ソードアート・オンライン〜二人の黒の剣士〜   作:ジャズ

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新年あけてもう二ヶ月経っちゃった……
どうも皆さん、ジャズです。fgoで士郎が来たり福袋で式さん引き当てたと思ったらスペイシュ復刻からの牛若イベがあり、さらにリアルの生活が忙しかったのもありなかなか執筆できませんでした。申し訳ありませんでした。

さて、今回お届けするのは……ティア推しには絶対に押さえておきたい、とあるゲームイベントを元にしております。


七十五話 デート

 アインクラッド攻略も順調に進み、残すところはあと99層のみとなった。モンスターの難易度も飛躍的に上がり、苦戦を強いられる状況下でも、皆はクリアを目指し直向きに攻略に臨む。

 そんな中、ジェネシスとティアはアークソフィアの街を2人で散策していた。この日、2人は階層攻略を休み仲睦まじく手を繋いで街を歩き回っていた。攻略が一層苦しくなった今だからこそ、休息は必須だ。今日この日の攻略はキリトや仲間達に任せ、2人はこうして数少ない休みを満喫していた。

 

「ふふっ♪」

 

 ティアは朝から上機嫌な様子でジェネシスの隣を軽くステップを踏みながら歩く。そんな彼女の隣を、ジェネシスは少し照れ臭そうに後頭部を掻きながら共に歩く。

 

「……あのなぁ、もうこの街は散々歩き回ったろ。もう目新しいもんなんざ無いと思うけどな」

 

「もぉ〜、分かってないなぁ久弥は。大事なのは、場所じゃなくて今こうして2人っきりで歩いてるってこと!」

 

 ジェネシスに対してティアが頬を膨らませながら指摘し、ジェネシスは「お、おう……」と気恥ずかしそうにしながらたじろいだ。

 

「まったくぅ〜……まだまだ乙女心に関しては勉強不足だね、久弥は」

 

「いやそんな無茶苦茶な……」

 

「あ、あそこ……すごい!新しいクレープ屋さんが出来てる!行こう久弥!!」

 

「んなっ……ちょ、そんな引っ張んなって!?」

 

 突如街の広場の近くに新しくクレープ屋がオープンしているのを見つけたティアはそれに向けて一目散に駆け出す。

 

 そんな彼らを、遠く背後から物陰に隠れて見つめる者達がいた。イシュタル、オルトリア達幼馴染2人と、ジェネシス達の娘であるAI、レイとサクラだ。

 

「あーあー、相変わらず人目も憚らず見せつけてくれちゃってまぁ」

 

「なんだか、すごく悔しい気持ちです……」

 

 ため息を吐きつつ呆れた顔でイシュタルが呟き、少々膨れ気味な顔でオルトリアが同調する。

 

「パパとママ、今日も相思相愛な様子で安心しました!」

 

「ええ。あの人達の笑顔を見てると、私達も心が温まりますね」

 

 レイは自身の両親が仲睦まじく街を歩く姿を見て嬉しそうに眺め、サクラも頷いて同意した。

 4人はジェネシスとティアが更に遠くへ行ったのを見ると、慎重に彼らの後をついて行った。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「わぁ〜、いっぱい種類があるね!」

 

 陳列された多数のクレープにティアは目を輝かせた。

 

「……」

 

 そして甘いものが好きなジェネシスも自然と目の前に並べられたクレープに目が釘付けになる。

 

「雫はどれにするんだ?」

 

「ほえ?」

 

 ジェネシスの問いかけにティアは目を丸くした。

 

「いや、一応デートだから……まあ、なんだ。奢ってやんよ」

 

 しどろもどろな口調で言うジェネシスをティアはしばし見つめていたが、やがて「ふふっ」と軽い笑みをこぼした。

 

「あははっ!もう〜、そんなに気を使わなくたっていいのに。

でも、久弥がそう言うなら甘えさせてもらうね。どうしようかなぁ〜……私はイチゴチョコクリームにしようかなぁ」

 

「んじゃ俺は……キャラメルスイートポテトにしようかね」

 

 そしてジェネシスは2人分のクレープ代を支払い、それぞれクレープを手に取って近くの噴水が設置された広場に赴き、草地に座り込んだ。

 

「あむ……んん、おいしい……!」

 

 ティアはジェネシスに貰ったクレープを一口頬張り、その甘味に頬を綻ばせた。

 ジェネシスも自身が選んだキャラメルスイートポテトのクレープを一口食べると、その味に舌鼓を打った。

 するとジェネシスはティアが視線をこちらに向けているのに気づく。ティアはジェネシスのクレープをじっと見つめていた。

 

「あの……一口、あなたのが欲しい」

 

 ティアはやや申し訳なさそうに、しかし物欲しそうな目と口調でねだった。ジェネシスは何も言わずに自身のクレープを差し出す。

 ティアはしゃがみ込んだまま前傾姿勢を取り、腕で胸元を寄せて右手で右耳にかかった髪をかきあげると、一口彼のクレープを齧る。

 

「はむっ……ん……美味しい」

 

 するとティアは反対に自身のクレープを彼に差し出す。

 

「ん、私のも食べて」

 

「お?いいのかよ?」

 

 ティアは「はい」と彼の口元にクレープを近づけ、ジェネシスはそのまま一口彼女のクレープを食べた。

 

「……んん、美味いな」

 

 彼がクレープを食べたのを確認したティアは少し頬を赤らめて

 

「えへへ……間接キス〜♪」

 

 と嬉しそうにはにかむ。ジェネシスは思わず「ぶふっ!?」と吹き出してしまった。

 

「手を繋いで、間接キス達成したから……これでノルマの2つは達成できたね」

 

「の、ノルマ?」

 

