ソードアート・オンライン〜二人の黒の剣士〜   作:ジャズ

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昨日マーリンを無事引き当てたジャズでございます。
お陰で貯めてた石150個が全て消え去りました。
来てくれたのは嬉しかったのですが……言わせてください。

「マーリンシスベシフォーウ!!」

FGOキャラが続々登場してる本作品。果たしてこのセリフが飛び出す事はあるのでしょうかね……?


四十六話 二人の幼馴染〜後編〜

エリアボスを吹き飛ばした弓使いの少女を見て、ジェネシス達は目を見開いた。

 

「ふふっ、久しぶりねあんた達。元気そうで何よりだわ」

 

ジェネシスに“凛”と呼ばれた少女は笑顔でそう言った。

 

「え……ほんとに凛ちゃんなの?え?でもなんで?」

 

「……まあ積もる話はあるけれど、先にあいつを倒しちゃいましょう」

 

凛が視線を向けた先には、先ほど彼女か攻撃を受けたラグナックが起き上がって戦闘態勢に入っていた。

 

「……みてえだな。んじゃサクッと倒しちまうか」

 

ジェネシス達も武器を構えて戦闘態勢をとり、そして飛び出した。

ラグナックは前足を振り上げて3人を吹き飛ばそうと振り回すが、ティアとジェネシスが各々の剣でそれを弾く。

 

するとラグナックは口部から蜘蛛の糸をジェネシス達に向け射出した。

ジェネシスとティアは再び剣で応戦するが、その糸は粘着性があり刃に付着した。

 

「げっ!」

 

「ヤバっ?!」

 

ラグナックは二人の剣を捕らえるとそのまま身体ごと横に動かして二人を投げ飛ばした。

吹き飛ばされた衝撃で二人は地面に倒れ込み、ラグナックはそのまま二人に襲い掛かった。

 

「やらせるかっての!!」

 

凛がそう叫ぶと赤い鉱石遠取り出すと空中に放る。

すると鉱石は空中で弾け、代わりに巨大弓に赤い光を帯びた矢が装填される。

そして凛は腕を真っ直ぐに前に伸ばし、人差し指をラグナックの方に向ける。

 

「これでも食らいなさい!!」

 

その直後凛の隣の弓から赤い矢が光線の如く放たれ、それは真っ直ぐラグナックの方へ飛翔し、直撃する。

命中した瞬間、ラグナックの身体は赤い炎に包まれた。

 

「某大人気ゲームで虫が炎に弱いのは常識よね♪」

 

凛は得意げな笑みでそう言った。

彼女のいう通り先ほどのダメージはラグナックにとって大きかったのか、3本のHPバーのうち一本が既に消し飛んでいた。

 

「おいおい、二発でこれかよ……」

 

凛の弓の威力に思わず苦笑するジェネシス。

同じ遠距離武器を使うシノンが精密射撃のスナイパーライフル、ハヅキが速写性に優れたマシンガンとするなら、凛の弓は一発の威力が重いロケットランチャーと言えるだろう。

 

「お二人とも、大丈夫ですか〜?」

 

すると二人の元へオルトリアがトテトテと駆け寄り、光剣で糸を切り裂いた。

 

「ありがとうえっちゃん。助かったよ」

 

「いえいえ。それより、実体剣のお二人ではあの蜘蛛は相性が悪そうですね。

私が正面からやるのでお二人は側面からお願いします」

 

オルトリアはそう言ってもう一つの光剣を展開し、左右の手に装備すると巨大蜘蛛に斬りかかった。

蜘蛛は先ほどと同じく粘着性のある糸を吐き出すが、実体のないレーザー状の刃で容易く弾かれ、切り裂かれていく。

オルトリアが正面から蜘蛛と戦い、引きつけることで側面に隙が生じ、ジェネシスとティアの二人はそこを突いて容赦なくソードスキルを叩き込む。

3人の攻撃を受け、ボスのHPは最後の一本まで削られた。

するとボスは蜘蛛の糸を、そのエリアの端に生えている木の幹に取り付けるとそこへ向けて飛び上がった。

 

「逃しはしないわ!」

 

そこへ凛が、今度は紫の鉱石を取り出すとそれを空中に放って弾き、そのエネルギーを弓に集める。

 

「そこ……動くな!!」

 

