿下は、一通の手紙が婚姻を妨げる材料になるという。どこにあるのかとルイズが問えばアルビオン王家のウェールズ王子が持っているという。

そこまで言えば、何故人目を忍んでまでアンリエッタ王女殿下が来たのかわかったルイズが使命感に駆られて自分が取りに行くと言った。

しかも、すでに敗北一歩手前だから明日にでも出発するという。

 

「あの、キース様…」

「いいぞ、暇だったし今の私はルイズの使い魔だからな主人の身を護る事は使い魔の仕事だろ?」

「助かったわ、頼りにしてるわよ」

 

その後ギーシュが突撃してきたが、特に問題はない。守る対象が増えたがサモナーであるキースなら多少増えた位問題はない。

アンリエッタ王女殿下がギーシュの参入を認め、親書と指輪を託して部屋から出ていった。

 

次の日の朝、ルイズたちは学院の入り口に立っていた。

 

「さて、馬を用意していないがどうやって行くつもりなんだい?」

「キース様が考えがあるって言ってたけど」

「空ならこいつだな。サモンモンスター アードバーク」

 

大きな魔方陣が現れたかと思うと、その魔方陣の上に巨大な鳥が現れた。

 

「ほら、乗るぞ」

「……あの、この鳥は?」

「私の従魔のアードバーク。こういう時に一番使える奴だな、ほらさっさと乗り込め」

 

キースは、アードバークの背によじ登るとビックリして突っ立ったままの二人に手を伸ばす。

 

「あっ、僕の使い魔も連れて行っていいかい?」

「一人や二人増えても変わらないから問題ないぞ。それよりさっさと乗り込め」

「え、ええ」

 

ルイズが掴んだ手を引き上げて背に移動させる。ギーシュの足元の横が盛り上がったかと思うと大きなモグラが地面から顔を出す。

ギーシュがモグラを引き上げながらアードバークの背に乗るのを確認して

 

「じゃ、出発「待ってくれ!」ん?」

 

朝靄の中から一人の男が走り寄ってきた。昨日の出迎えの時ルイズが見つめていた男だ。

 

「誰だ!?」

「僕は敵じゃない。姫殿下より、君たちに同行することを命じられて。君たちだけでは心もとないらしい。しかし、お忍びの任務である故一部隊も付けるわけにもいかず。

そこで僕が指名されたって訳だ」

 

長身の貴族は帽子を取ると一礼した。

 

「女王陛下の魔法衛士隊、グリフォン隊対象ワイド子爵だ」

 

文句を言おうと口を開きかけたギーシュは、相手が悪いと知ってうなだれた。魔法衛士隊は全貴族のあこがれである。ギーシュも例外ではない。

 

「ワルド様…」

 

ワルドは予想通り、ルイズの婚約者であったらしくルイズを見て人懐っこい笑みを浮かべた。

 

「婚約者と再会して嬉しいのはいいが、アンタも来るならさっさと乗れ。ああ、グリフォンも一緒に乗るといい暖を取るのにちょうどいいからな」

「君がルイズの使い魔か?人とは思わなかったな。それにこの巨大な鳥は?」

「こいつでアルビオンまで直通だ。こういうのは速度が命だからな」

「ハハハハ、それは何かの冗談なのかい。こんな鳥があそこまで飛べるわけが「キュエェェェ!」

 

自分が侮られたのが分かったのだろうアードバークが不機嫌そうな声を出してワルドを睨み付ける。

 

「さっさと乗れ」

 

睨み付けられて固まってしまったワルドを一度地面に降りてアードバークの背に投げ飛ばし無理やり乗せて乗りなおす。

 

「ちょ、ワルド様に何を」

「口を閉じておけよ、舌噛むぞ。アードバーク!目標アルビオン!」

「キュエェェェ」

 

アードバークが小さな声で鳴くとその大きな翼を羽ばたかせて大空へと舞い上がる。それに上空に待機していたであろうワルドのグリフォンも慌てて続いた。

 

