コロナで外出自粛が出てるせいですることが無い……
とりあえず小説書くかFGOしかやってないです自分w
薄暗い六畳ほどの部屋に、フィリアは1人座り込んでいた。
そこへ部屋の扉が開き、中に不気味なピエロ風のメイクを施した男が入って来た。
「Yeah!ご苦労だったなァフィリア〜」
ねっとりとした口調でジョーカーはフィリアに対して言った。
フィリアはジョーカーをキッと睨みながら
「あんたがここに来たって事は、もう計画の準備は始まったって事でしょう?
……なら、早くここから出しなさいよ!みんなを助けに行かないと……」
「ああ〜、お前ぇは十分に役割を果たしてくれた……」
そしてジョーカーは一呼吸置き、
「今頃は、奴らもくたばってる事だろうからなァ〜!」
「……え?」
ジョーカーの言葉を聞き、フィリアは耳を疑った。
「おいおいどうしたんだよォ〜?まるでsurpriseなプレゼントもらったような顔してよ」
表情が固まるフィリアの顔を覗き込むようにジョーカーは尋ねた。
「話が…違う!みんなは別に死ぬわけじゃないって……!」
「Ah?俺ァそんな事言ったっけなぁ〜?」
ジョーカーは首を傾げながら惚けた後、思い出したように手を叩き、
「あぁ〜〜〜悪い悪い、あのトラップに何人も落としたけどよぉ、誰一人戻ってこなかった事伝え忘れたわ」
「この嘘つき野郎!!」
フィリアは立ち上がってそう叫ぶ。
「だからヨォ、悪いとと思ったから今伝えたじゃねえか〜。
……キヒッ、いいねぇいいよぉ!その泣きそうな顔、最高だぜぇ〜!」
「みんな……今行くから!」
そして勢いよく駆け出すが……
「あぁ〜ちょっと待てって焦るなよォ。どうせ奴らはお強いからなぁ〜、大丈夫なんだろ?
……だからよ、最高ついでにもう一つ聞いてけよ」
ジョーカーがフィリアの前に立ちはだかり、行く手を阻む。
「お前ぇのお陰で、邪魔する奴がみんな消えて助かったぜぇ。お陰で最高のpartyが随分早く始められそうだしなぁ」
不気味な笑みを浮かべながらジョーカーはフィリアの顔を覗き込むように言う。
「……あんたのしたい事って、なに?」
「……SAOがクリアされれば《ホロウ》は消える、もうテストは必要ねえ。
でもでもでもぉ〜……お前ぇのお陰で、俺達は永遠に人殺しを楽しむ世界が出来たんだよなぁ〜!!」
「永遠に……人殺しを楽しむ……?言っている意味が分からない!」
「全部お前ぇが選んで決めた事だ……愛しのキリト君やツクヨちゃん、ジェネシス君を罠にはめて殺したのも……永遠に人殺しができる世界にするのも……」
するとジョーカーは両手をバッと広げ、
「全部!全部!!ぜええぇぇぇぇぇんぶ!!
俺と!おめぇで!!選んで!!決めたんだよ!!!」
仰々しく叫ぶように言った。
「違う!違う、違う違う違うちがうちがう…………」
フィリアはしゃがみ込んで両手で頭を抱え、両目に涙を溜めてひたすら首を横に振った。
そんな彼女にジョーカーは楽しげなステップを踏みながらフィリアに近づき、
「歓迎するぜぇ〜、俺たち《J》はお前ぇのような性根の腐った腐った……殺人者をよぉ〜」
「お前とは違う!!違うよ……私は……わたし、は……」
フィリアはジョーカーをの手を振り払って拒絶した。
「お?どうした?その面は何だ?笑えよ、人殺し楽しくねえのか?」
フィリアの様子を見てジョーカーは彼女の顔を覗き込む。
するとジョーカーは蹲るフィリアを蹴飛ばす。
フィリアは地面を転がってうつ伏せになって倒れ込む。
「おぉー悪い悪い、ついうっかり蹴っちまったわ。
痛かったか?……そんなわけねえよなァここSAOの中だもんなァ」
そう言ってジョーカーはゆっくりとフィリアの方に寄っていく。
────私はただ、みんなと生きたいだけなのに───
ホロウエリアに囚われてから、いやその前からフィリアはツクヨやキリト、ジェネシス達と出会うまで孤独な日々を過ごしていた。頼れる仲間も友人もおらず、たった一人で過酷な毎日を過ごしていた。
だからこそ、彼らと過ごす日常はそれまでに比べてとても心地よかった。彼らとこれからも毎日を過ごしたいと、いつしか願うようになった。
だがもうその願いは叶わない。他ならぬ自分自身がそれを壊してしまったからだ。例え彼らがまだ生きていたとしても、こんな自分の居場所などもうありはしないだろう。
「ハァ〜〜……んだよさっきからシケた面しやがってよぉ。もっと笑えよ、なぁ?」
そんな彼女の首をジョーカーは掴み、片腕で軽々と持ち上げて無理やり立たせる。
そして懐のポケットからサバイバルナイフを取り出し、そのギラリと銀色に鈍く光る刃をフィリアの口元に当てた。
「俺の口の傷の話をしてやるよ」