弓から放たれた紫のビームは蜘蛛を直撃し、スタン状態に陥らせた。どうやら凛の使う弓は、赤い鉱石を使う場合は燃焼、紫なら毒という具合にやの効果が変わるようだ。

 

「では僭越ながら……私が決めさせて頂きます」

 

オルトリアが左右の光剣をくっつけて双頭刃の形状にし、麻痺状態のボスに向かって駆け出していく。

 

「オルトリアクター臨界突破。我が暗黒の光芒で素粒子に帰れ」

 

双頭刃を両手で器用に回転させて連続切り、上下、左右、斜め方向からランダムで斬撃を繰り出す。

 

「《黒竜双剋勝利剣(クロスカリバー)》アァァァァーーーっ」

 

最後に双頭刃を再び左右に分割すると、そのままボスとすれ違い様に交差するように斬り伏せる。

彼女の攻撃を受けたボスはHPが0となり霧散する。

 

「お疲れ様、えっちゃん」

 

「最後のアレ、ただの《ロイヤルストレートフラッシュ》だよね。なんだよ《クロスカリバー》って」

 

「え、このソードスキルそんな名前だったんですか。知らなかったです」

 

「知らなかったんかい。まあいいわ、勝ったんだし。

……それはそれとして、だ」

 

ジェネシスは一呼吸置いて振り返る。

 

「まさかテメェまでここにいるとは思わなかったぜ、凛」

 

「それはこっちも同じよ。ま、知り合いがいて正直良かったといえば良かったかな。

あと、こっちじゃ私は《イシュタル》だからそこんとこよろしく」

 

そして凛…イシュタルはティアとオルトリアの方に向き直る。

 

「あんた達も久々ね。こっちでも元気そうで何よりだわ」

 

「凛ちゃんもね。まさか凛ちゃんまでここに巻き込まれてるとは思わなかったけど……」

 

「雫ちゃんに同じくです」

 

「ふふっ。でも会えて嬉しいわ、雫、澄香」

 

イシュタル、ティア、オルトリアはそう言葉を交わすとハイタッチをし合った。

 

「さて、それじゃ目的を果たしちゃおっか」

 

「はい。ここのカタクリを取ればアレが作れますし」

 

そう言ってティアとオルトリアは奥に生えたカタクリの草の方へと向かった。

 

「ん?あんた達あのボスと戦いに来たんじゃないの?」

 

「あー違う違う。あのカタクリの草をとってオルトリアの店のわらび餅を作るんだと」

 

状況が飲み込めなかったイシュタルがジェネシスに尋ねる。

 

「わらび餅ってもしかして……名物のやつ?」

 

「らしいぜ。すげえ美味えらしいな」

 

するとイシュタルはその場でガッツポーズをとった。

 

「っしゃあ!生きててよかったあぁぁ!!」

 

「……まじでそんなにうまいのか」

 

イシュタルのテンションの変わりようにわらび餅に対する期待がかなり高まったジェネシスだった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

目当てのカタクリを採集し、店に戻った一行。

 

「では、早速作らせていただきますね」

 

先ずは先ほど取ったカタクリをすりつぶして片栗粉を作り、そのまま水と砂糖で混ぜ合わせる。

そして弱火〜中火で熱を加えつつ木べらなどで混ぜていき、固まってきたら火を止めて1分ほど混ぜ続けたら混ぜるのをやめ、氷水で冷やす。

黒蜜は黒糖と水を溶かして鍋に入れて混ぜ合わせ、しっとりと溶けてきたら火を止めて冷やす。

氷水に入れたわらび餅を一口サイズに分け、黒蜜ときな粉をかければ完成。

 

「出来ましたよ〜」

 

完成したわらび餅を皿に盛り、奥にあるイートインスペースで待つ三人の元へ持っていく。

 

「わー!」

 

「待ってました〜!」

 

ティアとイシュタルが手を叩いてはしゃぎながら言った。

 

「うお……確かに美味そうだ」

 

オルトリアのわらび餅は、見た目からして次元が違うものだった。

餅は綺麗に透き通っており、尚且つ自らシルバーの輝きを放っている。程よく弾力があり、テーブルに置かれた瞬間『プルン』とわずかに震えた。その上からかけられたきな粉もまた黄金に輝き、黒蜜は全ての光を吸い込むような深い黒で、それでいて艶があってトロリとしていた。

まさに《黄金のわらび餅》の名にふさわしい一品と言えた。

 

「じゃあ、食べましょうか」

 