 

 

「さ、寒い」

「そりゃあ、空だからな。ほら、防寒具」

 

凍えているルイズとギーシュに適当な防寒具を渡す。

 

「アードバーク、いったん速度を落とせ。それでグリフォンを呼べ」

「わ、わかった」

 

アードバークが速度を落とし、ワルドがグリフォンを呼べばアードバークの速度にやっとこさついて言っていたグリフォンが息を切らせてアードバークの背の上に乗った。

 

「サモンモンスターナインテイル、命婦」

 

白狐と妖狐のナインテイルと命婦を召喚し

 

「グリフォンはそこに座れ、ワイド子爵様はそこ、ルイズとギージュはそこでギーシュは自分の使い魔を抱いてルイズはこいつらを抱いておくといい。

アードバークの羽毛に身を包み、グリフォンとナインテイル達の体温があれば多少はマシだろ」

 

グリフォンを中心にワイドとギーシュとルイズという並びにしてルイズにナインテイル達を抱かせる。

 

「で、そこにいるドラゴンちゃんは大丈夫なのか」

「ちょっと厳しい」

「乗せてもらえると嬉しいわね」

「ならさっさと乗れ」

「ちょっと、ツェルプストー。これはお忍びなのよ!なんであんたが来ているのよ!」

「お忍び?だったらそう言いなさいよ。言ってくれなきゃ分からないじゃない」

「言い争いは後にした方が良いぞ、全員乗ったな。アードバーク、もういいぞ」

 

またもやついてきたキュルケとタバサが乗っている風竜もアードバークに乗り込み体制を整えたのを確認してアードバークに声を掛ければ待ってましたと言う様に先ほどよりも大きく羽ばたきさらにスピードを上げて空を飛ぶ。

足手まといがいなくなったので全力とはいかないが8割ぐらい本気で飛んでいるようだ。

 

「ちょ、ちょっとさっきより早くなってない!?」

「今度は無理してついていってる奴らがいないからな」

 

ゲーム世界でもドラゴン達と友誼を結び空高く飛ぶことも出来るようになっていたがどうしても最初に空高く飛んだ時に現れたドラゴンのインパクトが忘れられずドラゴンが出てくるような高度を飛ぶことがあまりなかったが、この世界にはそんなドラゴンがいない。

それを知っているからアードバークはゲーム世界とは比べ物にならない高度を飛べて喜んでいるようでさらにさらにと高度を上げていく。

空気が薄くなり、さらに寒さがきつくなる前にエアカレント・コントロールで風の流れを操作して薄くなる酸素を補い、冷気を散らす。

 

「…インビジブル・ブラインド。アードバーク、そこらにある船は無視してアルビオンの城が目に入る位置に着いたら一時停止だ」

「キュェェェ」

 

光学迷彩でアードバークを覆い姿を隠す。流石空に浮かぶ国アルビオン、雲の中に空飛ぶ船が当たりを警戒するように巡回している。

普通なら雲に隠れて分からないだろうが、遠視と広域探査、魔力感知と索敵系スキルがあるアードバークはそれらを器用によけながらアルビオンの城へ向かう。一度ティファニアを迎えにアルビオンに向かったとき一通り土地を上空から見て回ったから迷う事はないだろう。

 

「ついたな」

 

何度も攻撃されたのだろう城壁が崩れた城が雲の合間から姿を現す。

 

「さて、大丈夫か?降りるぞ?」

「も、もう着いたの!?」

「ぐずぐずするなよ、行くぞ」

「ま、待ってくれ!このまま降りる気かい!?」

「姿を隠す魔法は使ってるから、降りるまでは安全だぞ?ありがとな、アードバーク」

 

アードバークが身をひるがえす。足場が消え乗っていた面々が風を切りながら下へと落ちて

 