 ジェネシスがティアの口から飛び出した単語に咳き込みながら問いかける。

 

「あ、そんな大したやつじゃないよ?今日デートするに当たって『これだけは済ませよう』って言うのを私が決めただけだから。全部で3段階」

 

「さ、3段階……???じゃああと一個はなんだよ」

 

「えっとね……」

 

 するとティアは蠱惑的な笑みを浮かべながらジェネシスに擦り寄る。

 

「それはね、“2人の身体を接触させて、愛情を確かめ合う”だよ」

 

「せ……接触ぅ!?」

 

 ジェネシスは“接触”という単語に反応して思わず赤面する。

 

「じゃあ……久弥……」

 

 ティアはうっとりとした瞳で彼を見つめ、

 

「……ハグ、しよう?」

 

「は、ハグ?……ああ、そっちか」

 

 それを聞いたジェネシスはホッと胸を撫で下ろした。するとそれを見たティアは悪戯な笑みを浮かべ、

 

「あれぇ〜?久弥、何を想像しちゃったのかなぁ〜?」

 

「は?あ、いや別に何もやましいことは想像してねえからな!本当、何にも!!」

 

「んん〜?ひょっとして……」

 

 ティアは自身の太腿を指でなぞって股部に持っていき、そのまま胸元のV字ネックに指をかけ、そのままゆっくりとおろして豊かな谷間を覗かせる。

 

「“こっち”の方が、したいの?」

 

「な、何言ってんだ!!こんな街中でおっ始めるとか……!」

 

「じゃあ、街中じゃ無かったらいいんだ?」

 

 思わぬ誘導尋問を受けてジェネシスは一瞬「うぐ……」と黙り込み、すぐ様否定しようと口を開くが……

 

「いいよ……私、久弥だったら何でも受け入れるから……ね……?」

 

 そう言ってティアはジェネシスの首元に腕を回し、そっと口づけを交わそうと顔を近づけていく。

 

 その時だった。

 

「はーーいそこまでー!!!」

 

 突如後ろから静観していた筈のイシュタルが乱入し、ティアの頭を蹴飛ばした。

 

「いったぁ!?な、なに!?え?凛ちゃん?ナンデ???」

 

「あのねぇ、正直口出しもしたくなかったし、せっかく仲良くデートしてるみたいだから、邪魔しないように気をつけるつもりだったけどもう無理!街中であんなの見せつけられたら段々腹立ってきたから乱入しちゃったのだわ」

 

「ついでに私もいますよ」

 

「パパ〜、ママ〜!私たちも居ますよ〜」

 

 そしてイシュタルに続き、ムスッとした顔でオルトリアが、満面の笑顔でレイが続き、最後に気まずそうな表情でサクラが「どうも〜」とおずおずと続く。

 

「ああ、もう!久弥の事はきっぱり諦めたつもりだったけどやっぱ辞めた!!こうなったら私もイチャイチャさせてもらうんだからねー!」

 

「わ、私も……」

 

 そう言ってイシュタルとオルトリアは同時に「えーい!」とジェネシスに飛びついた。

 

「ギャーー!?な、なんだ何してんのおめぇら!?」

 

「ちょ、ちょっと!!2人とも久弥から離れてよ!!そこは私の場所なんだから!!」

 

 ティアは驚愕と同時に慌てて2人を引き剥がそうとするが、イシュタルとオルトリアの腕の力が思いの外強く中々離れない。

 

「む〜……じゃあ私もぎゅーってしちゃうんだから!!」

 

 そしてティアはとうとう自棄になってイシュタル、オルトリアに覆い被さるようにジェネシスに抱きつく。

 

「あーっ!!皆さんずるいです!パパ、私たちもです!!」

 

「あ、じゃあ私も行きますよ!!」

 

 するとその流れに乗じてレイとサクラもその上から覆い被さった。

 

「ちょっと待ってえぇ!!おめぇら、一回落ち着いて……アッーーー!!死ぬうぅぅーー!!!」

 

 その日、多数の女性に覆い被さられて絶叫するジェネシスの声が街中に木霊した。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 あれから一悶着あって、少女たちははしゃぎ疲れたのかジェネシスの目の前ですやすやと草原で寝息を立てている。

 

「……ったく、人をあんだけ玩具にしといててめぇらはさっさとおねんねってか」

 

 ジェネシスは自身の横に寄りかかるように眠るティアやイシュタル達を眺めて1人そう愚痴をこぼした。そんな彼の頬を、さわやかな風が優しく撫でるように吹き抜ける。

 1人、ジェネシスは心中でこの穏やかさに少しホッとしていた。しばらく激しい戦いが続き、心身共に疲弊していたので、こんな日が続いたら……と柄にもなく願ってしまう。

 だが、無常にも運命は彼に、その仲間たちに戦いを強要する。いつかこのゲームを終わらせるために。

 

 この日の夜、攻略を終えたキリトたちがついに99層のボス部屋を発見したと報告し、彼らはいよいよ目の前まで迫った試練にいっそう身を引き締めた。

 

 だが、この時彼らはまだ知らなかった。この後待ち受ける、想像を絶する試練の難易度を。

 

 そしてその後に待ち受ける、とある悲劇を……。

 




お読みいただきありがとうございます。
原作ではプレミアが来た事で修羅場とかしていましたが、今作では幼馴染そして娘たちが来た事で一波乱起きることとなってしまいましたw

さて、次回はいよいよあのボス戦に入ります。リアルの生活が忙しくなって来ましたが、なるべく早く更新できるようがんばりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

そして、後ほど活動報告にてご連絡いたしますが、このお話の更新を機に本作の鍵を解除したいと思います。そちらも含めよろしくお願いします。
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