「ええ、この瞬間を待ちに待ってたんだから!」

 

「では、皆さん……」

 

「「「いただきまーす!!」」」

 

そして皆はわらび餅を一つ爪楊枝に刺すと、同時に口内へ運んだ。

 

「んふぅ〜〜///」

 

「はあぁ〜〜!これよこれ!この食感!!堪んないわ〜!!」

 

早速口に含んだティアとイシュタルが顔を蕩けさせた。

もっちりとして、それでいてふんわりとした不思議な食感。きな粉独特の風味に黒蜜の味が交わって絶妙な甘みを編み出す。

 

「これは……うめえな」

 

「でしょう?!もう最高に美味しいでしょう?!」

 

わらび餅の味に舌鼓を打つジェネシスにティアが興奮気味に食いつく。

 

「正直この味の再現には苦労しました……これを作るのには料理スキルのスキルマは大前提でしたが、素材を集めるためには高いレベルのモンスターを狩る必要があって……その為には自身も強くならないと行けなかったので」

 

「このわらび餅を作るためだけにレベル上げしてたの?

はあ、全くあんたらしいと言えばあんたらしいけど」

 

オルトリアの独白に少々呆れた顔になるイシュタル。

 

「そういう凛は何で今になって最前線に来たんだ?」

 

「確かに。七十六層の異変はもうアインクラッド中に知れ渡ってると思うんだけど…」

 

ジェネシスとティアがイシュタルに対して疑問を投げかけた。

 

「それはね……第一層であんた達を見かけたからよ」

 

「大一層で……?」

 

「……あー、あの時か」

 

ジェネシスがいうあの時とは、以前ジェネシス達がレイとユイを保護した際に訪れた時。

 

「あの時のあんた達の強さを見て、私もいつか追いつきたいって思ったのよ。そこからは気合でやって見せたわ」

 

遠くを見つめながらイシュタルはそう振り返った。

 

「そういうことだったんだ…でも、凛ちゃんとえっちゃんがいるなら心強いね!」

 

「ん?……まあ、攻略は捗るようにはなるだろうな」

 

「私はお菓子が食べられるならそれでいいです」

 

「あんたはお菓子ばっかね……」

 

その後、四人はオルトリアのわらび餅の味を満喫した。

 

「はあ〜、美味しかったわ。ありがとうね、えっちゃん」

 

「んじゃ、ご馳走になるわ久弥」

 

「は?俺が払うの?」

 

「ごめんね久弥。私今ちょっと持ってるのが少なくて……」

 

ティアが申し訳なさそうに言うと、ジェネシスは「はぁ〜」とため息を吐き

 

「しょうがねえなぁ。んじゃ今回は俺が持ってやんよ」

 

「やったぁ♪久弥大好き」

 

「あんた達現実の時から変わんないわね〜」

 

嬉しそうな笑みでジェネシスに抱きつくティアを生暖かい目で見るイシュタル。

 

「では……お会計はこちらです」

 

そう言ってオルトリアは金額を提示する。

 

「おおぉ…………中々な値段だなこりゃ」

 

「まあ、高級和菓子を取り揃えている当店でも特に高いやつですから」

 

「チッ、痛い出費だが……わらび餅の味は本物だったしな」

 

長い顔をしつつも、ジェネシスはトレード画面で代金を支払った。

 

「毎度です。また来てくださいね」

 

オルトリアは代金を受け取るとペコリと頭を下げた。

 

「ところで、凛ちゃんはこの層で宿とかとってるの?」

 

「いいえ、私はまだここに来たばかりだからとってないわ」

 

イシュタルは首を横に振って答えた。

 

「なら、凛ちゃん達も私たちと一緒に来ない?」

 

「つかここに来たんなら結局俺たちと一緒に行動することになるんだしな。あいつらに自己紹介だけでも済ませとこうぜ」

 

「ふえ?いや、いいですけど……まだ心の準備といいますか」

 

「うるせえ!行こーう!!」

 

「ちょ、私はチョッパーじゃないですぅ〜!」

 

戸惑い気味だったオルトリアをジェネシスが軽快に引っ張っていく。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

「……と言うことで、だ」

 

「今日からお世話になるわ。イシュタルよ、よろしく」

 

「お、オルトリアです……普段は和菓子店やってるのでよかったら来てください……」

 