「フライ、インビジブル・ブラインド」

 

落ちる前に飛行呪文と光学迷彩呪文をつぎ足しゆっくりとアルビオンの城ニューカッスルに向かって降下していく。

慌てて呪文を唱えようとしたり、主人を背中に乗せようとしていた使い魔達がほけっとした顔をしている。

 

「到着っと、さて誰か呼び止めないとな」

 

光学迷彩を解いて中庭に立つ。

 

「な、貴様らどこから入ってきた!」

 

すぐに見回りの兵士が現れる。その兵士にルイズが持っている親書と指輪を取り出し見せつけ

 

「我ら一行、トリステイン王国アンリエッタ王女殿下より密命を受けてアルビオン王国皇太子ウェールズ王太子への親書を届けに来た。ウェールズ皇太子殿下に取次ぎを求む。

これは、アンリエッタ王女殿下から預かった指輪だ。身分証明としてお預けする」

 

そう言って、兵士に親書と指輪を渡せば、一人の兵士がウェールズ皇太子殿下のもとへと向かい他の兵士は自分たちを監視したがそれも確認を取れれば解放されウェールズ皇太子殿下のもとへと案内された。

 

「君たちがアンリエッタから密書を預かった者たちかい?」

「アンリエッタ姫殿下より、密書を言付かってまいりました。トリステイン王国魔法衛士隊、グリフォン隊隊長ワルド子爵ともうします」

「ふむ、成程。彼らは?」

「こちらが姫殿下より大使の退任を仰せつかったラ・ヴァリエール令嬢とその使い魔。そして同行者の」

「ギーシュ・ド・グラモンと申します。ウェールズ皇太子殿下!」

「キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーと申します。初めまして、ウェールズ皇太子殿下」

「タバサ」

「そうか、僕はアルビオン王国皇太子ウェールズ・テューダーだ。密書を読ませてもらったよ、姫の望みは私の望み。件のものはお渡ししよう」

 

用意していたのだろう手紙をルイズに手渡す。

 

「君たちがどうやってきたのか知らないが、明後日の朝非戦闘員を乗せた船がここを出港する。それに乗ってトリステインに帰りなさい。

もう、僕らの負けは決まってしまっているからね」

「…あの、殿下…それはもう王軍に勝ち目がないという事でしょうか?」

「ああ、わが軍は3百、敵軍は5万。万に一つの可能性もあり得ない。我々にできる事は、はてさて、勇敢な死にざまを連中に見せる事だけだ」

 

ルイズたちはウェールズの言葉に俯いた。

 

(…成程、これは厳しいな。だが…)

 

「さぁ、君達の部屋は用意してあるあまり持て成しはできないが出航まではゆっくりしていってくれ」

 

メイドたちがルイズたちを連れて部屋を出ていく。

 

 

 

次の日、ニューカッスルの中庭に愚者の石板を使う。強化だけ最大にして特に施設は建てず、結界を張る。

設定は、色々弄る方法をゲルタ婆様から習っているので外から侵入する害意あるものと設定。

 

「…やあ、ここで何をしているんだい」

「もう少しで壊れるらしいからな、適当に見て回っているだけだ」

「明日、僕とルイズはここで結婚式を挙げる」

 

突然のワルドの言葉に眉間にしわを寄せてワルドを睨む。

 

「…こんなところでか?」

「ぜひとも、僕たちの婚姻の媒酌をあの勇敢なウェールズ皇太子にお願いしたくてね。皇太子も快く引き受けてくれた。決戦の前に僕たちは式を上げる」

「ムードもへったくれもないな。いくら婚約者とはいえ些か横暴だな」

 

いくら何でも戦場で結婚式とは、しかも貴族の結婚とは華やかに行うべきなのにそれすらもする気がないとは恐れ入る。

 

「君も出席するかね?」

「時間があればな」

 

目を細め、ワルドの顔を見据える。どうにもきな臭い。

 