ジョーカーは自身の口元───彼の口元には両頬にかけて斬られたような傷跡がある────を見せ、
「俺の親父は酒癖が悪くてな、飲んでは暴れてを繰り返すどうしようもない親父だった。
ある日、酒を飲んだ親父はまた暴れ出した……しかもナイフを持ってな。それに対してお袋は包丁を持ってそれに防衛、だが親父はそれが気に入らなかった。
まるっきり ただの 少しもな。
親父はお袋を刺し殺した……俺の目の前で笑いながらな。
そして今度は俺の方を見てこう言った……
『
親父は近づいてきてもう一度言った
『
するとジョーカーはナイフの切っ先をフィリアの口内にねじ込むと話を続ける。
「親父はナイフの刃を俺の口に入れた。
『
そして……」
そこで話を区切り、ジョーカーはナイフの手に力を入れる。
フィリアの頬が徐々に切り裂かれ始めた。
その時だった。
「はあああっ!!」
突如漆黒の刃がジョーカーの腕を斬り、フィリアを突き飛ばす。
ジョーカーは後方に飛び退き、フィリアは地面に尻餅をついた。
そしてフィリアの目の前に、3人の人物が立った。
漆黒のロングコート、忍装束の女性、赤黒い装備に身を包んだ男性。
「キリト……ジェネシス……ツクヨさん……」
フィリアは小さな声で彼らの名を呟いた。
「よお。随分探したぜコノヤロー」
ジェネシスはゆっくり彼女の方を振り向きながら言った。
「みんな……どうして……?」
「言ったじゃろう、わっちらが力になると」
「ああ。それに、君が苦しんでる理由も分かった。もう大丈夫だから安心してくれ」
ツクヨとキリトもフィリアの方を振り向いて優しく告げた。
「フィリアさん、無事で良かったです!」
「本当に大変だったね。もう安心していいからね?」
地面に座り込むフィリアにサクラとアスナが駆け寄り、優しく彼女を介抱した。
「みんな……ごめん……ごめんなさいっ…ごめんなさっ……
!」
フィリアは感極まったのか、両目から大粒の涙を溢して泣きながら謝罪した。
泣きじゃくるフィリアの頭をジャンヌが優しく撫でた。
「ク…ククッ……ブフフヒャァハハハハハハハハッ!!」
そんな彼らを見て、ジョーカーは腹を抱えて狂ったように笑い出した。
「ヒヒッ、美しい事だなぁ〜……あぁぁ〜〜〜吐き気がするぜェ」
ジョーカーは笑いによって乱れた呼吸を整えながら吐き捨てるように言った。
「貴様……よくもフィリアを騙しいいように利用してくれたな」
そんな彼をツクヨは鋭い目つきで睨みながら怒気を孕んだ低い声で言う。
「ハッ!騙される奴が悪いってやつよ!てめぇらも人がいいねえ〜、コイツに殺されかけた身でありながらこんなトコまでのこのこやってくるとはよぉ」
「悪いが俺たちは、フィリアがそんな事する人間じゃないって確信があったからな。フィリアはきっと誰かに利用されてるんだと俺たちは考えただけさ」
煽り口調で宣うジョーカーに対し、今度はキリトが不敵な笑みで返した。
「ああ、コイツは実にいい道具になってくれたぜ。
ある日こんな訳もわからん場所に飛ばされて、やる事もねえからとりあえずそこらの人間どもを狩りまくってたら、こんなsurpriseなプレゼントが来やがった……」
そう言いながらジョーカーは自身の右掌を見せびらかした。
そこにはジェネシスやキリトと同じ高位テストプレイヤーに与えられる紋章があった。
「でだ、管理区にきてこの世界が何なのか知っちまったワケ。ついでにそこのお嬢さん達の事もなぁ」
ジョーカーはツクヨとフィリアを指差して言った。
「特にそこのフィリアちゃんはよぉ、俺にとっていい玩具になってくれると確信してたぜェ……現に、俺がちょっと唆したら素直にテメェらの殺しに乗っかってくれたしなぁ〜。
あともうちょいで面白ぇ事になると思ったんだがよォ……
てめぇらが来やがった」
「そりゃ残念だったな」
面白く無さげな顔でジェネシス達の方を向いて言うジョーカーに対し、ジェネシスは鼻で笑いながら返した。
「……どうしてですか……」
するとサクラが立ち上がり、ジョーカーを見据えて叫ぶ。
「どうしてそんな事が出来るんですかっ!!平気で人を傷つけて、殺したりして……何とも思わないんですか?!」
「質問を返すようだが……おめぇは人の本性はみんな善だと本気で思ってんのか?」
「……え?」
ジョーカーから返された指摘にサクラは目を丸くした。
「ヒヒッ、分かってねえなぁ〜…人ってのはみんな内側に狂気を孕んでる醜い生き物さ。
おめぇも見てきたんだろう?人の奥底に眠る醜い本性ってやつをよぉ〜?」
「っ!」
その指摘を受けた瞬間、サクラの両眼が見開かれた。
「俺はただ、人間どもの狂気を引き出してやってるだけさ……何故ならそれが俺の飯の種だからな。
何が人を狂気に陥れると思う?