場所は変わって普段ジェネシス達が寝泊まりしている宿。

食堂には全員が集まっており、彼らの前にジェネシス、ティアとイシュタル、オルトリアの四人が立つ。

 

「こんな時に七十六層に来るやつがいたんだな」

 

「確かに私も驚いたかも……でも、一層賑やかになりそうだね」

 

キリトとアスナは新たな仲間の加入に嬉しそうだった。

 

「うん、まあそれはいいのよ。でもね……」

 

「多分皆さんが同じこと思ってると思いますけど……」

 

するとリズベットとシリカが苦笑いを浮かべながらイシュタルを見る。

 

「あんたその格好なに?!露出多すぎじゃない?!」

 

「そうですよ!!破廉恥です!!」

 

直後、二人はイシュタルを指差しながらそう叫んだ。

 

「確かに、その格好は流石に私もどうかと思うわ…」

 

「水着とほぼ変わらないですよね……」

 

シノンとリーファも呆れた表情で呟く。

 

「なによ、この装備は耐久値や動きやすさ、見た目を兼ね備えた一級品なのよ。まあ、確かにあなた達に比べたらちょっと肌が出てるかもしれないけど、私みたいな美ボディでなければ着こなせないわね。

ふふん、貴方達全員見惚れるといいわ」

 

「何この人プラス思考すぎる」

 

悪びれる様子もなく胸を張って言ったイシュタルを見て呆気にとられるサチ。

 

「弓使いなのか……ライバルが増えたね、ハヅキ」

 

「む……絶対負けないもん」

 

悪戯な笑みを浮かべながら隣の妹に話しかけるサツキと、同じ弓使いとして対抗心を燃やし頬を膨らませるハヅキ。

 

「あの……これ、お近づきの品として持ってきたんですけど……良ければ食べてください」

 

そう言ってオルトリアはストレージから大きな紙袋を取り出し、テーブルに置く。

中に入っていたのは、和菓子の詰め合わせだ。

 

「すごっ!これ全部オルトリアちゃんの手作りなの?!」

 

「そうですよ。素材集めから全て私がやってます」

 

「この世界に和菓子は無いからな。だからこのためにスキルを上げてたんだとよ」

 

ジェネシスの説明を聞きつつ、皆はテーブルに広げられた和菓子の山に一斉に手を伸ばす。

 

「う、美味い…!」

 

「本当、美味しい!!」

 

「現実で食べたものより格段に美味しい……!」

 

和菓子を食べた皆はその味に舌鼓を打つ。

 

「ちょっと値段は張るがな…」

 

一度その店を利用したことのあるツクヨは苦笑いをしつつ饅頭を頬張った。

 

「今回は大サービスで皆さんにタダであげます。今後は是非ご贔屓の程……」

 

「もちろんだ!こんな美味しい和菓子がゲームで食べられるなんて思わなかったからな。是非行かせてもらうよ!」

 

「……ありがとう、ございます…///」

 

仲間達から絶賛を受け嬉しそうに頬を赤らめるオルトリア。

 

「ほう?騒がしいと思ったら見慣れた顔があるな」

 

するとジェネシス達の背後から渋い男性の声が響く。

 

「あ、お父さん」

 

帰ってきたのはティアの父、ミツザネ。

 

「……え?ええ?!お、おじさん?!なんで?!」

 

「あ、どうもです」

 

彼の顔を見てイシュタルは驚嘆し、オルトリアはペコリと会釈をした。

 

「よお澄香。こっちでも和菓子店をやってるとは驚いたぜ。また美味い和菓子を食わせてくれよな」

 

「はい、ご来店をお待ちしてます」

 

「んで、凛」

 

「は……はい……その、現実ではいつもお世話に」

 

「おいおい、その事は気にすんなといつも言ってるだろう。

ま、こっちでも雫と仲良くしてやってくれ」

 

「はい!その、よろしくお願いします」

 

ミツザネはオルトリアとイシュタルの頭を撫でながら優しげな笑みと共にそう告げた。

その夜は新たな仲間を加えて夜遅くまで談笑が繰り広げられた。

 

 

 




お読みいただきありがとうございます。
と言うわけでFGOからイシュタ凛とヒロインXオルタの参戦でした。
ジャンヌに始まり、この先もFGOからさまざまなキャラを出す予定です。ただしSAO編ではこれ以上は増やさないので、新キャラはALO以降となります。
では、次回もよろしくお願いします。
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