 

最後の日、ルイズの結婚式と決戦の日だ。

 

「さて、暴れるか」

 

眼下に広がる敵軍にアルビオン王軍は最後に勇敢に死のうと意義込んでいるがそれは無駄に終わる。

 

「ポータルガード」

 

その呪文に合わせて空に幾つもの魔方陣が現れ、そこから現れるのは

 

「あれはなんだ!?」

 

敵も味方もその姿に恐れおののく。それもそうだろう魔方陣の光が消えた其処には12体の大型のドラゴンと5体の蛇のような宙に浮かぶ化け物が現れたのだ。

 

「テロメアとヘイフリック、モジュラス、イソシアネートは死人の捕縛を。待宵はトップの捕縛に動け、私はあっちの方に行くから任せたぞ」

 

ルイズに護衛としてつけてあるキレートの視線から知らされるルイズたちの危機にキースはテレポートを使い向かった。

 

 

「3つ目は…貴様の命だウェールズ!」

 

 

「成程、やっぱり裏切り者だったわけだ」

 

ウェールズの胸を貫こうとした攻撃は、ウェールズに当たらず空振りになった。

「貴様、どこから現れた!」

「どこからでも問題ないだろう?護鬼、しばらくあれの相手を頼む」

 

ギンッ

 

「っ!邪魔だぁ!」

 

ワルドに6本の腕を持つ異形が襲い掛かる。

その間にルイズとウェールズを抱き上げ、結婚式に出ていたギーシュ達と合流する。

 

「大丈夫か?」

「私たちは大丈夫よ、でもまさか子爵が反乱軍だなんて想像も出来なかったわ」

「じゃ、ちょっと待ってろよ。とりあえず、アレを無力化してくる」

 

デルフリンガーを抜き放ち、神鋼鳥の小刀の変則二刀流が出来るように取り出して護鬼が相手をしているワルドのもとへと向かう。

 

「ちょっと待ってくれ、いくら裏切り者だからってワルド子爵は近衛隊だぞ!あなた一人では」

「…心配するな。あの程度の敵、大した問題じゃない。護鬼交代だ!」

 

その言葉に従い、一度ワルドの腹に一撃を入れ距離を取るとルイズたちのもとに向かい油断なく周囲を警戒している。

 

「少しは、本気を出させろよ。裏切り者」

「舐められたものだな!風が最強だと何故言われるか、その所以を教育いたそう」

 

キースを楽しませるためか力を入れて蹴ってはいなかったらしく、痛みにうめく事もなくワルドが杖を構える。

 

「ユビキタス・デル・ウィンデ…」

 

呪文が完成すると、ワルドの体はいきなり分身した。

 

「ほう」

「これはただの『分身』ではない。風のユビキタス(偏在)…風は偏在する。風の吹くところ、何処となくさ迷い現れ、その距離は意思の力に比例する」

「成程、ならその風を奪ったらどうだ?」

 

(エアカレント・コントロール)

 

周辺一帯の風は、キースの支配下に入る。そこは一時的に無風空間に変貌してしまう。風が無くなればワルドの分身は存在できず何せぬままにその存在が消えてしまう。

 

「なっ」

「それが切り札なのか?それなら拍子抜けだな」

 

いとも簡単に自分の切り札である魔法を封じられ驚き固まってしまうワルドにつまらなそうに声を零し斬りかかる。

それに反応して杖を青白く光らせて応戦する。だが、

 

「弱い」

 

神鋼鳥の小刀で防げは、杖を纏う風も杖もまとめて両断された。

 

「魔法職が接近戦をするならもう少し武器にこだわるべきだったな」

 

デルフリンガーの柄で顎を殴り脳を揺らし、

 

ジャラジャラ

 

脳が揺らされて身動きが出来なくなったワルドを『グレイプニル』で縛り上げる。

 