それは恐怖、怒り、不安、嫉妬と言った負の感情さ。現に、このSAOにはこんな過酷な環境のせいで狂った奴らがわんさか湧いてる……」
そう言ってジョーカーは右手の手袋を外し、その甲を見せつける。
そこにあったのは、不気味な笑みで手招きをする棺桶のマーク……
「『
「貴様もあの組織に所属していたのか…」
「まあてめぇら攻略組が派手にやってくれたお陰で、今やとっくに散り散りだがな。その内俺がそれ以上の楽しい組織を作ってやる。
もうすぐ楽しい祭が始まるぜ」
ニヤリと口端を吊り上げながらジョーカーは言う。
「そんな事させると思うか?」
するとティアがジェネシスの隣に立ち、すらりと刀を引き抜いて切っ先をジョーカーに向ける。
「そうなる前に私たちが貴様をここで捉える」
「ああ。何よりフィリアを唆し利用した貴様を……わっちは決して許さぬ。覚悟するがいい」
ツクヨも両手に苦無と手裏剣を持ち、いつでも射出出来る体勢をとる。
他のメンバーも各々の武器を構えて戦闘態勢に入る。人数は8対1と言うジョーカーにとって圧倒的不利な状況である上、彼らの間合いの近さから転移結晶による離脱も恐らく不可能。
「つーわけだ。ここでてめぇは終わりだ。大人しく観念しやがれ」
不敵な笑みでジョーカーに対して告げるジェネシス。
「キヒッ…ヒヒッ……ヒャハハハハッ!!」
だがジョーカーはこの状況でも不気味な高笑いを上げ始めた。
「バーカ!俺が簡単に捕まるかよ、てめぇらが来ることが予想してなかったとでも?逃げる手段なんざとっくに作ってあるんだよぉ〜」
そう言ってジョーカーが懐から取り出したのは、ライターのような形状のスイッチ。
「この部屋には爆弾が仕掛けてある……このスイッチを押した瞬間、部屋中が大爆発だぜ」
「爆弾だと?ははっ、笑わせないでくれよジョーカー。ハッタリを言うならもっとマシな奴を言え。
爆弾なんてアイテム、このSAOに存在するわけがないだろう」
馬鹿馬鹿しいとばかりにキリトはジョーカーに言い返す。
「ヒャハハッ!ならハッタリかどうか、その目でちゃあ〜んと見てるんだな」
そしてジョーカーはスイッチを勢いよく『カチッ』と押す。
「
次の瞬間、四方の壁が轟音をたてて爆発を起こした。
平らな壁だったものが、細かく鋭利な破片となって吹き飛ぶ。
「なっ……?!」
「嘘でしょう?!」
その光景を見てキリトとアスナの両眼が見開かれた。
だが驚くのも束の間、爆発の勢いは一気に増していく。壁の次は天井から爆発し、その爆風と破片が雨の様に降り注ぐ。
そして次はいよいよ床のあちこちから爆発が起きる。
「不味い…部屋から出るぞ!」
ティアがそう叫ぶと、皆は一斉に部屋の外に走り出す。
「じゃあな。次はアインクラッドで会おうぜ、Ciao〜……ふ、フフッ、ギャハハハハハッ、ハーッハハハハハハハハハ────!!」
彼らの後ろ姿を見ながらジョーカーは勝ち誇った顔で高笑いを上げ、そのまま爆発に呑まれて消えた。
ジェネシス達が何とか部屋から出た直後、先程まで彼らがいた部屋の中が爆煙に包まれ、そして部屋の扉が閉じられた。
「チッ………あの野郎、何であんなアイテムなんか持ってやがった」
「まさか本当に爆弾がこの世界にあるなんてな……くそっ、まんまとしてやられた!」
ジェネシスとキリトが閉じられた部屋の扉を見ながら悔しげな顔で言う。
「ジョーカー……あの人は一体何者なの?」
「分からん。だが今は捨て置こう。先ずはフィリアを助けられただけよしとしようじゃないか」
「そうじゃな。大丈夫だったか?フィリア」
「うん……みんな、本当にありがとう!!」
フィリアは満面の笑顔で皆に頭を下げた。
お読み頂きありがとうございます。
ジョーカーの台詞は、ノーラン版《ダークナイト》から結構参考にしてます。気付いた方はいたでしょうか?
では、フィリア(と本作ではツクヨも)の決着が着くまであと少し……もうしばしお付き合いください。
では、次回もよろしくお願いします。