サモナーさん関連短編集   作:cohaku

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ゼロの使い魔とのクロス。これも途中までです


ゼロ魔クロス(1)

それは、強敵を求めて未だ見ぬ風景を見るために獲物を狩りながら空中を移動している時だった。

 

「なんだ、あれは」

 

眼下には、ついこの間までなかったはずの小さな浮島。本当に小さな浮島だが何度もここを訪れているはずなのに見た事はなかった。

本来この海域に島などなかったはずなのだ。

 

「……降りてみるか」

 

何か運営の思惑があるかもしれないと思い、その島に降りる事にした。蒼月に指示をだし浮島に降り立つ。

浮島の中央には、人影が一つ。

 

『やぁ、君がこの世界で最も強い存在かい?』

 

特に特徴と言える特徴はない、優しげな好青年…若干気弱そうでヘタレ臭が漂うが。

 

「私が最も強いとは言えないな。師匠たちの方が強いだろうし」

『でも稀人の中で君が一番強いよね?』

「稀…人?」

『まぁ、いいか。此処にいるって事は最低限の実力はあるんだろうし』

 

その人は、1人納得したように頷きこちらに杖を向けた。反射的に戦闘態勢を取る。

 

『まずは、戦力を集めないとね』

 

そして光がはじけた。

 

『ポータルガードが強制解除されました』

『アイテムボックス2が強制転移させられます』

『召喚モンスターが強制解除されます』

 

(なに!?)

 

次々と表示されるメッセージに隣を見ると蒼月たちが消えていた。いつの間にか足元には、召魔の森に置いてあったアイテムボックスがあった。

すぐさまアイテムボックスを拾い、背負い直す。そしてグレイプニルに手をかけていつでも梱包出来る様に呪文も準備する。

 

『そろそろ時間だ』

 

そう怪しい人物が告げると同時に

 

ブゥン!

 

背中に緑色の鏡のような不思議なものが現れた。その存在を認めて、身体を離そうとしたが

 

ドンッ

 

『僕の故郷をお願いね』

 

何かに押され得体のしれない物の中に身体が入ってしまう。入ってしまったとたん取り込むように抗えない力で飲み込まれ始める。

 

「何が起こって…」

 

イベントにしてはおかしい。そして本能が何かヤバい事に巻き込まれていると告げている。だが、心沸き立つ危機感ではない。もっと厄介で楽しめないそんな何かを感じた。

 

 

 

 

所変わって、月が二つある異世界『ハルケギニア』。そこにある国トリステインにあるトリステイン魔法学院で今年2年生に進級する予定の生徒たちが使い魔召喚の儀式をしていた。

召喚した使い魔を見れば特異な魔法属性もメイジとしての力量も確認できる重要な儀式だ。

そんな中、召喚の儀式を何度も失敗している桃色の髪の少女がいた。

彼女の名は、ルイズ。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、トリステインの公爵家ヴァリエール家の3女である。

彼女が、最後のチャンスとばかりに使い魔召喚の儀式「サモン・サーヴァント」の呪文を改変し爆発と共に現れたのは一人の人間。中肉中背であまりトリステインでは見ない黒髪黒目の普通の男に見えた。

 

「あんた誰?」

 

男は、召喚されて戸惑っているのか辺りを見回していた。

 

「ここは何処だ?」

「はぁ?トリステイン魔法学院の事を知らないの?一体どんな田舎に住んでいる平民よ?」

 

男の言葉にルイズが不機嫌そうに返した。

 

(トリステイン?聞いたことが無い…それに平民?どういう事だ)

 

男は、本来あまり働かせない頭をフル活動しながら情報を集める。

周りには制服だろう服を着た幼い少年少女たち。その傍らには自らの召喚モンスターの様に魔物が人を襲わず付き従っている。

目の前の少女の隣には禿げ頭の大人。しかし、

 

(この人、実戦経験があるな)

 

薄れた戦いの香りがその教師であろう男から香る。戦って負けるとは思わないが、それでも警戒しておくべきだと判断した。

 

「ちょっと、平民の癖に貴族を無視するんじゃないわよ!?」

(貴族…つまりここは貴族社会なのか?)

 

少女の態度からして貴族というのは、特権階級だとあたりを付けた。平民が貴族に従うのは当たり前、そう態度が告げていた。

 

(なら)

 

男は、断片的な情報からこの場で自分が平民だと思われると後々面倒だと判断する。確かに平民だが嘗められるというのはどうにも気に喰わない。

出来るだけ、丁寧に礼を取り少女に向き合った。

 

「初めまして、異国の貴族様。我が名はキース、しがない王家の剣術指南者です」

「王家ですって!?」

「ミス・ヴァリエールが王家の関係者を召喚したですっと!?」

「ベルジック家が王家サビーネ女王陛下より任命されております」

 

たとえ平民であっても王家の者に剣術を教えているとなると下手な貴族より地位は高い。

何でも言う事を聞く平民だと思われずに済むだろう。

 

「ミスタ・コルベール!ど、どうしたら!?」

「…契約は保留にして学院長の判断を仰ぎましょう。彼の国と国際問題になるかもしれません」

 

早速効果があったようでキースは、内心で満足していた。それを表に出すようなヘマはしなかったが。

 

(しかし、変だな)

 

先程から鑑定を繰り返しているが、名前以外の職業やレベルが全く見えない…いや、存在していない。

何時もの様に「???」と表示されない。

 

(ここは、本当にどこなんだ)

 

今は警戒されるからしょうがないが一段落したら召喚モンスターを召喚する必要があるだろうと思いつつ話している二人を見つめた。

 

「ついて来てください、学院長に相談します」

「了解した」

 

ハゲの男、コルベールと少女に呼ばれていた男に呼ばれた。

 

「ミス・ルイズもついて来てください。彼は、貴方が召喚したものですからね」

(召喚…か)

 

分からないことだらけだ。メニューは使えるし、ログアウトの文字もある。だが、知らぬ言葉、知らぬ土地…

 

(一体どこなんだ此処は)

 

そう1人呟いた。

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