「よし、終わりっと」

「くっ!なんだこれは!」

「あっちも終わったようだな、少し遊びすぎたか」

 

 

「グォォォォォオオオオ!」

 

キースによって無風空間になっていた場所に突風が吹き荒れる。突然の突風にルイズたちが腕で顔をかばい前が見えなくなる。

突風が止み、腕をどけると

 

「ど、ドラゴン」

 

タバサの風竜とは全く姿が違うが、それはドラゴンだった。二股の尻尾、全身に突起物が生えたような細身の体躯、細身の体躯に相応しい翼、湾曲して前方に向かって生えている尻尾、その凶悪な見た目に思わず喉を鳴らす。

そのドラゴンに笑って手を伸ばすキースに声なき悲鳴を上げようとして

 

「終わったのか、アイソトープ?」

「   」

 

まるで猫のように伸ばされた手にすり寄るドラゴンに驚きを隠せない。

 

「?ああ、殺さずにはおいておいたか」

「   」

「もうあっちは終わったんだな?…ん?ああ、そういえば死肉どもの始末は私がいないと難しいか。では、彼らを連れていこうか」

 

キースはワルドを縛った鎖を引きワルドを引きずりながらルイズたちのもとへと歩いてくる。ドラゴンもそれに寄り添うようについてきた。

 

「ウェールズ皇太子殿下」

「き、君は一体」

「この戦、王軍が勝利いたしました。戦場に戻り戦後処理をしなければなりません、虚無の系統の使い手と自らを偽り革命軍を率いていた司祭オリヴァー・クロムウェルを捕獲、軍にも壊滅的なダメージを与えオリヴァー・クロムウェルがマジックアテイムにより蘇生させたかのように見せかけた死肉どもも捕獲しました。

王軍から奪われた船はいくつかは…まぁ多少の損傷がありますでしょうが鹵獲するように指示しております」

「「「「「「はっ!?」」」」」」

 

 

現状を把握できず戸惑っているウェールズに跪いたキースの言葉にワルドやルイズ達が理解できないと声を上げる。300対5万、どう考えても勝てる戦ではなかったものに勝った?彼らは混乱し何を言えばいいのか分からなかった。

 

「そ、そんなはずはない!300対5万だぞ!どうやって数の力という絶対的なものを覆して王軍が勝利したというんだ!」

「高々5万、しかも私の国レベルだと一般兵士程度の実力だろ?なんの不思議もない自然な事だ」

 

キースは、ワルドの言葉を鼻で笑った。その程度の戦力差をひっくり返せないはずがない。しかもレベル的には20レベルが精々の軍が5万、その程度の戦力でキースの従魔達を相手にするなんて自殺行為も甚だしい。

特に前線に出るのは自己回復スキルを持ち、その体躯だけでも兵器ともいえるドラゴンと龍が出ているのだ。しかも補助として万能の吸血鬼組と捕縛が大得意の蜘蛛組もセットで用意していた。

 

「現にアイソトープには傷1つないぞ」

「   」

 

傷を負えば自己回復スキルで回復するとはいえ、多少はMPを使うのにアイソトープのMPは少しも減っていない。ブレスなどを使わずになるべく土地を傷つけるなと言っていたのでそれを守り牙や爪、その体躯を用いた接近戦中心だったはずなのでMPが減っていないという事はまともな傷1つつける事も出来ずに蹂躙されたのだろう。

 

「ここで話していても信じられないでしょう。ですから、実際に戦場に行きましょう」

 

キースはもう一つ縄『蘇芳羂索』を取り出しアイソトープの前足に囚われていたワルドのグリフォンを縛り上げる。

 

「…アイソトープ、ちょっと背中借りるぞ」

 

アイソトープの背中に移動し、鎖と縄をアイソトープの背中の突起に引っ掛けて背中に固定する。

 

「よし、それじゃあ参りましょうか」

 

 

時は少し遡る。

主人に召喚された召魔達は事前に命じられた命令を思い出す。

 

『土地をなるべ傷つけるな。死肉は再生するみたいだから適当に動けなくしてモジュラス達に任せろ』

 

ドラゴン達と龍達は、それだけの注意だった。

 

「ギャアァァァ!」

 

一番の古株、青龍ストランドが吠える。

 

「グォォォオ!」

 

ドラゴンで一番の古株、アイソトープがそれに応じるように吠え

 

「「「「「ギャアァァァァ!」」」」」

「「「「「「「「「グォォォォオ!!」」」」」」」

 

それを合図にドラゴン達が龍達が革命軍へと襲い掛かった。 

 

 

「ヒィィィィ!」

 

それは暴虐の化身そのものだった。幾人ものメイジが放つ魔法は、その化身達になんら痛烈を与える事は出来ず蹂躙されていく。

 

「逃げるな!たたk」

 

逃げ出そうとする兵たちを叱咤しようとした指揮官は優先的に殺される。指揮官を殺せば統制が乱れただ徴兵されて参加していた兵士たちは逃げ出す。

 

「うぉぉぉ!」

 

その中でまったく怯むことなく向かってくるものがいる。何度四肢を飛ばしても数分後には五体満足になり襲い掛かる。

 

「もがっ!」

 

しかしそれも補足されてしまえば、糸玉にされ地面に転がされる。杖を奪い、四肢を縛り呪文が紡げぬように糸に縛られる。

ドラゴンや龍は、自分たちの物理抵抗や魔法抵抗さえ抜けぬ攻撃を気にするそぶりも見せず戦場を蹂躙していく。

それは空も同じだった。

 

「っ艦長!」

「くそっ!化け物め!」

 

嘗ての王軍の本国艦隊旗艦『ロイヤル・ソヴリン』こと反乱軍艦『レキシントン』は、もはや軍艦としての役目は果たしていなかった。

いまやその巨体は、絶えず蛇のような化け物に巻き付かれ搭乗していた竜騎士隊も外に出るハッチを開く事が出来ず、化け物の重量に空を飛ぶ力が耐え切れず少しずつ少しずつ地上へ向かって落ちていっていた。

 

「なんとしてでも化け物を引きはがせ!」

 

竜騎士達は、杖を持ち化け物に魔法を放つがその化け物の体に傷1つつけられず

 

「ぐわっ!」

「なんだ貴様!」

 

いつの間にいたのか黒髪の女が次々に搭乗員たちに襲い掛かり無力化、または殺害していく。

 

ガブッ!

 

「まさか、吸血k」

 

その姿に亜人である吸血鬼を連想した物はその言葉を最後まで紡ぐ前に首を落とされる。

 

空も地上もキースの従魔達が制し、無慈悲なる蹂躙場と化していた。

 

 

「そんな、こんな事があり得るはずが」

 

そんな惨状を見てワルドが唖然と言葉を零す。ルイズたちも又、こんな状態だとは思っておらず全員が絶句していた。

 

「殿下!」

「バリー、これは」

 

ウェールズは、自分に駆け寄ってきた老メイジに問うが老メイジは首を振りスッと戦場で未だ蹂躙を繰り返すものたちを見た。

 

「何なのか分かりませぬが、我々はあの者達のおかげで勝ったようです」

「それは」

 

バリーと名を呼んだ老メイジの言葉にウェールズは言葉をなくす。絶対に勝てないと思っていた戦が勝てた。それは喜ばしい、だがそれは自分たちの手で手に入れた勝利ではない。

 

ドサッ

 

「これがオリヴァー・クロムウェルか?」

 

いつの間にかキースの足元にカールした金髪の痩せた男が銀色の紐のようなものに捕縛されて地面に無造作に倒れていた。

 

「気絶してるな、よしテロメアこれの贋作を作らせろ」

 

キースは、気絶しているクロムウェルの指から一つの指輪を取り外すとどこから現れたのかキースの隣に立っていた黒髪の美女に手渡す。美女はそれを受け取ると影に沈んでいき姿が見えなくなった。

 

「え?」

「さっきの美女はどこに!?」

「ウェールズ皇太子殿下、これが反乱軍のトップで虚無の系統を使うと言っていたオリヴァー・クロムウェルです」

「……待って欲しい、あのドラゴン達は何なんだ!?いくらドラゴンとはいえ5万の軍隊をああも簡単に倒すなど」

 

戸惑う声にキースは、アイソトープの背に乗せていたワルドとグリフォンを下ろした後笑った。

 

「ヒッ、そのドラゴンは先ほどまで戦場で暴れていた!」

「あれは、私の従魔…あなた方にわかりやすく言えば使い魔ですね。まぁ、一人一匹ではなく100は超えてますが。

そしてもう一つの質問の答えは、弱いからですよ」

 

キース達が使う魔法に比べてこの世界のメイジたちの魔法は威力が弱い。実際にスクウェアメイジと対峙したわけではないが。ドット・ライン・トライアングルのメイジの魔法は見たことがあるがどれも23レベル程度の威力の魔法しかなさそうだった。

確かに多少は効果があるだろうがキースのように呪文融合での同時詠唱による火力の強化もなしでは魔法抵抗と自己回復を持つドラゴンと龍を落とすには火力不足が否めない。

 

「弱い…そんなまさか」

「とりあえず、こっちの死肉をどうにかする方が先かな」

 

モジュラス達が一か所に固めている糸玉の一つをパンタナールに運んでもらいウェールズに見やすいように目の前に置いた。

 

「それは」

「王軍が苦戦した一番の原因だな」

 

糸玉を切り裂き中に拘束されている死肉を露出させる。四肢や口の拘束は解けない様に露出させた死肉の生きているなら心臓部分にデルフリンガーを突き立てる。

 

「ヒィイ!」

「キース、突然何を」

「見ろ」

 

突然の凶行に悲鳴を上げるが、よくよく見れば剣を突き刺したはずなのに血が一滴も流れていないことに気づく。そして突き立てられて死んでいるはずのものが動いているのも。

そしてキースが剣を抜いていくと、見る見るうちに傷口がふさがっていき数秒後には切り裂かれた服だけがそこが切られていたと証明する証になった。

 

「こ、これは!?一体どういう」

「簡単に言ってしまえば、ゴーレムですよ。死人の死体をそっくりそのまんま使ったね」

「なっ!それが始祖の系統だと!?」

「いいえ、違います…お、出来たな」

 

いなくなっていた黒髪の美女が影から現れ二つの小箱をキースに手渡す。キースは、木でできた小箱と黄金の金属でできた小箱を開ける。

そこにはそっくりな銀の指輪があった。

 

アンドバリの指輪

【装飾アイテム:指輪】 アンドバリの指輪

ラグドリアン湖の水の精霊が守る秘宝。

指輪の石は水の精霊とほぼ同じ成分の結晶体で強力な水の魔力を秘める

 

ミスリルの指輪

【装飾アイテム:指輪】 ミスリルの指輪

M・AP+10 重量0+ 耐久値200

ミスリル銀で作られた指輪

 

それぞれの鑑定結果を見て頷き、クロムウェルの指にミスリルの指輪を戻しウェールズにアンドバリの指輪を見せる。

 

「これはアンドバリの指輪といって、水の精霊が守る秘宝らしい。強力な水の魔力を秘めているらしいからこれで死体を生前の姿のままのゴーレムにして操っていたんだろう」

「なんと!では、オリヴァー・クロムウェルが虚無の系統を授かったというのは」

「嘘だな。実際クロムウェルからは魔力が感じられない」

「しかし、それは本当なのかい?本当ならば、こちらには好都合だが」

「そうだな実際確かめないと不安か」

 

不安そうに聞いてくるウェールズに頷き、キースはアイテムボックスから全長2メートルはあるかと思うほど巨大な杖を取り出す。

 

「とりあえず死肉を始末してくるからしばしお待ちを」

 

死肉の選別が終わったのだろうその判別係として召喚してたテロメアとヘイフリックの吸血鬼組が2体とも手を止めて傍に来ていたのを確認してやることが終わって死肉どもを運んで一か所に固める終わっているのを確認して杖を両手でつかみ天へと掲げる。

 

((((((ディスペル・マジック))))))

 

杖の効果と魔法範囲拡大で広域呪文になったディスペル・マジックで死体を死肉に変えていた魔力を消し去る。一つの残らず消えたのを確認して死体を5体ほど運びクロムウェルの近くに並べ、クロムウェルを縛っていた縄を解く。

 

「え、解いてしまうの?」

「あのままだと虚無を使えるかどうか確認できないからな。大丈夫だと思うが警戒しておいてくださいね。

 

 

リキッド・ウォーター」

「わぶっ!」

 

気絶しているクロムウェルの顔の上に水を生成し、目を覚まさせる。運よく一回目で目覚めたクロムウェルは乱暴な起こし方に目を瞬かせる。

 

「ここは」

「起きたか、レコン・キスタのトップ オリヴァー・クロムウェル」

「っ!貴様はウェールズ!」

 

真っ先に目に入ったのは、倒すべき大敵であるアルビオン王族のウェールズだったようでウェールズの目の前で転がっているというのを認識してノロノロと起き上がる。

 

「オリヴァー・クロムウェル、君の負けのようだ」

「私の負け?私が負けるわけがない!この始祖ブリミル様より虚無の系統を賜ったこのオリヴァー・クロムウェルが偽の王族に負けるものか!

いっけ、忠実なるわが友よ!」

 

クロムウェルの号令に誰も起き上がらない。それはそうだろう、すでにアンドバリの指輪はクロムウェルの指にはないし、残っていた死肉もキースがすでに無力化している。

 

「君の兵は、もういないよ」

「…いや、まだわが友はいる。見よ、偽りの王族よ!これぞ私がブリミル様より賜った虚無の力だ!!」

 

低い小さな詠唱がクロムウェルの口から洩れる。だれも聞いたことのない言葉だ。詠唱が完成し、近くにある死体にクロムウェルが触れるがそれは起き上がることがない。

 

「なっ!嘘だ!」

「成程、彼キースの言葉は真実だったようだ。始祖ブリミルの名を偽りに用いた罪は重い、オリヴァー・クロムウェルを背信者として捕らえろ!」

 

ウェールズの言葉に周りに立っていた兵たちが一斉にクロムウェルに群がり拘束される。

 

「その指輪は」

「私が保管しておきます、水の精霊に返すにしてもまた似たようなことに使われない様にしないといけませんしね」

「そうだな、今のアルビオンにその指輪を守る力はない。貴方にお預けしよう」

「はい、確かに」

 

キースは、金属の小箱の蓋を閉め小箱と杖をアイテムボックスに仕舞いこむ。

 

「まずは、感謝を。君のおかげでアルビオン王国は滅びずに済みました。すぐに報奨をとはいきませんが、必ずこの戦果に相応しい報奨をお渡しすると約束します」

「復興してからでも構いませんよ。なんだかんだ、あっちに着いたメイジの大半は殺してしまいましたし、ここから立て直すのは大変でしょうからね」

「それにしても、君は何者なんだ?」

「今はラ・ヴァリエール嬢の使い魔をしております。しがない召喚士ですよ」




サモナーさんならゼロ魔のメイジ5万でも普通に蹂躙しそう。拠点作ってポータルガード配置すれば殲滅可能だと思っております
これ今後の展開考えるのめんどくさそうだけど、どうしてもサモナーさんだとこっち方向の展開になってしまう

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